インタビュー
「World of Tanks Console」パブリッシングプロデューサー斎藤智弘氏インタビュー
次の「ガルパン」コラボを企画中! 10月からスウェーデンツリーが実装へ
2017年9月25日 01:10
「World of Tanks」ファミリーの次男坊である「World of Tanks Console」。最大勢力を誇るPC版と、日本を含めモバイル市場が大きい国で急成長を遂げているモバイル版「WoT Blitz」の間に挟まれて何かと肩身の狭い存在だが、日本のユーザーに朗報なのは、ついに「World of Tanks Console」専門のパブリッシングプロデューサーが就任したことだ。
6月に就任した斎藤智弘氏は、カプコンやバンダイナムコ、スクウェア・エニックス等で開発やローカライズを担当した10年以上のキャリアを持つプロフェッショナル。最後に担当したのは8月10日に発売された「ロックマン クラシックス コレクション2」で、著名なローカライズタイトルでは、スクウェア・エニックスの「コールオブデューティ モダンウォーフェア3」。
「World of Tanks」については、PvPのゲームが好きだったことから、入社前から友人に誘われて小隊を組んで遊んでいたということで、実は戦車や戦争にそこまで関心はなかったものの、プレイしているうちにどんどん関心が出てきたという。
APACプロデューサーに就任してみて、「World of Tanks Console」のアジアでの運営状況をどう感じているか。これは筆者が、APACのプロデューサーに就任した方に、もっとも聞きたかった質問だ。
斎藤氏は苦笑しながら、「ハッキリ言って弱いですね」とあっさり認め、「グローバル展開しているタイトルで、欧米が市場として強いので、アップデートが欧米寄りになるのは仕方がないとはいえ、アジアオリジナルの要素が少なすぎる」と語った。
「『ガルパン』の戦車が1台、『ヴァルキュリア』の戦車が2台、これぐらい。しかもいずれも最近の話で、サービス開始期間からするとまだまだ少ないですよね。ですから今後もう少し色んな事ができたらいいなと考えています」と抱負を語ってくれた。
今後やってみたいことについては、まずはコラボで、「新しいコンテンツのコラボを仕込むのではなく、すでにコラボしたタイトルを着実に伸ばしていきたい」とし、「たとえば、『ガールズ&パンツァー』は、1台しかコラボ戦車がない、でも実際にはたくさんの車輌がある。ほかの戦車も入れたいですよね」と新たな「ガルパン」コラボに意欲を見せた。
アニメで人気車輌を、コラボ車輌はTier V、Tier VIあたりをターゲットに導入し、「戦場のヴァルキュリア」で実現した搭乗員ボイスも実現したいと、夢は大きい。
ただ、すでに契約済みだったり、確定しているわけではないようで、「まだ目下検討中というステータスです。いまバンダイビジュアルさんに土下座しています、おでこが赤くなるぐらい」と笑いながら語ってくれた。
現在制作中のアニメ「ガルパン 最終章」とのコラボの可能性については、「バンナムさんの方でも戦車ゲームを開発されているので、その兼ね合いもあると思いますが、タイミングとしては最高なので、アニメ公開に前後して何かできれば嬉しいと考えています」とこちらも意欲を見せてくれた。
先月実装された新PvEシステム「War Stories」の手応えについては「世界的にはポジティブだが、日本に関しては、ローカライズが甘いというご指摘を頂いている」とコメント。「『モダンウォーフェア3』のローカライズ経験がある斎藤さんなら、我々ユーザー以上に目に余る箇所が多いのでは?」とツッコミを入れると、「はい、今絶賛修正を依頼していて10月、11月を目処に修正が掛かる予定で、“戦物語”という謎の表記は消えます(笑)」とビシバシ修正していく考えを明らかにした。
今後については、現在、シカゴの開発オフィスに、日本語が理解できるスタッフがいないため、日本語については斎藤氏らウォーゲーミングジャパンのスタッフが事前にチェックできる体制を整えていくという。
気になるアップデートプランについては、まず「War Stories」については、現行の3ステージ単位のエピソードを2~3カ月に1回ペースで拡充していく計画が進行しているという。年内は、ドイツによる英本土侵攻作戦を迎え撃つ「シーライオン」と、キューバ危機で戦車戦が発生してしまうと言うIFを扱った「ケネディの戦争」の2本のシナリオを導入する。
戦車については、「WoT Console」にもスウェーデン戦車ツリーがいよいよ導入される。チェコのようにプレミアム車輌から順番に実装していく予定で、Tier VI中戦車Strv m/42-57とTier VIII駆逐戦車Strv S1の2輌が10月より販売される。ツリーの実装は年内の見込み。
直近の目標としては、「まだ入社して3カ月なので業務に慣れること、その上で、APACのプロデューサーとして入社したので、アジアのユーザーが喜ぶコンテンツ、アジアといってもコンソール版は日本のシェアが大きいので、日本を中心にやっていきたいという。とりわけ攻略したいのは『ガルパン』ということで、コンソール版とも相性が良いことから「年内に何かできたらいいんですが」と新コラボに意欲を見せてくれた。「ガルパン」ファンはぜひ期待したいところだ。