インタビュー

【特別企画】もっとおいしく、もっと楽しく! 「ビールアワー」インタビュー

タカラトミーアーツの“ビールへの挑戦”、ついにクライマックスへ!

「ビールアワー 極泡ポータブル」

3月16日発売

価格:2,980円(税別)

20歳以上対象

 タカラトミーアーツが発売した「ビールアワー 極泡ポータブル」は、“ビールをより楽しく、おいしく楽しめる”商品である。ビールの缶の上に商品を接続し、ビールを注ぐ時にスイッチを入れると超音波でビールにきめ細かい泡が発生、ビールの上部をこの泡で蓋をすることで、ビールの炭酸が抜けず、さらにこのきめ細やかな泡で心地よいのどごしが味わえる。

超音波できめ細かい泡を発生させる

 実はこのハイテクアイテムは、タカラトミーアーツの“集大成”といえる商品である。タカラトミーアーツは2011年より「ビールを楽しく注げるアイテム」、「超音波で泡を発生させる」、「持ち運びができるビール注ぎアイテム」など、様々なアプローチで商品を展開し、ついに「ビールアワー 極泡ポータブル」で、“持ち運び可能な超音波泡発生マシン”を開発、これまでの技術を結集した商品を生み出したのだ!

 タカラトミーアーツは「おかしなカキ氷 ガリガリ君」を皮切りに、「玩具メーカーでしかできない食べ物へのアプローチ」を挑戦し続けている。今回はビール商品をはじめとして様々な商品を手がけている和田香織氏と、「ビールアワー 極泡ポータブル」担当者の中村友香氏にインタビューを行ない、独特のアプローチと、本商品の開発秘話、こだわりを聞いた。

【ビールアワー 極泡ポータブル】
シックな大人向けを意識した商品だ

おもちゃメーカーがビールに挑戦! 6年の集大成が登場

――タカラトミーアーツさんは、2011年からビールを対象とした商品を手がけていますが、そもそもなぜ、タカラトミーアーツさんが「ビール」に挑戦したんでしょうか。

ビール商品をはじめとして様々な商品を手がけている和田香織氏
「ビールアワー 極泡ポータブル」担当者の中村友香氏
第1弾の「ビールアワー」。写真はリニューアルした2016年バージョン
超音波で泡を発生させる「ソニックアワー」
味香り戦略研究所による実証データ
シックなデザイン。メンテナンスも考えられている

和田氏: もともと、私が担当するずっと前、10年以上前にタカラトミーの方で、「なんちゃって」シリーズというものがあったんです。そのときにビールを対象とした商品があって、缶を回転させて冷やすものや、ビールサーバーなどがあったんです、そのときはヒットしたんですが、そのままになっていました。その過去のヒットがあったので、タカラトミーアーツで大人向けに改めて出そうか、といって第1弾の「ビールアワー」を出しました。

 「ビールアワー」は注ぐ際にスイッチを入れると内部で羽根が回りビールを泡立てるシステムで、価格も1,900円(税別)に抑えて商品化しました。おもちゃメーカーとしてのノウハウを活かして耐久性も持たせて、デザインも実用性を感じさせるものにしています。これはかなりヒットしました。

 実はこの企画は「おもちゃ会社が大人向けアルコール飲料を扱うのか」と言うところで、社内でも色々意見が出ました。しかし実現する原動力になったのは、営業の部長さんの後押しでしたね。普段のおもちゃには厳しめの意見を言う人なのに、「ビールアワー」に関しては、「これは売れるよ」と強くプッシュしてくれたんです。いつもと全く違う“食いつき”を見せるそのテンションの高さに私も驚きました(笑)。そして彼の食いつきは見事にお客さんにも伝わり、ヒットになって、現在までシリーズが続くことになったんです。

 「ビールアワー」は大人向けを意識して、デザインなども凝って、作りました。この方向性が受けましたね。そしてビールサーバー型の「テーブルビールアワー」など商品ラインナップは充実していきます。これまでのおもちゃとは異なり、このシリーズは、シンプルで、使いやすさを重視して作っています。男性の年配の方でも使っていただけるように、そして価格を抑えることにも気をつけています。

――「ビールアワー」は良くできていて、感心したんですが、これを毎年出すのではなく、超音波を当てるものや、サーバー型も含め、どんどん企画が膨らんでいったのはどうしてでしょうか。

和田氏: 「ビールアワー」のヒットで、ビール会社さんや、飲料メーカーさんから声がかかるようになり、「シールを集めてプレゼント」というような、キャンペーン商品を作らせていただくことになったんです。そのときにより幅広く意見をいただけて、それが今後の商品ラインナップの指標となりました。

 このコラボレーションで聞けたビール業界や飲料メーカーからのお話は参考になりました。「高級感が欲しい」とか、「お店の雰囲気を家に持ちこんでいきたい」とか、キャンペーン商品を作る中でもラインナップの方向性に影響を与えました。

 方向性の異なる商品としては、「ジョッキアワー」という商品も出しています。そちらはプラスチックの小型のジョッキ風の容器にビールを注ぎ、スプリングを使ったギミックで衝撃を与え、泡を発生させるシステムでした。”おもちゃらしさ”を前面に出した商品で、こちらはその年のおもちゃ大賞のハイターゲット部門で大賞をいただきましたね。初期は「おもちゃ感」と「実用性」が混在する、手探り状態の商品ラインナップでした。

――そこから「超音波を当てる」という、おもちゃからいきなり家電製品のようなアプローチが出てきましたね。

和田氏:「ソニックアワー」です。バーなどで超音波を当ててビールを泡立てる機械を見て思いつきました。お店にある機械を家で出せれば良いなと。そのときは私はまだ担当ではないのですが、かなり苦労したということです。機構の開発にまず2年もかかったそうです。

 第1弾になる「ソニックアワー」はグラスの底面に超音波を当て、泡を発生させていました。その後グラスの側面に機械を押し当てることでより汎用性が高くなった「ソニックアワー ポータブル」という商品も販売します。

 もう1つの方向性が「氷点下ビール」が流行ったときに出した「極冷」シリーズです。塩、氷、水を本体に入れ、これをモーターを使って撹拌することで、ビールをさらに冷やすというギミックを使っています。冷やすという方向性も新しい商品ラインナップに繋がっていきました。

――そういった歴史の中、「持ち運びやすいサイズ」と「超音波で泡を発生」というこれまでの商品を統合した、“集大成”といえる商品が、「ビールアワー 極泡ポータブル」ですね。

和田氏: そうですね、これまでの「ソニックアワー」シリーズではグラスを媒介にしていました。「ビールアワー 極泡ポータブル」は、「ビールアワー」と同じように缶の上部に取り付け、注ぐ際に超音波を当てるので、紙コップでも泡が楽しめるようになりました。どこでも使えて、超音波での泡ができるというところで、おっしゃるとおり、集大成、そしてある意味“究極”といえる商品になったと思います。

――中村さんは新人として「ビールアワー 極泡ポータブル」担当者となったとのことですが、おもちゃ会社に入っていきなり大人向け、ビール、というところでお気持ちはどうだったでしょうか。

中村氏: 私は元々食品関係の商品を手がけたくて入社したので、担当になると言われたときは「やった!」とガッツポーズでした(笑)。私は農学部の出身で、就活は食品関係の会社を回っていたんですが、タカラトミーアーツが食べ物関係の面白い商品を手がけているということを知って入社を希望したんです。担当できて本当にラッキーですね。

――ビールを扱う商品なので、やっぱり色々試してみたりするんでしょうか。

中村氏: ビールは元々好きなんです。お酒は結構好きですね(笑)。この商品は超音波を当てて泡を発生させているのですが、超音波が当たる角度や強さ、位置などで泡の立ち方が全然違うんです。調整がうまくいっていないと、クリーミーさが出なくなってしまいます。

 泡は見た目で細かさは確認できますが、味は実際に飲んでみないとわからないので、帰宅後、1人で試作品を試していました。やっぱり、泡が細かい方が断然おいしい。私を含む何人かの開発スタッフが意見を出して、「この泡がいいね」というのが、今回の「ビールアワー 極泡ポータブル」になっています。

 プライベートでもビールを意識するようになりましたね。お店に行ってまずビールを注文して、「なるほどあのビールサーバーを使っているのか」、「この泡はうちの商品の勝ちだな」とか、色々な感想を持つようになりました(笑)。

――今回は「味香り戦略研究所」のデータも裏付けとして使われていますね。

和田氏: ビールメーカーさん達とつながりが増えた一方で、「競合製品」も多くなってきたんです。特に家電メーカーさんがこの業種に参入してきています。その中で弊社の商品をどうアピールするか、味香り戦略研究所さんの客観的なデータを使うことで、他の製品と差別化できれば、と考えました。

 実際試すと、本当にビールのきめ細やかな味は、違います。ビールの上にきめ細やかな泡を注ぐことで蓋をし、ビールの炭酸が飛ぶのを防ぐんです。これは内部を振動させ泡を出していたこれまでの「ソニックアワー」とは違いますし、きめ細やかな泡、というところで「ビールアワー」以上のおいしさを実現できました。

――「ビールアワー 極泡ポータブル」はデザインもシックで、落ち着いた感じですね。

中村氏: 大人向け、そして「味にこだわっている」というのを伝えたくて、高級感を感じさせる落ち着いたデザインにしました。パーティグッズのような、派手だけれども日常では使いづらいような「華やかさ、楽しさ」というのではなく、家に置いていても違和感のない、いつも使ってもらえるデザインにしました。

 「これでビールを注ぐとおいしいから、いつも使おう」と思っていただきたいので、そのため、メンテナンス性、手入れのしやすさも考えています。超音波を発生させる機構と、ビールを注ぐ所はパーツで分かれ、ビールを注ぐ所は丸洗いできるようにしています。

 缶と密着する部分のパッキンを含めて3パーツ、他は分離しないので手入れはしやすく、部品はなくさないようにしています。この商品を使う方を中年の男性に想定しているので、まずそういう方に受け入れていただくデザインにしています。そして、簡単に掃除ができる、難しくない商品を目指したんです。

和田氏: 今回の「ビールアワー 極泡ポータブル」はタカラトミーアーツの“本気”を見てもらいたいです。本気でおいしいビールが作れますし、デザインもおもちゃメーカーという枠をあえて踏み越え、使って貰いやすい、実用的でシックなデザインを目指しています。かなり“本気”で開発した商品ですね。

「みんなが一言言いたくなる」、食べ物系ならではの楽しさ

――ちょっと「ビールアワー 極泡ポータブル」から離れて“食品系”の全体をお聞きしたいですが、タカラトミーアーツは食べ物系で色々な商品を手がけていますよね。

ガリガリ君をふわふわのかき氷にする「おかしなカキ氷 ガリガリ君」
和田氏が印象深いという「魯山人納豆鉢」
2人の言葉からは“楽しさ”と“おいしさ”への想いが伝わってくる

和田氏: この業種で大きな注目を浴びるきっかけとなったのが、「おかしなカキ氷 ガリガリ君」です。ガリガリ君を容器にセットし、回転させるとガリガリ君の味そのまま、食感が全く異なるふわふわのかき氷になる。それから持ち運びができる筒状おにぎり「スマート飯」でも話題を集めました。

 その後も様々な商品を出していますが、思い出深いのは「魯山人納豆鉢」です。容器の中に納豆を入れてハンドルを回すと高速で納豆をかき混ぜることができ、美食家で名高かった芸術家の北大路魯山人が「納豆は良くかき混ぜた方がコクが出ておいしい」といったその納豆を再現できます。305回混ぜてから醤油を入れるというタイミングを提示するなど、こだわりの納豆製作ができます。

――食品を扱うことで、ユーザーさんは増えましたか。

和田氏: 大人のユーザーをより多く捉えられたと感じています。これまでのクッキングトイはおいしいお菓子作りなど、女児向けのものが多かったですが、より幅広いユーザーに向けての商品開発ができるようになりました。

 納豆やおにぎりなどは、「日常にある食事」です。社内の企画でも感じるんですけど、こういう普通の食べ物って、みんなが「一言言いたい」って思わせるものなんだなと思いました。社内でも営業を始め、それまであまり製作側に意見を言わなかった人達が、色々意見をくれるんです。

 問屋さんや流通業者さんも食べ物系は反応が違う。みんな「一言言いたい」んだと思います(笑)。取材していただく媒体も増えました。皆さんが語りたくなるテーマなんだと思います。きっと「自分が使うイメージ」がしやすいのだと思います。女児向けのものだとそのターゲットに応じた客観的な視点での意見が出ますが、こういった食べ物系は「自分が使っている姿」を、具体的にイメージできるんだと思います。

――一方でサマーランドと協力した「ビッグストリーム そうめんスライダー エクストラ」や、かわいらしいデザインの「もみっとシェイクン」のような、おもちゃメーカーならではの食べ物とおもちゃの融合、といった商品も積極的に展開していますよね。

和田氏: 私が特に力を入れた商品というのは、……手がけたもの全てですが、「魯山人納豆鉢」は“商品化して良いかぎりぎりのライン”とはいわれて、印象に残ってます(笑)。結果として「魯山人納豆鉢」は私達の予想を大きく超える大ヒットだったんですよ。実は私この商品を手がけるまで、納豆が食べられなかったんですけど、これで食べられるようになったんです。

 実際これを使ったらおいしかったですし、「みんなが何か言いたくなる」というのは、この商品で強く実感しました。自分なりの納豆を追求したくなりました。「確かに味が変わる、この味の違いがわかった!」という実感が、私が納豆が食べられるようにしてくれました。

 「本当に、ちゃんとおいしい」というのが、私が食品関連商品を手がけるテーマです。面白く、楽しく、そしておいしく。きちんとこれらを満たす商品を、これからも作っていきたいです。

――今回の「ビールアワー 極泡ポータブル」はある意味究極と言えますが、次はどうしていくんでしょうか。

和田氏: これまでの商品でもお客さんに受け入れられたものは定番商品として販売していきます。コーナー展開していただけるお店も増え、タカラトミーアーツのビール関連商品は人気を得ているという実感もあります。

 それでも定番だけで終わらず、私達は新製品を出していますし、出し続けたいと思っています。……そうですね毎年ビール業界には“トレンド”があります。それを取り入れつつ、新製品を出していきたいと思っています。

 そして「家族で楽しく食べる」、「食べ物に一工夫加えて楽しむ」という2つの方向性でこれからも作っていきたいと思います。どちらも新しい挑戦を続けていきたいですね。

中村氏: 私は「ビール以外のお酒」にもチャレンジしてみたいです。ビールはもちろんこれからもアプローチし続けますが、「1杯目はビール」と言うのも、最近は変わりつつあるのかなと(笑)。

 ハイボール、焼酎、サワー、ワイン……色々なお酒を飲むようになっている中で、もっとお酒全般まで視野を広げた商品開発もいいんじゃないかと思います。「もっとお酒を楽しめる、楽しくなる商品」というのを作って行ければと思います。皆さんに受け入れられたら素晴らしいだろうし、私も楽しいだろうなあと(笑)。

――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

中村氏: 「ビールアワー 極泡ポータブル」は本当にビールがおいしく飲めます。ぜひこれを使って、普通のビールと、クリーミーな泡のビールを飲み比べてみてその違いを実感して下さい。お花見などの野外イベントで使えば、盛り上がること間違いなしです。何より、絶対おいしいですよ!

和田氏: ちゃんと裏付けも取った自信作です。ぜひ手にとって下さい。

――ありがとうございました。