ゲームヤロウ、「サドンアタック×鉄鬼 戦国乱世頂上決戦 灼熱の名古屋」
2種目同時開催は満場の大盛況! ハイレベルな戦いを制したクランは……?

【サドンアタック×鉄鬼 戦国乱世頂上決戦 灼熱の名古屋】
会場:名古屋市中小企業振興会館
開催日:8月21日

 

会場となった名古屋中小企業振興会館

 ゲームヤロウ株式会社は、8月21日、「サドンアタック×鉄鬼 戦国乱世頂上決戦 灼熱の名古屋」を開催した。会場は名古屋市中小企業振興会館のメインホール。人気オンラインFPS「サドンアタック」とオンラインTPS「鉄鬼」の2タイトルで、オンライン予選を勝ち抜いた強豪クランによる決勝大会が開催された。

 「鉄鬼」の公式大会が行なわれるのは今回が初。また、「サドンアタック」の公式大会が東京以外の会場で行なわれるのも今回が初めてと、新しい趣向が注目された今回の大会。「鉄鬼」への総エントリーチーム数60以上、「サドンアタック」にいたっては総エントリー数800クラン以上と、空前の規模のオンライン予選を経ての開催となった。

 会場にはゲームヤロウのオフライン大会でおなじみとなった「サドンガチャ」も設置され、開場から数時間後にはほぼ完売してしまうという盛況ぶり。450名を収容可能なメインホールには満場のファンが詰めかけ、予選を突破した強豪選手たちが繰り広げるハイレベルな戦いに声援を送った。東京以外での開催は初ということで主催者側には不安もあったようだが、期待以上の反応を受けて大会は成功裏に終わった。



■ 初の公式大会「鉄鬼」、初代優勝クランは春のエキシビジョンで涙を飲んだ「のりこねダッシュ」

試合を前にしてスタンバイする選手たち
ライトダウンされた開場で、試合の実況シーンに釘付け
お互いに様子を見る、じりじりとした展開が続いた

 初の公式大会開催となった「鉄鬼」は、オンライン予選に全60以上のクランが参加。総当たり戦方式の決勝リーグに出場したのは、「鋼雪機兵団」(こうせつきへいだん)、「Nexus」、「のりこねダッシュ」の3クラン。このうち「のりこねダッシュ」は、この春にサードウェーブ主催の「PCゲームフェスタ」に付属して行なわれたエキシビジョンマッチに抽選で出場したものの、惜しくも優勝を逃したクラン。今回は予選を突破して実力で出場し、気合充分で試合に臨む。

 春に行なわれたエキシビジョンマッチの経験を受けて、今回の大会ルールでは「MR-4X」と「Javelin-X」という2つの強力な武器が禁止になった。そのかわり、その後のアップデードで近接型武器「HOOK9」が追加されたことにより、強襲型機体「デュアル」による肉薄攻撃が鍵を握る内容となった。

 マッチルールは5対5のサドンデス。相手を全滅させるか、タイムアップ時に生存機体数が多い方がラウンドを取得するルールだ。5ラウンド制で前後半を戦い、勝者を決める。引き分けラウンドが有りえるため、両社の取得ラウンド数が同数となった場合は総生存機体数、次いで貢献度ポイントにより勝敗が判定されるというルールだ。

 第1試合では「鋼雪機兵団」と「Nexus」が激突。定番のマップ「FRAISE」で行なわれた試合は、お互いに相手の出方を伺う、じりじりとした展開。春のエキシビジョンマッチに比べて、突撃型機体「デュアル」が強力になった結果、両チームともにほぼ重量型機体と突撃型機体のみで構成するというチーム編成が特徴的だ。長期戦で必要となる修理型機体は、試合の流れを見て登場したりしなかったりというバランスである。

 「鋼雪機兵団」と「Nexus」の試合は、各ラウンドタイムアップ寸前まで様子見が続く展開が多くなったが、いくつかのラウンドで「Nexus」側が開幕ラッシュをかけて一気に押し切るという作戦を見せ、対応に遅れた「鋼雪機兵団」に対してラウンド取得数で6-1と大勝。ちなみにこのクラン「Nexus」は、オンライン予選の試合勝率82%と、全クランの中で最高の勝率を誇るチームだ。

 第2試合では「のりこねダッシュ」と「鋼雪機兵団」が、マップ「ホーリータウン」で激突。使いやすい迂回ルートが用意されたマップであるため、攻守の判断がキーとなる展開となった。ここで核となったのはやはり近接型機体「デュアル」。シールドを張って相手のミサイルを無駄打ちさせつつ、他のメンバーが押しこんで攻撃をかけるという形がよく見られ、一進一退の攻防が見られた。結果としては前半戦でテンポを掴んだ「のりこねダッシュ」が僅差で勝利。

 事実上の決勝戦となった第3試合では「Nexus」と「のりこねダッシュ」が対決した。使用マップは「シーポート」。3層の立体構造を持つ複雑なマップで、実装から間もなく充分に研究されていない、という不確定要素を抱えたマップだ。ここでは近接型機体よりも重量型機体を用い、遠距離での牽制が長く続く展開。両チームとも背後に修理型機体を配置し、なかなか勝負が決まらずドローラウンドが続いた。最後に修理型機体1機が残り、地雷を敷設して逃げまわり、なんとか負けを回避するというシーンも見られる展開。

 僅差の試合を制したのは「のりこねダッシュ」。「Nexus」との間に決定的な差は見られず、ちょっとした勝負のあやで優勝を引き寄せた格好だ。優勝した「のりこねダッシュ」のメンバーにはシグマA・P・Oより「鉄鬼」バージョンのレーザーマウス「DRTCM26」がプレゼントされた。今後さらに磨きをかけて、公式大会初代王者として存在感を発揮していって欲しいところだ。


事実上の決勝戦となった第3試合。にらみ合いから一気に動き、最後は1on1状態となるような接戦が連続した。全6ラウンドを戦い、なんとドローラウンドは4つ。どちらが勝ってもおかしくない展開だった
3位「鋼雪機兵団」準優勝「Nexus」優勝「のりこねダッシュ」



■ 「サドンアタック」公式クラントーナメント「SAOMT」。絶対王者の誕生!

実況・解説を担当したゆきしろ氏とBRZRK氏
重厚な選手紹介の演出で、開場のボルテージも最高潮。「がんばれよー!!」と客席から声が飛ぶ
ロングレンジの多い「プロバンス」ではスナイパーの質も重要な要素となった

 本大会のメインイベントとなる「サドンアタック」公式クラントーナメント「SAOMT Season 4」。2009年より数えて4回目の開催となる本トーナメントには、オンライン予選に参加した800あまりものクランの中から、強豪4チームが出場した。そのチームは「NabD」、「iZone」、「Celluloid」、「Dynasty」。

 「NabD」は目下大会2連覇中。「サドンアタック」公式インストラクターのKenny選手を擁する優勝候補の一角だ。「iZone」は、前回大会にも出場し、準優勝を果たしたという決勝トーナメント常連チームだ。「Celluloid」、「Dynasty」の両チームは今回が決勝初登場だが、厳しい予選を勝ち抜いてきた強豪。

 マッチルールは公式クラン戦の基準どおり、5対5の「爆破ルール」で行なわれる。スナイパーライフルは1チーム2名までの制限。5ラウンド先取制で前後半を戦い、勝者を決める。

 第1試合で対決したのは、初登場の「Celluloid」と常連の「iZone」。使用マップはロングレンジの通路と狭い小路がミックスされた「プロバンス」だ。防衛側のブルーチームでスタートした「Celluloid」はファーストラウンドを勝利するなど、決勝常連の「iZone」に引けを取らぬ善戦。しかし「iZone」はすぐさま4ラウンド連続で取り返すなど押しの強さを見せ、delpiero選手、ziNov1f(じのびえふ)選手の活躍もあり、前後半総合でラウンド取得数9-6で「iZone」の勝利となった。

 第2試合は同じく「プロバンス」マップにて、2連覇中の「NabD」と初登場の「Dynasty」が対決。下馬評では「NabD」の楽勝ムードが漂っていたカードだが、「Dynasty」は残り人数3-1の状況から3人抜きでラウンドをものにするなど、期待以上の勝負強さを見せ、「NabD」を苦戦させた。試合はシーソーゲーム式に展開し、後半6ラウンドには「Dynasty」がマッチポイントに到達した。ここで「NabD」は積極攻勢を控え、布陣を硬くすることで応戦。あわや敗北という寸前で持ち直し、総取得ラウンド数9ー7で「NabD」が辛勝した。



「NabD」の選手たち
「iZone」の選手たち

 こうして決勝戦では、前大会の「SAOMT Season 3」と同じ、「NabD」と「iZone」による決勝カードが実現。決勝戦は3マップを巡る3マッチ制で、使用マップは「シティキャット」、「ウェスタン」、「クロスポート」。このうち「ウェスタン」と「クロスポート」は、これまであまりクラン戦で使われていないマップであるため、両チームの研究具合に注目が集まる。

 しかし、実際の展開はかなりの差が付くものとなった。第1マップの「クロスキャット」は、全体的に狭く、攻撃側が有利なマップ。攻撃側のレッドチームでスタートしたNabDは、積極的に攻勢をしかけ、度々相手の裏をとる動きをみせながら前半戦を5-2で折り返した。続く後半戦ではカッチリとした守りで3ラウンドを連続取得。1戦目は「NabD」が8-2で大勝した。

 続く第2戦、使用マップは「ウェスタン」。このマップは両チームともに充分な研究がされていないようで、お互いに出方を伺いながらの展開となった。こうなると個々の能力とアドリブ的な連携力に勝るチームが有利となるが、そのパワーを見せつけたのが「NabD」。ややもすれば混戦になりかねない展開のなか、きっちりとKILLを重ねてラウンドを連続取得。前半戦を5-1で折り返し、余裕を持った後半では「iZone」が2ラウンド先取したものの、続けて「NabD」が2ラウンドを取り返し、総取得ラウンド数を7-3として大勝した。

 この連勝により、第3戦「クロスポート」は行なわれないまま「NabD」の優勝が決定。記録を3連覇に伸ばし、最強クランの呼び声を確固たるものにすることに成功した。

 優勝したクラン「NabD」には、シグマA・P・Oよりゲーミングデバイス各種と、スカイデジタルより「nKEYBOARD」などが贈呈された。全試合を通していまひとつの出来だった「NabD」のクランリーダーMatcha選手には、各選手から口々に「Matchaのおかげで勝てました」とねぎらいの言葉が聞こえ、開場は大いに湧いた。

 今回4回目の開催となった「SAOMT」だが、東京から名古屋に会場を変えても大いにファンを湧かせ、満場の賑わいを生み出すパワーが印象的だった。これほどのユーザーを集める大会に成長したことで、おそらく内容的にも、国内のFPSシーンで最高峰の大会とみなして間違いないだろう。

 全国数十万の「サドンアタック」プレーヤーの頂点に立った「NabD」には、是非、今後さらなる活躍の場が与えられることを期待したい。その「NabD」を目標として、さらに多くのクランが闘志を燃やし、ますます盛り上がっていくに違いない。

両チームとも研究不足気味の内容となった「ウェスタン」。「NabD」が大勝したのは、場慣れによる落ち着きと、声かけによる即興的なチームプレイがうまく機能したものだろう

3位タイ「Celluloid」3位タイ「Dynasty」
準優勝「iZone」優勝「NabD」



(2010年 8月 23日)

[Reported by 佐藤カフジ ]