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Xbox One初の日本語版タイトル「Crimson Dragon」がついに日本上陸!
3人によるマルチと2人による疑似マルチに対応した次世代レールシューター
(2013/9/19 19:00)
日本マイクロソフトは東京ゲームショウに2年ぶりに出展し、新型ゲームコンソールXbox Oneを初披露した。既報のように、ボイスコマンド等のローカライズや、ゲームを含めたコンテンツの準備に今しばらくの時間が掛かると判断し、今年11月の発売から日本を外したため、ブースの盛り上がりは今ひとつという印象だが、今年の東京ゲームショウに、Xbox Oneをメインにして出展したことは、日本市場でしっかり展開していくというコミットメントとなる。ぜひXboxファンはこの機会に会場に足を運んで、次世代機のインパクトを感じて貰いたい。
本稿ではXbox Oneで最初の日本語化タイトルとなった「Crimson Dragon」をお届けしたい。ゲームの概要についてはE3レポートで1度お伝えしているため、今回は「Crimson Dragon」の開発総指揮を執る二木幸生氏へのインタビューの内容を中心に、よりディープな情報をまとめてみたい。「Crimson Dragon」は、北米市場ではXbox Oneローンチタイトルのひとつで発売日は11月22日、価格はダウンロード販売のみで19.99ドル。日本での発売時期は未定で、おそらく日本でのローンチタイトルのひとつとなる見込み。
「Crimson Dragon」は、「Project Draco(仮)」というタイトルで、もともとXbox 360 Kinect向けに開発されていたタイトルとなる。レールシューティングの名作であるセガの「パンツァードラグーン」シリーズのコアメンバーが集まり、Kinectを使った現代風のシューターに仕上げるという意欲的なプロジェクトだったが、発売延期を繰り返し、発売自体が危ぶまれるなか、今年のE3で、Xbox Oneタイトルとして鮮やかな復活を遂げたという数奇なタイトルである。
Xbox 360からXbox Oneに発売プラットフォームを移したことで、グラフィックスは格段に進化し、ユーザーインターフェイス(UI)もKinect主体から、ゲームコントローラーを主体としたハイブリッドインターフェイスに変わり、内部的に大幅な進化を果たしている。二木氏によれば、「Xbox 360版をそのまま持ってきたどころか、“1”から“2”に進化したぐらいの違いがある」と語る。
基本的なゲームデザインは、湖、地下、森、溶岩など全25ステージで構成されたレールシューティングゲームで、ボス戦のみ、画面内を自由に移動できるフリーフライトモードとなり、自由にドラゴンを駆ってボスに挑んでいくことになる。ドラゴンは6種類いて、得意とするスキルや基本性能、敵との相性に違いがあり、ストーリーを進めていくことで徐々にプレイできるドラゴンの数が増えていくという。
ステージをクリアすると経験値とお金のほか、ドラゴンに与えられるエサが手に入る。これによってスキルを覚えたり、レベルを上げたりして、好みのドラゴンの個性を伸ばしていくことができる。
スキルはメインスキルとサブスキルがあり、メインスキルはレーザーやプラズマなど当たれば大きなダメージが与えられる攻撃手段で、サブスキルはホーミングミサイルなど、雑魚を蹴散らすための弾幕系が中心となっている。敵に攻撃がヒットした際、緑色だと相性が良く、効果的にダメージを与えることができるが、赤色だと相性が悪く、ダメージが軽減されている。メイン、サブとも赤色ばかりという場合は、スキルもしくはドラゴンのチョイスを間違えているということになるようだ。
ゲームモードは、シングルプレイとマルチプレイ。シングルプレイでは、完全に1人で遊ぶ遊び方以外に、フレンドリストやリーダーボードから1人を任意で選択して、そのユーザーのデータをクラウドサーバーから呼び出してAI操作のフレンドドラゴンと一緒に遊ぶという疑似マルチプレイ機能を搭載している。これはいくらでも高レベルのドラゴンも呼び出せる代わりに、相応のお金(インゲームマネー)が必要になるため、一種のお助けコマンドのような機能となる。
マルチプレイについてはXbox LIVEを通じた最大3人によるマルチプレイが可能となっている。往年のレールシューターファンは「レールシューターで3人マルチとはこれ如何に?」という印象を持たれたかも知れないが、そこはレールシューターのデザインは崩さず、3人3体のドラゴンで隊列を組んで戦うという。先頭なら被弾率が上がる代わりに、敵に最初に攻撃を仕掛けることができ、後方なら安全な代わりにスコアが稼ぎにくくなる。ボス戦は先述したようにフリーフライトモードに変わるため、3人が自由に散開してボス戦に挑むことになる。今回のデモでは環境がないため実演はしてもらえなかったが、マルチは非常に楽しみな要素だ。
UIについては、先述したようにゲームコントローラーがメインで、サブとしてKinectの機能を使うというスタイルになっている。といってもKinectを使うかどうかはオプションで、コントローラーのみですべての操作を行なうことができる。Kinectでは、体を左右に傾けることでのローリング移動(緊急回避)操作と、こめかみに手をやってボイスを発することでフレンドドラゴンを呼び出すことができるようだ。
ビジネスモデルは19.99ドルでダウンロード販売で、発売後に予定されているダウンロードコンテンツのいくつかは有料で提供となる見込み。ステージやミッションなど様々なコンテンツをダウンロード提供する予定と言うことだが、どのような形で提供するかはこれからマイクロソフトと相談して決めていくという。
DLCの目玉として位置づけられているのは「チャレンジステージ」だ。これは標準のステージから、設定を変えて新たな遊びを提供するというもので、これをクリアすることで、レアなアイテムが獲得できたり、それらのレアアイテムをドラゴンに使用することで、“シークレットタイプ”への成長が可能となるという。周りがうらやましがるようなドラゴンに育てるためにはチャレンジステージへの参加が必要不可欠というわけで、この施策により、コミュニティの活性化や、ゲームそのものの長寿命化を図っていく考えだ。
楽曲は「ドラッグオンドラグーン」シリーズでもお馴染みの小林沙織氏を起用し、同シリーズを彷彿とさせる重厚感たっぷりの迫力のあるBGMを楽しみながらゲームをプレイすることができる。日本マイクロソフトブースでは、今回の東京ゲームショウのために突貫で仕上げたという日本語版で、本邦初公開となるステージをBGM付きで楽しむことができる。日本のゲームファンとしてはぜひ押さえておきたい意欲作だ。
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