かつて懸け造りの本堂の荘厳さを誇ったこの古寺は、平安時代に無名の僧が戦死者の亡骸を拾い集め、塚を建てて供養したのが始まりと伝わる。しかし、寺は長き戦乱を経て主を失い、その境内にひしめく墓は全て無縁仏となった。弔う者を失った死者たちの怨念は、行き場なく彷徨い、いつしかあやかしと成り果て人を襲うのだという

かつて懸け造りの本堂の荘厳さを誇ったこの古寺は、平安時代に無名の僧が戦死者の亡骸を拾い集め、塚を建てて供養したのが始まりと伝わる。しかし、寺は長き戦乱を経て主を失い、その境内にひしめく墓は全て無縁仏となった。弔う者を失った死者たちの怨念は、行き場なく彷徨い、いつしかあやかしと成り果て人を襲うのだという