先行体験
人・獣・虫型など多様なメカで戦うPvPvEシューター「Steel Hunters」先行プレイレポート!
ウォーゲーミングによるハードSFバトル
2025年3月27日 20:36
- 【Steel Hunters】
- 2025年 配信予定
- 価格:基本プレイ無料(一部有料アイテムあり)
- 4月2日 アーリーアクセス開始
ウォーゲーミングは、PC用PvPvEメカ・ヒーローシューター「Steel Hunters」のアーリーアクセスを4月2日から実施する。「Steel Hunters」は「World of Tanks」や「World of Warships」で知られるウォーゲーミングが開発する基本プレイ無料のタイトルだ。
プレイヤーは巨大マシン「ハンター」を操り、2人一組で広大なマップを探索しながら、脱出エリアまでの到達を目指していくことになる。今回、ウォーゲーミングがアーリーアクセスに先駆けてメディア向けの発表会&試遊会を実施。ハードコアな見た目や世界観に反して、ゲームはシンプルで取っ付きやすく、メカの個性も際立っており、使い込むことで奥深さが楽しめる作品となっていた。
早速、開発陣に伺ったお話を交えながら実機プレイで得られた所感についてお届けしていきたい。
新世代のメカアクションが動き出す! 重量感たっぷりだけど手触りはマイルド
今回の試遊はアーリーアクセス直前という事情もあって、PvPではなくPvE「スカーミッシュ(対AI)」をプレイすることに。アーリーアクセスで選択できる最大7種のハンターから1体を選んでマッチングへと臨んでいく。
本作は“メカ・ヒーローシューター”とされており、プレイヤーたちは役割もモチーフも異なる個性豊かな巨大メカを操り、フィールド上での戦闘を繰り広げていく。試遊プレイでは人型の「Razorside」、獣型の「Fenris」、虫型の「Weaver」の順番でプレイした。まずはゲームの基本を交えながら、「Razorside」を見ていきたい。
前述したように、プレイヤーはマッチングで2人一組のチームを編成することとなる。チームを組んだ相方と連携してフィールドに表示された脱出エリアを目指し、最終的に脱出を成功させていくというのが大まかな流れだ。マッチにおける勝利条件は主に2つ。「自分たち以外のチームを全滅させること」、あるいは主目的である「脱出を成功させること」だ。
野良で組んだチームでもプレイヤー同士で簡易的な意思疎通ができるよう、行きたい場所などにピンを付けたり簡易チャットが行なえる。ここで重要なのはマッチ中の時間経過に伴って、プレイヤーには“次に取るべき行動&向かうべき場所”が画面上でミッション形式で指示されるということ。誰とチームを組んでも円滑にゲームが進行できるようプロセスが可視化されている。
ミッションの表示にはマッチを進めていく上で、「全プレイヤー共通の指針になるため自然に仲間との連携が取りやすくなる」というメリットがある反面「敵チームやフィールド上のNPC(ドローン)と戦う場面がほぼ必ず訪れる」という緊張感のあるシステムとも言える。
ゲームの流れは極めてシンプル。「表示されたミッションの内容に沿って目的地まで移動」→「目的地で『サプライポッド』の到着を待つ」→「自分のハンターをパワーアップさせる」という流れだ。移動時間中に敵チームと邂逅して戦闘することもあれば、他のチーム同士が遠方で争っている中、こちらはのんびりドローンを狩って地道にパワーアップ...といったこともある。
進行プロセスが一定なので、実際の対プレイヤー戦では表示されるミッションを逆手に取り、ミッションの流れに乗っているライバルへの奇襲をかけて、先に相手を減らしてしまうような戦略もできそうだ。また、道中に出現するドローンは、出会い頭にすぐ撃破できる「偵察ドローン」もいれば、特定のエリアに出現する「警備ドローン」や、様々な戦利品を数多くドロップするが少々強い「ローグドローン」なんかもいる。
今後「Steel Hunters」のサービスが開始されてシーズンが進んでいけば、倒すために複数人での協力が必要になる大型ドローンが登場する予定もあるそうで、バリエーションが増えていきそうだ。
ハンター毎にモチーフが異なれば得意とする役割、武器も異なる。メカの操作性に関しては極端には変わらないものの、獣型や虫型だと遮蔽物を上手く利用して戦える。
今回最初に試した人型のハンター「Razorside」は、スタンダードでかなり扱いやすかった。バースト射撃で確実にダメージを与えつつ、撃ち合いではアビリティー「シールドリチャージ」で自分のシールド値を回復できる。高い生存能力を備えているので、初心者はまずこのハンターでゲームの感覚を掴むのがアリかもしれない。
ちなみに筆者の試遊台はキーボード+マウスでの操作だったが、コントローラーにも対応しているとのこと。コントローラーにはエイムアシスト機能が備わっているようで、将来的にコンソールに前にハードウェア環境の差が生まれないようなバランスにしていきたいそうだ。
次に獣型の「Fenris」を見ていく。このハンターは四足歩行のメカで、特に奇襲に長けている接近戦が得意だ。射撃武装もあり弾速が早くて中距離まで対応する背中の「ロケットモルタル」を装備している。やや癖があるが、射撃戦もこなせて火力が出しやすい。
「Fenris」で目玉となるのはやはり“奇襲”を象徴するアビリティー「ブリンク」だ。このアビリティーを使うと、一時的にエネルギーの玉のような姿に変化して、狙った方向へ高速移動することができる。「ブリンク」中は無敵なので、スナイパー系のハンターや、射撃を主体に戦うハンターに対して一気に近づき、自身が得意とする接近戦で戦いを展開していける。
レベルが上がるとアビリティー「プラズマアーク」を使用可能。プラズマの球体を発射し、対象に接触すると爆発を巻き起こせる。強力な分クールタイムは長めだ。乱戦時や狭い箇所で密集している敵チームに対して、戦術的に使用することが求められる。
最後にプレイした虫型の「Weaver」は、前述した「Razorside」と「Fenris」よりも武装が強力な印象を受けた。というのも、通常射撃武装である「トリプルキャノン」の取り回しの良さに加え、アビリティー「エネルギーバリア」と「ミニガン」が非常に強力だったため。「エネルギーバリア」は自機の正面に広範囲のバリアを展開して、自分と味方の攻撃は通すが敵の攻撃はシャットアウトするという優れもの。
「ミニガン」はパワーアップを拾ってハンターレベルが上がってから解放されるアビリティーだが、高い連射速度で高いダメージを叩き出す。使用時に移動制限が発生するので、バリアを展開してから使うのがセオリーになりそうだ。また、「エネルギーバリア」は設置型なので、味方へのサポートとしても優秀。近接攻撃が控え目な分、防御力・攻撃力に秀でた機体となっていた。
本作には多種多様なハンターが登場する。マーケティングディレクターのローラン・ラルティジアン氏と、プレイヤー・インタラクションズのルーク・ニコルズ氏曰く、「多様なハンターの制作にあたっては、まずゲーム内での役割を決めてから開発チーム内で外観のデザインについて協議を行ない決めていく」という。また、サービス開始後は「1シーズンで新ハンターが1体ずつ追加されていく方針を取る」とのことだった。
さらに、開発プレゼンではシーズン1から登場する新ハンター「SNEAK PEAK」がチラ見せされた他、まだ詳しくは話せないようだが「Steel Hunters」においても「World of Tanks」や「World of Warships」で実施された人気の外部IPとのコラボレーションを計画しているようだ。余談だが「World of Warships」では「ブルーアーカイブ」や「アズールレーン」などとコラボしている。
両名によると、理想としてはプラモデルなどのホビー展開だったり、アニメーションといった幅広いコンテンツ展開にも手を出したいという。ウォーゲーミングにとって本作は「メカ」を題材とした“新しい挑戦”なのは間違いないだろう。
今回実際に「Steel Hunters」に触れてみて体感したのは、メカの重量感だったり退廃的で荒れ果てた世界だったりと、“かなりハードコアなメカアクション”を想起させるビジュアル・世界観なのに対し、以外にもシンプルで取っ付きやすいマイルドさがあるという、意外性だ。ゲームの構造としてもそこまで複雑ではないし、プレイヤー同士のマッチングもレベル帯が近いプレイヤー同士で繋がる仕組みになる。メカデザインとしても性能面としても、ハンターの個性が立っていて、ヒーローシューターらしく、使い込んで奥深さを知っていく楽しみがあった。
今後は競技性の高い要素を求めるプレイヤーに向けて「ランクマッチ」のようなプレイヤーの実力を可視化する要素も取り入れていくとのことだった。ただ、現時点ではeスポーツなどについては考えていないともしている。とはいえ、過去に大会に近いものを開催してみたところ、それが思いの外盛り上がったようで手応えは感じられたそうだ。
アーリーアクセスではプレイヤーのフィードバックを随時反映しながら正式サービス開始に向けてバランスを調整していくことになる。なお、アーリーアクセスの期間は短めの想定で、ゲームもなるべく早くローンチしたいとのことだった。今後に期待したい。
(C) 2019 - 2025 Steel Hunters. All rights reserved.