【Taipei Game Show 2012】台湾Microsoftブースレポート
14の試遊コーナーでKinectを全面プッシュ。ファミリー向けイメージを強調


2月2日~6日開催

会場:南港展覧館

入場料:大人200元、子供100元


 台湾Microsoftは今年のTaipei Game Showではブース内に14ものKinect体験コーナーを設け、最新作「Kinect ラッシュ: ディズニー/ピクサー アドベンチャー」や「Kinect スター・ウォーズ」など未発売の最新作を含む12本のKinectタイトルを出展した。

 台湾では「Kinect スポーツ」が2011年の販売本数でトップに立つなど、Xbox 360およびKinectの人気が高まっている。その影響を受けて、初日のオープニングイベントも、「スター・ウォーズ」のコスプレをした司会者が「Kinect スター・ウォーズ」を紹介するなど、Kinectを前面に押し出した展示となった。

 ブースにはほかにも、全年齢向けゲームコーナーと、18禁ゲームのコーナーが作られ、発売間近の「バイナリードメイン」(セガ)や、台湾でも期待の高い「ドラゴンズドグマ」(カプコン)が展示されていた。このレポートでは、展示されたタイトルの紹介を中心に、ブースの雰囲気をお伝えしたい。

 後日、「ドラゴンズドグマ」の小林裕幸氏トークショーや、「シュタインズゲート」を開発した5bpの島倉千代丸氏と主題歌を歌う、いとうかなこさんのトークショーが予定されている。こちらは別のレポートでお伝えしたい。



■ テーマは「家族向け」。家族の時間を楽しむためのゲーム

台湾Microsoftの呉勝雄氏
子どもと一緒の記念撮影

 ブースではショウのオープニングを飾るイベントとして、プレス向けにKinectの最新作2本を紹介するカンファレンスが開催された。冒頭に台湾Microsoftの呉勝雄氏が「Xbox 360は家族みんなが楽しみを見つけることができます」と挨拶し、新しいゲーム体験を提供するタイトルとして「Kinect スター・ウォーズ」と「Kinect ラッシュ: ディズニー/ピクサー アドベンチャー」を紹介した。今回のブースのテーマは「家族的幸福時光(家族の幸福な時間)」。ブース全体でKinectをプッシュすることで、家族みんなで楽しめるXbox 360というイメージを強調している。

 「Kinect スター・ウォーズ」は、誰もが知っている名作映画「スター・ウォーズ」の世界で自分の体を使って冒険が楽しめるゲーム。オープニングイベントには、帝国軍のトルーパー兵士を従えたジェダイ姿の司会者とアシスタントの女性が登場して、ジェダイの姿の2人がその場で「Kinect スター・ウォーズ」のデモプレイを披露した。

 もう1本の最新作「Kinect ラッシュ: ディズニー/ピクサー アドベンチャー」は、ピクサーが製作した「Mr.インクレディブル」、「カーズ 2」、「トイ・ストーリー 3」、「レミーのおいしいレストラン」、「カールじいさんの空飛ぶ家」など日本でも人気のディズニー映画5タイトルのキャラクターになって、物語の舞台を冒険するゲーム。

 オープニングイベントでは、「Mr.インクレディブル」に出てくるコスチュームを来た子どもが登場して、小さな手をブンブン振り回してデモプレイを披露。ステージ上にほほえましい空間を作っていた。


【オープニングイベントの様子】
「Kinect スター・ウォーズ」のデモプレイ。ライトセーバーを持って、画面の外でもジェダイになりきる
「Kinect ラッシュ: ディズニー/ピクサー アドベンチャー」のデモプレイは、コスプレ姿の子どもが披露した




■ 「Kinect スポーツ:シーズン 2」、「JUST DANCE 3」など12タイトルを出展

14カ所の試遊コーナーで12のタイトルを試遊することができる
遊んでいるのは、女性や家族連れなどカジュアルゲーマーが多かった

 Kinectの試遊コーナーには、ステージのKinectも含めると総勢15カ所の試遊台が設けられ、12のゲームをプレイアブルに体験することができた。昨年もKinectのコーナーが多くを占めていたが、さらに拡張した総力戦の様相だ。

 特に注目度が高かったのはやはり「Kinect スター・ウォーズ」だろう。試遊台は2台用意され、ジェダイの騎士になりきって戦う「JEDI ADVENTURE」、「エピソード1」に登場するポッドレースを再現した「POD RACER」、「ジェダイの帰還」に登場するモンスターになりきって街を破壊しまくれる「RANCOR RAMPAGE」という3つのモードのうち1つを体験することができた。初日はジェダイとポッドレースで遊んでいる人が多かった。発売時期は2012年中の予定で、会場で配布されていたカタログには「近日登場」と書かれていた。

 もう1本の注目作「Kinect ラッシュ: ディズニー/ピクサー アドベンチャー」では、「Mr.インクレディブル」のキャラクターを操作して、障害物のある道を進んでいくというシーンを体験できた。Kinectのゲームでは移動がネックになることが多く、これまでは強制スクロールや、その場で体を動かすというゲームが多かった。本作は「Kinect スター・ウォーズ」と同様に体を傾けることでキャラクターを動かす。「Kinect スター・ウォーズ」は瞬間移動のように動くが、本作は実際にキャラクターが歩いてその方向に移動するので、より自然な雰囲気で遊ぶことができる。

 また、岩を拾って投げつけたり、ジャンプしたり、壁を登ったり、パイプを伝ったりと、両腕と足の動きで多彩なアクションをこなせる。特に、落ちているものを拾って投げるアクションでは、自分がスーパーパワーを持つヒーローになった気分が満喫できて楽しかった。台湾での発売は2012年3月20日の予定だ。

 ほかにも、昨年大ヒットした「Kinect スポーツ」や、日本でもハーフミリオンのヒットを記録したUbisoftのダンスゲーム「JUST DANCE 3」など既に発売されている人気作も多くの人に遊ばれていた。小さな子供の姿も多く、台湾ではXbox 360とKinectがファミリー向けのプラットフォームとして認知されているのを実感することができた。


【出展された他の主なKinectタイトル】
「Kinect スポーツ:シーズン 2 中文版」(Microsoft)。様々なスポーツで友達と対戦が楽しめる「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ 中文版」(Microsoft)「DANCE CENTRAL 2 中文版」(Microsoft)
「セサミストリート:ワンス・アポン・ア・モンスター」(Warner Bros.)。エルモやクッキーモンスターなど「セサミストリート」の人気キャラクターと一緒に遊べる、子供向けの知育ゲーム。「パワーアップ ヒーローズ」(Ubisoft)。ヒーローになって、敵を倒したり友達と対戦する、体感型の格闘アクションゲーム「JUST DANCE 3」(Ubisoft)。日本ではAKB48の楽曲を組み込んでハーフミリオンを達成した人気タイトルのKinect版。台湾では北米版が販売されている
「Your Shape 2 中文版」(Ubisoft)。人気のフィットネスゲームの続編。ベリーダンサー姿のコンパニオンが、ヨガダンスを披露していた「Rabbids ALIVE & KICKING」(Ubisoft)。ラビッツたちを相手にボディビルのポーズを決めたり、なぎ倒しながら進んだりするミニゲームが詰まっている「Forza Motosports 4」(Microsoft)。専用のハンドル型コントローラーを使っての試遊が体験できた




■ Kinect以外のゲームでは、日本産の最新作が存在感を示す

18禁コーナーブースには、大きな「ドラゴンズドグマ」のロゴ
「STREET FIGHTER X 鉄拳」の試遊台は2つあり、1つはアーケード風のコントローラーで遊べた

 Kinect以外のゲームでは、日本の最新ゲームが多く出展されていた。全年齢対象のコーナーには、カプコンの「STREET FIGHTER X 鉄拳」、「アスラズラース」、バンダイナムコゲームスの「ソウルキャリバー V」、「NARUTO-ナルト-疾風伝 ナルティメットストームジェネレーション」、「ドラゴンボール アルティメットブラスト」、「アーマード・コア V」、Ubisoftの「ゴーストリコン フューチャーソルジャー」、スクウェアエニックスの「Final Fantasy XIII-2」、コーエーテクモゲームスの「無双OROCHI 2」、Electronic Artsのテニスゲーム「GRAND SLAM TENNIS 2」、ユークスが開発したTHQの「UFC Undisputed 3」などが展示されていた。

 18歳以下は入場できないブースには、カプコンの「ドラゴンズドグマ」や「バイオハザードオペレーションラクーンシティ」、コナミデジタルエンタテインメントの「NEVER DEAD」、「Blades of Time」、セガの「バイナリードメイン」、2K Gamesの「The Darkness II」、コーエーテクモゲームスの「NINJA GAIDEN 3」、Electronic Artsの「KINGDOMS of AMALUR RECKONING」など、日本でもまだ発売直後か発売されていない最新作がすべてプレイアブル出展されていた。

 18禁コーナーのゲームは日本産でも、海外市場に向けて作られたものが多いためか、「バイオハザード」などは英語版タイトル「Resident Evil」の名前で展示されていた。日本のゲームで中国語にローカライズされていたのは「Final Fantasy XIII-2」と「アーマード・コア V」だけで、残りは日本語版か英語版が展示されていた。

 試遊はおおむね東京ゲームショウやE3などと同じ内容。発売が近いゲームは製品版が展示されていた。ロシアのデベロッパーGaijin Entertainmentが開発した「X-Blades」の続編「Blades of Time」は、時間を操るという要素が多少わかりづらく、試遊にもかかわらずボスに倒されている人が続出していた。

 こちらのコーナーは並んでいるのが若い男性ゲーマーばかりで、Kinectのコーナーに比べるとぐっとマニア向けの印象が強かった。台湾ではオンラインゲームが強いため、家庭用の市場はまだ小さい。その中でローカライズされていない家庭用ゲームを遊ぶ層は、ある程度限られてしまうのだろう。

 不思議なことに、同じ「ドラゴンズドグマ」や「バイナリードメイン」がプレイステーションのブースでは18禁エリアの外でプレイすることができた。これはあくまでも筆者の想像だが、今回のテーマである「家族で楽しめる」という部分に水を差さないよう、保護者が眉をしかめそうなゲームを囲いの中に隠したのではないかと思えた。

 物販のコーナーでは「Final Fantasy XIII-2」同梱版のXbox 360やHDMIケーブル、無線コントローラーなどのおまけがついたお得な本体セットが販売されていた。旧正月にちなんだ、縁起のいい赤い箱に入ったものや、「スター・ウォーズ」のキャラクター、R2D2とC-3POカラーに塗装された「Kinect スター・ウォーズ」同梱版も飾られていた。


【ブースの様子】
「STREET FIGHTER X 鉄拳」は大きなポスターが貼られた専用のコーナーが作られていた「アスラズラース」や「ドラゴンズドグマ」などカプコンの新作が人気を集めていた18禁コーナーの中。数人ずつしか入れないため、外には長い行列ができていた
「スター・ウォーズ」のR2D2とC-3PO塗装のXbox 360とKinect18禁コーナーに入るには、入口で身分証明書を見せなければ入れない物販コーナー

(2012年 2月 3日)

[Reported by 石井聡]