「電遊道」~Way of the Gamer~ ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ

ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ【第29幕】

BORN TO BE GAMER~日本のゲームをこよなく愛するイタリア人ゲーマーを紹介!~

東京から10,000キロ離れたイタリアには、思ってもみなかった和ゲー好きなイタリア人が存在していた!毎回、彼らの自宅に訪問し、宝物を見せてもらいます!そして、インタビューでゲーマーとしての人物像を掘り下げます。ゲームの持つ本来の魅力を再発見しましょう!

【今回のゲーマー】
名前:アレッサンドロ
年齢:33歳
職業:ウェイター
好きなジャンル:シミュレーションRPG

 今回のコレクターは、北イタリアに住むアレッサンドロさん。彼は両親と一緒に老舗レストランを営んでいる。もちろん自分の仕事は好きだが、毎日汗を流して頑張っている理由の1つは大好きな日本のゲームを購入する為だそうだ。

 貯金は毎年、日本に旅行する為に使っているそうだ。日本のゲームの舞台になったロケーションを観光するのが楽しみの1つだ。もちろん、秋葉原でのショッピングも欠かせない。これまで、秋葉原で買った日本のゲームは数えきれないほどで、部屋に大切にしまっている。

 アレッサンドロさんがお気に入りのジャンルは主に2つ。セガの「Initial D」シリーズを始めとしたレーシングゲームと、シミュレーションRPGだ。しかし、ファンタジー系のシミュレーションRPGではなく、バンプレストの「スーパーロボット大戦」シリーズをこよなく愛しているそうだ。日本語を勉強し始めたのも、「スーパーロボット大戦」の台詞を理解するためだとか。僕に似たようなイタヲタだなと思った。早速、アレッサンドロさんの部屋に隠された宝物を見てみよう!

「スーパーロボット大戦」シリーズの携帯ゲーム機用の作品が勢ぞろい
ドリームキャスト用の「スーパーロボット大戦α」やセガサターン様の「スーパーロボット大戦F」など
ニンテンドー64用の「スーパーロボットスピリッツ」と「スーパーロボット大戦64」
スーパーファミコン用の「第3次スーパーロボット大戦」と「スーパーロボット大戦EX」。「マジンガーZ」も
PS2用の「スーパーロボット大戦」シリーズの作品や、ロボットをテーマにした他のゲームシリーズも揃っている。個人的には「GIGANTIC DRIVE」が懐かしい
プレイステーション用の「スーパーロボット大戦」シリーズの作品。その中には他のロボットゲームが確認できる
【こだわりポイント】
松下電器が発売したDVD-プレーヤーとゲームキューブを合体させた「Q」。アレッサンドロさんにとっては最高の宝物だそうだ。もちろん、ゲームキューブ用の「スーパーロボット大戦GC」も持っている

ゲーム愛を計る為のインタビュー開始!

テレビゲームとのファーストコンタクトはいつでしたか?

 僕の人生の中で最初に遊んだゲームはファミリーコンピュータ、Commodore 64用のレーシングゲーム「Le Mans」でした。それは日本のHAL LABORATORY(ハル研究所)によって開発されたゲームでした。当時はそれを全然知りませんでした。まさか、僕が最初にプレイして好きになったゲームが日本のゲームだったとはね。本当に偶然でしたね。ちなみに、当時5歳の子供でした。ああ、涙が出そう……(笑)。

あなたのゲーマー人生の中で最も独特なエピソードを語ってくれますか?

 2007年4月18日に遡るエピソードです。その日はずっと忘れられません! 3回目の日本旅行でした。「Initial D」シリーズが大好きで、友達と一緒に上野のレンタカー屋で車を借りて、ゲームのファーストステージの舞台である榛名峠に向かいました。どうしても自分の目で確かめたくて……もうあの日は鳥肌が立つほど感動しましたね。

あなたにとっての最も大切なゲームはどれですか?

 この質問に答えるのは難しいですね。何故なら、忘れられない感動を与えてくれたのは1つのゲームだけじゃないからね。じゃあ、2つ選びますね。

 1つ目は、スクウェアのプレイステーション用レーシングゲーム「Racing Lagoon」です。レーシングゲームとRPGを融合させることは、スクウェアにしかできなかったことだと思います。あれは楽しすぎて夢中になりました! 表紙に書かれた「HIGH SPEED DRIVING RPG」の文字も印象的でしたね。

 もう1つは、ゲームという言葉に当てはまらないほどの深い体験でした。それは、ドリームキャスト用の「シェンムー」です。ゲームであんなに感動するのは初めてでした。過去の日本の旅行で、友達と「シェンムー」の舞台だった横須賀に行ったことがあります。どぶ板の商店街を歩いて、ゲームに出ていた看板や店を探すのに夢中でした。あれは最高の思い出です!

日本のゲームは欧米のゲームに対して、どういう付加価値を持っていると思いますか?

 確かに欧米のゲームはハリウッド映画のように派手でインパクトがあるでしょう。グラフィックスの面でも日本のゲームを超えているとも言えるでしょう。しかし、日本のゲームには魂が宿っているのです。日本の開発者はゲームに命を吹き込むのです。ゲーム作りへのパッションを感じますね。

現在のゲームは過去のゲームに比べて何を失ったと思いますか?

 昔のゲームはハードやメモリーの制限で表現できなかった部分もあったと思います。RPGで言うと、キャラクターはドットで顔の表情も確認できなかった時代もありました。でも、グラフィックスで表現できなかった部分はプレーヤーの想像力で補っていました。台詞の1つひとつが、キャラクターのアイデンティティを理解する為にとても大切でした。今のRPGはキャラクターもリアルですし、ワールドもディテールに溢れています。しかし、リアルすぎるせいで、プレーヤーは想像できなくなったと思います。それが1番の違いなのではないでしょうか。

日本のメーカーが、どんなゲームの続編・リメイクを作って欲しいですか?

 また難しい質問ですね。迷っちゃう……(笑)。1つ目は「クロノ」シリーズの新作ですね。「クロノ・クロス」のリメイクでも大歓迎ですね。2つ目は、言うまでもなく「シェンムー3」ですね。「シェンムー2」の最後のシーンの続きがどうしても観たいです。最高の映画を観て、結末だけが観られないのと一緒ですからね。

「スーパーロボット大戦」の話題に入りましょう。このシリーズを知ったきっかけは?

 日本のゲームを輸入していた、僕の家の近くのゲームショップで初めて「スーパーロボット大戦」の存在を知りました。店長が体験させてくれた作品はプレイステーション用の「第4次スーパーロボット大戦S」でした。スーパーファミコンの作品のリメイク版でした。触った瞬間に大ファンになりました!

「スーパーロボット大戦」シリーズの何が好きですか?

 永井豪氏の「マジンガーZ」などの日本のロボットアニメで育ってきた僕ですが、ゲームを通じて、お気に入りロボットのドリームチームを作って大戦させるということは本当に夢のようです。シミュレーションRPGとしても優れていると思いますが、ロボットアニメが好き人なら、その価値は圧倒的に上がると思いますね。

お気に入りのエピソードはどれですか?

 「スーパーロボット大戦α」です。複数のロボットによる合体攻撃が最高です。ゲームでダブルバーニングファイヤーを見るのは一生忘れられないような体験です。

「スーパーロボット大戦」がローカライズされたら、イタリアでも売れると思いますか?

 売れるんじゃないかなと思います。ローカライズ作業は大変かもしれませんが、きっとこのようなゲームをずっと待ち望んでいるイタリア人が多くいると思います。僕みたいに1970~1980年代のロボットアニメのファンなら、迷わず購入するでしょう。もし売れなかったら、僕が全ての在庫を購入しますので、ご安心ください(笑)。

最後に、あなたの最もリスペクトする日本のゲームクリエーターへのメッセージをお願いします!

 繰り返しになるかもしれませんが、やはり、「シェンムー」という傑作を作って下さった鈴木裕氏にとても感謝しています。ゲームなんですが、僕の中ではゲーム以上の価値を持っています。主人公と共に悲しんだり、怒ったり、驚いたりしました。完全に感情移入できたゲームです。鈴木裕さん、本当にありがとうございました!

アレッサンドロさん、今日は本当にありがとうございました! これからも大好きな「スーパーロボット大戦」シリーズで遊び続けてね!!