【連載第6回】開発者が語るiPhoneゲームの最先端

iPhone Spotlight Report

「バイオハザード」シリーズを次々リリース!!
カプコン手塚氏が語る今後の戦略

 世界中でブームを起こし、携帯電話市場を一変させたiPhoneは、新たなゲームプラットフォームとしても注目を集めている。本連載では、iPhoneゲーム開発者へのインタビューから、最新のトレンドや魅力を探っていく。



8月31日 収録


 コンシューマーゲームでヒットを連発している株式会社カプコンが、iPhone/iPod touchに向けて「バイオハザード」シリーズを次々にリリースしている。1作目はCG映画原作の「バイオハザード ディジェネレーション」、2作目はシリーズ4作目をiPhone向けにアレンジした「バイオハザード4」である。

 これらを開発することになった経緯や、気になる今後の展開などについて、カプコンの開発統括本部 MC開発部長兼プロジェクト企画室長の手塚武氏にインタビューを行なった。


【スクリーンショット】
「バイオハザード4」……コンシューマー版の世界観をiPhoneで実現。ゾンビを倒していくサバイバルホラーシューティングゲーム「バイオハザード ディジェネレーション」……ゾンビであふれた空港を舞台に、生存者の救出と脱出を目指す。全11チャプターを収録



■ iPhoneで「バイオハザード」をリリースすることになった経緯

カプコン開発統括本部 MC開発部長兼プロジェクト企画室長の手塚武氏。同社で長年モバイルゲームを手がけ、新たにiPhoneにも着手している

――まず、手塚さんが所属する部署について教えてください。

手塚武氏: 我々の部署は、携帯電話向けのコンテンツを開発してきている部署で、これまでモバイル版「バイオハザード」や「ロックマン」など、コンシューマーで発売している人気ゲームをモバイルに最適化して制作しています。

――iPhone用ゲームを開発することになった経緯を教えてください。

手塚氏: iPhoneが出たから参入を決めたというわけではなく、新しいデバイスに関しては積極的に対応していこうと考えていました。実際には商用サービスがある程度見えてから参入しましたが、SDKが配布され、App Storeができるとわかった段階から参入する前提で動いていました。参入のタイミングは、開発環境がきちんと整って、市場として成立するのが見えた段階でスタートしています。

――市場が成立ということは、海外に向けての展開が中心ということでしょうか?

手塚氏: iPhoneは米国で最も台数が出ているので、どうしてもそこが主戦場になります。ただ、実際にゲームをリリースして売上やダウンロード数を見ると、日本のユーザー数も多くて驚いています。イギリスやフランスよりも日本の方が多いのです。端末の数だけで言うと、イギリスやフランスより日本の方が少ないと思うのですが、購入者数は日本の方が上になっています。日本のユーザーは購買欲があると言いますか、積極的に遊んでもらえているのかなと感じています。

――日本のユーザーが世界と違うはどんなところだと思いますか?

手塚氏: 日本でiモードが誕生して今年で10周年になりますが、これまでの10年間で、コンテンツをダウンロードして購入することに抵抗がないお客様が増えた結果だと思っています。海外だとそれほどハイエンドな端末がないため、ダウンロードして購入することに対して、まだまだ抵抗のある方が多いのかも知れません。日本においても、iPhoneのコマーシャルで簡単にアプリが買えることを紹介していますが、日本の携帯電話はそもそもそういう市場だったので、比較的ユーザーに理解してもらいやすいのかなと思います。もちろんゲームに対してユーザーの理解度が高いというのも、ひとつ大きいところではあります。

――カプコンの第1弾、第2弾が「バイオハザード」シリーズになったのは戦略的な意味があるのでしょうか?

手塚氏: 先ほど話したように北米がメインの市場なので、弊社のタイトルの中でも特に北米に強いタイトルを最初に持ってきたかったのです。それと、モバイル版の「バイオハザード」が先にあり、その開発で使っていたミドルウェアがiPhoneにも対応したおかげで、いち早く作れたということが大きな要因です。

――ちなみに開発に使ったミドルウェアは何でしょうか?

手塚氏: 「バイオハザード ディジェネレーション」は株式会社Ideaworks3D Japanのミドルウェア「Airplay SDK」です。これはBREWやSymbian OS、N-Gageといった、主に海外の端末に標準で対応できるミドルウェアです。「バイオハザード4」は、株式会社エイチアイの3D描画エンジン「MascotCapsule eruption」を使っています。

――元々ミドルウェアに対応したモバイルゲームがあって、それを持ってこられたので順調に開発できたわけですね。

手塚氏: はい。もちろん中身はアップグレードされていますし、iPhoneにはハードウェアキーがないので、対応するのに結構な時間がかかっているのですが、ゲーム部分は比較的早く開発できました。




■ バーチャルパッドで快適に操作できる秘密

「バイオハザード4」のバーチャルパッド。状況に応じてタッチパネルのアクションボタンが切り替わる

――iPhoneのゲームを開発するにあたって、苦労した点はありますか?

手塚氏: 1番大きいのは、ハードウェアキーがないところです。俗に「バーチャルパッド」と言われますが、画面上にパッドのようなものを描画して、それでコントロールします。iPhoneの場合、マルチタッチスクリーンや加速度センサーを使った特殊な操作ができるということで、それらを使った操作を望まれる方も結構いらっしゃるのですが、向いているゲームとそうでないゲームがあります。「バイオハザード」においては、バーチャルパッドでの操作がやりやすいということで、バーチャルパッドを使うことにしました。

 手抜きだと思われるかもしれませんが、実際は単純にパッドを描画して、それを押したら動かしているというだけではありません。「バイオハザード」では、プレイした感覚を活かして、細かいチューニングを行なっています。バーチャルパッドの開発には相当な試行錯誤があり、その結果、圧倒的に遊びやすくできていると自負しています。

――他のゲームではバーチャルパッドで遊びにくいものもありますが、「バイオハザード」はちょっと違う感覚があり、操作しやすいですね。

手塚氏: あまり言うとネタバレになってしまうのですが(笑)。内部的には、検知するポジションと描画するポジションを微妙にずらしています。ユーザーがそこに指を置いているつもりでも、実際にはそこに指が置かれていないケースが結構あります。そういう認識のずれを、描画をずらして対応しています。

 iPhoneにハードウェアキーがないことは弱点になり得るのですが、逆に工夫次第でいろいろなことができると考えています。プレーヤーの体力が減ると、ボタンアイコンの色が変わったり、インジケーターも兼ねた描画でインフォメーションもできるようにしてあります。今後ボタンの大きさをゲーム性に応じて変えたりと、ハードウェアキーがないが故にできることが増えてくるのではないかなと思っています。現在開発しているタイトルにも、そういうアイデアもいろいろと盛り込んでいますし、今後もゲームの状況によって操作系が変わる仕組みを進化させていきたいと思っています。

――「バイオハザード」のような拳銃で敵を倒していくゲームの場合、敵をタップして倒していくゲームになりがちですが、そこであえて十字パッドを使って操作するタイプにしたのはなぜでしょうか?

手塚氏: 「バイオハザード」で敵が3匹出てきた場合、1番近くの敵を攻撃しないとやられてしまうというのがゲーム性としてあります。そこで照準を十字キーで動かして狙うことによってジレンマが発生し、面白味が生まれてきます。画面をモグラ叩きのようにタップして倒すようになると、あまりにもノーストレスでタップできてしまい、どういう順番でも倒せてしまいます。これだとユーザーが選択して正解を導き出す面白さがなくなってしまうので、採用しませんでした。

 実際には結構悩んだところではあり、1度はタップで操作するものもトライしてみましたが、やはりあまり面白くなりませんでした。これは元々のゲームから遠すぎるのかなと思い、結果的に今回のような形になりました。カプコンのゲームは、ゲーム性が評価されていると理解していますので、単純な遊びやすさではなく、面白くするためにはどうしたらいいのかを優先して開発しています。




■ どこまで作りこみ、いくらにするのかが問題

――他に苦労した点はありますか?

手塚氏: 「どのレベルの完成度が求められているのか」という点で悩みました。日本の携帯電話で作ったゲームは、iPhoneで見ても十分にいいものに見えるので、横滑りで作られるメーカーもあると思います。しかしそれではiPhoneのパフォーマンスを100%活かしているとは言い切れません。iPhoneでゲームをするお客様が、単純な暇つぶしとして買われているのか、それともゲーム体験を重視して買われているのかが見えにくく苦労しました。

 iPhoneの場合、ハードウェアのパフォーマンスが高いので、ハードウェアを100%活かしたものを作ろうとすると、当然開発期間も長くなりますし、コストも高くなってしまいます。そうなると価格に跳ね返ってきますし、それで本当に買ってもらえるかはわかりません。開発コストとゲーム体験とのバランスには悩みました。iPhoneのゲームは、よくできているからと言って価格が高い訳ではなく、安いからといってつまらないわけでもありません。お客様からすると、選択が難しい市場になっていると思います。

――ユーザーからの反応はどうでしたか?

手塚氏: App Storeのレビューに書き込むユーザーはヘビーなお客様が多いと思うのですが、そこを見ていると、ゲームファンの方には非常にいい評価をいただいていると感じています。「カプコンが作るなら、これくらいのことはしてもらわないと」というのがあるようで、「これほどのことをしてくれるからこそカプコンだ!」という形でいい評価をいただけています。

――価格はどう決めたのですか?

手塚氏: 「バイオハザード4」を900円、「バイオハザード ディジェネレーション」を800円にしました。App Storeでは非常に安いゲームも多かったので、当初はもう少し下のプライスにすべきかという話もありました。しかし、低価格だと逆にクオリティが中途半端な物だと取られかねません。我々には1,000円以上で売っても満足してもらえるクオリティだという自負はありますが、さすがに1,000円台になると購買意欲が下がってしまうと判断し、この価格にしました。プレイしていただいたお客様からすれば、高いとは感じないはずだと思っています。

――かなりのボリュームがありますし、価格の面でも満足できました。ちなみにiPhone OS 3.0の新機能には対応していませんが、何か検討はされたのですか?

手塚氏: タイミングが合えば、iPhone OS 3.0の機能に対応させたかったのですが、開発の終盤で出てきたので今回は見送りました。「バイオハザード」でBGMをiTunesライブラリーから選べるようにしてもいいのではないかという話もあったのですが、勝手に雰囲気の違う音楽をかけられてもテイストが薄まっておかしくなってしまうので、今回はそういう機能はなしにして、逆にiPhone OS 2.0の機種から全てに対応することを優先させました。

――現在開発しているタイトルでは、iPhone OS 3.0のコンテンツ課金機能を使ったものは出てきますか?

手塚氏: 今後出てくるものでは、何らかの対応をしているゲームはあります。どういうものをいくらくらいの単価にするのかは、現在のところは未定です。お客様の反応によって結構変わるとは思いますので、慎重に考えているところです。




■ ミドルウェア対応により素早く出せたiPhone版「ディジェネレーション」

――長編フルCG映画「ディジェネレーション」をモバイルゲーム化することになった経緯について教えてください。CG映画が作られる段階からモバイルゲーム化の話はあったのですか?

手塚氏: 映画化の話を聞いてすぐにゲームも作り始めたので、映画とゲームが並行で進んでいました。全世界でDVDを発売するということでしたので、ぜひ同じタイミングでモバイルゲーム化したいと思っていました。モバイルゲームはコンシューマーゲームとは違い、より一般のお客様が多い市場です。「バイオハザード」は既に実写映画もあり、知名度も高いのですが、ゲームをされていないお客様もたくさんいます。そこでDVD版が発売の時にモバイルゲームを出すことで、相乗効果で一般の方にもゲームを楽しんでもらえるのではないかということで、作ることになりました。

――CG映画版と同時に開発というのは苦労されたのではないですか?

手塚氏: モバイルゲーム版では、CG映画に登場する空港での出来事だけをゲーム化しています。構想段階では映画の中盤まで入れて、もっとストーリーを追えるようにしたかったのですが、ストーリーはCG映画の方で楽しんでもらう形にして、空港シーンを拡張してゲーム化しました。おかげでCG映画を観た人でも、CG映画では描かれていないシーンがゲームで楽しめるようになっていて、両方楽しめるようになっています。

――全世界でほぼ同時にリリースするのも大変だったのでは?

手塚氏: これまでは日本版を作った後に海外版を作るという流れでやっていましたが、それでは世界同時にリリースできません。そこで今回はミドルウェアの「Airplay SDK」を使って開発することで、KDDI版、Verizon版、N-Gage版をDVDの発売と同タイミングでリリースできました。しかも「Airplay SDK」がゲームのリリース直前に、iPhoneにも対応できるという話になりました。ですのでiPhone版はかなり短期間で作りましたね。


【スクリーンショット】
空港に突っ込んできた旅客機からゾンビが次々と登場してくるCG映画では映像化されていない飛行機の中の探索を、ゲームで堪能できる「バイオハザード」でおなじみのクレアも登場。CG映画の空港での救出劇を拡大してゲーム化してある
CG映画で出てきたロン・デイビス上院議員などもゲームに登場CG映画には出てこない巨大な化け物が襲ってくるシーンもあるクリア後にはマーセナリーモードが登場。制限時間内により多くのゾンビを倒してハイスコアを目指す



■ 「バイオハザード4」はグラフィックスにこだわって開発

――続いて「バイオハザード4」ですが、iPhone版を含むモバイル版はコンシューマー版とはちょっと違う雰囲気のゲームになっていますね。

手塚氏: 携帯電話で短時間で遊べるようにアレンジしています。端末の性能が限られていますので、その範囲内で取捨選択しながら制作しています。モバイルゲームにする時には、毎回工夫しながら作っています。

――ゲームの難易度が高めのように感じますが。

手塚氏: 難易度をどのくらいに設定するのか、かなり悩みました。モバイルゲームはいろいろな方が遊ばれますので、難易度調整も重視していく必要があると思っています。

――トータルプレイ時間はどれくらいを想定していますか?

手塚氏: 熟練した人なら2時間くらいでクリアできると言われています。普通のプレーヤーなら、おそらく5時間以上かかるのでは。

――攻略に苦戦している人に向けてのアドバイスはありますか?

手塚氏: 結構、逃げた方がいいです。逃げずに遊んでいる人も多いと思いますが、ゾンビが接近してきたら、逃げてから固めて倒していくと、かなり楽になると思います。

――先程ミドルウェアの話がありましたが、「バイオハザード4」と「ディジェネレーション」は異なる開発環境で進められたのですね。

手塚氏: 「ディジェネレーション」で使っているミドルウェアの「Airplay SDK」は、多数のハードをカバーできるのが特長です。「バイオハザード4」で使っているエイチアイの「MascotCapsule eruption」は、どちらかというとパフォーマンスを最大限に引き出すことを重視しています。「バイオハザード4」のゲーム画面を見ていただければわかるのですが、3D描画のクオリティがこれまでのiPhone用ゲームとは相当違います。ですから「バイオハザード4」は絵作りを徹底的にこだわって制作しました。自画自賛になってしまいますが、iPhoneで出ている3Dグラフィックスのゲームの中では、断トツにできがいいと思っています。

――どのくらいの制作期間で作られたのですか?

手塚氏: 実質4カ月くらいという短期間で作られてはいます。もちろんそれは先にモバイル版があったからです。

――モバイル版からの移植に関しては苦労はなかったのですか?

手塚氏: そこは苦労しなかったです。「ディジェネレーション」でやっていたバーチャルパッドを、どのような形でブラッシュアップして実装するかという部分と、絵的な部分をどのように向上させていくかというところでは試行錯誤しました。

――この2タイトルについて、ユーザーへメッセージがあればお願いします。

手塚氏: シリーズ物なので、どちらかだけでいいのではないかと思われる方もいるとは思いますが、全く質の違うタイプのゲームになっていますので、両方ともプレイしていただければと思います。無料のLite版も出ていますので、まずは体験していただいて、面白そうだと思ったら、完全版を遊んでみてください。


【スクリーンショット】
ストーリーモードではアシュリー救出の為の物語が楽しめる。全12ステージを収録巨大な化け物との対決シーンもある。何発も銃弾を浴びせて倒していく武器の改造やアイテムの合成もできる
高得点を目指していくステージクリア型のマーセナリーモードは、全24ステージで楽しめる武器やアイテムなど、決められた条件のもとで制限時間内に敵を倒していくマーセナリーモードで獲得したお金はストーリーモードで使える



■ 今後の展開は本格派とカジュアルの2本立て

手塚氏は2タイトルを出して、手ごたえを掴んでいる様子。今後どういったものが出てくるのか楽しみだ

――今後もカプコンならではの骨太なゲームを出していく予定ですか?

手塚氏: そこは二面性があります。ゲーム会社のカプコンに求められている物を頑張って作っていくというところと、ゲームユーザーをもっと増やしていきたいというところです。カジュアルなゲームも我々が作って、そちらでもユーザーの評価を得られるような形にしていきたいと思っています。iPhoneの所有者は音楽ユーザーがメインだったりするので、あまりゲームに寄った物を出し過ぎると、市場とずれてしまうと思っています。カプコンのコアとなる文化を守りながら、そうではない物も出していこうと考えています。

――タイトル的にはコンシューマーで人気のあるものをアレンジして出していくだけではなく、オリジナルも出していくということですね。

手塚氏: もちろん、コンシューマーゲームで親しみのあるカプコンブランドを、携帯電話でも遊べるように最適化していくことは続けていきます。それとは別に、全く新しいオリジナルなタイトルも並列してやっていきます。市場に向けて制作したゲームと、カプコンブランドを市場に最適化した物の2つを出していきます。

 例えばカジュアルなゲームとしては、10月5日にパズルゲーム「BombLink(ボムリンク)」をリリースしました。フィールドにある多数の爆弾を回転させて導線を繋ぎ、両サイドから落ちてくる炎で点火して爆発させていくゲームです。元々はパナソニックさんの携帯電話に長年プリインストールされていたものでした。開発は弊社ではなく、パブリッシングタイトルとしてカプコンからリリースして欲しいとリクエストをもらい、共同でやっています。

――パブリッシングも手がけるようになったのには何か理由があるのですか?

手塚氏: iPhoneのゲームの場合、ランキングの100位から落ちると、売上が急激に下がるという大きな問題があります。そのため、数多くリリースして、最新作から他のタイトルへ誘導してやらなければいけないところがあります。単独の会社でもApp Storeに配信できますが、露出の面で苦労します。そこで弊社からパブリッシングすることによって、弊社の他のタイトルと連動することで目立たせることができます。もし独立系のデベロッパーの方でカプコンからのリリースを希望される方がいらっしゃいましたら、我々はぜひ話をお聞きしたいと思っています。パブリッシングしたタイトルで人気が出れば、カプコンのタイトルの露出も増えますので。

――プロモーションには、どこの会社も苦労していますからね。

手塚氏: そこがデジタル流通のキモの部分で、見えない物は売られていないのと同じという感じになります。そこをどうやってリカバーしていくかが、今後は非常に重要になってくると思っています。

――やはり御社でもプロモーションには苦労しているのですか?

手塚氏: モバイル系のゲームの場合は大抵そうなのですが、ソフトの単価が安いこともあって、プロモーション費用もふんだんに使えません。コンシューマーゲームの場合、店頭で売られていることが物理的にわかるのですが、デジタルの場合は探しに行かないと見つけられません。予算がない中でどう告知していくかが非常に難しく、永遠の課題になっています。iPhoneの場合、App Storeの“What's Hot”でいかに取り上げてもらうかがキモになるかと思います。弊社では基本的にいいタイトルを作って、それを評価していただき、露出してもらうということを頑張ってやっています。

――プロモーション展開的には他に何か考えていますか?

手塚氏: 今後の新しい試みとして、アプリからの告知のようなものを始める予定です。他社と共同で進めていて、アプリを遊んでもらったお客様に、他のタイトルを告知できるようになるものです。

――最後に、今後のラインナップについて教えてください。

手塚氏: 具体的にはまだ話せないのですが、いくつかのラインが動いています。その中にはコンシューマーゲームファンがアッと驚くようなカプコンブランドのタイトルも開発していますので、楽しみにしていてください。

――期待しております。ありがとうございました。


(C)CAPCOM 2009
(C)2008 CAPCOM CO.,LTD./biohazard CG Film Partners

(2009年 10月 6日)

[Reported by 川村和弘]