2019年1月30日 12:00
これこそアイドル戦争、というものだと思う。セガゲームスが開発中のAndroid/iOS用アイドル育成ゲーム「Readyyy!」は、18人のアイドルを目指す少年たちの成長を「寮長」として、そして「プロデューサー」として公私ともに見守るタイトルだ。
今回はそのβテストに参加する機会に恵まれ、よっしゃそれじゃあ推しを見つけてやるぜと乗り込んできた。本作はアイドル育成ゲームの例に漏れず個性豊かなアイドルが揃っていて、正統派キラキライケメン貴公子や元気わんこ系にはじまりSNS徘徊オタク、純粋培養純真少年、ちょっとマセた小生意気少年、求道者(2人いる)、緑茶系清楚男子といろいろ。
まだまだ成長途中の彼らだが、ところどころに光るものを感じるし、歌は非常に元気よく歌い上げるため好感が持てる。それに実際遊んでみるとなかなかにハマるのだ。今回はゲームのおおまかなシステムにも触れつつ、彼らの魅力を語っていきたい。
なお筆者は「アイドルマスター」シリーズや「BanG Dream!」といったアイドル(「バンドリ」はアイドルというよりバンドだが)を育成するゲームを遊んではいるが、男子を推すゲームにはあまり明るくないことを申し上げておく。ただこれだけは言っておきたい。(後述するが)個人的に折笠凜久くんと明石達真くんは非常にいい。
何はともあれ歌を聴いてほしい
まず彼らはなんと言ってもアイドルである。現在実施している事前登録の達成報酬として公開されたMVとともに、ユニットごとの特徴に触れよう。
まず「SP!CA」。冒頭で説明したキラキラ貴公子「久瀬光希」と元気わんこ「五十嵐比呂」を筆頭に、情報戦のプロフェッショナル「錦戸佐門」、緑茶系清楚男子「紺野梓」、ポワッとしたマイペースな「胡桃沢タクミ」の5人グループ。これはわかる、正統派アイドルグループだ!しかも久瀬くんと五十嵐くんの仲の良さはストーリー序盤からモリモリ描かれる。しかも5人あわせてグループとしてのまとまりが綺麗。執筆中にループ再生するくらいには好きになった。
次は「La-Veritta」。生粋の作曲家「上條雅楽」と「清水弦心」のデュオ。我が道をひた走る雅楽(うた、と読む)を弦心が側でサポートしていく。比翼の鳥というには少々バランスが整わない気配もあるが、高い歌唱力で聴衆を圧倒する実力派デュオだ。
「Just 4U」はちょっと苦労人の「明石達真」、自由奔放な「柳川彗」、上京したばかりの純真無垢な少年「綾崎小麦」、ツンツン小生意気少年「折笠凜久」の4名からなる兄弟のようなアットホーム感漂うユニット。……というより、明石くんが父親となりそれぞれが全く別の方向に全力疾走するのをどうにか制御しているという印象がある。
「RayGlanZ」は……ひと言で言うなら「ヒール」。風格漂う「宗像十夜」にツンギレ八重歯オオカミ系男子「碓井千紘」、その2人の面倒を陰に日向に支える「香坂安吾」。テーマカラーがダークなうえ最初の立ち回りが悪役寄りなため第一印象はあまり良くないものの、根強く推していくことで隠れた魅力が見えてくるタイプ。
最後に「摩天ロケット」。自信家のスポーツ少年「伊勢谷全」、貴族のような雰囲気を漂わせる「藤原蒼志」、ユニットのムードメーカー「真田淳之介」、SNS徘徊オタクストリーマー「高千穂亜樹」の4人組で、全員が高校1年生。同い歳で非常に仲のいいグループだ。
このMVの魅力はアイドルたちの躍動感はもちろん「見たい」アングルを次々と見せてくれる演出の妙。たとえば「Just 4U」の「大胆不敵に恋したい」の23秒付近で観客からの視点を出したり、50秒付近の明石くんのステップに合わせてカメラが揺れるとか、フォーカスがずれる瞬間とか、服をぎゅっと掴んだ瞬間に描かれるシワとか、1分~1分3秒の綾崎くん→折笠くんにカメラが移る瞬間とか、そういう……ライブの風景を映しながらも「MV」としての演出を忘れない細やかさに惚れるのだ。
公私をサポートし育て上げる
さて、そんな個性と魅力に溢れたアイドルたちをプロデュースするゲーム本編だ。
あなた――つまりプレーヤー自身のことである――は全てのアイドルがランク付けされるまさに”アイドル戦国時代”真っ只中にアイドル業界参入を決めた芸能事務所「ディア・プロダクション」のいち社員。そこに突然、「きみ、プロデューサー兼寮長やってくれ。アイドルも新人だからよろしく(要約)」というとんでもない社長命令が下った。しかもアイドルたちはデビューを巡って競わねばならないのだという。新人vs新人のガチンコデビューレース、一体どうなっちゃうの……?と、いうのが本作のあらすじである。
ストーリーを楽しむ「メインチャプター」、アイドルのステータスを上げる「強化チャプター」、そして「イベントチャプター」はスケジュールの形に組まれていて、これらを1日1マス選択してアイドル活動へ向けて邁進していく。このマスはアイドルのワンシーンを眺める「日常」、いわば「編成」にあたる「メンバープロデュース」、そのストーリーでアイドルに経験を積ませてステータスを上げる「レッスン」がある。
また、各チャプターで獲得した能力値は総合的なアイドルのステータスとなる。メインチャプターなどで使われる能力値はその場限りのものだが、チャプターを繰り返しプレイして累積した能力値はチャプターとは別に「アイドル活動」などで使用するため、上げておいて損はない。「アイドル活動」では好きなアイドルを選び、ライブやドラマ撮影をこなしていく。
そうそう、レッスンやアイドル活動で出てくる「ちびメン(SDキャラクター)」がかわいい。2等身にディフォルメされながらもちまちまと楽しげに動くのは見ていて飽きない。ドラマ撮影では専用のコスチュームを纏うし、レッスン中などの服装は「着せ替え」で変えられる。
アニメーションっていいよね
日常パートや「フォト撮影(ガチャ)」で獲得できる「フォト」ごとに楽しめる「フォトストーリー」の会話では当然アイドルたちが会話するわけだが、ここでアイドルたちのリアクションがLive2Dで描かれるのがいい。喜怒哀楽がいずれも豊かに描かれるのは五十嵐くんで、ムスッとしながらも柳川くんのいたずらや綾崎くんの無知さに引っかき回され困惑する顔が多い折笠くんと、ここにも個性がよく現われている。
推しが増える幸せ
うん、実際のところ「歌がいい」、「顔がいい」、「性格が(印象はともかく)いい」のいずれかがあると、人は何かを推せると思った。今回の「Readyyy!」で言うなら明石くん、折笠くん、そして久瀬くん。個人的にはこの3人がめっちゃ好き。とくに折笠くん、高いプライドからお調子者揃いの摩天ロケットの面々を見下すも柳川くんの自由ないたずらに綾崎くんの純真さにグルングルン振り回されるのとか見ていて楽しい。共感して信頼されるよりこっちもボケる側にまわってもっと振り回したい。
――ともあれ、こんな感じに男子を推すゲームに慣れていない筆者でも推しが見つかったので、リリースの暁には1度触れてみてほしい。というか多分、彼らのどこかが「いいな」と気づいたらそこでもう推せる。とりあえずMVを見て、「おっ、格好いいな」とか「なんか気になるなこいつ」となったらゲームに触れてほしい。なかなかいいぞ、「Readyyy!」。
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