HUE、WIN「HELLGATE」開発・運営合同報告会を開催

内容改善に注力する方針。「HELLGATE: TOKYO」は春実装予定


2月18日 収録



 株式会社ハンビットユビキタスエンターテインメント(HUE)は、Windows用オンラインアクションRPG「HELLGATE」において、開発・運営合同による正式サービス報告会を2月18日に実施した。

 この報告会では、HUEで運営プロデューサーを務める中尾圭吾氏と、開発元の韓国T3 Entertainmentで本作の開発責任者を務めているムン・ヒヒョン氏が、11月26日のオープンβテストから現在までの所感を述べるとともに、今後のアップデート計画について発表した。

 ムン氏は元々は「Hellgate: London」のヘビーユーザーだったが、サービスが中断されることが決まり残念に思っていたところ、T3 Entertainmentという会社が再開発すると聞き、入社を希望したのだという。その経歴から、「私はユーザーの味方となってゲームを作っている」とムン氏は語った。


T3 Entertainment「HELLGATE」開発責任者のムン・ヒヒョン氏HUE「HELLGATE」運営プロデューサーの中尾圭吾氏



■ サービス当初の問題を反省し、コンテンツの改善を重視する方向に

「HELLGATE: TOKYO」の実装前に、現仕様の調整を優先して行なう方針
大きく8つに分けられた項目を、随時アップデートしていく

 まず中尾氏とムン氏から、現在までのサービスの報告が行なわれた。

 OBT後から現在までの所感として中尾氏は、「バグや調整不足でユーザーを逃がしたと感じている。サービスをもう少し遅らせてもよかったと思う」と述べた。またOBT当初の開発と運営のやり取りについて、「このゲームをどうやって日本のユーザーさんになじんでいただくかがずっと課題だった。『HELLGATE』はニーズではなくシーズで提供している。日本にニーズのないゲームであることはわかっていたが、もっとカルチャライズをすべきだった」と、サービス当初の動きを振り返った。しかしサービスそのものについては、「オンリーワンのゲームであることは間違いないので、今後も続けていきたい」と意気込みを新たにした。

 ムン氏は、ゲームに対するユーザーの研究度がまだ十分でない点を挙げた。「韓国は2年前からサービスしているが、ユーザーはキャラクターの育て方を探して楽しんでいる。日本は始まったばかりなので、今後新たな育て方が見つかっていくはず」という。その上で、「開発がそれを支援して、いいサービスにしたい。ゲームが独特で離脱するユーザーさんが多いのはわかっている。そうならないように今後もがんばりたい」と述べた。

 次に、今後の開発・運営方針が発表された。中尾氏は、「『HELLGATE: TOKYO』の実装を待っている方も多いと思うが、新しい要素だけを足していてもいけない。いま足りない要素はしっかりと調整したい。新規コンテンツ開発は当初の見通しよりも若干スピードが落ちると思う」と述べ、新要素の実装よりも現在の内容の修正・改善に力を入れるという方針を明らかにした。ムン氏も「今のコンテンツを調整し、完璧なゲームに仕上げたい」とし、開発との同意を得ていることも示した。

 具体的な修正内容としては、「“チャンネル”仕様の改善」、「クラス別のバランスの調整」、「アイテムのドロップ率の上方修正」、「スペックの最適化と負荷減少」、「サイクル(繰り返しプレイできる)コンテンツの再調整」、「中盤レベル帯のクエスト追加」、「経験取得量の上方修正」、「新規コンテンツの追加」という8項目が示された。

 まずチャンネルの仕様について中尾氏は、「当初は200チャンネルくらいになっていたこともあった。今は20チャンネルくらいになったが、もっと少なくしてコミュニケーションを取れるようにしたい」と述べた。またムン氏は「ユーザーがいない時にもチャンネルが残るバグは直した。これからもいろいろな調整をしたい。日本のユーザーさんは厳しいが、私達が見つけられなかったものを教えてくれたことに感謝している」と語った。

 続いて経験取得量とアイテムドロップ率の調整について。中尾氏は「後から入ってくるユーザーのことも考えて調整する。レベル30くらいになると厳しいので、当初の見込みよりもレベルアップを加速させたい」と説明。夜のピークタイムに経験値を30%増やすという施策を既に始めていることも強調した。アイテムについては、「目に触れないまま過ぎていくことが多いので、もっと入手しやすくしたい」とした。ムン氏はこの点について、「日本と韓国のユーザーさんの遊び方が違うのはわかっていて、それを考えて調整した。これからも調整を加えていきたい」と、日本の状況を見た上で調整する方針を示した。

 スペックの最適化と負荷減少については、中尾氏が「日本は低スペックのPCで遊んでいる方も多い。スペックの最適化と負荷の軽減は継続してやっていく」と述べると、ムン氏が「ユーザーがオプション設定で調整できるようなものを考えたい」と補足。オプション設定の幅を広げる形で、低スペックなPCにも対応したいという方針のようだ。

 追憶の神殿や拠点防衛戦といったサイクルコンテンツについては、「途中からプレイメリットがなくなってしまう」と問題点を挙げた上で、「拠点防衛戦では、ノーマル以外にナイトメアとヘルを提供する。レベル差があるとパーティーが組めない仕様も改善したい」と対応策を示した。またソロプレイに向けたサイクルコンテンツの調整も行なうとしている。

 このほかバグフィックスについても言及された。中尾氏は「OBTの時にバグが100あったとしたら、80から90は潰せた。残り10は苦労しているものもあるが、優先度も考えながら対応している。まだバグがあることは把握はしている」と、継続して対応する姿勢を強調した。




■ ゾンビと戦う新規ミッションを近日実装。「HELLGATE: TOKYO」は今春予定

新規コンテンツは、ゾンビをテーマにしたミッションが直近に控えている。「HELLGATE: TOKYO」も春には実装したいとしている

 続いて、新規コンテンツの実装スケジュールが明らかにされた。まず2月末から3月頭頃に、新規ミッションが追加される。ムン氏によると、韓国では「ゾンビの夜」と呼んでいるものだそうで、「たくさん出てくるゾンビと戦う。ボスゾンビも出てくる。ホラー映画のようなイメージを持ってもらえれば」と内容を説明した。

 次に3月中に、PvPシステムの仮実装が行なわれる。当初は本実装とする予定だったが、中尾氏は「クラスバランスの調整が必要なので、本実装は先送りする」とした。ただし仮実装においては、「PvPポイント」というプレイメリットを用意するという。PvPについてムン氏は「PvPは韓国では人気で、ここでしか得られないアイテムもある」と述べたが、中尾氏は「PvPでだけ手に入るアイテムが日本にもあっていいのかどうかなど、さまざまな方向で検討している」と語った。

 そしてその次に、「HELLGATE: TOKYO」が実装される。中尾氏によると、「韓国版に実装されていない独自のものも作ってもらっている」という。実装時期はまだ明確ではないが、「春になると思う。できるだけ早くしたいが、いろいろな問題が出てきているので、しっかり調整してから入れたい」と中尾氏が答えた。ムン氏は「『HELLGATE: TOKYO』には桜の綺麗な場所がある。日本で桜が綺麗に咲く頃に実装できればいいなと思っている」と笑いながら語った。

 「HELLGATE: TOKYO」の次は、サイクルコンテンツ「ロングレンジVer.2」の実装を予定しているという。こちらは実装が延期されているものだが、中尾氏はこれについて「さらに『HELLGATE』の世界を拡大させるもの。少し後ろに伸ばさせていただいて、しっかりやりたい」と語った。

 説明の最後に中尾氏はユーザーに向け、「『HELLGATE: TOKYO』に期待しているユーザーさんも多いと思う。それを裏切らないよう、運営としてもイベントやゲーム内容をきちんと伝えて、ユーザーさんと力を合わせてゲームを盛り上げていきたい」とメッセージを送った。


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Developed By T3 Entertainment Co., Ltd.
Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

(2011年 2月 25日)

[Reported by 石田賀津男]