インタビュー
「オーバーウォッチ」の新ヒーロー「アナ」の実装背景と時期は?
「ライバル・プレイ」の今後など最新情報を「OW」デザイナーに聞いた
2016年7月14日 16:13
Blizzard Entertainmentが開発を行なうWindows/PS4用アクションシューティング「オーバーウォッチ」。最近では新モード「ライバル・プレイ」の追加や、7月14日には新ヒーロー「アナ」も公開され、新展開が続々と発表されている。
今回「ライバル・プレイ」を含む「オーバーウォッチ」の最新情報について、Blizzard EntertainmentでPrincipal Designerを務めるScott Mercer氏にインタビューすることができたので、こちらをお届けしたい。
「ライバル・プレイ」や「アナ」、今後の施策などを直接聞く!
――「ライバル・プレイ」でのレーティング変動はどのようにして決められているのか?
Scott氏:最も大きいのはチームの勝敗。組まれたチームの平均レートと相手チームの平均を比べて、低かったチームが「アンダードッグ」になる。「アンダードッグ」が勝利した場合はレートが大幅に上がり、「アンダードッグ」に敗れたチームはレートが大幅に下がる。
個人的な活躍も反映されるが、そこは複雑で、例えばゲンジとマーシーは比べられない。ゲンジ同士、マーシー同士なら比べられるので、そこで個人的なレートが変動することはある。
――現在ある「ライバル・プレイ」の問題点と、解決策は?
Scott氏:まず導入については成功したと言える。しかし問題はあって、最初に挙げられるのは「サドンデス」への意見。あまり人気ではないのは認識していて、シーズン2では取り除くことを検討している。
――「サドンデス」はすでに調整が入っているが、今シーズンでさらに調整は入れるのか?
Scott氏:今シーズンは8月半ばで終わるので、大きな調整を入れている時間はない。ただし短時間でプレイアビリティが改善するなら、調整を入れる可能性はある。
――「クイック・プレイ」と「ライバル・プレイ」では、プレイ傾向の違いは見られるか?
Scott氏:違いはある。最も大きいのは、「ライバル・プレイ」ではよりボイスチャットを活用するプレイが多く見られること。「オーバーウォッチ」はチーム型のプレイを楽しんでもらうために作っているので、狙い通りのプレイ風景が見えて嬉しい。
――新ヒーロー「アナ」が公開された。実装の背景や想定するプレイスタイルは?
Scott氏:キャラクターストーリーとしては、初代のオーバーウォッチメンバーで、ヒーローの1人「ファラ」の母親。作品で初めて親族の関係性を描くということで、「見た目から『ファラ』の母親らしくする」など、苦労しながら制作していった。
実装に至るまでの背景としては、現在はサポートのロールだけ人数が少なく、新ヒーローを入れるならサポートだと考えていた。ただし他のヒーローと似たような性能のヒーローは必要ないので、尖った性能を模索していたところ、“スナイパーの狙撃で味方が回復する”のが面白いのではないかとなった。サポートで難易度の高いヒーローというのも良かった。
そこでキャラクターとしてはもともといた「アナ」と、この性能が噛みあったので、実装することとなった。
プレイスタイルについては、戦場での状況判断が大事になる。アナの銃撃は敵に当てればダメージ、味方に当たれば回復となるので、その場の判断が問われるテクニカルなヒーローになっている。
「バイオティックグレネード」は爆発範囲内のキャラクターに影響をあたえるもので、味方であれば体力を回復し、さらに回復量も上昇する。敵であればダメージを与え、回復も無効になる効果がある。
またアルティメットの「ナノ・ブースト」は、味方1人の移動速度上昇、攻撃力倍増、ダメージ半減の効果を与えるもので、味方との組み合わせで絶大な力を発揮する。他のヒーローとは違う方法で協力できるし、どうプレーヤーが扱うのかを見るのも楽しみだ。
――「アナ」の実装時期は?
Scott氏:なるべく早く。現在はテストサーバーでプレイできる状態だが、そこで見つかったバグは取り除く必要があるし、今月中を目指していきたい。コンソール版の時期は言えない。
――「ライバル・プレイ」以外での現状の問題点は?
Scott氏:メジャーなものはない。日々のフィードバックを参考に、細かい修正は行なっている。マーシーのヒールビームの切り替えが上手く行っていないなど、細かいところをフィードバックで参考にしつつ、短期間で直せるようにしていきたい。
――2016年内に追加するヒーローやマップについて、何かヒントを。
Scott氏:2016年度という点では、「アナ」だけではない。新ヒーローのプロトタイプは今も開発しているので、どこまで実装できるかは未定。マップも2016年内実装に向けて開発中。
またチームで気に入っているゲームモードが1つあるので、それが年度内に実装されるかも。
――先日アートワークが公開された「ソンブラ」については何か話せますか?
Scott氏:何も言えない。
――「アナ」のオリジンストーリートレーラーで、初代オーバーウォッチメンバーの中に新しいキャラクターがいましたね。彼らについて話せることは?
Scott氏:……(言えない、という意味で肩をすくめるポーズ)。見つけてくれて嬉しいよ。
――トレーラーには謎の16進数も含まれていますよね。
Scott氏:(ニコニコしながら)ミステリアスでしょ?
――プレーヤーが1,000万人を超えたことを受けての感想は?
Scott氏:とても嬉しいし、刺激になっている。今後の改善も含めて、やることは多いし、様々な施策に取り組んでいきたい。
またこれまでBlizzardのゲームが日本ではなかなか日の目を見ることがなかったが、日本のみなさんに「オーバーウォッチ」を楽しんでもらっているのも嬉しい。もっと日本のみなさんにも情報を届けていきたい。
――世界大会は考えているか。
Scott氏:考えてはいるが、e-Sportsへの最適化という意味では、「プレイするのが楽しいもの」から「見ていて楽しいもの」にならないといけないと考えている。観戦モードがBlizzardとして満足するものになっていないので、その改善も模索中だ。
――日本アニメが好きなスコットさんだが、今期のお気に入りのアニメは?
Scott氏:うーん、「ReLIFE」かな? 今期は始まったばかりだし、忙しくて決めきれていない。ただ、数話見て視聴を決めるようなものよりも、まったく期待していなくて、それからドハマリするアニメが見たいとは思っている。
――ありがとうございました。
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