11月23日、任天堂株式会社からアクションアドベンチャー「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」が発売された。据え置き機では、2006年12月の「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」以来のリリースとなる。
「ゼルダの伝説 スカイウォードソード ゼルダ25周年パック」(8,800円)と「ゼルダの伝説 スカイウォードソード スペシャルCD付き」(6,800円)の2つの限定版が同時に発売されており、“ゼルダ25周年パック”は、専用のBOXにゲームソフト+ゼルダの伝説25周年オーケストラコンサート スペシャルCD+Wiiリモコンプラス(ゴールド)が入っている。通常のWiiリモコンプラスは定価3,800円なので、Wiiリモコンプラスを持っていないなら、こちらがオススメだ。“スペシャルCD付き”はゲームソフトにスペシャルCDが同梱されたパッケージ。“スペシャルCD付き”の限定版は、2011年内出荷分限定となる。
ゼルダの伝説25周年オーケストラコンサート スペシャルCD収録曲 | |
トラック01 | ゼルダの伝説25周年 シンフォニー |
トラック02 | カカリコ村~トワイライトプリンセステーマ~ |
トラック03 | 風のタクトメドレー |
トラック04 | ゲルドの谷 |
トラック05 | 大妖精のテーマ |
トラック06 | トワイライトプリンセスメドレー |
トラック07 | ゼルダの伝説メインテーマ |
トラック08 | 「スカイウォードソード」女神の詩 |
プレイするにはWiiリモコンプラス(またはWiiリモコン+Wiiモーションプラス)とヌンチャクが必須。ソフトを購入したものの、遊べないなんてことにならないように注意してもらいたい。
■ 空、森、火山、砂漠を舞台にしたゼルダ探しの冒険が描かれる!
最初の舞台は、空に浮かぶ島「スカイロフト」。リンクやゼルダは空で生活を営むスカイロフトの民。スカイロフトの民は、自分だけの守護鳥「ロフトバード」と共に暮らしており、桟橋から飛び降りて口笛を吹くことでロフトバード呼び出し、その背中に乗って自由に大空を舞うことができる。
騎士学校に通うリンクは、人と鳥との絆や技量が試される「鳥乗りの儀」に参加。騎士になるための課題試験も兼ねた儀式であり、女神様役で幼なじみのゼルダから大事なプレゼントがもらうことができる。そんな大事な儀式の日に大いなる運命が二人のもとに訪れ、ゼルダとリンクは離れ離れになってしまう。リンクは彼女を探すべく、スカイロフトの誰もが立ち入ったことのない、雲の下に広がる大地へと降り立つ。
■ Wiiリモコンプラスにより実現された数々のアクション!これまでのシリーズで最も体感要素の強いゼルダに!
Wiiリモコンプラス(またはWiiリモコン+Wiiモーションプラス)とヌンチャクが必須なだけあって、細やかな動きを感知できることを活かしたアクションが満載。一部ではあるが、そのアクションについて紹介していきたい。
まずは本シリーズに欠かせない剣。基本となるのが、縦斬り、横斬り、斜め斬り、突きの4つ。実際に剣を振るようにWiiリモコンプラスを振れば、リンクが剣を振ってくれる。縦斬りなら、上からと下からの2種類があるように、どこから振り始めるかでアクションが変化する。縦や横斬りなら2種類、斜め斬りなら4種類あるわけだ。
シリーズでお馴染みの回転斬りは、Wiiリモコンプラスとヌンチャクを同時に振ることで繰り出せる。3Dゼルダに欠かせないZ注目(押し続けることで近くの人、敵、仕掛けを注目する機能)も健在で、敵がダウンした際にZ注目しながら回転斬りと同じ操作をすれば、残り体力に関係なく、敵を倒すことができる“とどめ”も可能。他にもWiiリモコンプラスをまっすぐに立てて力をため、振れば光の刃が放てるスカイウォードといったアクションなども存在する。
冒険に必須ではないが、あると便利な盾。耐久値を超えると壊れてしまうので注意したい。また、木の盾は火に弱く、鉄の盾は電撃に弱いといった特性もあるため、冒険する場所に応じて切り替えて使いたい |
盾はヌンチャクで使用する。盾装備時にヌンチャクを振ると盾を構え、タイミングよく振ると敵の攻撃をはじき返す盾アタックが可能。盾は便利な装備ではあるが、耐久値が設定されており、耐久値を超えてしまうと壊れてなくなってしまう。減ってしまった耐久値はスカイロフトにあるジャンク屋(詳細は後述)で修理できる。また、中には自動で耐久値の回復する盾も存在する。
今回のゼルダでは、移動系アクションとして「ダッシュ」が使用可能。通常の移動速度も遅くはないが、ハイスピードでストレスなく移動できるのがありがたい。ダッシュを使えばある程度の段差を駆け上がったり、歩いては渡れない場所を駆け抜けることが可能。さらにダッシュ中にヌンチャクを振れば前転アタックも繰り出せる。便利なダッシュだが、いつまでもダッシュできるわけではなく、使用中は「がんばりゲージ」を消費してしまう。がんばりゲージに依存するアクションをしなければ自動で回復していくが、限界まで消費してしまうと一定時間まともに動くことのできない状態となってしまうので注意しておきたい。なお、がんばりゲージは、ダッシュ以外にも回転斬り、壁に掴まっている場合などにも消費する。
ダッシュがあればある程度の段差も駆け上がることができる。このようにダッシュには、ハイスピードな移動以外にも様々な使い道がある。便利なダッシュだが、がんばりゲージの残量には注意しておきたい |
空では守護鳥であるロフトバードに乗って移動する。Wiiリモコンプラスで向きを変え、下降することでスピードアップ、Wiiリモコンプラスを振ることではばたき上昇するという操作になっている。また、Aボタンを押せば攻撃することもできる。
空ではロフトバードに乗って移動する。他の操作と同様にシンプルなのですぐに慣れるだろう |
シリーズで欠かせない各種アイテムの使い方もバリエーションも豊富。例えばバクダンであれば、Wiiリモコンプラスを上に構えて振れば投げることができ、下から振ればボーリングのように転がすことができる。転がす際にWiiリモコンプラスを捻ればカーブすらかけることができる。また、Aボタンでは足元に設置できる。
■ ダンジョンだけでなく、フィールドも謎解きでいっぱい!ゲームに詰まった場合の救済措置も万全!
目的地までの移動となるフィールドにも数々の仕掛けが用意されており、各種アクション、アイテムを使って、その仕掛けを解き、進んでいく。これまでのシリーズと比べ、フィールドに用意されている仕掛けがかなり多く、目的地に着くまでの道中もとても濃密。アクションやアイテム、アイテムの使い方のバリエーションが豊富な分、仕掛けのバリエーションも豊かだ。はっきり言って、目的地に辿りつくだけでもがっつり遊んだ!と思えてしまうほどの充実ぶりとなっている。
フィールドやダンジョンでは様々な敵や仕掛けが待ち構えている。道を阻む敵を倒し、謎を解いて、冒険を進めていく。フィールドにまでこれほど多くの仕掛けがあるのはシリーズでも本作だけだろう |
広大なフィールドや複数階層で構成されたダンジョンで活躍するのがマップ。縮小・拡大が可能で、施設などにはアイコンが表示されており、ポインタを合わせることで名称も表示される。さらにフィールドや空ではマップを開いた状態から「のろし」が設置可能。のろしは上空まで達する光の柱で、設置しておけば歩きながら簡単に設置場所がわかる。
拡縮可能な上、便利なのろし機能までが用意されたマップは、冒険に欠かせない存在だ |
本シリーズの多くの謎解きは難易度自体はそれほど高くないものの、発見や閃きがないと詰まってしまう。謎を解く楽しさは堪能してもらいたいが、詰まってしまいゲームを投げ出してしまうのはもったいない。本作では詰まってしまった場合へのフォローも万全だ。
その1つが聖なる剣の精霊「ファイ」。ファイは十字ボタン↓でいつでも呼び出す事ができ、現在の目的、アドバイスなどを教えてくれる。現在の目的は何をすればいいか忘れてしまった場合、久しぶりにプレイする場合などに便利だ。アドバイスは、あらすじ、ヒント、うわさに分かれている。ヒントを選べば、現在いる場所に関係する情報を提供してくれる。また、敵をZ注目している場合に呼び出せば、敵の情報も教えてくれる。ただ攻撃するだけでは倒せない敵と戦う場合などには特に活用したい。
十字ボタン↓でいつでも呼び出せるファイからは、現在の目的やアドバイスを聞くことができる。敵の情報やこれまでに倒した回数までも教えてくれる |
ファイから得られるヒントは現在いる場所に関するおおまかなものであり、その時に詰まっている仕掛けに直接関係するものではない。そこで活躍するのが、シーカーストーンで閲覧できるヒントムービー。謎解きが動画で閲覧できるもので、ゲームの進行に応じてヒント映像は増えていく。クリア済みの謎には“Clear”と表示されるのでわかりやすい。ヒントとはいえ、かなりわかりやすくなっているので、これを見れば、まず謎は解ける。
シーカーストーンではヒントムービーが閲覧できる。3DS「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」のプレーヤーにはお馴染みの便利なシステムだ。シナリオ進行関連だけでなく、サブイベントのヒントムービーまでもが収録されている |
さらにスカイロフトにある占い屋では、ルピー(ゲーム内通貨)を支払うことで、進むべき道、お宝の場所も教えてもらえる。占いとシーカーストーンを利用すれば、ゲーム進行で詰まることはない。
■ アイテム強化など、冒険の助けとなるショップモール
スカイロフトにあるショップモール(ジャンク屋・くすり屋・調合屋・あずかり屋・どうぐ屋・占い屋)やテリーのお店を利用すれば冒険を楽に進めることができる。
ジャンク屋ではアイテムが強化可能。例えば、虫取りアミなら虫を捕まえやすくなり、バクダン袋なら所持数が増えるといった具合だ。強化にはお宝とルピーが必要。お宝は敵からのドロップ、フィールドやダンジョンなどで入手できる。また、耐久値の減った盾を修理してもらうこともできる。
くすり屋では体力回復、がんばりゲージの減りが遅くなるといった効果を持つ薬が購入できる。購入にはルピーと空きビンが必要。さらに薬と特定の虫があれば、調合屋で調合でき、薬の効果が強化される。虫はフィールドに点在しており、虫取りアミで捕まえることができる。
アイテムを預かってくれるのがあずかり屋。本作では空きビンやメダルといった冒険に必須ではないアイテムはポーチにしまわれる。ポーチに入れることができるアイテム数が決められているため、余分なアイテムがある場合に重宝する。
どうぐ屋では盾やバクダンなどを販売している。商品はゲームの進行に合わせて追加されていく。盾が壊れてしまったら、ここで購入するといいだろう。
便利な施設が多く並ぶショップモール。本作では普通に冒険しているだけでもルピーが手に入りやすく、ショップがより身近な存在になっている |
人力飛行船に乗ってスカイロフト上空を飛び回っているテリーのお店は、飛行船にぶら下がっているベルを鳴らすことで入場できる。持てるルピーの上限が増やせるサイフなど、ショップモールでは購入できないアイテムが販売されている。
テリーのお店はスカイロフト上空を飛び回っている。ベルを鳴らせばロープをたらしてくれ、それを登ればショップへと入ることができる |
■ サブイベントやクリア後の要素も充実!
ゲーム進行などに応じて追加されていくサブイベント、新アイテム獲得により広がる捜索範囲、虫集め、各地に点在するミニゲームなど、本編以外にも遊べる要素が数多く用意されている。
ゲームを進めると遊べるようになる「荒修行」は、その名の通りハードなモード。ハートの補給なく、これまでに出会ったボスと連続して戦う。連勝するのは難しいが、連勝するほどいい景品をもらうことができる。
クリア後にはリンクの受けるダメージが2倍になる「辛口モード」がプレイ可能。さらに辛口モードでは、初回プレイでは味わえない荒修行を堪能することもできる。
■ 最後に
Wiiリモコンプラス(またはWiiリモコン+Wiiモーションプラス)とヌンチャクが必須と、他のWiiタイトルに比べ、少しだけハードルが高い本作。それだけにWiiリモコンプラスやヌンチャクを活かした体感アクションが多数用意されている。体感系アクションではなく、十字ボタンや各種ボタンといった従来の操作方法で遊びたい人もいるだろうし、この操作については賛否両論あることだろう。だが、わかりやすく様々なアクションを実現するための判断なのではないだろうか。
遊んでみて驚いたのが、アクションや仕掛けのバリエーションの豊富さと量。ダンジョンだけでなく、フィールドにまで仕掛けが多く用意されており、プレイの満足度は非常に高い。2~3時間遊んだだけで、かなり遊んだと感じられるほどだ。
ファイのアドバイス、占い屋、シーカーストーンと、スムーズなゲーム進行への配慮も見事。ヒントをどこまで利用するかはプレーヤーに委ねられているので、自力で謎を解きたい人も安心。占い屋やシーカーストーンはスカイロフトにあり、瞬時にスカイロフトに戻る手段がなく、フィールドやダンジョンからすぐに利用することはできないが、ダンジョン内のセーブポイント(モニュメント)から瞬時に入口に、外にあるセーブポイントから瞬時に空へと戻ることはできるので、テンポよく遊ぶことができる。動画によるヒントはとても便利なシステムなので、いつでも利用できていいようにも思えるが、多少不便になっているのは、自力で謎を解いて欲しいという開発サイドの想いからだろう。また、便利なマップやのろし機能、ゲームオーバー時には最後にセーブしたポイントから再開できる点もスムーズなゲーム進行に一役買っている。
濃密なゲーム体験ができる本作。シリーズファンはもちろん、この年末、ガッツリ謎解き体感アクションを遊びたい人にオススメしたい。
(2011年 12月 26日)