レビュー
「星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド」レビュー
Switch 2だけで遊べる「スターリーワールド」は流星の力で変貌した新たな世界
2025年8月27日 21:00
- 【星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド】
- 8月28日 発売
- 価格:
- ダウンロード版 8,500円
- パッケージ版 8,578円
- アップグレードパス 2,000円
任天堂は、Nintendo Switch 2用アクションゲーム「星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド」を8月28日に発売する。本作は、2022年3月にNintendo Switchで発売された「星のカービィ ディスカバリー」をSwitch 2に対応し、新たな「スターリーワールド」の冒険を追加したアップグレードバージョンとなる。
「カービィ」シリーズとしては初めての3Dアクションとなり、「ほおばりアクション」などの新システムを導入し好評を得た「ディスカバリー」のゲームシステムはそのままに、解像度&フレームレートを向上、同じ世界観の中で新たに構築された12ステージを楽しめるボリューミーな内容で、Nintendo Switch 2専⽤タイトルとしても価値のあるタイトルとなった。
本稿では、新たに追加された「スターリーワールド」の内容を中心にレビューしていこう。
「光の星」の破片「スターリー」を探しに、12の「スターリーステージ」へ
「星のカービィ ディスカバリー」の舞台となる「新世界」に、突然巨大な流星が落下。その衝撃で「はじまりの大陸」にある湾に巨大な「星降りの火山島」が浮かび上がる。天もん学者ワドルディによれば、この世界には過去に流星が落ちてきたことが何度もあり、その中から現れる「闇の星」が災いを生む言い伝えもあるという。
それを封印できるのが対になる「光の星」だ。光の星はスターリーという存在となってこの世界のあちこちに降り注ぎ、彼らを助けることで闇の星を封じることができるというのだ。
本作で追加される「スターリーステージ」は、ゲームを最初からプレイした場合、「はじまりの大陸」の最初のボスステージ「モールにひびくおたけび」をクリアした段階でプレイが可能となる。それぞれは、本編の解放済みのステージに隣接する形で出現するわけだが、全てのステージに出現するのではなく、各エリアに2つずつ、合計12ステージが出現する形だ。
もし「星のカービィ ディスカバリー」のSwitch版を持っている場合は、Switch 2にゲームカードまたはバーチャルゲームカードをセットして「アップグレードパス」を購入すればゲーム本編とともにスターリーワールドをプレイできるようになる。Switch版で進めたセーブデータも反映されるので、ゲーム進行やワドルディの町、進化させたコピー能力やコレクションなども引き継いでプレイが可能だ。
ステージのどこかにある「スターリーフラワー」が攻略のカギに! 新たなほおばりヘンケイも登場
ゲーム展開も基本的には本編と同じで、3Dで構築された世界をカービィがコピー能力とほおばりヘンケイを駆使して進んでいくスタイルは継承されているので、そのままの手触りでゲームを進められるはず。ここでは救出対象がワドルディからスターリーへと変わり、ステージ内でスターリーを救出すると、闇の星が少しずつ封印されていく仕組みだ。
スターリーステージには新規のほおばりヘンケイも登場。カービィがほおばったアイテムの形に変形し、独自のアクションや強力な攻撃が可能となる一方で、動きが限定されてしまうデメリットもある。新しく追加されたのは「バネ」、「はぐるま」、「かんばん」の3種類。従来のものともまた違った感触で、ステージもそれに合わせて設計されているので、上手く使いこなせると実に気持ちがよかった。
スターリーステージは隣接する通常ステージの舞台背景を模しているが、内部は本作のために新規に作られたものだ。その特徴として、流星の影響でステージの一部が結晶化し青白く輝いていることが挙げられる。ただ見た目がきらびやかなだけでなく、通常のステージにはない特別なギミックが仕掛けられていて、そのカギとなるのが「スターリーフラワー」だ。
ステージ上のどこかにあるスターリーフラワーを壊すと、周囲に何かしらの変化があり、先へと進む道が開かれる。通常のステージと同様、コピー能力やほおばりヘンケイを使ったギミックも存在しているが、それらはスターリーフラワーを発見するためのきっかけになっていることも多い。
流星の結晶の浸食によって、敵も強化されている。通常のステージと比較すると構造はかなり複雑で、スターリーフラワーが巧妙に隠されているところもあり、総合的な難易度は上がっていると言える。
とはいえスターリーステージは、通常の各エリアのボスを倒さないと出現しない仕組みだ。必然的にゲームにある程度慣れてからプレイすることになり、進化させたコピー能力やアイテムも持ち込めるため、難しすぎて進めないということはないはずだ。本編と同様、「はるかぜモード」と「ワイルドモード」の2つの難易度を選択できるので、難しいと感じたら切り替えてみるのもいい。
スターリーステージでは、通常の「コインスター」の他に「スターリーコイン」を見つけられる。これはワドルディの町にやってくる天もん学者ワドルディの「ガチャルポンくじ EX」を引くためのコインで、新しく追加された「ガチャルポンコレクションEX」のフィギュアを手に入れられるようになった。従来のガチャルポンコレクション同様、ゲームには直接関係のないコレクションとなるが、やり込み要素として楽しんでほしい。
廃墟を自然が包んでいるポストアポカリプスな世界観に、流星による結晶化という新しい設定が加わって、神秘的な雰囲気がグッと増した。スターリーフラワーによってステージの形が大きく変わる様子も新鮮な驚きがあり、本編をプレイ済みでも楽しく進めることができるはず。サウンドはもちろん新曲で、本編と同様にクオリティが高く、ゲームプレイのモチベーションアップに貢献している。
筆者は今回、試遊の都合で本作を最初からプレイすることとなったわけだが、その完成度の高さを改めて実感した。進化させることで異なる手触りを味わえるコピー能力は一部を除き、どれを使っても破綻することなくステージを進められるレベルデザインは秀逸だ。ほおばりヘンケイは逆に特定の場所をピンポイントで進めるためのギミックで、これを利用するためのステージやカメラの設計も実によくできている。
このような完成度の高いゲームシステムのもとに追加されたスターリーワールドもサイドストーリーとしては十分なクオリティで、本編を遊び倒したプレイヤーはもちろん、Switch 2で初めて遊ぶ人にも本編とともに楽しめるものとなるはず。本編が若干ボリューム不足という評もあったようだが、スターリーワールドの追加によりそこも補完されたのではないだろうか。
個人的にはゲームが60fpsに対応したことが大きく、よりなめらかに動くカービィのアクションを体感し、Switch版のインプレから数えて4回目のプレイでも退屈せずに楽しむことができた。このSwitch 2版を遊んでしまうと、Switch版には戻れない気がする(戻る必要もないが……)。またここでは触れていないが、本作で追加された隠し要素やクリア後のお楽しみもいくつ用意されている抜かりのない設計だ。それらはぜひご自身で確かめてほしい。
本稿を執筆している最中にNintendo Switch 2タイトル「カービィのエアライダー」の詳細が明らかになった。同作はカービィの生みの親、桜井政博氏が手がけるシリーズ最新作となるわけだが、桜井氏の手を離れた本作が同じハードで動くことも感慨深い。「Nintendo Switch Online」でも過去の「カービィ」シリーズは多数配信中なので、33年に及ぶ進化の系譜をSwitch 2で存分に味わっていただければと思う。
(C) HAL Laboratory, Inc. / Nintendo





























































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