先行レビュー

「アノマリス」先行プレイ。フリュー完全新作はSCP的オカルト感漂うサバイバルTPS

終わらない昭和、未知の異界、そして銃撃戦!

【アノマリス/ANOMALITH】
10月29日 発売予定
価格:
8,580円(通常版)
12,100円(数量限定パッケージ版/デジタルデラックス・エディション)

 フリューは、プレイステーション 5/Nintendo Switch/PC用アクションアドベンチャー「アノマリス/ANOMALITH」を10月29日に発売する。価格は8,580円より。

 本作は、“昭和が64年以降も続いている”という架空の日本を舞台にした、サバイバルアクションホラーゲームだ。主人公の水無月 玲緒奈が、「異界」と呼ばれる特殊空間の中で行方不明になった友人を見つけ出すため、異界を探索・調査する組織「危険区画対策室」の調査要員として、数々の異界を探索していくことになる。

 今回は、ゲームの正式発表に先駆けて「アノマリス」を先行プレイさせていただく機会に恵まれた。早速、ゲームを試遊した上でのファーストインプレッションをお届けしていきたい。

【アノマリス/ANOMALITH - アナウンスメントトレーラー】

慎重な探索、弾薬管理、異形化スキル。サバイバルシューターとしての手応え

 今回の試遊では、基本操作が実践的に学べるチュートリアルマップを中心にプレイしつつ、マップ探索からボスバトル、拠点でのカスタマイズ要素などを、網羅する形で試遊できた。まずは基本的なゲームプレイ部分から見ていこう。

 チュートリアルのマップは、玲緒奈が「危険区画対策室」の新入りメンバーとして、初めて調査することになるエリアだ。プレーヤーと玲緒奈は、異界の成果を持ち帰るために現場の状況を度外視した命令を下すことも厭わないという「危険区画対策室」の非情さと、理不尽な現実をまざまざと見せつけられる。新人調査要員の華々しいデビュー……と、事が上手く運ぶかは定かではないが、物語の導入としてわかりやすく緊迫感を演出している。

会話シーンは左右のウィンドウにキャラクターが表示され進行
画面左下にメッセージが表示されることもある

 本作の公称ジャンルは「異常探索アクションアドベンチャー」とされている。だが、実際に遊んでみると、TPS(サードパーソン・シューティング)が大部分を占めている。わかりやすいイメージで例えるなら、数あるTPS作品の中でも、カプコンの「バイオハザード」シリーズが系統として近いだろう。ホラーチックな雰囲気を崩さない慎重な探索のテンポ感と、表情すらわからない人ならざる異形の存在「アノマリー」との対峙。ゲームでは物語を進行の軸に据えて、フィールドを徘徊するアノマリーを退けながら異界の調査を続けていくのだ。

 過去一度でもFPSやTPSに触れたことがあるプレーヤーなら、キャラクター操作で困ることはほとんどない。シュータージャンルの“最大公約数”とも取れる操作感で肩越しに照準を合わせて射撃する。極端な話、チュートリアルがなくても直感だけで遊べるくらいにはすぐ手に馴染むだろう。

 ただ、緊急回避のような咄嗟の防衛手段がないため、予め敵との距離を保って戦うか、接近されたらクイックターンで向きを変えて逃げるといった、プレーヤー自身の立ち回り方が要求される。弾薬の管理はもちろんのこと、使用武器のリロードタイミングが悪いと、複数の敵に詰め寄られてピンチになりかねない。今回の試遊プレイは難易度「ノーマル」なので難なく切り抜けたが、その上の「ハード」ではしっかりとした手応えを味わえそうだ。

 基本操作を覚えたところで、序盤の病院マップ「霧島中央総合病院」の探索を体験した。このマップでは人間の気配は無く、異界からの脱出も難しいという極限状態の中、出現するアノマリーに対処しながらフロアごとに部屋を歩き回っていく。

 ゲーム中はフィールドのいたるところで弾薬や回復薬、装備品の素材といったアイテムを拾うことが可能。アイテムを見つけ出す際に便利な機能が、レーダーの役割を持つ「インジケーター」だ。これを使えばプレーヤーの現在地から近くに隠されたアイテムの方角と距離を視覚化できる。ゲーム序盤からこの機能が使えるとなれば、“アイテムの取りこぼし”といった些細なストレスは心配しなくても良さそうだ。

病院の調査にやってきた玲緒奈
入り組んだ地形が目立つので「インジケーター」で確実にアイテムを回収していく
死角に敵がいないか入念にチェックしながら進む
人型以外のアノマリーも出現した

 この病院マップから、玲緒奈には「銃」以外の攻撃手段が解放されていた。それが「異形化スキル」というものだ。アノマリーに対して銃の攻撃を当てる、あるいは玲緒奈の体力が減ると蓄積していくスキルのリソースを消費し、強力な攻撃が行なえる。

 異形化スキルはゲームを進めると、新しいものが開放できるようになり、それらのスキルを切り替えていけるという。病院マップでは、敵の攻撃を受け流すパリィタイプのスキルと、異形化させた身体で爪による攻撃を行なう近接攻撃タイプのスキルを使用できた。本作は、探索と戦闘がシームレスに展開される性質上、時には狭い通路での戦いに発展する場合がある。そんなとき、咄嗟の切り返し手段として、こうした異形化スキルが非常に役立つわけだ。

 パリィタイプのスキルはタイミングが重要で慣れこそ必要だが、攻撃タイプのスキルは高いダメージ量と発生の速さが非常に優秀。リソースが限られるため連発はできないが、異形化スキルでアノマリーを突き飛ばし、銃で追撃できると、大勢の敵に囲まれても突破口を開きやすい。ここでもやはり、プレーヤーの立ち回り方が活きてくるようだ。

「異形化スキル」による攻撃。巨大な爪でダイナミックな攻撃が可能に
銃での攻撃でアノマリーが怯むと攻撃チャンスが生まれる
光ったタイミングがわかり易くパリィできる瞬間だが……そう上手くはいかない

 最後は商店街マップでのボスバトルを体験した。戦うボスは人型のアノマリーで、商店街の開けた空間を縦横無尽に動き回る。すばしっこく、奇襲を掛けてくるような戦い方がかなり厄介だ。瞬間移動で目前にまで迫ってくるため、銃撃が狙いやすい距離感を維持させてはくれない。

 急接近してきたところに上手くパリィがハマれば、怯んだ隙にショットガンや異形化スキルでの攻撃を叩き込める。しかし、これまた厄介なことに、今度はプレーヤーと距離を取って、離れた場所からエネルギー攻撃を飛ばしてくる。遮蔽物が何もない空間なので、広さを利用して逃げ回りながら地道にダメージを与えていく。

 戦闘開始からおよそ10分後。回復薬をかなり使い込んでしまったが、何とか死亡することなくボス敵を倒し切ることができた。敵の体力が減ってきて、新しい攻撃パターンを繰り出してくるたびに、回避行動に専念していたのが功を奏したといったところか。これまで戦ってきたアノマリーからは想像できない素早さで、コントローラーを握る手が汗で濡れるほどには強く握っていたと思う。ホラー風味な探索パートから一転して、ボス戦らしいボスバトルを楽しめるところにも、往年のサバイバルシューターらしさが見られる。

商店街のボス敵
ゴリゴリ間合いを詰めてくる
体力が減ってくると玲緒奈の容姿にも変化が生じる
こちらはスキルによる攻撃
無事にクリア……!

銃好きスタッフのこだわりが光る、細かなガンカスタマイズ。衣装バリエーションも豊富!

 このゲームならではと言えるのが、玲緒奈の衣装変更と銃のカスタマイズ要素だろう。拠点では持ち帰った素材で、これらの装備品を開発できる。衣装は部位ごとに基礎ステータスが向上する防具としての役割を持つ一方、性能を変化させることなく見た目だけを自由に変更する着せ替え重視の「見た目モード」を備えている。攻略用途に性能を特化させたはいいが、結果として見た目が気に入らない、といった悩みを解決している。

 衣装は9つの部位から組み合わせられるので、自由度が非常に高い。ヘッド、フェイス、インナー、ボディ、バックパック……etc。サバイバルシューターでここまで見た目に特化した、衣装の組み合わせ自由度が高いゲーム、というのはかなり珍しく感じる。「フォトモード」も備わっているようなので、好きなだけプレーヤー好みの玲緒奈を撮影し放題というわけである。衣装はそれぞれの部位を合わせて、300種類以上が用意されているとのことだ。

どこかで見たことあるデザインも

 銃のカスタマイズ要素もこだわりを感じられる。聞いたところよると、社内にモデルガンを持ち込む銃好きのスタッフもいるなど、開発チームに銃が好きなメンバーが多いらしい。そうした好きの精神が如実に反映されているのが、本作のカスタマイズ要素ということだろう。

 銃はレベルアップによる単純な性能強化に加えて、「アタッチメント」項目の中からフォアグリップ、マズル、ストック、サイト、レーザーサイトといった具合に、パーツごとのカスタマイズができる。これらは銃の性能としっかり結びついていて、弾丸の集弾精度を高めたり、反動を抑制したり、発砲音の距離を抑える効果がある。

 試遊時間の中でカスタマイズの恩恵を顕著に得られたわけではないのだが、プレイスタイルに合わせたアセンブルというのは、わかりやすく楽しい要素だ。おまけに銃はカラーリング変更にも対応している。3Dモデルのプレビューもできるので、自分で組み合わせた銃を眺めてうっとりするプレーヤーも出てきそうだ。

SCP的オカルトと昭和の違和感が生む、ただならぬ新作TPSに期待大!

 フリュー完全新作は、まさかのTPSジャンルということで、非常にチャレンジングなプロジェクトではあると思う。それもフリュー独自解釈による味付けがなされたものだ。SCPのようなオカルト要素がふんだんに散りばめられた世界観と、異界特有のリミナルスペース的な空間、そして昭和が64年以降も続くという奇妙な時代の掛け合わせがこれまでにないオリジナリティを抽出している。

 また、シナリオに田中ロミオ氏、キャラクターデザインにMON氏、コンポーザーは北村友香氏と、外部から参画しているクリエイター陣がいずれも実力派揃いである点についても無視はできない。大物を取り揃えれば良いというものではないが、今回試遊した手応えとしては、キャラクターデザインもゲーム内楽曲も、ごく自然な形でハマっていると思えた。シナリオについてはまだ未知数ではあるが、フレーバーテキストや会話の端々から、ただならぬ不穏さが伝わってくることだけはわかる。

 今後も続々と最新情報が告知されていくと思うので、気になる方は是非ともチェックしていただきたい。