PS3/Xbox 360ゲームレビュー「F1 2013」

F1 2013

様々なプレイスタイルに適合するゲームモード

様々なプレイスタイルに適合するゲームモード

レース序盤の集団をいかに脱け出すかが勝利のカギ

 というわけで本作には沢山のゲームモードがあり、遊びの幅を広げてくれる。

 まず多くの皆さんにオススメなのが「シーズンチャレンジ」。これは全19戦で構成されるF1シーズンのうち10戦を切り出したダイジェスト版みたいなもの。プレーヤーは新人ドライバーとなってライバルへの勝利と上位コンストラクターへの移籍を目指す。

 まずレースに臨む際に、実在のドライバーの中からライバルを指定し、レースで2度それに勝つと、そのライバルが所属しているチームに移籍できるという仕組みだ。最短わずか2戦で最上位チームに入ることもできるので展開は非常にスピーディ。1レースも予選1周、決勝5周程度と、およそ15分で終わる手軽さなので、空き時間にちょこちょこ遊ぶのにうってつけだ。

長丁場のレースではいかにミスを減らすかが重要に

 もっとじっくりシーズンを体験するなら「キャリアモード」を。こちらはドライバーとして全19戦を闘いぬくモードで、各レースも練習セッションからQ1~Q3、そして最低でも現実の25%の距離を走る決勝レース(オプションでさらに伸ばせる)と、長丁場だ。

 丁寧にプレイすれば1レースに1日、1シーズン終えるには1ヶ月かかるほどのプレイタイムとなるが、レースが長いぶんピット戦略や天候変化、レース中に起こりうる各種トラブルへの対処といった部分もディープに再現。本作のシム的な部分の本領が楽しめる。各レースの合間にはチームのエンジニアによるマシン改良も行われるなどイベントも豊富で実におもしろい。

ターゲットを前方に捉えて、いかにオーバーテイクを狙うか?

 もっとサックリとレースの醍醐味を味わいたいなら「シナリオ」モードがピッタリだ。こちらは前作までチャレンジモードとして存在したものをグレードアップし、F1レースで起こりうる様々な興味深いシチュエーションをダイレクトに体験できるというものだ。

 例えば単にチームメイトに勝てというものから、タイヤがバーストしたりウィングがとれた状況からピットインして順位の維持を目指せというもの、あるいはエンジンやギアにトラブルを抱えたままラスト数周を頑張るというものまで多彩。各ゲームとも3~5周程度で完結し、10分もあればワンゲーム完了というサックリ感だ。

 シナリオカテゴリーとして入門編の「ルーキー・ドライバー」から最上位の「ファイナルイヤー」まで難易度別に4つの枠があり、それぞれに5個のシナリオが収録されている。各シナリオはブロンズ、シルバー、ゴールドの各レベルに挑戦できるのだが、ゴールドはかなりのやり込みが必要な難しさに調整されており、上級者にも挑戦のしがいがある。

 このほかもちろん「タイムアタック」などひとりでタイムを追求するものから、画面分割によるローカル対戦、オンライン対戦や2人チームを組んでオンラインで戦う「CO-OPチャンピオンシップ」、そしてもちろん単体のレースを楽しめる「グランプリモード」など、およそF1的に考えられるゲームモードは全て入っている。

 いずれのゲームモードも共通してインターフェイスが非常に洗練され、レース外の部分がサクサクと進められるようになったのも良い。全体的にコードマスターズの悪癖であって演出過剰な部分が削ぎ落とされ、すっかり垢抜けた印象である。このあたりも本作のプレイしやすさの向上によく貢献しており、F1好きなら誰にでもオススメしやすい。

様々なシチューエーションでレースを楽しめる本作。お気に入りの遊び方がひとつはみつかるはずだ
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(佐藤カフジ)