レビュー
「同級生リメイクCSver」レビュー
懐かしいあの思い出を家庭用ゲーム機で! 14人のヒロインに再び萌える
2024年4月18日 18:00
- 【同級生リメイクCSver】
- 4月18日 発売予定
- 価格:
- 通常版:5,940円
- 豪華版:9,240円
「同級生」というソフトについてリアルタイムでご存じの方は、40代半ば以降の年齢の方だろうか。MS-DOSで動作するアダルト向けPCゲームとして、1992年にエルフから発売されたのが「同級生」だ。
筆者もその当時持っていたPC-9821でプレイした記憶がある。当時もさまざまなアダルト向けのPCゲームが発売されていたが、「同級生」は一人一人のヒロインがとても魅力的で、そのヒロインと繰り広げられる甘酸っぱいストーリーがタイトルへの止めようもない没入感をもたらしており、他のソフトとは一線を画していた。この後に続く他のタイトルが、同じようなヒロイン攻略をメインとする内容となっていったのはご存じの通りだ。
「同級生」はその後1999年にWindows版が発売されているが、今回ご紹介する「同級生リメイクCSver」は、そのWindows版を元に2021年にアダルト向けPCソフト「同級生リメイク」として発売されたものから、CERO倫理規定に合わせて調整を行ったバージョンだ。
なお、「同級生リメイク」が発売される際に、竹井正樹氏が作画したキャラクターCGをすめらぎ琥珀氏のものへと変更。画面解像度を現行基準に合わせてフルHDとしたほか、マップや背景も全てリメイクされた。シナリオも今に即した文言に一部調整されている。またヒロインをフルボイス化したのも特徴となっている。これらの要素は「同級生リメイクCSver」でも変わらない。
このほか「イージーモード」と「クラシックモード」が用意され、イージーモードではキャラのフラグをいつクリアしなければならないのか、またマップ上にアイコンが表示されてどのキャラがどの場所にいるのか分かるようになっている。
「同級生リメイクCSver」では登場ヒロインのCGイラストを集めるのも1つのポイントだが、イージーモードを選ぶとキャラクターの攻略に集中できるので、効率的にイラストCGを集めていくことができる。クラシックモードはこういったヘルプ機能がなく、オリジナルの難易度でプレイするモードだ。
14人のキャラクターを攻略せよ!
「同級生リメイクCSver」のあらすじは以下のようなものだ。
学園生活最後の夏休みを有意義に過ごすため、前半はアルバイトに明け暮れた主人公。
そのかいあって資金は十分。いよいよ女の子ナンパしようと行動を開始する。
さまざまな人物と出会い、意外な一面を知って引かれ合い、そして結ばれる……。
主人公と付き合えるキャラクターは全部で14人。同級生から後輩、先生、社会人の彼女、キャバクラのお姉さんなど多彩な女性が登場する。長くなるが全てのキャラクターをご紹介していこう。
桜木舞(CV.橘まお)
身長:158cm
スリーサイズ:83/56/86(cm)/血液型:A
良家のお嬢様で箱入り娘。
習い事でとても忙しい日々を送っており、あまり学園で見かけることはない。
淑女であり、控えめでおしとやかな言動が目立つが、芯が強く秘めた情熱は激しい。
学園中の男子の憧れであるが、本人はそう見られることを好ましく思っていないようだ。
田中美沙(CV.猫村ゆき)
身長:158cm
スリーサイズ:82/55/82(cm)/血液型:B
陸上部所属。抜群の運動神経で、エースとして活躍する。
男勝りの性格で、陽気で勝ち気。主人公とはケンカ友達のような関係。
努力家でもあり、常に物事に全力で取り組むが、それが空回りしてしまうことも……。
鈴木美穂(CV.小波すず)
身長:154cm
スリーサイズ:79/56/80(cm)/血液型:A
放送部所属。花が大好きで、花屋でバイトをしている。
とてもおとなしく恥ずかしがり屋。
美沙とは親友でよく二人一緒に行動している。
主人公のことが気になっている様子だが、生来の性格からなかなかきっかけをつかめずにいる。
仁科くるみ(CV.北大路ゆき)
身長:156cm
スリーサイズ:83/56/84(cm)/血液型:A
主人公の悪友と付き合っており、主人公とも面識がある。
厳格な考え方の両親に育てられ、清い交際をするべきと信じている。
しかし恋人はそう考えておらずすれ違いが発生。
主人公にその悩みを相談しようとするが……。
黒川さとみ(CV.蒼乃むすび)
身長:163cm
スリーサイズ:83/58/87(cm)/血液型:O
主人公の幼なじみで、喫茶店でアルバイトをしている。
気さくで人当たりのよい性格。ナイーブな一面も持っている。
主人公とは何でも話せて、憎まれ口を叩きあう仲。
近頃何か悩みがあるようで、時折暗い表情を見せることがある。
斎藤亜子(CV.柚原みう)
身長:165cm
スリーサイズ:83/59/91(cm)/血液型:O
実家である薬局に勤務する薬剤師。
姉と比べられることにコンプレックスを感じており、それが転じて非常に警戒心が強く、控え目で奥手な言動が多い。
しかし本性はとても子供っぽい、無邪気な性格。
芹沢よしこ(CV.夏峰いろは)
身長:164cm
スリーサイズ:89/60/87(cm)/血液型:O
主人公のクラスの担任。とても真面目で生徒想い。
ちゃらんぽらんな主人公に対しては特に厳しく接する。
何とか進路を決めようとするよしこはあの手この手で主人公に接する。
佐久間ちはる(CV.藤崎紗矢香)
身長:164cm
スリーサイズ:91/59/88(cm)/血液型:AB
主人公がナンパで声をかけた、見ず知らずの女性。
最初は全く返事がもらえず、相手にされない主人公だが、
懲りずに話しかけることにより、少しずつ距離が近づいていく。
田町ひろみ(CV.白月かなめ)
身長:156cm
スリーサイズ:84/60/87(cm)/血液型:O
主人公宅の近所にある会社「藤田製作所」の従業員。
楽しいことが好き。積極的で明るい性格。
うわさを聞いて主人公のことが気になっているらしい。
斎藤真子(CV.風音)
身長:167cm
スリーサイズ:92/61/90(cm)/血液型:O
先負学園の校医で、亜子の姉。
学園生からさまざまな相談を持ちかけられる人格者。
誰に対しても真摯に接し、皆に慕われている。
正樹夏子(CV.歩サラ)
身長:166cm
スリーサイズ:88/58/88/ 血液型:O
デザイン系の専門学校に通いつつ、駅前のブティックでアルバイト中。
主人公の悪友の紹介で出会い、別の女の子も巻き込んで複雑な関係に。
本人はとても落ち着いた性格で、主人公にも優しく接する。
真行司麗子(CV.御苑生メイ)
身長:163cm
スリーサイズ:86/60/87(cm)/血液型:A
主人公の自宅の隣家に住む主婦。
性格は極めておっとり系で、常に着物姿。
掃除や買い物姿をたまに見かけるが、常に一人。
草薙やよい(CV.手塚りょうこ)
身長:166cm
スリーサイズ:92/57/89(cm)/血液型:B
先負町にある「登渡り医院」の泌尿器科に務めている看護師。
おしとやかな性格だが、やや意地悪な一面も。
ミステリアスな雰囲気の美女。
夏休みを彩るキャラクターたち
キャラクターと出会うシチュエーションはさまざまだ。同級生や後輩、先生との絡みは学校で起きたり、斎藤亜子は自宅の薬局、正樹夏子は勤めているブティック、鈴木美穂はバイトをしている花屋などとなる。攻略の周回を重ねているとすでに読んだことのあるテキストは飛ばしたくなる。デフォルトではテキストを画面から消去する機能に割り当てられているBボタンを、設定画面から「既読スキップ」に変更できるので、これを活用してもよいだろう。
数多いキャラクターの中で本作のメインヒロインと呼べるのは桜木舞だ。あこがれのお嬢様との仲を詰めるべく、まずは攻略するのが定石だろう。もちろん、お気に入りのキャラクターから攻めていっても問題ない。筆者は桜木舞、田中美沙、田町ひろみ、斎藤亜子といった順で攻略していった。
オリジナルの「同級生」が発売されたときも桜木舞は人気だったが、それと二分する形で人気となったのが田中美沙だ。鈴木美穂を思いやる姿や、気の強さとは裏腹の弱さを持つ田中美沙は、その結ばれるシーンと共に記憶されている。田中美沙も筆者の好きなキャラクターだが、もう一人思い入れのあるのは田町ひろみ。主人公を日曜日の職場に連れて行き、そこから繰り広げられるシーンはとても心に残っている。
なお、オリジナルのCGから作家を変えて発表された本作だが、オリジナルのよさを引き継ぎつつ、目やキャラクターの表情や背景を現代的に改めた点は評価したい。個人的には全く違和感なくプレイできた。
フラグを管理しつつ攻略しよう
キャラクターとは選択肢を選んで会話をすることでストーリーが進んでいく。イージーモードの場合はこの選択肢にハートアイコンが表示されるが、ピンクのハートだと好感度上昇、ブルーのハートだと好感度下降というサインなので、ピンクの選択肢を選んで進めるようにしよう。
冒頭でも述べた通り、イージーモードであればフラグ管理がしやすくなるので、攻略に役立つ。フラグは日付の他、出会う時間も関係あるので、それを念頭に置き、効率的に攻略していきたい。たいていのキャラクターは昼間にフラグが進むが、成瀬かおりのようにキャバクラに勤めている場合は夜6時に訪ねなければならなかったりする。
これが厄介で、うっかりと夜に時間を進めてしまうと、昼間に会わなければならないキャラクターのフラグが立たなくなってしまうので気を付けよう。
またマップ画面で移動し、建物の中に入ったりすると15分消費する。その消費度合いを考えつつ、フラグの立つ時間に合うように動かなければならない点にも注意しよう。
なおフラグの中には鍵のアイコンで表示されているものがある。これはそのフラグを立てる際に攻略対象とは異なるキャラクターのフラグを立てる必要があることを示している。例えば斎藤亜子と斎藤真子は姉妹でそれぞれ主人公と関係があるので、亜子を攻略する際に真子のフラグを立てておく必要がある、といった具合だ。
またキャラクターの中には、Aのキャラクターを攻略するにはBのキャラクターのフラグが必要で、そのBのキャラクターにフラグを立てる場合はCのキャラクターのフラグをクリアしなければいけないなど、3人がフラグに関係している場合もあったりする。
さて、無事にキャラクターにフラグが立ち、攻略が進んでいくと親密になれるシーンへと突入する。18禁のPC版ではここからセックスシーンへとつながっていくわけだが、CERO倫理規定に合わせて変更されているため、画面がブラックアウトしたり、そのシーンを飛ばしてストーリーが進んだりする。
オリジナル版をプレイした筆者としては、正直言うとこのあたりがやはり少し物足りない。何となくあっさりと終わってしまう感じがするのだ。そこはコンシューマー版と割り切るしかないのだが、テキストで補足するなど、もう少しやり方があったのではないかと思う。ちなみに、オリジナル版のシーンでは見えていた下着についても、見えないように修正が入っている。
こうして繰り広げられるキャラクターとの思い出シーンは、メインメニューにある「夏休みの思い出」の「真夏のフォトグラフィ」から見ることができる。それぞれのシチュエーションを振り返りながら、キャラクターとの思い出を堪能しよう。
この他「????」という項目があり、ここではプレイ中に入手できる「日記帳」が見られる。日記帳は今回のキャラクターCGを担当したすめらぎ琥珀氏の他、オリジナルのCGを担当した竹井正樹氏などから寄せられたメッセージ集だ。日記帳はさまざまな条件をクリアすると入手できる。
懐かしい思い出がよみがえる本作
40代以降の人であれば、かつて夢中になってプレイした「同級生」を新しい気持ちでもう一度楽しめるのが本作のよいところだろう。「同級生」を知らない世代にとっては、ストーリー展開がちょっと古いかもしれないが、恋愛シミュレーションのルーツをたどる1作としてプレイする価値はあると思う。昔懐かしい青春を思い出すのには最適な作品だといえよう。
(C)EXNOA/iMel