先行レビュー

「紅の砂漠」最新TGS2025デモを先行プレイ! オープンワールドから戦場体験まで、AAA級のクオリティに驚き【TGS2025】

【紅の砂漠】
2026年3月19月 発売予定
価格:未定

 「紅の砂漠」は、MMORPG「黒い砂漠」で知られるPearl Abyss(パールアビス)が開発中のオープンワールドアクションアドベンチャーゲーム。対応プラットフォームはPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)、Macで、2026年3月19月に発売予定。

 本作は、9月25日~28日に開催される「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」にて、日本初となるプレイアブル出展が決定している。ブースには100台の試遊台が設置され、序盤から中盤にかけてのクエストとストーリーの一部を体験できるという。

 今回、TGS2025に出展される「紅の砂漠」の最新デモを一足先に遊べたので、プレイレポをお届けしたい。

「紅の砂漠」の魅力を一通り把握できる最新デモ

 プレイレポに触れる前に、まずは「紅の砂漠」のあらすじを軽く説明しておこう。「灰色たてがみ団」に属していた「クリフ」とその仲間たちは、宿敵「黒い熊」の襲撃を受ける。大規模な戦闘により灰色たてがみ団は壊滅し、クリフと生き残った仲間たちは離れ離れになってしまう。

 その後、クリフは消えた仲間を求めて「ファイウェル大陸」を旅していくうちに、自身に課せられた運命と、想像を絶する脅威が明らかになっていく……といったストーリーが展開される。

【紅の砂漠 - 50分間の序盤ゲームプレイ映像】

 「紅の砂漠」の最新デモは、「カルフェイド」を舞台にしたクエストとメインストーリーの一部を体験できる。カルフェイドの領主に仕える副官「カシウス・モーテン」の反乱と黒い熊の襲来により、カルフェイド軍は敗北寸前の状況に。カルフェイド軍からの要請を受けたクリフは、兵士たちとともにカシウス・モーテンを討つことになる。

 さまざまな任務をこなしながら戦場を駆け抜け、城にいるカシウス・モーテンを討伐し、灯台に火を灯したらクリアだ。最新デモのプレイボリュームは約50分を想定している。

窮地に立たされているカルフェイドを救うべく、クリフが立ち上がる
高台にある砲台で敵の監視台を破壊していく
敵味方がぶつかり合う戦場を探索
途中で迫力満点のカットシーンが流れる
裏切り者のカシウス・モーテンを討伐
カシウス・モーテン討伐後、灯台に火を灯したらクリアとなる

 カシウス・モーテンの討伐クエストを主軸に、広大なオープンワールドの探索や、多彩な戦闘システム、プレイの合間に挿入される心揺さぶるカットシーン、敵味方が激しくぶつかり合う戦場、スリリングなボス戦を体験していく。約50分のプレイ時間で、「紅の砂漠」の特徴や魅力を一通り把握できる内容になっている。

 次からは、「オープンワールド体験」「戦闘システム」「戦場体験」「強敵」の4点に絞って、本作の魅力を細かく紹介していきたい。

自由度が高すぎるオープンワールド体験

 本作最初の魅力は、大規模なオープンワールドにある。地平線が見えないくらいの壮大な規模感があり、衝撃を受けたと同時に、興奮すら覚えた。

チュートリアル終了後、荘厳な山々に囲まれたカルフェイドを降下することに

 チュートリアルを済ませると、山々に囲まれたカルフェイドへ降り立つことに。見渡す限り、森林や花畑、川などの自然が広がっていて、息を呑むほどの美しさに満ち溢れていた。フィールドの自然に加えて、自然光も天候エフェクトも実写レベルの域に達している。これが、Pearl Abyssが独自に開発した「ブラックスペースエンジン」の実力なのか……。

緑が生い茂る森林地帯
水面の反射がリアルな川
家屋が立ち並ぶ城下町

 最新デモはメインクエストの進行がメインなので、探索できる範囲は限られていた。だが、スタッフに確認したところ、製品版はシームレスに、かつ自由にオープンワールドを探索できるそうだ。さらにフィールドを囲んでいる雪山も登れるという話を聞いたときは、尋常ではない自由度に驚いてしまった。

最新デモで探索できるマップの範囲はこちら。他のオープンワールドゲームと比べると狭く見えるが……
デモで探索できる範囲は限られていたが、上空から見るカルフェイドは広大だった

 本作のようなオープンワールドゲームに欠かせないものといえば、移動手段。最新デモで確認できた移動手段は、徒歩と馬の2種類だ。基本は徒歩だが、長距離を移動する際は馬が役立つ。

馬に乗って移動することができる。中世風のオープンワールドで移動するならやはり馬だろう(と思っている)
愛馬に乗って、敵味方が入り乱れる戦場を駆けていく

 最新デモを試遊した限りだと、「紅の砂漠」はオープンワールドゲームファンを虜にするポテンシャルがあると思った次第だ。カルフェイドを含む、ファイウェル大陸の面積が気になって仕方がない……。

多彩な戦闘アクションにとにかく痺れまくった

 2つ目の魅力は、多彩な戦闘アクション。さまざまなスキルで複数の敵を一掃する、ガードや回避で敵の攻撃を防ぐ、別の武器に切り替えて戦うといった戦闘スタイルが特徴だ。

チュートリアルで基本操作を学ぶ

 基本操作は「攻撃・強攻撃・防御・転がる・ジャンプ・遠距離攻撃」だが、2つのボタンを組み合わせて発動させる「スキル」や、精神力を消費して発動させる「掌底」、さまざまな属性を付与できる「属性攻撃」も利用できる。さらに格闘ゲームのようなコンボ技や投げ技も存在し、まさにより取り見取りといった感じだ。

 これらの攻撃はエフェクトが派手なうえに動きもカッコいいので、操作はもちろん、敵と戦う様子を鑑賞するだけで目頭が熱くなってしまう。中二心をくすぐるというか……。ともかく、クリフの攻撃モーションやエフェクトにも注目してもらいたい。

攻撃・強攻撃・防御・遠距離攻撃が基本。これらのボタンを覚えておけば、どんな敵も倒せる……と思う
2つのボタンを組み合わせて発動させる「スキル」。相手の視界を一時的に奪うなど、攻略に役立つものばかりだ
格闘ゲームのようなコンボシステムもあるが、操作自体は簡単
「精神力」を消費して発動させる「掌底」(左)。通常よりも高くジャンプができる「空中掌底」(右)もある
「炎」や「氷」などの属性攻撃も可能。右の図は氷属性での攻撃モーションだ
敵を掴んで投げ飛ばすこともできる

 そのほか、空中で一時的に飛行できる「カラスの翼」や旗を持ち上げるアクション、味方の爆撃を要請して多くの敵を一掃する「鏑矢」なども確認できた。

 このように、本作で扱える戦闘アクションは実に豊富だ。試遊した際は情報量の多さに驚いてしまった。ただ、実際は格闘ゲームよりも操作がシンプルなので、ゲームプレイを重ねることで操作を覚えられるようになっている。一見難しそうに見えて実際は丁寧な設計に好感を抱いた。

一時出来に滑空できる「カラスの翼」
旗を持ち上げて台に挿す
味方の砲撃支援を要請できる「鏑矢」。砲撃してほしい場所に矢を放つだけでOKだ

 シンプルな操作で多種多様な戦闘アクションを発動できる点も、「紅の砂漠」にハマるきっかけになるだろう。試遊時に、「カッコいいとはこういうことさ」と言わんばかりの痺れる戦闘アクションを味わってほしいものだ。

緊迫感あふれる戦場体験に愕然

 3つ目の魅力は、壮絶極まりない戦場体験だ。大勢の敵味方が入り乱れる状況はもちろん、戦場に轟く怒号や叫び声、死体の数々、爆発、炎、飛び交う砲弾など、本物の戦場を彷彿とさせる臨場感に圧倒されてしまった。

映画さながらの戦場体験が味わえる
迫力満点の破壊描写に言葉を失ってしまった

 先述した「ブラックスペースエンジン」の描写力と巧みな演出により、ダイナミックな戦場を創造することに成功している。迫りくる敵を尻目に、戦場の光景をまじまじと鑑賞する自分がいた(よそ見をして死にそうになったが)。

 もし高スペックのゲーミングPCや立体音響に対応するヘッドセット、大画面&高解像度のディスプレイがあれば、本作の没入感はきっと極まることだろう。ちなみにTGS2025の「紅の砂漠」ブースには、AMD CPU搭載のハイエンドゲーミングPCが100台設置されているという。リッチな体験になるだろうし、本作の試遊を機に、ゲーミングPCの購入を検討する人が出てくるのではないかと予想している。

興奮しまくり、緊張しまくりの強敵たち

 そして最後の魅力は、プレイヤーの闘争心を熱くさせる強敵の存在だ。通常の兵士は基本攻撃だけで十分対処できるのだが、宿敵である「黒い熊」は別だ。

 彼らの繰り出す攻撃パターンは多彩で、通常の兵士と比べものにならないほどの強さを誇る。ガード不可の投げ技などが強いためか、黒い熊の集団に包囲されるとちょっとした絶望を感じてしまう。ガードや回避を繰り返しながら1人ずつ数を減らし、隙を見てダッシュで逃げた覚えがある。

「灰色たてがみ団」を壊滅させた宿敵「黒い熊」が登場
黒い熊は通常の兵士よりも強力な敵だ。複数人で襲い掛かるなど、連携のとれた動きが印象的だった
黒い髪の特殊攻撃を食らって吹っ飛んでいる様子
余裕があれば戦ってもいいが、状況次第では逃げるのも手だ

 本作の強敵は、黒い熊だけではない。最新デモの終盤に登場する、カシウス・モーテンもそうだ。メインストーリーにおける重要人物であり、討伐対象のボスでもある。鉄球(フレイル)と盾を操るほか、突進攻撃や回復スキルが特徴だ。

 支柱が並ぶ王室は面積が狭いため、カシウス・モーテンの突進攻撃を回避するのがとにかく大変だった。素早い攻撃や回復も含めて、黒い熊以上に骨が折れる強敵だったと言える。

フレイルと盾を装備し、勇ましい甲冑をまとったカシウス・モーテン
右手のフレイルを振り回す攻撃。素早く振ってくるため、回避やガードが間に合わずに被弾……
狭い場所での突進攻撃が一番厄介だった
隙あらば体力を回復しようとするカシウス・モーテン

 カシウス・モーテンの戦いで最も苦労した点は、ギミックを使ってトドメを刺すことだ。さまざまな攻撃で相手のスタミナを削りきると、カシウス・モーテンは一時的に硬直状態になる。その状態になったときに、”破壊された支柱”を持ち上げて叩きつけることで、カシウス・モーテンを倒すことができる。

ダウン状態のカシウス・モーテンに近づいて特殊攻撃を発動。カメラアングルが変わったら発動成功だ
破壊された支柱を持ち上げ、硬直状態のカシウス・モーテンに打ち込む

 だが、筆者がカシウス・モーテンに挑んだときは、ギミックを使った倒し方がわからず、何度もやられてしまった。回復しまくるカシウス・モーテンに延々と蹂躙された覚えがある。スタッフに倒し方を教わってから、やっとの思いで討伐できたというわけだ。ゲーム内で倒し方のヒントを提示してくれるとありがたかった。

ギミックを使った倒し方は、スタッフに教えてもらうまでわからず……

まとめ:AAA級のクオリティに期待値爆上がり!

 2026年に発売予定の「紅の砂漠」をいち早く試遊させていただいたが、オープンワールドゲームファンを魅了する良作であると感じた。AAA級のクオリティに仕上がっているため、従来よりも深い没入感を得られるだろう。

 また、過酷すぎる戦場や奥深い戦闘も魅力的で、アクションゲームが好きな人にも刺さるはずだ。脳汁があふれでてくるほどの緊張感と、多彩なスキルで大勢の敵を一掃できたときの爽快感は、唯一無二の魅力と言っても過言ではない。

 冒頭でも述べたように、筆者が体験した「紅の砂漠」の最新デモはTGS2025で試遊することができる。本作の魅力を発売前に体験したい人は、TGS2025に足を運んでみてほしい。