ゲーミングPCレビュー「エアロストリーム RM7J-Z61/E」

AeroStream RM7J-E61E/EX2

注目作「ブレイドアンドソウル」も最高設定で快適プレイ

注目作「ブレイドアンドソウル」も最高設定で快適プレイ

中国の武侠小説風のアジアンファンタジーな世界観
マウスのホイールを操作することで、背景をぼかした記念撮影モードにすることができる

 大トリとして、5月20日に正式サービスを開始、6月17日に大型アップデート「水月平原」が実装されたばかりで、今最も熱い最新MMORPGタイトル「ブレイドアンドソウル」でのインプレッションを紹介したい。

 「ブレイドアンドソウル」は韓国NC softが次世代のMMORPGとして総力を結集した超大作。目にもとまらぬスピードで繰り出す変幻自在の技や、空中や水中をハイスピードで疾駆するなど、他のMMORPGにはないスピーディな躍動感が特徴だ。

 月額課金制のタイトルだが、嬉しいことにレベル15までは無料で遊ぶことができる。クライアントは公式ホームページから無料でダウンロードできる。レジューム付きのインストーラーがセットアップまでやってくれるのだが、最新のPCでは起動時に「E03008」というエラーが出ることがある。

 原因はランタイムコンポーネントやDirectX 9.0cがインストールされてない可能性があるためらしい。もしこのエラーが出たら、まずはウインドウズアップデートをした後、マイクロソフトの公式ページから「Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86) 」や「DirectX 9.0c」をダウンロードして入れれば起動するようになる。詳しくは「ブレイドアンドソウル」公式HPのFAQを参照して欲しい。

 さて、そんなセッティングの苦労を乗り越えると、そこはもう広大なアジアンファンタジーの世界だ。「ブレイドアンドソウル」は中国の武侠小説的な世界観がベースになっている。そのため桂林を思わせるような奇岩の連なる山脈や、中国の家並、寺など東洋風の情緒あふれる風景が楽しめる。登場する敵も、MMORPGではおなじみのゾンビだけでなく、キョンシーや幽霊などアジアンな妖怪も多数登場する。

 グラフィックス設定は5段階。他に、高速移動する時にブラー効果がかかる「高級モーション ブラー効果」や、差し込む光が十字に見える「クロス フィルター効果」などがある。また、基本設定内にある「戦闘最適化オプション」にチェックを入れておくと、対人戦闘の時などにグラフィックスオプションが自動的に調整されて、快適にプレイできるので便利だ。

グラフィック設定
設定1。地面の草は表示されておらず、遠景のテクスチャの解像度はとても低い
設定2。地面に草が表示されるが、解像度は低く、数も少ない
設定3。遠景のテクスチャの解像度が上がるが、空気感を出すための演出はない
設定4。遠景に霞がかかる。解像度が全体的に上がっている
設定5(最高設定)。キャラクターの陰のエッジが綺麗になり、遠景の密度が高くなる
スペックに余裕があれば、高速ダッシュ時にブラーの表現を入れることもできる

 こちらも同じように2台の比較用マシンを使って試してみた。マシンAでは一応起動はしたが、キャラクターが表示される画面まで行き着くだけでも10分以上かかり、ラグもひどく、画面が止まっている時間のほうが長いくらいで、プレイするのは厳しいと判断せざるを得なかった。

 マシンBでは「4」で十分快適なプレイを楽しめるが、最高設定の「5」でも一応は遊べる。ただ、フレームレートは40fps~60fps程度の幅で激しく上下し続けており、あまり安定していない。これに対して「エアロストリーム RM7J-Z61/E」は、フレームレート上限の60fpsに張り付き状態で、常に快適にプレイする事ができた。

 グラフィックス以外に特筆したいのが、エリアチェンジ時のローディング速度だ。マシンBでは約31秒掛かる所を、約25秒と6秒も短縮してくれた。同様に、他とはインスタンスで切り離されている部屋やダンジョンへ入る時の硬直時間も、おおむね短くなっており、それだけ快適にプレイができた。特に「ブレイドアンドソウル」では、半透明の円形マークで仕切られたサーバーの継ぎ目は頻繁に出てくるため、そこがスムーズなのはプレーヤーにとって大きなメリットになるだろう。

 「ブレイドアンドソウル」には、武侠小説的な壮大なストーリーがある。映画のように迫力のあるカットシーンと、フルボイスでひとクセもふたクセもあるキャラクターたちが彩る世界は、旅する者を魅了する。攻防が一体となった駆け引きのある戦いも、そのド派手なエフェクトとともにリッチな環境で楽しみたいものの1つだ。

 そして、最大の楽しみである衣装集めも。「ブレイドアンドソウル」の衣装はキャラクターの性能とは切り離されており、好きな衣装で戦うことができる。衣装はクエスト報酬やボスドロップ、また勢力に所属する証しとして、いろいろな局面で手に入る。

 普段はキャラクターの後方からのTPS的な視点だが、マウスホイールを操作することで背景をぼかしてキャラクターを際立たせる記念撮影モードに入れる。記念撮影用のカメラは全身と上半身のアップが用意されている。グラフィックス設定で、アンチエイリアスを設定することもできるので、より自然な感じのスクリーンショットが撮影できる。アンチエイリアスにはゲームに適したアンチエイリアスとして開発された「LEAA」と、NVIDIAが開発した「FXAA」の2種類が用意されている。

最高設定でのアンチエイリアス
アンチエイリアスオフ
「LEAA」を使ったアンチエイリアス
「FXAA」を使ったアンチエイリアス
「FXAA」でのアップ

 連続したクエストで綴られるストーリーを追っていくと、ついつい時間を忘れて連続プレイしてしまいがちだ。MMORPGなら誰もが経験することだが、そういった長時間プレイをした時のパフォーマンスも気になるところだ。今回、6時間以上の連続プレイも試してみたが、熱によるパフォーマンスの低下や熱暴走もなく、ヘッドフォンを付けてプレイしていると真横に置いていてもファンの音はほとんど気にならなかった。安心して、たっぷりと美しい世界を堪能して欲しい。

「ブレイドアンドソウル」の世界
無数にあるダンジョンの奥には、ソロで戦える気軽なボスがたくさん待ち構えている
「軽功」という一連のスキルを覚えていくことで、空間の中を自由に疾駆できるようになる
ストーリーに従って、様々な場所を冒険していく
コミカルな姿の亜人種も多数登場する

ハイスペックなゲームもサクサク快適に動作

 「ブレイドアンドソウル」が快適に動くレベルであれば、おそらく現在サービスしているMMORPGはほぼすべて問題なく遊べるはずだ。今回試した3タイトルはどれも発表された当時には、「どれだけスペックがいるんだ……」とファンを嘆息させた強者揃いだ。それがすべてサクサクと快適に遊べる性能が、コンパクトなケースに詰まっているのは驚きだ。

 MMORPGの推奨PCやゲーミングPCはミドルタワーやハイタワーなど、サイズが大きめでいかつめのモデルが多い中、長時間プレイにも耐える冷却性能を持ち、大人数でエフェクトを光らせまくるような高負荷コンテンツもなんなくこなしてくれるシンプルなミニタワーが嬉しい人は多いのではないだろうか。この見た目なら、遊びに来たカノジョ(カレシ)にギョッとされる心配もないので安心だ。

 帯に短したすきに長しとは中途半端なものの例えだが、「エアロストリーム RM7J-Z61/E」の場合は使い方によって帯にもたすきにもなるという汎用性がある。ネットやメールでライトに使う時には静音性を活かし、オンラインゲームでがっつり遊びたい時には隠れたポテンシャルを十二分に発揮してくれる。どうせPCを買うなら用途は広い方がいいという人はこの機に検討してみてはどうだろうか。

【お詫び】
7月11日0時掲載時に2ページ移行が表示されていなかったため、7月11日11時頃、再度掲載処理を行ないました。

(石井聡)