【連載第77回】韓国最新オンラインゲームレポート

韓国CJ Internet/GameHI、「サドンアタック」アップデート発表会を開催
キル数が多いほどデカ頭になる「ビックヘッドモード」を始め、初心者向けの新モード続々


12月2日開催

会場:韓国エルタワー


 韓国CJ InternetとGameHIは12月2日ソウル市内に位置するエルタワーにおいて、「サドンアタック」大規模新規アップデート発表会を開催した。

 本発表会では今年の11月に韓国に実装された「ビックヘッドモード」を始めとした、2011年3月までのアップデート計画が発表された。アップデートは4つの新モード、新マップ、UIや武器の改善、経験値テーブル調整などの内容を、5つに分けて1カ月ごとに1つのアップデートずつ実装される予定だ。その日程は下の通りである。

    ・第1弾:「ビックヘッドモード」の追加、11月23日実装済み
    ・第2弾:「バンパイアモード」の追加、12月7日実装予定
    ・第3弾:新マップの追加及び、ゲーム性の改善、2011年1月実装予定
    ・第4弾:「A.I.ディフェンスモード」の追加、2011年2月実装予定
    ・第5弾:「タコマッチモード」(仮名)の追加、2011年3月実装予定

 気になる日本での実装予定については、GameHIの「サドンアタック」開発本部長であるKim DaeHuwon氏によれば、韓国での実装から2~3カ月後を予定しているという。日本での注目度も高いと思われるので、早速、アップデート内容をお伝えしたい。



■ “上手いやつは顔がデカい”。コミカルに変わった「サドンアタック」を楽しもう!「ビックヘッドモード」

GameHIの「サドンアタック」開発本部長Kim DaeHuwon氏

 今回のアップデート計画の第1弾である「ビックヘッドモード」は発表に先立ち、11月23日に韓国サーバーに実装された最新コンテンツだ。

 「ビックヘッドモード」は「Unreal Tournament」シリーズのサーバー設定の一種であるMutatorのBig Headというルールをモチーフに作られたモードだ。基本的にはデスマッチのルールで、プレーヤーがキル数を獲得すると、自分のキャラクターの頭が一回り大きくなっていき、逆に倒されてしまうと一回り小さくなっていくというモードである。

 このルールは初心者にメリットが大きい。「サドンアタック」では他のFPSと同じように相手の頭に銃弾を命中させると“ヘッドショット”となり、他の部位と比較して大量のダメージを与えることができる。いわばFPSにおいて頭部は最大の弱点と言えるわけだが、キル数を稼ぐ上級者は必然的に頭が大きくなるため、ビギナーがリベンジしやすくなるし、キルされた側は頭が小さくなって、その分“ヘットショット”が難しくなり、より有利に戦いを進められるようになるというわけだ。

 従来のデスマッチでは、高い実力を持つプレーヤーが一方的連続的にキルを稼いでいく光景がよく見られるが、「ビックヘッドモード」では、そういったプレーヤーはすぐ頭が大きくなってしまい、倒されやすくなる。これで同等の勝負ができるというところまでは行かないが、実力の差があってもお互いに緊張感を持って戦えるようになっている。

 頭は全部で11段階になっており、最大で通常の4倍まで大きくなる。ちなみに、敵を倒し続けて頭部が最大の段階までデカくなると、“無敵のビックヘッドモード”に変わり、KOハンマーを持ち一定時間無敵状態で、敵を近距離で倒していくことができる。KOハンマーは近接攻撃専用の武器で、敵を倒すと“キュートショット”というメッセージが表示される。“無敵のビックヘッドモード”が終わると頭は通常の大きさに戻る。ただそれだけだが、頭が大きくなるとただ不利というわけではなく、ご褒美が用意されているところがおもしろい。

 「サドンアタック」は今まではどちらかというとリアル向けのビジュアルだったが、「ビックヘッドモード」により、かなりコミカルなビジュアルになった。新鮮な気持ちで一風変わった「サドンアタック」を楽しめられるモードである。


【「ビックヘッドモード」プレイムービー(韓国語)】

【ビックヘッドモード】
頭がでかくなるだけでゲームの雰囲気は全く違う。かなりコミカルなモードだ

【無敵のビックヘッドモード】
無敵のビックヘッドモードになると、KOハンバーを持って敵を近距離で攻撃していくというお茶目な面も……



■ バンパイアテイストのゾンビと人間達の戦い「バンパイアモード」

バンパイアモードで登場する武器とアイテム。対バンパイア用のアイテムが多い

 アップデート第2弾として12月7日から実装される「バンパイアモード」はバンパイアチームと人間チームに分かれて、バンパイアは全ての人間をバンパイア化させることが目標で、人間はバンパイアを退治しながら一定時間まで生き延びるのが目標のチーム戦だ。ビジュアルはバンパイア対人間になっているが、ゲームルール自体は「Counter-Strike:Online」の「ゾンビモード」を彷彿とさせる内容だ。

 「ゾンビモード」との1番の違いはスキルとアイテムだ。人間側はダメージをアップさせる“怒り”や移動速度をアップさせる“狂気”を使用でき、バンパイアはHPを奪う“吸血”や“スタン”といったスキルを使用できる。アイテムの面では、武器のデザインがモードに合わせて変わり、バイブル、十字架、銀の弾丸、ニンニクといった対バンパイア専用のアイテムも登場する。

 また、「バンパイアモード」のプレイを通じてキャラクターの称号を貰える。バンパイアとして一定数の人間をバンパイア化すると“伯爵”という称号を、人間として上手くバンパイアから逃げられると“ハンター”の称号を貰えるという。称号の詳しい性能は実装されてからのお楽しみにのようだ。

 舞台となるマップは満月が見えるロンドンの夜をイメージした「バンパイアロンドン」。バンパイアのキャラクターは羽を持つキャラクターから下着姿のキャラクター、正装のキャラクターなどが登場する。ゲーム性そのものは「ゾンビモード」とそう変わらないようだが、特殊スキルやアイテムでより迫力のあるプレイができそうだ。


【「バンパイアモード」のプレイムービー(韓国語)】

【バンパイアモード】
かなりダークな雰囲気で、「ビックヘッドモード」とは異なるかなり真面目なゲームモードだ



■ de_dust2風のマップから、AIディフェンスモード、タコモードなど、様々なコンテンツが次々と追加

アップデートの内容の他に、今後チートユーザーの対応を強化するということを発表。セキュリティープログラムを強化し、運営チームを拡大するという
「サドンアタック」は今後も年2回ほど大型アップデートを実装するという計画だ

 第2弾以降のアップデートに関しては、ゲームプレイ映像やスクリーンショットが一切無く、簡単な説明のみにとどまった。以下簡単にまとめておきたい。

 まず、第3弾では、新マップが追加される。新マップは背景や舞台は異なるものの、「Counter-Strike」の人気マップであるde_dust2と似た構造を持つマップだという。また、ゲーム画面のHUDや戦闘でのアニメーションといった演出、サウンド、UIといったものが、5年前から変わっていないため、最新のトレンドに合わせて改善する。さらに、階級の経験値テーブルも再調整を行ない、レベルアップしやすくすると同時に、チャンネルを階級ごとに細かく分け、同等な実力のプレーヤー同士でプレイできるようにしていく。

 第4弾では「AIディフェンスモード」が追加される。「AIディフェンスモード」はAI操作の多数の敵を相手にしたPvE戦。プレーヤー同士の共同戦術が重要になるという。プレイ中にスキルを覚えることができ、スキルの選択によって戦略が大きく変わるという。詳しい説明は無かったが、「Gears of War」の「Horde Mode」に近いゲームモードだと思われる。

 最後の第5弾では「タコマッチモード」(仮名)が追加される。タコとはタイムとコアを併せた言葉で、開発段階での仮名だ。コアユーザーために用意されたモードで、最大3対3のチーム戦で、攻め側と守り側に分かれた戦いだという。こちらも詳しい情報がなく、今後の情報を期待したいところだ。

 「サドンアタック」は韓国において週末の同時接続者が15万を越えるほどの、韓国トップクラスのオンラインFPSだ。しかし、ユーザー間での実力の差は激しく、気軽にプレイしようとしても、一方的にやられてしまいストレスが溜まることが多い。今回のアップデートはその殆どが初心者たちのために、ストレス無くゲームを楽しめるように用意されたアップデートだという。

 気になる日本実装に関してはおよそ2~3カ月後になるとのことだが、最終的に日本での実装時期を決めるのはネクソンジャパンとなるため、時期や内容については韓国とは異なる可能性もある。ネクソンからの正式発表を待ちたいところだ。


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(2010年 12月 6日)

[Reported by DongSoo“Luie”Han]