山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第56回

「DARK SOULS III」の追加DLC第2弾「THE RINGED CITY」がボリュームもえげつなさもがっつりで、夢中でプレイした話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

春は別れの季節でもありますが。ついに「DARK SOULS III」の追加DLC第2弾「THE RINGED CITY」が配信されました。これにて「ソウル」シリーズの幕が下ろされます。

配信を心待ちにしていた僕は「THE RINGED CITY」が配信されるやいなや早速ダウンロードして、そのまま一気に遊び倒したのですが、今回のDLCはボリュームがかなりあって、「1,200円のDLCとはとても思えない……」と何度も驚きつつ進めました。

エリアの数々も、まさにシリーズ集大成といった感があって。「この場所……なぜか既視感があるような……はっ!」となるようなところもあり、そうした見覚えのある土地や建物の使われ方がダイナミックに変わっていて、高低差もふんだんに活かした手強いマップを構成しています。

「DARK SOULS III」を、ひいては「ソウル」シリーズをたっぷり遊びこんだ人向けといっていいもので、その難易度、手強さ、「ここを進めっていうんですかい? 正気ですかい?」と“初見では”思わずにいられない場面の連続。

“初見では”というのが大切で。いつのまにやら凶悪な難易度のゲームみたいなイメージがついたような気がする「ソウル」シリーズですが、それはあくまでファーストプレイ、第一印象の話。

人間やればなんとかなるとはよく言ったもので、ちゃんとなんとかなりますし、なんとかしていくしかないですし、なんとかしたあとは「意外とイケる」みたいな感想に変わります。

そういう意味では、ゲーム好きを育ててくれるスパルタ教官のような、ギリギリのいい難易度を持っているシリーズだったなぁと。ゲームプレイの雑なところを削ぎ落としてくれるような存在とも思えます。

DLC「THE RINGED CITY」の方に話を戻すと、訪れるエリアの光景、その壮観さも見事なもので。

「ウィッチャー3 ワイルドハント」を筆頭に海外タイトルの例が顕著ですが、DLCのクオリティや求められるハードルというものがどんどん高まっていくなぁという思いもあります。

そこに待ち受ける脅威やトラップも、思わず笑ってしまうというか。見覚えのある罠であっても、本当にきわどい場所にレイアウトされていたりして、「そこまでやるかっ!」と思わされます。

最も気になるのはストーリーや世界観、このDLCを考察していくことでわかっていく(わかりかけていく)であろうアレコレなわけですが、

こちらはネタバレになってしまうので、あまり触れられませんけど、このDLCではシリーズの世界観や物語を考察し続けてきた人にとって、「え、これは……どういうこと?」となるような存在が、かなりの密度で込められている印象です。

といっても、まだ一通りをプレイしただけなので、僕もこれからひとつひとつを整理していかないと、まだまとまりがないような状態なのですが……。

いわゆるフロム脳(あまり明確に答えが描かれることがないフロム・ソフトウェアのタイトルに対して考察が過熱する人、または状態)なんていう俗称もあったりしますが、このDLCでも、各種のフレーナーテキストやエリア内に何気なくあるオブジェクト類から、いろんなことが考察できる面白さがありそうです。

というわけで、DLC「THE RINGED CITY」をプレイしてのあれやこれやを好き勝手に書き散らしたわけですが、

最後のDLCであり、「ソウル」シリーズはこれで最終作ということですが……

やっぱり寂しいんですよね。

ダークファンタジーという位置づけではありますが、純然かつオリジナルなファンタジー作品としてもここ10年の中では世界屈指のクオリティと深みを持ったシリーズだったと思えます。

印象深い場面も数え切れないほど。

初めて竜の炎のブレスでこんがり焼かれたYOU DIED

初めてミミックを見たときの衝撃と爆笑、そこからの恐怖、そしてYOU DIED

竜狩りオーンスタインと処刑者スモウにオフラインプレイで挑み続け、積み重ねたYOU DIED

どれもこれも書き連ねるとキリがないですが、「なんだか、どれもこれも大変だったんだけど……面白かったなぁ」なんていう、苦難と面白さと達成感が交じり合ったような、鮮烈なシーンや思い出をたくさんのプレーヤーの心に焼き付けたシリーズだと思います。

でも、ひとつの終わりの後に。

次に生まれてくる新しい絵はどんなものになるのか。

それを楽しみにしつつ。DLC「THE RINGED CITY」の物語を頭の中で整理したり、そこから世界観を考察したりしていきたいところです。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。