米Zyngaは現地時間の6月26日、本社のあるサンフランシスコにてプライベートショウ「Zynga Unleashed 2012」を開催し、ソーシャルゲームプラットフォーム「Zynga.com」の新サービスやFacebook/Zynga.com向けの新規タイトルについての発表を行なった。

「Ville」シリーズ最新作「The Ville」のタイトル

　今回の発表は、今年3月の自社ソーシャルゲームプラットフォーム「Zynga Platform」の発表以来となる大規模な発表となる。

　発表の大枠としては、「Zynga Platform」のサービスを深化させるZynga APIの完成と、Zynga APIのサードパーティーへの提供開始のアナウンス。そして新しいサードパーティーの参入発表。モバイル向けのソーシャルゲームプラットフォーム「Zynga Mobile」のサードパーティー向けのプログラムの発表および「With Friends」シリーズ最新作の公開。

　そして日本のゲームファンにとって注目されるのはFacebook/Zynga.com向けの新規タイトル発表だ。Zyngaは現在、「Ville」、「Casino」、「Arcade」の3つのパイプラインが存在するが、各パイプラインに対して新作の投入を発表した。リリース時期についてはFacebook版「The Ville」が明日、その他が近日中としている。対応言語は従来と同様に日本語も含まれている。

　今回、とりわけ充実しているのが、「Ville」ジャンルだ。PC/コンシューマーを問わず世界で大ブームを巻き起こしたEA/Maxisの「The Sims」シリーズを彷彿とさせる「The Ville」を筆頭に、EAの子会社化PlayFishの代表作「Restaurant City」の影響が色濃い「ChefVille」、そしてZynga CEO Mark Pincus自ら発表したZyngaの出世作となった人気タイトル「FarmVille」の続編「FarmVille 2」の3本を発表した。いずれも手堅い人気を集めそうな大型タイトルばかりだ。

　「Casino」ジャンルでは、Poker、Bingoに続く3つ目のカジノゲームとなるスロットゲーム「Zynga Elite Slots」を発表。実際のカジノのようにソーシャル性を備えたスロットゲームになるという。

　そして「Arcade」ジャンルでは、パズルゲーム「Ruby Blast」を発表。複数の宝石の塊をクリックして消していくいわゆる“落ち物”パズル系のゲームで、こちらはPC以外に、スマートフォンやタブレットにも対応したマルチプラットフォームタイトルとなる。

　特徴的なのは発表されたタイトルの多くがEAグループのフランチャイズと直接競合するところだ。たまたま先日EAがポスト「CityVille」の「SimCity Social」をFacebook向けに投入したばかりだが、Zynga COO John Schappert氏の前職はEAのCOOを務めていただけに、両社の“ソーシャルゲーム戦争”は加熱する一方といった印象がある。今後の両社の動向に引き続き注目していきたい。

【The Ville】
ポスト「The Sims Social」を狙った印象のゲーム画面。EAとの全面戦争は避けられそうにない

【Zynga Elite Slots】
こちらはスマートフォン以外に、PCやタブレットでもプレイすることができる

【Ruby Blast】
落ち物パズル「Ruby Blast」。すでにFacebook版がサービスされている。繋がっている宝石をクリックするだけとパズルゲームのルールとしてはかなり簡単な部類に入る。ガンガン消せて気分爽快だ