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Switch2「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター」試遊レポート。進化したグラフィックやマウス機能を使った新登場のミニゲームを体験!

【ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター】
6月5日 発売
価格:4,950円

 6月5日に発売が迫ったNintendo Switch 2。そのローンチタイトルの1つがスクウェア・エニックスによるRPG「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター」だ。

 本作は2012年にニンテンドー3DSでリリースされた「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー」と、その完全版「フォーザ・シークウェル」をベースにしたリマスター版。Switch2でのリリースにあたり、より多くのプレイヤーが楽しめるよう、グラフィックやシステム面が進化しているとのことで、その詳細が気になるタイトルだ。

 今回はそんな本作の試遊の機会をいただいた。ゲーム本編の序盤に加え、Joy-Con 2を活かしたミニゲームも体験できたので、本稿ではSwitch2で本作がどのように進化したのかや、ミニゲームのプレイフィールについてお届けする。

【ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター [Nintendo Direct | Nintendo Switch 2]】

HD化されたグラフィックで絵本のような世界を楽しめる

 本作をプレイしてみてまず感じたのは、そのグラフィックの進化だ。3DS版の時点で、絵本や絵画を思わせる、温かみのあるグラフィックが特徴だった本作だが、Switch2版ではキャラクターやフィールドがHD化されており、Switch2の描画性能も合わさってより美しい世界を冒険することが可能だ。

 ムービーシーンでは美麗なグラフィックでキャラクターの表情や動きを楽しめるほか、フィールドを探索する際も、緑豊かな大地や砂漠のフィールドまで、多彩なロケーションを堪能できる。筆者は特に街並みや建造物の描写からグラフィックの進化を感じさせられた。建物の細部や、時間帯によって異なる明暗の表現はSwitch2の描画力もあって非常に美しい。本作で描かれる、クリスタルをめぐって光の戦士たちが世界中を旅する王道のストーリーも、文字通り絵本を読むような感覚で味わうことができるはずだ。

ムービーシーンはより美麗に進化しており、Switch2のグラフィック性能も感じられる
HD化によって、本作独自の優しい雰囲気や独自の世界観を、より深く感じることができる
本作の舞台となる「ルクセンダルク」には、砂漠や女性だけが暮らす国など、様々な世界が拡がっている
飛空艇で移動すれば、世界の広大さを実感できそうだ
キャラクター同士の掛け合いも本作の魅力。4人の戦士たちがどのように関り、物語を展開するのか、プレイして確かめてほしい

 もちろん、バトルでもグラフィックの進化は感じることができ、キャラクターのモーションやエフェクトがくっきりと見えるようになっている。今回は序盤のプレイということもあり発動条件を満たせなかったが、派手な演出の魔法や「必殺技」を繰り出せれば、より臨場感のあるバトルに引き込まれるはずだ。

当然、バトルでもグラフィックの進化は感じることができ、各種演出を楽しめる。今回は序章までのプレイだったためシンプルなものに留まったが、強力な魔法や必殺技を繰り出せればより派手な演出を拝めそうだ

BPを用いた戦略的なバトルシステムは健在!

 本作独自の「BP(ブレイブポイント)」を消費して1ターンの行動回数を増やす「ブレイブ」と、守りを固めてBPを貯める「デフォルト」を用いたバトルシステムは健在。相手の攻撃を「デフォルト」で耐えた後、「ブレイブ」を用いてパーティ全員で一斉攻撃を仕掛けたり、回復役のBPを貯めておき、ピンチになった時の立て直しの為にブレイブを使用したりといった風に、戦略的なコマンドバトルを楽しめる。

デフォルトでBPを貯め
ブレイブで行動回数を増やす。様々な用途があり、本作のコマンドバトルを奥深いものにしている

 さらにバトルでは、回復役の「白魔道士」や火力担当の「モンク」といったジョブを、キャラクターごとに自由に選択できるジョブシステムが存在する。ジョブは特定の強敵を倒すことで解禁されていき、ジョブごとに得意な戦い方や覚えるアビリティが異なっている。「ブレイブ」「デフォルト」の使い方に加え、ジョブとアビリティの選択やパーティー内での組み合わせによって、幅広いプレイスタイルに対応しており、奥深いバトルが味わえる。

モンクや白魔道士といったジョブを切り替え、自分だけのパーティーを組むことが可能。自分好みの編成で攻略できる
選択しているジョブはストーリーの一部シーンにも反映される

エンカウント率の変更など便利な機能を多数実装。UIも進化しより快適に

 本作ではバトルスピードを最大4倍速まで変更できるようになっており、レベリングも快適に行なえる。イベントシーンではオート再生や2倍速に対応しているので、自分のペースに合わせて物語を進められる。周回プレイなどでも、倍速機能のおかげでストレスなくプレイすることができるだろう。

 また、昨今のRPGはシンボルエンカウントを採用し、プレイヤーが戦闘のタイミングをある程度コントロールできるものが多いが、本作は3DS版と同様のランダムエンカウント制となっている。

 倍速機能があるとはいえ、頻繁にエンカウントすることがストレスにならないか気になったが、敵とのエンカウント率はミニゲームで獲得できるアイテムで交換できる装備を入手すると最大0%まで下げられることが分かり安心した。ちなみにエンカウント率は200パーセントまで上昇させることも可能なので、とにかく戦闘を繰り返してレベルをあげたい場合や、縛りプレイとしてハードな冒険に挑戦したい場合には、あえて上昇させてみるのもいいだろう。

本作はランダムエンカウントを採用しているが、エンカウント率を変更できるのでストレスなくプレイできる

 システム面では他にも、3DS版からUIが刷新されているなどの変化が見られる。例をあげるなら、フィールドでは下画面に表示されていたミニマップが画面右上に移動していたり、戦闘では上にバトル画面、下にコマンドが表示されていたが、リマスター版では1画面に集約されている。こうした変更も違和感はなく、自然に馴染んでいた。

 また、3DS版にも存在したダンジョンに入る前に表示される推奨レベルの表示や、「パーティー全快ボタン」などの便利機能は引き続き実装。さらに、3DS版で通信機能を活用していた一部のシステムは、Switch2向けにアレンジされており、フレンド機能を通じて友人と協力プレイが楽しめるとのこと。フレンド機能は今回楽しめなかったものの、バトル中に呼び出しあったり、アビリティを共有できるというものになっている。

3DS版では下の画面に表示されていたコマンド選択等が1画面に集約されている

 システム面の進化は、いずれも3DS時代のゲームを、現代でも快適に遊べるようブラッシュアップしており、より洗練されたゲームとして本作をプレイできることに繋がっていると感じさせられた。

高品質な楽曲&かわいいキャラのダンスが見れる「光で応援 リズムキャッチ」

 本作では、新たにJoy-Con 2のマウス操作を活かしたミニゲームも2種類実装されている。その1つ目が本作の収録曲で遊べるリズムゲーム「光で応援 リズムキャッチ」で、サウンドクリエイター・Revo氏による高クオリティの楽曲でゲームをプレイすることができる。

 本ミニゲームではまず楽曲を選択、次にその楽曲でダンスをするキャラクターと、着せたいコスチュームを決定する。なお、各コスチュームは本編でジョブを解禁することで使用することができ、楽曲も本編の進行とともに解放されていく。

本作には2種類のミニゲームが実装されている
「光で応援 リズムキャッチ」では、楽曲だけでなくダンスを披露するキャラクターと衣装を選択できる

 リズムゲームはJoy-Con 2を左右それぞれの手で持ってプレイする。画面に表示されるノーツに合わせて、コントローラーを動かしたり、ボタンを押したりといったシンプルな操作で遊ぶことが可能だ。両手にマウスというこれまでにない操作方法でのプレイだったため、慣れるまではうまく手を動かすことができなかったものの、プレイを繰り返しているうちにミスなくプレイできるようになっていった。Joy-Con 2での操作はしっかりこちらの手の動きを反映してくれたので、上達すればミスせずコンボを繋げることができそうだ。

 今回選択できたのは「彼の者の名は」の一曲のみだったが、本作の楽曲をバックに踊るキャラクターは可愛らしく、色んな楽曲・キャラクターでプレイしたくなる魅力を感じることができた。

ノーツに合わせてコントローラーで線を結んだり、ボタンを押したりすることでスコアを獲得していく
【【BDFFリマスター】「光で応援 リズムキャッチ」プレイ動画】

リングアベルの気持ちになれる「リングアベルのパニッククルーズ」

 もう1つのミニゲームは本作に登場する飛空艇を、リングアベルとして操縦できる「リングアベルのパニッククルーズ」。本編では描かれない操縦士としての苦労が味わえるコンテンツとなっている。

 このミニゲームでは、進路上にあるリングをくぐりながら様々なトラブルや仲間からのお願いに対処していくことになるのだが、とにかく操作が忙しい。Joy-Con 2を左右に持ってプレイする点はリズムゲームと同様だが、船の進行方向を決めるのに右手で舵輪を回し、左手で高度レバーを調整するだけでも一苦労。左右の手が全く別の動きをするので、楽器を演奏するような難しさを感じさせられた。

飛空艇はリングに向けて操縦するだけでも難しい

 飛空艇の操縦だけでも忙しいのに、機械が壊れたり、仲間が「紐を引っ張て汽笛を鳴らして欲しい」と頼んできたりと、タスクが次々と積み重なっていくため、頭がパンクしそうになる場面も。仲間のお願いを達成できたのはいいものの、コースアウトしてゲームオーバーということも少なくない。

 とはいえ、慣れてくればだんだんと上達を感じることができ、操縦をしながらタスクをこなすのも何とかできるようになってくる。初めてのクリアでは達成感を感じることができたので、ぜひ挑戦してみてほしい。

仲間からのお願いもこなしながら操縦をしなければならない。リングアベルの苦労を実感できる
今回プレイしたステージでは終盤に幽霊船と遭遇。ステージごとに異なるギミックが楽しめそうだ
【【BDFFリマスター】「リングアベルのパニッククルーズ」プレイ動画】

 ミニゲームはどちらも旅の息抜きとして遊べるものになっており、今回は確認できなかったが、報酬として物語により没入できる「手記」などが用意されているとのことだ。また、どちらのゲームにも、高難易度のHARD・EXPERTが用意されているので、やりこみ要素としてチャレンジしてみるのもいいだろう。特にNORMALでも難しい「リングアベルのパニッククルーズ」のEXPERTがどのようなものなのかは気になるところだ。

 今回のプレイでは、序盤のみのプレイではあったものの、進化したグラフィックやシステムを堪能することができた。本編では、本作の世界観をより楽しめるものとなっており、ミニゲームでは本編とは異なるキャラクターの魅力を感じられた。

 シリーズファンはもちろんのこと、未プレイの方でも楽しめる内容になっているので、気になる方は是非プレイして欲しい。