3DSゲームレビュー
超速変形ジャイロゼッター アルバロスの翼
ビークルモードとジャイロモードを切り替えながら日本を縦断!
(2013/7/3 00:00)
ビークルモードとジャイロモードを切り替えながら日本を縦断!
ゲームの進行は、本質的にはオーソドックスなスタイルを採っている。まずは街で情報の収集や装備の新調、アイテムの購入を行ない、準備が整ったらフィールドへ冒険に出発。ダンジョンを探索し、最深部にいるボスを倒し、新たな街を目指して移動する。こうして少しずつ行動範囲を広げていくという、ある種王道的な作りになっている。そのため、RPGに慣れ親しんだ人であれば、迷うことなくスムーズにゲームプレイに没入できるはずだ。
もちろん、遊びやすいだけでなく本作ならではの要素も多分にある。例えば、下画面には現在地の簡易マップと現在の目的が表示されており、次の行き先はマップ上にある赤い「!」を辿っていけば簡単にたどり着ける。このナビゲーション機能が備わっているおかげで、「何をすればいいのか?」、「どこに行けばいいのか?」ということで迷うことはほとんどないだろう。まとまった時間が取れずに、時間を置いて再開するときも安心だ。
また、都市の外にあるフィールドマップ上では、クルマ形態のビークルモードとロボット形態のジャイロモードを自由に切り替え可能。画面の右下には、3段階に分かれた「ダッシュゲージ」があり、時間の経過や道路に落ちているブーストアイテムの取得で増加していく。
このゲージの使い道はモードによって異なる。ビークルモードではMAX状態になると、一定時間爆発的な加速力を得られる「ブースト」が使える。舗装された道路はクルマのほうがロボットよりもはるかに速く走ることができ、なおかつ走行しているだけで操作中のジャイロゼッターに自動的に経験値が入るのがメリット。カーブを曲がる際にAボタンを押すと、テールを流しながら向きを変えるドリフトが発生し、走行経験値に倍率がかかってボーナスがつく。
一方のジャイロモードは、二足歩行のロボット形態で移動する。移動速度は遅いものの小回りが効き、悪路でもスピードを落とさずに移動できるのが長所。ビークルモードのようなブーストはできないものの、ダッシュゲージを1段階使ってショートダッシュができる。ショートダッシュは敵に体当たりをすることで先制攻撃を仕掛けることができる。そのほか、ダンジョンの特定のポイントではジャンプのコマンドが出現。段差の上り下りや、離れた場所へジャンプで移動するなど、ショートカットできる。
物語は横浜から始まり、シナリオの進行とともに東北地方から北海道へと北上。その後は関東以西へと舞台は移り変わっていく。こうして日本の主要な都市を経由しながら、日本全土をまたにかけて冒険することになる。
ちなみに、都市から都市への移動はビークルモードで舗装道路を走ってもそれなりに時間がかかるが、1度でも行ったことのある場所なら下画面の「マップ」から即座に飛べる。特定の都市でしかできないことや、特定の都市でしか売っていないアイテムなどもあるので、このショートカット機能は非常に便利。タッチするだけでサクッと目的地に行けるのは、思いのほか快適だった。
ジャイロゼッターが乱舞するド派手なパーティバトル!
フィールドやダンジョンには、暴走ジャイロゼッターの「イビルゼッター」が徘徊。シンボルエンカウントでバトルが発生する。シンボルとの接触の仕方でこちらが有利な「先制攻撃」や、敵に先手を取られる「不意打ち」になることもある。
バトルは、「アクティブギアバトル」と呼ばれる最大3vs3のパーティ戦で、事前にセットした最大4つの技を使い分けて戦う。ほかにもギアを1段階上げる「ギアUP」というコマンドがあるほか、「アイテム」や「逃走」も用意されている。プレーヤーが操るパーティはユウキ、エリカ、ダイゴ&ナオの久堂ファミリーで、それぞれが搭乗する3体のジャイロゼッターが戦闘に参加する。
技を使う際にポイントとなるのは、各技に設定されたギア数の概念だ。例えばギア3の技を繰り出すには、最初のターンは「ギアUP」を選んでギアレベルを1→2に上げ、次のターンも同様にギアレベルを2→3へ。その次のターンで初めて攻撃することになる。このような、ギア数の高い技ばかりをセットしたのでは、すぐに攻撃できないデメリットも生まれる。バランスよく配置するように気をつけよう。
なお、習得する技の種類はジャイロゼッターによって固定で、一定レベルに達すると新しいものを覚えていく仕組みだ。習得技が5つ以上になると取捨選択の必要が出てくるが、この組み合わせを考えるのも本作の醍醐味。登場するジャイロゼッターは合計100種類もあり、技の選択はとても戦略性に富んでいる。また、技には5種類の物理属性、7種類のエレメント属性という概念もあり、相性をしっかり考えればより有利に戦闘を進められる。
また、敵にダメージを与えるか、敵からダメージを受けると下画面の1番上にある「ファイナルバーストゲージ」が少しずつ伸びていく。これが100%になると右上に「∞」のボタンが出現。これをタッチすると、好きなジャイロゼッターの究極技「ファイナルバースト」を発動できる。
「ファイナルバースト」は一部のボスを除いて、ほとんどの敵を1撃で倒すほど高威力。レベルやキャラクター適性等の条件が整うと、単体攻撃から全体攻撃に変化する。ボスにも致命傷を与えられる極めて強力な攻撃手段なので、ダンジョン探索時にはボス戦に備えて温存したままで進むのも手だ。
多彩なカスタマイズで思い通りのジャイロゼッターを作る!
先述の技もそうだが、本作はジャイロゼッターのカスタマイズ要素が非常に豊富で、プレーヤーの個性を存分に発揮できる作りなのが魅力。その中でもベースになっているのは、ジャイロゼッター本体だ。新たなジャイロゼッターはシナリオを進めることで手に入る場合もあるが、ほとんどはバトル相手のイビルゼッターを仲間にすることでバリエーションを増やしていくことになる。
イビルゼッターとは、そもそもウィルスに犯された暴走ジャイロゼッターのこと。ワクチンとなる「イビルバスター」というアイテムを使って、正常化させることで仲間にできる。ただし、成功するかどうかは運次第。敵のEPを減らしたり、状態異常にさせると成功率がアップする。
また、イビルバスターにもいくつかのグレードがあり、高価なものほど成功率が高い。これに加えて、運が味方すれば晴れて正常化が成功する。こうして、各地のイビルゼッターを仲間にして、お気に入りジャイロゼッター候補を探していく。なお、ジャイロゼッターには以下の6つのパラメータがある。機体によって成長の度合いも違うので、じっくり吟味しよう。
- パワー:攻撃の威力に影響
- はんのう:行動の順番に影響
- ボディ:防御力に影響
- めいちゅう:攻撃の当てやすさに影響
- エコロジー:回復に影響
- かいひ:敵の攻撃の避けやすさに影響
搭乗したいジャイロゼッターが決まったら、次に決めたいのが「Zカード」だ。これは機体のスロットに差し込む特殊なカードで、様々なプラス効果をもたらす。純粋にパラメータを高めるものだけでなく、被ダメージを抑えるもの、獲得DPや経験値をアップするもの、条件つきだが非常に強力な効果を発揮するものなどバリエーションは豊富。組み合わせによって劇的な効果を発揮することもある。
例えば、「はんのう」が高いジャイロゼッターに「一番槍」(敵味方合わせて1番最初に攻撃した場合、クリティカルになる)と、「狙い撃ち」(クリティカルのダメージが大きくアップ)を装着すれば、最初の攻撃が高威力のクリティカルになる。初期のギアレベルを高めるZカードも存在し、同時に装着すれば1回の攻撃で敵を1体ほぼ確実に仕留められる。
そのほか、ドライバー自身に特殊能力をつける「ドライバースキル」という能力がある。これは、都市にある道場、またはその出張所で習得できるスキルで、バトルのたびにもらえるDP(ドライバーズポイント)を消費する。属性効果やパラメーターの上昇、回復や回避など効果は様々で、Zカードのキャラクター版とも言える。
ただし、これは1つしかセットできないこと、発動するかどうかは確率次第なこと、その代わりに効果は劇的なものが多いことなどが異なる。通貨のエンに比べると、DPは手に入る額が少ないので、あれもこれもと欲張るよりも、数を絞って厳選したスキルを習得させるようにしたい。ちなみにキャラクターによって適正があり、適正に合ったものほどDPの消費が少なくて済むようになっている。
ちなみに、ダイゴとナオはペアを組んでいて、2人が別々にドライバースキルをセットできる。ユウキとエリカには決まったパートナーはいないものの、一時的に同行する人物と期間限定でペアを組むことがある。ただし、ドライバーとパートナーの入れ替えや、パートナーの変更は自由に行なえるので、状況に応じて組み替えていくといいだろう。
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