【連載第2回】開発者が語るiPhoneゲームの最先端
■iPhone Spotlight Report■
ハドソン iPhoneアプリ統括の柴田真人氏が1年を振り返る予想外の市場の変化を痛感するが、今後の可能性にも期待
世界中でブームを起こし、携帯電話市場を一変させたiPhoneは、新たなゲームプラットフォームとしても注目を集めている。本連載では、iPhoneゲーム開発者へのインタビューから、最新のトレンドや魅力を探っていく。 |
昨年の9月に株式会社ハドソンでiPhone用ゲームアプリやモバイルゲームを統括している執行役員 新規事業本部 本部長の柴田真人氏にインタビューをさせていただいたが、あれから1年が経ち、再びインタビューを受けていただいた。
新機種のiPhone3G Sも登場して、市場も急速に変化している状況下で、柴田氏が感じた実際の市場変化や開発現場の状況、価格戦略などについて迫ってみた。インタビューでは実際に深く関わってきた担当者ではないとわからない生のお話しをお伺いすることができた。さらに、iPhoneがブレイクスルーする可能性や、ハドソンの今後のラインナップなどについても話していただいた。
■ ハドソン参入のきっかけは、jailbreak版「クレヨン・フィジックス」
ハドソン執行役員 新規事業本部 本部長の柴田真人氏。以前から同社のモバイルゲームを統括している人物で、iPhoneにも早期から手をつけていた |
――1年前にApp Storeに参入したきっかけをお聞かせください。
柴田真人氏: iPhone用で動く「クレヨン・フィジックス」のjailbreak(ジェイルブレイク。App Storeで配信されていないアプリケーションを動作させる改変行為)版をYouTubeで見たのがきっかけです。初めはそんなことができるとは知らなかったので衝撃的でした。
その後、jailbreakで遊べるいろいろなコンテンツが出始め、これは何だかとんでもないことになりそうだなと感じました。そこで社内でいろいろとアプローチして、まずは「Do the Hudson!!」というWEBサイトを2007年12月12日に立ち上げ、Ajaxベースのゲームをいくつか提供しました。そしてApp Storeが発表された後はすぐに、本格的に始動しました。
――その頃から「ボンバーマン」などのタイトルは決まっていたのですか?
柴田氏: まだ全然決まっていませんでした。実は現場では別のものを開発していたのですが、ハドソンが最初に何かを出すと言ったら「ボンバーマン」でしょうということで、急遽「ボンバーマン」に差し替えました。現場は大変なことになっていましたね。
――当時は何人くらいで開発していたのですか?
柴田氏: iPhoneアプリの開発チームは、8名くらいいました。WEBチームの方を入れるともっと増えます。社外も含めると、最初から3タイトルくらい動いていました。その後は一時期スタッフを増やしたのですが、一通りコンテンツが出そろったので、今は初期と変わらない数に落ち着いています。
【BOMBERMAN TOUCH -The Legend of Mystic Bomb-】 | ||
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ボムを置いて、すべての敵を敵を倒していく名作アクションゲームのiPhone/iPod touch版。伝説の秘宝が眠るといわれる謎の古代遺跡「カ・ブーム神殿」に、ボンバーマンが挑む。フリックやタップ、内蔵の加速度センサーを利用した操作で敵を倒すアイテムも登場する (C)2008 HUDSON SOFT |
――この1年で提供したタイトルは全部でいくつですか?
柴田氏: 無料版も入れると20数タイトルになります。
――日本のコンシューマーゲームメーカーでは、御社が最もiPhoneに力を入れていると思うのですが、何か理由があるのでしょうか?
柴田氏: iPhoneが面白いからです。ハドソンはモバイルゲームにも比較的早いうちから取り組んでいましたし、可能性のあるマーケットに対して積極的にコンテンツを提供していこうという基本的な考えも持っています。
■ 参入会社数やタイトル数の予想を読み間違えていた
――App Storeに参入してまもなく1年が経ちますが、この1年を振り返ってどう感じていますか?
柴田氏: 思った以上にマーケットが難しいですが、相変わらず面白いです。難しいけど面白いという状況は変わらないですね。
――マーケットの難しさとはどんな点ですか?
柴田氏: 企業の参入数やコンテンツの提供数は、私の想像をはるかに超えていました。ここまでオープンなプラットフォームは初めてだったというのはありますし、我々が日本にいたというのも影響していると思います。jailbreakの時代から海外ではかなり大騒ぎしていたようで、海外の企業が早くからコンテンツを作っていました。App Storeがローンチすると、やはりjailbreak時代に名を馳せた企業が出てきました。未だに「iBeer」などが売れているのは、当時から有名だったことが影響していると思います。そういうのを見ると、海外の人達の方が圧倒的に情報が早く、多かったんだなという印象はあります。私もそれなりに追いかけていたものの、それでも予想を超えていました。
――タイトル数も柴田さんの予想を超えていたのですか。
柴田氏: 半端じゃないですよ。あんなに「数独」が出るとは思わなかったです(笑)。これは最大の読み違えです。ローンチ時に8つぐらいは出ていました。弊社の「数独」は450円で、安いつもりで出していたのですが、他は100円台だったり、フリー(無料)のものもありました。モノは圧倒的にいいという自信はありましたが、やはり安さにはかなわないですね。いくらクオリティが高くても、同じようなゲーム性だと、フリーには持っていかれます。オリジナリティの高いゲームなら、状況は変わるとは思いますが。
【nikoli SUDOKU(数独)】 | ||
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タテ列、ヨコ列、3×3のブロックに、それぞれ1~9の数字を重複しないように入れていき、数字を頼りに全てのマスを埋めていく推理型ロジックパズル。各作に難度の違う全50問を収録 (C)2008 nikoli (C)2008 HUDSON SOFT |
――収益的にはどうだったのですか?
柴田氏: さほど開発費がかかっていないのと、もう1年やっていますので、トータルするとトントンぐらいにはなっていると思います。最初は弊社のコンテンツの中で1番売れるんじゃないかなと思っていたのですが、ちょっと予想外でした。オープンなプラットフォームの恐ろしさを知りました。
――御社のApp Storeでのビジネス全体で見るとどうですか?
柴田氏: トータルとしては決していい方ではないです。もちろん収益を上げているコンテンツもありますが、投資をしているコンテンツもありますので、トータル的に見ると決してよくはないですね。
■ 100円アプリが氾濫する中でのハドソンの価格戦略
――御社で人気のタイトルはどれですか?
柴田氏: 1番数が出ているのは「ボンバーマン」です。他には「クレヨンフィジックス」は安定した人気があります。あとフリー版の「パズループ」は非常にダウンロードが多いですね。
――やはりフリーだとダウンロード数が伸びるのですか?
柴田氏: 100円台のアプリと比べても、2桁くらい違います。
――有料のソフトを開発してもそんなに儲からないという状況なのですか?
柴田氏: 物によるでしょうし、開発の体制にもよります。ただ、今のスキームのままだと難しいと思います。
――ではiPhoneアプリで儲けるにはどうすればいいと思いますか?
柴田氏: iPhone OS 3.0からスタートしている個別課金や月額課金といったものや、最近聞くようになっている広告モデルなど、複合的なビジネスモデルが必要ではないかと思います。弊社もそういった展開を考えています。
――ビジネスモデルといえば、App Storeのローンチ時から見て最も大きな変化は、アプリの低価格化だと思います。御社では価格戦略をどう考えていますか?
柴田氏: 戦略といえるほどではないですが、周りがあまりにも安いために、こちらも安くせざるを得ない状況で、ちょっとずつ安くしています。1度下げると基本的には上げられないので、正直なところまだまだ下げたくないのです。例えば「麻雀刑事」の価格を下げたいという気持ちもあるのですが、我々は1,200円の価値は十分あると思って作ったものなので、値下げするのは悔しいのです。「ボンバーマン」も900円の価値はあると思っています。
とは言っても、市場が100円を求めているのであれば、ちょっとずつ下げざるを得ない、というところで下げてあります。とはいえ100円まで下げると負けた気がするので、下げても半分くらいまで。今のところは全部下げるようなことはしません。ただ、そう言って機を逃すのはもったいないので、どこかのタイミングでは値下げせざるを得ないかなと思っています。
【麻雀刑事】 | ||
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ゲームボーイアドバンス用「麻雀刑事」の移植作。新人刑事となって次々に起こる事件を麻雀で対局して解決していく「ストーリー対局」や、自由な設定で対戦が楽しめる「フリー対局」、次々に変動していくルールの中で連戦していく「サバイバル対局」等のモードで麻雀が楽しめる (C)2008 HUDSON SOFT |
――他社を見ていると、最初は1,000円近い価格で出していたのに、今は115円で売っているものが多数あります。こういう動きを見ていてどう思われますか?
柴田氏: それをやると結局、お客さんは高いものを絶対に買わなくなります。既にそういう状況になっているのですが……。北米のベスト10の内、8つか9つが100円の商品になってしまっていて、自ら市場を壊しています。そうなるとお客さんは100円の物しか買わなくなりますし、1,000円の物を出してもみんな値下がりするのを待ってしまいます。
我々はいろんな方向のビジネスモデルにチャレンジしますが、最初1,000円で出して、2、3カ月で値下げして、気がついたら全部100円、ということにはしたくないと思っています。もっとも「シュウォッチ」のような商品は、なるべく多くの方に触ってもらうことに価値があるので、なるべく安い価格で提供しますし、その分開発コストも下げています。
――先程、追加型の課金について触れられましたが、これについてはどう思われますか?
柴田氏: とても魅力的ですし、今後やっていこうと思っています。しかし、そんなに簡単ではないとも思っています。コンテンツそのものも魅力を追加しなければいけないですし、追加をしていくということは、コンテンツを継続的に運営していくということで、コストがかかります。しかも追加型にすると、売れなくてもずっと運営し続けなくてはならない責任も発生する恐れがあるので、きちんと検討しなくてはならないと思います。我々はゲーム会社なので、真面目に考えすぎているところあるかも知れませんが。
――追加型のコンテンツとしては、オンラインゲームなどが考えられますが、御社ではいかがですか?
柴田氏: もちろんチャレンジしていきたいと思っていますが、まだ企画段階なので、具体的にはお話しできません。
――iPhone OS 3.0の新しいビジネスモデルに対応したゲームは、意外と出てこない印象なのですが、作り手側としては難しい物なのですか?
柴田氏: レギュレーションが結構厳しいとも聞きますが、やり始めたところの情報を聞いたところ、意外とそうでもないみたいです。まだビジネス的に成功しているという噂は聞いていないので、運営も含めてしっかり考えないといけない状況です。マーケット的にはまだまだ大きくなると思っていますので、焦って中途半端な物を出すくらいなら、ちゃんとした物を作ってからでいいかなと思っています。
■ プロモーションの方法は試行錯誤の最中
――これまでのiPhoneのビジネスで苦労したことはありますか?
柴田氏: やはりプロモーションが難しいですね。日本の携帯電話だとバナー広告やアフィリエイト広告などもあり、ある程度の広告モデルが成立しています。iPhoneの場合は、バナーなどから飛んでいった先でアプリが購入されたのかという情報まで得られないので、アフェリエイトが難しいのです。
――特に海外におけるプロモーションが難しいと聞いています。
柴田氏: 海外でも何回かプロモーションをかけていますが、WEBサイトからの誘導は相当難しいと感じています。今のところ、これだという広告モデルは思いついていません。その中では、YouTubeはかなり効果的に機能していると思います。今のところの王道の流れは、ブログなどで取り上げられて話題になったアプリの映像がYouTubeで紹介され、その映像を見た人がアプリを検索するというものです。その他だと、アップルさんにピックアップしていただいた際のバナーからという形です。
今も情報収集と試行錯誤のレベルなので、今後どうなるかはわかりません。iモードの初期も同じような状況で、今のように勝手サイトからの広告モデルはありませんでしたから、「週刊iガイド」からの告知効果が何よりも強く、いかにそこに載せてもらえるかという形でした。
――ということは、やはりApp Storeで紹介されることとランキングに入ることが、しばらくは重要になりそうですね。
柴田氏: 特にランキング効果は大きいですが、ランキングに載っている期間は短いので、そこまで長く美味しい思いはできなくなってしまいました。それにアップルさんのバナーに載ったからといって、爆発的に売れる訳でもないのです。お客さんはシビアなので、実際に買うかどうかは価格と他の人のレビューの評価によります。
――日本と海外のユーザーで違いを感じることがあれば教えてください。
柴田氏: レビューの書き込みの質がちょっと違う感じがします。日本のレビュアーは、誹謗中傷を言い合っているのをよく見ます。海外でも文句を言う人はいますが、建設的な意見が多く、レビューに慣れている感じがします。あと、国内・海外ともにともに言えることとして、メーカーが思っている以上に、似たようなゲームに対しての抵抗が少なく、いわゆる「パクリ」ゲームが出ていても意外と容認してしまっています。弊社の「数独」もそうですし、「パズループ」と似たようなゲームも出ています。そんなゲームはとんでもないという意識がメーカーにはあったのですが、ユーザーにはあまり関係ないみたいです。我々が作っていない「ボンバーマン」もありましたから(笑)。
■ 日本市場でiPhoneのブレイクスルーは400万台!?
――日本でのiPhoneとiPod touchの販売台数を足すと100万台という数字も聞きます。ゲームのプラットフォームとしては魅力的な数字になりつつあると思いますが、今後の日本市場はどうなっていくと思いますか?
柴田氏: まだ伸びるのは伸びていくと思います。やはり使いやすいですし、可能性も感じます。マーケットに関しては、コンシューマーゲームとはソフトの価格の桁が違いますので、日本だけで見ると100万台の市場で100円でしか売れないというのは厳しいです。しかし、全世界4,000万台の市場で見た時には、100円でも可能性はあるでしょう。
日本だけで考えるなら、iPhone単体ではないビジネスが必要だと思います。例えばiPhoneのアプリで会社の名前を売りたいとか、ひとつのIPの受け口として出しつつ他のプラットフォームでも展開するとか。そういう風に見るのであれば、ひとつの場としてはありだと思いますが、日本だけで儲けるというのはマーケットとしては厳しいです。
――例えば、日本でどのくらいの台数が出ればブレイクスルーが起こると思いますか?
柴田氏: 200万台がひとつのきっかけになって、400万台くらいがブレイクスルーの数かなと思っています。NTTドコモさんのiモードがそうで、弊社が参入した時に100万台くらいでした。当時から勢いはあったものの市場としてはまだまだで、400万台を越えた頃からインパクトが来たというイメージがあります。
■ 9月に1年がかりの超大作が新登場!!
オリジナル作品となる「とある騎士団と幻のお城」 |
――御社の今後のラインナップを教えてください。
柴田氏: 9月に「とある騎士団と幻のお城」という完全オリジナルタイトルを提供する予定です。開発に1年かかった大作です。ジャンルはタクティカルRPGで、日本のRPGのテイストと、欧米で人気のあるリアルタイムストラテジーを混ぜたものになります。全部で4人のプレーヤーキャラクターをマルチタッチ操作で同時に動かしながら、敵をやっつけてステージをクリアしていきます。1人のキャラクターが最大2人のサポートキャラクターを連れて行けるので、最大で12人を同時に動かすことになります。最後は画面いっぱいのモンスターと戦ったりもします。プレーヤーの操作は大変になると思いますが、オートで動かせるようにもなっています。iPhoneの特長も使っていますし、グラフィックスや音楽もすべてオリジナルです。
――ボリューム的にはどのくらいになるのでしょうか?
柴田氏: 「エレメンタルモンスター」と同じかそれ以上です。クリアするには20時間以上はかかると思います。クリアの仕方もいろいろバリエーションがあります。
――大ボリュームですね。
柴田氏: iPhoneのゲームとしては、前代未聞だと思います。このゲームの開発に当たって私がスタッフにオーダーしたのは、「マニアのためのマニアなゲームを作りなさい」ということです。おかげで、コンシューマーゲームに負けないようなクオリティとボリュームになりました。コンシューマーゲームに精通しているスタッフが作りましたので、複雑な技があったりもしますが、初心者にもわかりやすくなっていて、どなたでも楽しめると思います。
――iPhoneのゲームの場合、通勤通学途中やちょっとした合間に遊ぶ人もいますが、短時間でも遊べますか?
柴田氏: ちょっとした時間で遊べるステージもありますし、本格的な長いステージも用意しています。武器の合成やチームの編成もでき、本当に奥が深い内容になっていますので楽しみにしていて下さい。
――価格はいくらになりますか?
柴田氏: 今は1,000円はつけられないので、600円から700円くらいを予定しています。
――それはとても楽しみですね。しかし、なぜこのような大作ゲームをiPhoneで開発しようと思ったのですか?
柴田氏: コンシューマーゲームの開発では、最初にプラットフォーマーにお伺いを立てる必要があります。それでOKが出ないと開発できません。しかしiPhoneの場合、まず先に開発して、出すことができます。しかもそのゲームを、ユーザーの評価を元に強化していくことも可能なのです。さらにその後、そのゲームを他のプラットフォームに移植するという戦略もとれますし、できあがったゲームを市場に問う場としてもありかなと考えています。全部が全部、このような形ができる訳ではありませんが、力のあるチームを使った時には、こういう展開もできるかなと思っています。
【とある騎士団と幻のお城】 | |
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複数のユニットを同時に操作する、RTSの要素も含まれたタクティカルRPG。音楽も凝って作られた、大作と呼ぶにふさわしい作品 (C)HUDSON SOFT |
――新しい形の展開ですね。この他のタイトルには何かありますか?
柴田氏: 同じく9月に向けて「世界ジャンケン」というジャンケンのゲームを作っています。世界中の人とリアルタイムにジャンケンして、勝った負けたを3Dの地球儀の上に、ピンを刺していくと言ったゲームで、勝率などを競えます。あと純日本的なホラー物を開発しています。ライトな内容になっており、家庭用からの移植ではないですが、半オリジナルになります。
【世界ジャンケン】 | |||
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名前のとおり、世界中の人とじゃんけんができるアプリ。じゃんけんをした相手の場所を、地球儀に打たれたピンで見られるのがユニーク (C)HUDSON SOFT |
――家庭用からの移植物の予定はあるのでしょうか?
柴田氏: ありません。今開発している物は、ほぼオリジナルです。
――多数のタイトルを持っている御社が移植をしようと思わないのはなぜですか?
柴田氏: 弊社の場合、ワールドワイドに向いたタイトルが少ないのです。移植自体はゲームによりますが、比較的やりやすいんです。iPhoneの場合は海外が主戦場なので、海外展開に向いているのかなと考えてしまいます。また、タッチパネルに合うのかというのがありますし、昔のゲームボーイのソフトを移植しても、本当に遊んでもらえるのかという思いがあります。
――以前、雑誌「Hanako」とコラボレーションしたアプリを出されていましたが、今後もそのような展開はあるのでしょうか?
柴田氏: それも考えていきたいですし、まだまだこれからのものだろうと思っています。雑誌系とのコラボレーションアプリも増えてきていますし、市場的にも広告モデルの展開がかなり進んできているので、リアリティが出てきています。また、単にアプリを売るだけではなく、いろんなところとコラボレーションというのはあるとは思います。
――iPhone OS 3.0ならではの機能を使ったゲームを出す予定はありますか?
柴田氏: 今回発売した「ボンバーマン TOUCH 2 ボルケーノ・パーティ」はBluetoothを使った対戦が楽しめますし、追加課金システムも導入していきたいと思っています。
【ボンバーマン TOUCH 2 ボルケーノ・パーティ】 | ||
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「BOMBERMAN TOUCH」の続編で、Bluetoothを利用した通信プレイにも対応。広大な地下迷宮を舞台に、爆弾を仕掛け敵を爆破していく。前作を大幅に超えるステージ数で、CPUを含め4人対戦できるバトルモードや、2人で協力しながらプレイできるチャレンジモードも用意されている (C)HUDSON SOFT |
――iPhone 3GS専用アプリというのは予定されているのでしょうか?
柴田氏: 市場の問題がありますので、いまのところはないです。遊べるユーザーの数を狭くしてどうするのかというのはありますが、将来的に十分な台数が普及すれば検討すると思います。
――最後に読者に向けて一言お願いします。
柴田氏: 最近、新作として「振って!飛んで!快盗ムーンダンサー」というアプリを出しました。これは本当にiPhoneに向けて、力のあるクリエイターが作った渾身の作品です。その他にも先程紹介したようなiPhoneオリジナルのゲームをたくさん作っていきますので期待していてください。ハドソンのゲームを遊んでいただいて、もし何かあれば随時ご意見をいただければと思います。iPhoneにはまだまだ未来があると思っています。これからもハドソンのチャレンジも楽しみにしていてください。
【振って!飛んで!快盗ムーンダンサー】 | ||
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「快」盗ムーンダンサーとなって、真夜中の街を自由自在に飛び渡り、追っ手をかいくぐりながらオタカラをゲットしていく、アクロバットアクションゲーム。主人公はタップ操作でムーンワイヤーを張り、本体を振って空中スイングして進んでいく。本作ならではの気持ちいいアクロバットを体感できる (C)2009 HUDSON SOFT |
□ハドソンのホームページ
http://www.hudson.co.jp/
□「Do the Hudson!!(β)」のページ
http://www.dothehudson.net/
(2009年 8月 7日)