名だたる難コースが造られた理由としては信じがたいが、Nurburgring は1927年、アイフェル地方の山岳地帯の公道で行われていたレースの安全性を高めるという目的で建設された。しかし、過去に行われてきたレースの精神を尊重して、北コース(Nordschleife) には公共の有料道路を使用。touristenfahrten という一般開放日には、料金を払えば誰でも体験走行できる。1周のコーナー数は73にのぼり、ヘアピン カーブやバンクがついた「Karussell(カルーセル)」、スピードにのったクルマがジャンプする「flugplatz(飛行場)」などがある。入り組んだサーキットは「die Grune Holle(グリーン ヘル)」というニックネームで知られるが、これはコースの大部分が深い森の中を縫っていくことから名付けられている。多くの自動車メーカーがNordschleifeをハイパフォーマンスモデルにとって究極のテスト コースだと位置づけており、「リンク」を最速で駆け抜けるクルマという称号を巡ってタイトル争いが繰り広げられた。しかし、1980 年代前半まで北コースで行われたグランプリなどで幾度も危険な場面があったことから、1984 年には安全性を高めたグランプリ専用サーキットが建設された。以来、Nordschleifeの曲がりくねったコースを利用するメインイベントはニュルブルクリンク24 時間レースへと移った。真の耐久性が問われるこのレースには、資金が十分にあるチームだけでなく、競技への参加条件を満たしたアマチュアも参加できる。「リンク」と呼ばれるこのコースで過去に「Ringmeisters(リンク マスター)」の座に輝いてきたレーサーにはアスカリやクラーク、ファンジオ、スチュワート、サーティース、そしてイクスとそうそうたる名前が並ぶが、Nurburgring での栄光はアマチュアレーサーにも開かれている。
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