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【スマホアプリ今日の1本】「あの日死んだ勇者の名前を僕達はまだ知らない」
見かけることすらないまま死んでいく勇者たち。死因がふざけた放置型RPG
(2015/11/19 11:29)
「あの日死んだ勇者の名前を僕達はまだ知らない」の3大ポイント
・1度起動したら時間は止まらない。超放置型ゲームのRPG
・勇者は知らない間に死亡し、知らない間に代替わりする
・冗談が散りばめられた死因も注目ポイント。適度にゆるい1作
「あの日死んだ勇者の名前を僕達はまだ知らない」。タイトルだけ見ると某アニメのパロディゲームかなと思うのだが、プレイしていると意外にしっくりくるのが今回紹介する1本だ。
本作は自動で戦う「勇者」の成長を見守るという放置ゲーム形式のRPG。ランダムに湧いてくる敵を倒せば経験値を獲得し、プレイ中に画面上から降ってくる「木の棒」などのアイテムを一定数集めることで、勇者を進化させることができる。しかしこの勇者、ザコ敵ならすんなり倒せるのだが、ボスに遭遇すると途端に負けてしまう。
ゲームは1度起動するとそこから自動的に時間が進むようになり、アプリを閉じた状態でも時間は止まることはない。そして、アプリを閉じている間でも勇者は敵と戦い、ボスに遭遇し死んでいく。本当にあっという間に、勝手に死んでいく。
ではどうなるかというと、勇者は転生する。初代主人公が死んでしまうと、また新しい勇者が2代目を名乗り出てくるといった感じで代替わりをするが、プレーヤーがスマホから離れている知らない間に死んでいき、そして代替わりしていくので、私たちは死んだ勇者を見かけることすらない場合が多い。
ストーリー性は特にないし、シチュエーションも変わらないが、勇者は敵が現われるたびに自動的に倒してくれる。勇者は敵を倒すことはできても、自身を成長させることができないので、そこでアイテムの回収が必要となる。
アイテムは、ゲームを放置した状態だと集まらない。アプリを起動した状態で、プレーヤーが直接拾わないと手にはいらないのだ。プレイしていると、なんだか手間がかかるのか、かからないのかよくわからなくなってくる。
アイテムを集めると進化してくれるのだが、最初はゆるいかわいい感じの主人公がある一定のランクまで行くと一気に見た目が変化し、ボス敵かと思うくらいのグラフィックスになる。初めて見たときは目を疑ったが、どう見ても別人にしか思えない。その驚きもぜひ体感してもらいたい。
他にもアイテムを集めて進化させていくと、新たなボスと対戦することができる。新たなボスが登場すればもちろん死んでしまう確率も上がる。死亡すれば進化前の「勇者」からやり直しだが、代替わりする度に攻撃スピードが上がっていくというメリットもある。なお起動時はボスにクエストとして対戦しに行く事も可能だが、これも死亡率は高めだ。
また、勇者の死に方も特徴的で、必ずしもモンスターやボス戦が原因ではない。いつの間にか死亡していた勇者たちの死因を振り返ることができるのだが、「虫歯が悪化して死亡」や「ストールをきつく巻きすぎて窒息死」などむしろ突っ込みたくなるような死因が満載である。正直、ゲームの内容よりもいくつ死因があるのかが気になる。これが何気に続けたくなる要素で、不思議と先代はなぜどうして死んだのかが知りたくなる。放置していても、気になりだすと起動せずにはいられない。
ハマると中毒性が高いゲームであるが、それだけでなく昔なつかしいサウンドとドット絵が、不思議と癒やしを与えてくれる1作となっている。ゲームの中の時間は流れているが、特にオンラインで縛られるゲームではないので、適度にゆるいゲームがしたい方、気が向いた時に気ままにちょこっと遊びたい方にはオススメの本作である。