ガーラジャパン、「アイリスオンライン」OBT先行体験会を実施
新エリア「カマイタチ盆地」「隠れ洞窟」、新マウント4種を紹介
ガーラジャパンは、5月20日より、Windows用MMORPG「アイリスオンライン」のオープンβテスト(OBT)を行なう。これに先立ち、メディア向けの先行体験会が行なわれた。
「アイリスオンライン」はタロットカードを使った本格的な占いでキャラクターを強化するという、変わったシステムを持ったMMORPG。開発は、「ルナ トゥインクル!」の開発でも知られる韓国のEYASOFT。日本で漫画家としての経歴を持つイラストレーターの描くキャラクターは、日本人好みで非常に愛らしい。
今回開催された体験会では、レベルキャップの上昇とともに追加される新エリアや、クローズドβテスト(CBT)に寄せられた要望により変更した部分を試すことができた。このレポートでは、改めてゲームを紹介すると共に、CBTからの変更点やOBTの新要素をお伝えしたい。
ダンジョン「飛行艇ライオハ」のボス。敵キャラは、どれもユーモラスな姿や動きで楽しませてくれる |
■ 女性ユーザーを意識した、カラフルで愛らしい世界観
まるで絵本のような美しい世界観 |
「アイリスオンライン」は、タロットカードをモチーフに、ファンタスティックで少しダークな世界観を楽しめるファンタジーMMORPG。開発している韓国のEYASOFTは、かわいいキャラクターを使ったカジュアルゲームには定評のあるメーカーだ。本作にもプレーヤーキャラクターだけでなく、敵モンスターも愛嬌があって動きのおもしろいものが揃っている。
「占い」というモチーフは、世界の描写にも生きている。キャラクター作成画面が、ろうそくに照らされた幻想的なテントの中だったり、チュートリアルがサーカスのテント内での戦いだったりと、ただ明るいだけではないダークなムードは、世界観を重視するプレーヤーにとっては魅力的だ。
カジュアルゲームらしくポリゴン数は抑え気味で、写実的なリアルさはないが、テクスチャーは非常に色鮮やかで、水彩で描いたような淡いタッチが美しい。背景のオブジェも細かく作り込まれていて、風景を楽しむゲームとしては非常に出来がいい。ライトなプレイ感覚と、美しい世界観は女性ユーザーを意識してのものだという。実際、本作は他のゲームより女性ユーザーの登録が多いという。
プレーヤーキャラクターの種族は、「ヒューマン」、「ビースト」、「エルフ」の3種類。それぞれが2つのクラスからどちらかを選ぶことができる。「ヒューマン」は盾や大剣をつかう戦士系の「ファイター」と魔法を使う「メイジ」、「ビースト」は同じく戦士系の「アームズマン」と敏捷さが特徴の「レンジャー」、「エルフ」は敏捷な「ワンダラー」と自然の力を借りて魔法を駆使する「ウォーロック」に分かれる。
キャラクターのカスタマイズ画面では、フェイス、髪型などが選べる。CBTで顔の種類が判別しづらいという声があったため、OBTからは顔を選ぶときにアップにできるようになった。
ヒューマンの「ファイター」 | ビーストの「アームズマン」 |
エルフの「ワンダラー」 | 顔をアップで見られるようになった |
■ 「モンスター変身カード」で変身すると、戦闘能力がアップ
チュートリアルの間だけ使える、特別な騎乗ペット |
キャラクターメイキングが終わるとチュートリアルがスタートするが、チュートリアルはCBTから使い易く変更された。チュートリアルを初めた直後のフィールドに配置されてある大砲は、ゲームを始めたばかりのプレーヤーを大量に血祭りに上げて、大変不評だったということで、砲撃では死なないよう変更になった。CBTで怖い目にあったユーザーも、OBTでは安心して通っても大丈夫だ。
チュートリアルでは戦闘を体験することができる。本作の戦闘はオートアタックの合間にスキルを使用するオーソドックスなタイプ。攻撃を仕掛けるには「Tab」キーで敵をターゲットした後「Ctrl」キーを押すか、ターゲットを直接ダブルクリックする。ちなみにチュートリアルゾーンやダンジョンは例外だが、本作では基本的に1度に3体以上の敵はリンクしないようになっている。
最初に使う武器はチュートリアルでもらえる。筆者が試したヒューマンのファイターでは、大剣、片手剣と盾、二刀の3種類の武器を使うことができる。選択式ではなく全部もらえるため、いろいろと試しながら、更にクラスが細分化していく上位職で何を選ぶかを考えることができる。これは親切だ。
OBTからは大砲で死ににくくなる | モンスターに変身して進むと、アクティブでも襲ってこない |
ファイターの3つの武器。全てもらえる | 装備した武器で、巨大なモンスターを殴ってチュートリアル終了 |
スキルはツリー式で、武器の系統で3つに分かれている。戦闘には他にも2つの重要な要素がある。1つは「モンスター変身」、もう1つは「占い」だ。モンスター変身は文字通り、モンスターに変身できるシステムだ。敵のモンスターを倒すと時々、モンスターが変身に使うカードを落とすことがある。インベントリに入ったカードをダブルクリックすれば、カードのモンスターに変身でき、その状態で戦うことができる。
OBTからは、エリートモンスターと呼ばれるダンジョンのボスも「モンスター変身カード」をドロップするようになって、より強力なモンスターに変身できるようになる。変身すると、そのモンスターが持っている固有技を使えるようになるが、自分のスキル技は使えなくなってしまう。変身している時間は15分、10分、5分の3段階があり、強いモンスターほど変身時間が短くなる。ダンジョンのボスモンスターなどはおおむね5分だ。
一部のカードはフィールドにいるベンダーから購入することができるが、ボスなどのレアなカードは倒さなければ手に入らない。カードは1度使うと消えてしまうので、使いどころに悩みそうだ。戦闘に使うカードには他にも、自身を巨大化して力を上昇させる「巨大化カード」や、小さくして敏捷さを上げる「縮小カード」がある。これらのカードは「モンスター変身カード」と併用することもできる。
「モンスター変身カード」を使って、フィールドのモンスターに変身 | 変身すると、ショートカットのスキルがモンスターの固有技能に変わる |
ボスを倒すとレアなカードを落とすことができる | 強力な技を使うボスに変身。変身時間は5分間だ |
【変身可能なエリートモンスター】 | |
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エリートモンスターを倒すとそのモンスターのカードが手に入る |
■ 本格的なタロット占いで、自キャラクターを強化
占いの結果で自分のキャラクターにステータスのボーナスがつく |
もう1つの要素「占い」は、本作の最も特徴のあるコンテンツだ。タロットカードを使って、キャラクターの能力を上昇させるというものだ。占い方法はかなり本格的なので、まずは簡単にタロットカードとは何かを説明しょう。
タロットカードは、22枚の大アルカナカードと56枚の小アルカナカードを組み合わせて運勢を占う道具だ。本作で登場するのは、そのうち大アルカナカードだけを使った占い方法だ。大アルカナカードは「正位置」、「逆位置」の2つの意味を持っている。占うには、裏側に向けて混ぜたカードを場に並べ、どのカードがどの場所にあるかで意味を探る。この並べ方を「スプレッド」と呼び、占いの方法や目的によって複数ある。
本作の占いにも、22枚の大アルカナカードを使う。カードはフィールドモンスターからのランダムドロップだが、トレードも可能なので持っていないカードを都合しあえば、それほど苦労せずに集まるはずだ。ちなみに、ガーラジャパンの広報担当者は、レベル20辺りで揃ったらしい。
また、占いには「スプレッド」と「魔法の粉」というアイテムも必要だ。「スプレッド」は現在、「守護」、「活力」、「激戦」、「統合」の4種類があり、それぞれ防御力、回復力、攻撃力、万能型と付与されるステータスに差がある。「魔法の粉」は1回の占いに1つ必要な消費アイテムだ。
スプレッドを選んで占いを始める。カードを並べたら、それを正位置から開くか、逆位置から開くかを決める。これらはランダムで決めることもできる。開いたカードの結果を総合した説明が表示され、カード上に表示されたステータスが付与される。効果は2時間だ。カードと「スプレッド」には、通常よりレベルの高いものがあり、それを使えばより強力な付与をつけることができる。
この「タロットカード」はCBTでは他人を占うものだったが、高レベルのプレーヤーがレベルの低いプレーヤーを占うと、能力が高くなりすぎたり、占いをする本人にはまったく恩恵がないなどの問題が指摘されたため、OBTからは自分を占うものに変更された。
タロット占いは、22枚の大アルカナーカードを使って行なう |
最初にカードが裏返しのままランダムな場所に配置される | 必要な枚数のカードを選んでいく |
カードをスプレッドに並べた後、開き方を選ぶ | 占いの結果と、付与されるステータスが表示される |
■ タロットカードをモチーフにした個性的な「テーマダンジョン」
ダンジョンの内部は、いくつかのエリアに分かれている |
本作にはCBTで2つのインスタンスダンジョンが実装されていた。このダンジョンは「テーマダンジョン」と言い、入場に一定の制限があるなど通常のフィールドとは差別化されている。「テーマダンジョン」は22枚のタロットカードをモチーフにしている。つまり将来的には22のダンジョンが登場する可能性があるということになる。
OBTでは現在ある2つのダンジョンのハードモード版が実装される。こちらは適正レベルが上がって難易度が上がるぶん、よりレアなドロップが狙えるというものだ。「パニエサーカス団」は適正レベルが15から30に、「飛行挺ライオハ」は25が40になる。また、正式サービス後は、さらに新ダンジョン「とばりの渓谷」が追加される。こちらはレベル30からは入れるダンジョンになる。
「テーマダンジョン」はいくつかのエリアに分かれていて、各エリアにボスがいる。進行は、ストーリー仕立てになっていて、NPCからクエストをもらって進めていく。「パニエサーカス団」は、不気味なサーカス団のテントが舞台。サーカスの持つ、華やかだがどこか怪しい雰囲気がよく表現されている。ボスもぱっと見は可愛いが、よくよく見ると怖い顔をしていたりと味がある。ちなみに筆者のお気に入りのボスは「人形遣いポウム」だ。
上記2つのダンジョンは、1度入ると12時間は出た時の状態が保存される。中の敵を全て倒して出ると、12時間は再度入っても敵はいないままだ。また、1度入ると、他のパーティーに参加して入り直すこともできなくなる。この状態は毎日0時と12時にリセットされる。
正式サービス後に実装される「とばりの渓谷」は、前述の2つのダンジョンとは打って変わってシリアスな雰囲気の、騎士が護る城砦だ。今回は画像を掲載できないが、今後情報が出てくるのを楽しみに待って欲しい。
【パニエサーカス団】 | |
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サーカスのテント内部という設定で、ボスエリアはすべてステージになっている |
序盤に出てくる不気味な人形のモンスター | 奥にいるのは、筆者のお気に入りのボス「人形遣いポウム」 |
変身カードで変身したまま、ボスと戦闘 | おもちゃの汽車が走ってる可愛いステージだが、ボスは凶悪な面構え |
【飛行艇ライオハ】 | |
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空を飛ぶ飛行艇の内部だが、それを忘れるほど巨大だ |
最初の戦いでボスを倒すと、なんと2つに分かれて中の人が丸見えに | 浜辺のステージでは、はちまきを巻いたタコのマシンが登場 |
水をかけて攻撃してくるボスメカ。中に入っているのはずっと同じ「ジョアン」という科学者だ | ボスに操られている友達を助けるというストーリーがある |
■ デスマッチと旗取り、2つの「勢力戦」で熱い対人を楽しもう
勢力の選択は、リストから選択する方式から、並んでいるロボットに話しかける方式に変更された |
本作には対人要素もある。対人には1対1のPvPと、4つの勢力に分かれて行なう「勢力戦」がある。「勢力戦」は2時間に1度開催されるもので、4つの勢力が人数によって2対2や1対3に分かれて戦う。PvPは相手に決闘を申し込めばいつでもデメリットなく戦えるという腕試し的なものという扱いだ。
所属勢力は、チュートリアルが終了した後に最初に訪れる街のクエストで決める。1度決めると変更不可能だ。勢力によるステータスの差などはなく、おそらく最も大きな差はもらえるマウントの違いだろう。
本作には「ライドライド」という乗り物があるが、「勢力戦」でポイントを貯めることで、勢力ごとにもらえる「ライドライド」が異なる。どの「ライドライド」もなかなか魅力的だ。
「勢力戦」は、キル数を競う「デスマッチエリア」と、ランダムに出現する旗を掲揚ポイントに運んだ数を競う「フラッグエリア」がある。2時間に1度、参加するかどうかを問うポップアップが出るので、そこで登録を行なっておけば、時間になると自動的に対戦エリアに移動する。参加人数は9対9から最大18対18まで幅がある。
体験プレイでは対人戦は試せなかったのだが、体験した広報の担当者によれば、登録をしたプレーヤーがランダムで組まれるので、毎回違う相手と戦うことになるのが新鮮だという話だった。チームで組んでじっくり戦略を練りたい人にはもの足りないシステムかもしれないが、気軽に参加したい人にとっては1人でも参加しやすいシステムだろう。
ランダムに出現する旗を奪い合う「フラッグエリア」 |
「テラ」のライドライド「赤色のランパード」 | 「アネス」のライドライド「青色のリディア」 |
「ネロ」のライドライド「青色のユタ」 | 「ヘレネ」のライドライド「茶色のライカン」 |
■ OBTではレベルキャップが45に。2つの新エリアも実装
現在本作には9つのエリアがあるが、OBTで2つ、正式サービス後にさらに2つのエリアが追加されて、エリアの合計は13になる。OBTで追加される「カマイタチ盆地」は、荒涼とした風景の盆地で、製鉄所や工場が点在している。隠れ洞窟は、キノコの生えた洞窟。途中滝の流れ落ちる場所があったりと、なかなか幻想的で美しい場所だ。OBTではレベルキャップが45までに引き上げられるので、この2つは上位レベルプレーヤー向きのエリアになる。
【カマイタチ盆地】 | |
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荒涼とした赤い大地が広がる盆地 |
エリアの中には製鉄所や怪しい神殿がある |
【隠れ洞窟】 | |
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キノコや獣人のモンスターが闊歩する洞窟 |
敵さえいなければ、幻想的で美しい場所だ |
他にも、OBTから「デイリークエスト」が登場する。これは街にある懸賞金のチラシを購入する事で受けられるクエストで、1日に1回限定となっている。
また、ゲーム内からTwitterに接続できるという変わった機能も追加される。画面の右側にあるTwitterのマークを押して自分のアカウントにログインすれば、ゲーム内からTwitterを閲覧したり、投稿することができる。登録しておけば、キャラクターのレベルアップ情報や強化の成功などを自動で投稿することもできる。
さらに人気アイドルユニットの「AKB48」とタイアップしたキャンペーンも行なわれる。「AKB48」の前田敦子さん、大島優子さん、小野恵令奈さんの3人が、NPCとしてゲーム内に登場する。オリジナルの衣装を着けたNPCからはクエストを受けることができ、女性キャラクターは3人の着ている衣装、男性キャラクターは応援団員の衣装がもらえる。また、クリアすると、サイン入りポスターがもらえるプレゼントへの参加権も入手できる。
常にユーザーの頭を悩ませることになるBOTへの対策についても聞いてみた。本作ではプレーヤーがBOTを通報することができる。何度も通報されると、そのキャラクターはログインできなくなる。どれほどの効果をもたらすかは不明だが、快適なプレイのためにも対策には力を入れて欲しい。
全体的にカジュアル向けの作りで、壮大な冒険を楽しむというよりは友達と気軽に狩りにいって、不思議で美しい世界を楽しむのに向いたゲームだろう。MMORPGの要素は一通り入っていて、不足はないが突出した部分も少ない。その中で「タロットカード」は他のゲームにはない、かなり特異なシステムとして楽しめそうだが、カードが全て集まるまでは遊べないのが難点だ。
ただ、CBTではカードを納めるフォルダーがなく、インベントリを圧迫していたが、OBTからは各種カードを収納できる専用のフォルダーが追加されるので、置き場所がないというストレスは緩和される。運営に見せてもらった資料の中には、現在実装されていないスプレッドが映っていたりと、今後の拡張性にも期待が持てる。
タロットやモンスターカードなどの収集要素が強化されたことは、収集コンテンツの好きな日本人には嬉しい知らせだ。不思議で幻想的な世界観と、愛らしいキャラクターが気に入ったら、試してみてはどうだろう。
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□ガーラジャパンのホームページ
http://www.galajapan.jp/
□「アイリスオンライン」のページ
http://iris.gpotato.jp/
(2010年 5月 18日)