(2015/8/20 00:00)
ユニットコムのPCブランド「iiyamaPC」が手掛けるゲーミングPC「LEVEL∞(レベル インフィニティ)」より、コンパクトキューブパソコン「Lev-C000-i5-RMSM」が発売された。PC販売サイトの「パソコン工房」にて販売されている。
本機はMini-ITX規格のケースを採用した「C-Class」に属する製品で、コンパクトな筐体が特徴。しかし「C-Class」はCPUの水冷化にも対応したハイエンドゲーミングPCもラインナップされており、性能面でも妥協のないデスクトップゲーミングPCとして展開されている。
今回紹介するのは、その中でもミドルクラスに位置する「Lev-C000-i5-RMSM」。性能と価格のバランスの取れた1台で、14時までの注文なら即日発送可能な即納対応商品となっている。
小型でも充実したパーツを搭載
「Lev-C000-i5-RMSM」の主なスペックは下記のとおり。
項目 | スペック |
---|---|
CPU | Core i5-4460 |
チップセット | H81 Express |
メモリ | 8GB PC3-12800(8GB×1) |
GPU | GeForce GTX 960(2GB) |
SSD | 240GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
電源 | 500W 80PLUS Silver(ATX) |
OS | Windows 8.1(Windows 10 無償アップグレード対象) |
CPUに4コアのCore i5-4460、GPUにミドルクラスのGeForce GTX 960と、コストパフォーマンスの高い構成になっている。メインメモリは8GBで、増設して16GBにすればデュアルチャネルで動作させることもできる。
ストレージは240GBのSSDを搭載し、HDDは非搭載。容量的にはゲーム用途だけに絞ればギリギリ足りなくもないが、その他の用途も考えるなら別途HDDが欲しいところ。本機は即納対応商品でカスタマイズは非対応なので、HDD搭載モデルが欲しい方は「C-Class」シリーズのページでお探しいただきたい。BTO可能なモデルも用意されており、小型のケースながら水冷CPUファン採用のCore i7や、GeForce GTX 980 Tiまでグレードアップできる。
なお、PCの自作に慣れた人なら、購入後に自分で増設してもいいだろう。ケースには3.5インチベイが1つ、2.5インチベイが4つ(うち1つはSSDで使用)あるため、ストレージの増設には余裕がある。
光学ドライブはスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブを採用し、筐体の上から挿入するというユニークなデザイン。電源は500Wで、80PLUS Silverを取得したもの。Mini-ITXケースながら、ATX規格の電源を使用している。
拡張スロットはビデオカードで使用している以外に用意されていないため、機能拡張はUSBに頼ることになる。USBポートは、本体右側面にUSB 3.0が2つ、背面にUSB 2.0が4つとなっている。
最新ゲームもフルHDクラスなら十分なスペック
次にベンチマークテストの結果を見ていく。ゲーム系ベンチマークとして、「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」、「バイオハザード6 ベンチマーク」、「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」を使用した。またゲーム以外のベンチマークテストとして、「CINEBENCH R15」、「CrystalDiskMark 5.0.2」も利用した。
先日公開されたばかりの「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」を含め、どのテストでも最高画質・フルHDの設定で最高評価が得られている。コンパクトだからといって性能が下がっているわけではないということがご理解いただけるはずだ。さすがに4Kゲーミングには心もとないが、フルHDクラスであれば最新ゲームでも概ね快適にプレイできるだろう。
【ベンチマーク結果】
タイトル | チェック内容 | ベンチマーク結果 |
---|---|---|
「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」 | 1,920×1,080ドット/最高品質 | 8,121(とても快適) |
「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(DirectX 11) | 1,920×1,080ドット/最高品質 | 6,966(とても快適) |
「ドラゴンクエストX ベンチマーク」 | 1,920×1,080ドット/最高品質 | 15,838(すごく快適) |
「バイオハザード6 ベンチマーク」 | 1,920×1,080ドット | 10,584(S) |
「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」 | 1,920×1,080ドット/簡易設定5 | 35,364 |
【CINEBENCH R15】
チェック項目 | ベンチマーク結果 |
---|---|
OpenGL | 115.09fps |
CPU | 489cb |
CPU(Single Core) | 136cb |
せっかくなので、ベンチマークテストに含まれていない最新ゲームも試してみた。国産のMOBA系タイトルとして注目される「ロード オブ ヴァーミリオン アリーナ」では、最大4体の使い魔を引き連れたプレーヤーが7対7で対戦する。戦闘が始まるとエフェクトが入り乱れ、かなり派手な映像が展開される。本機でプレイしてみたところ、フルHD・最高画質の設定で、ほとんどのシーンでは60fpsを維持。バトルシーンでは一瞬30fps台に落ちることもあったが、プレイ感は全く損なわれていなかった。
続いては海戦アクション「World of Warships」。第2次世界大戦期の軍艦が集い、最大12対12でリアルかつシビアな戦いを繰り広げる。本機でのプレイでは、フルHD・最高画質でも60fpsでプレイ可能。複数の軍艦による砲撃戦では、派手な水しぶきが上がる中でのバトルになり、ビジュアル的にも美しい(とはいえじっくり見ている暇もない)が、フレームレートは稀に50fps台の数字が見える程度で、全く違和感なくプレイできた。
実際のフレームレートは状況次第で変化するので一概には言えないが、この辺りのゲームならば最高画質で楽しめる。僅かなフレームレートの低下も許せないという人でも、少し画質設定を調整すれば問題ない範囲のはずだ。
ストレージはSATA接続の「240GB SSD」。スペック上では特にメーカーや品番は指定されていないので、「CrystalDiskMark 5.0.2」のスコアは参考としてご覧いただきたい。今回はKingston製の「SV300S37A/240G」が使われていた。
小型だからこそ美しい外見。新機軸のゲーミングPC
続いて実際に使用した感触をお伝えしよう。まず外観はブラックで統一しながら、前面と上部にはヘアライン加工のプレートが取り付けられているのがアクセントになっている。近未来的なデザインだが、ゲーミングPCによくあるLEDの光り物はなく、高級感も漂わせる。
ケースの左右は大きな網目のメッシュデザインになっており、ほぼ全開状態。小型ケースにゲーミング性能を持たせるのは冷却的に厳しいのでこうするしかない、という印象だ。側面から見ると内部が覗けるが、少し斜めの角度になると見えないので、外観的にはスカスカした印象はさほどない。
これだけ左右が開いていると騒音が気になるところ。実際に確認してみると、アイドル時の音はかなり小さく、リビングに置いてあっても気にならないレベル。またベンチマークテスト中もファンなどの騒音はほとんど変化がない。小ささを活かして机の上など自由な位置に配置できるのが魅力なだけに、騒音が小さく抑えられているのは好感が持てる。
ただしビデオカード付近はかなり熱くなり、背面の排気口はもちろん、左側面にも熱を持つ。他のものと一緒に並べて置きたいと思う人もいそうだが、熱に弱いものをケースに接触させておかない方がいいだろう。そもそもサイドのメッシュを塞ぐと排熱に問題が出かねないので、特に空気の流れが必要な左側面には物を置かないように注意したい。
電源ボタンは前面ではなく右側面にあり、電源ボタンの下にはUSB 3.0端子とヘッドフォン端子、マイク端子がある。これらは前面のプレートで隠れる位置になっており、正面からだとボタン類や端子は何も見えない。それゆえに一見するとPCらしからぬ印象があり、色違いがあればインテリアに調和させた置き方もできそうだ……などと想像してしまう。
ゲーミングPCとしての性能を確保しながら、コンパクトで静かなので置き場を選ばない。だから外観にも気を配ったデザインを採用した、というのが製品を見ているだけで伝わってくる。そういったコンセプトを持つPCでありながら、価格も近いスペックのデスクトップPCとほとんど変わらない。あらゆる面で非常にバランスのいい、魅力的な1台に仕上がっている。