Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

コーエー・テクモブースレポート

本格派TPS「QUANTUM」、欧米限定の“無双”「WARRIORS: LEGENDS OF TROY」などが登場


テクモブース

6月2日~4日(現地時間) 開催

会場:Los Angeles Convention Center



コーエーブース

 4月1日でコーエーとテクモが経営統合したことから、今年は2社で1つのエリアを確保して出展していた。とはいえ、窓口はそれぞれ個別に用意しており、担当者も隣のタイトルについてはノータッチのようで、ブースの見た目以外は別々に動いていた。

 テクモは今回、全て自社開発の新作アクションゲームを3タイトル出展し、いずれも実機で動作するものを用意。コーエーも日本未発売の新作を2本発表したが、こちらはいずれも映像出展のみとなった。本稿では、テクモの3タイトル、コーエーの2タイトルの順で、これらの新作を順に紹介していく。




■ PS3「NINJA GAIDEN Σ2」

 リュウ・ハヤブサが活躍する忍者アクションアドベンチャー「NINJA GAIDEN Σ」シリーズの2作目となるタイトル。本作ではハヤブサのほかに、前作にも登場したレイチェル、「DEAD OR ALIVE」シリーズのあやね、「NINJA GAIDEN Dragon Sword」のヒロインである紅葉がプレーヤーキャラクターとして登場する。

 アクションシーンは前作同様、静と動のメリハリのある動きで敵を斬り倒していく。E3バージョンでプレイできたのはゲーム序盤だと思われるが、ちょっと気を抜くとすぐにライフが残り少なくなる。特に数人の敵に囲まれたときが厳しい印象を受けた。ただ本作にはオンラインでのCo-op(協力)プレイも搭載されるので、その辺りも考慮したバランスなのかもしれない。

 戦闘時には、かなり派手に血しぶきが飛び、敵に攻撃を当てると腕が切れ飛んだりする。さらに体の一部が欠損した敵に対しては、必殺の攻撃を繰り出せるという仕組みがある。これもいきなり首をはねるような表現が使われているので好みはあると思うが、素早く敵を倒していく爽快感があり、いかにも忍者という感覚が味わえる。担当者によると、「日本においてはCEROレーティングでD(17歳以上対象)になるように表現が調整されるはず」ということだが、見た目だけでなくシステムにも影響するだけに、どう対応するかが気になるところだ。

 2009年秋発売予定で、日米でほぼ同じタイミングの発売を予定しているという。


【スクリーンショット】
グラフィックスにはさらに磨きがかかるとともに、女性のプレーヤーキャラクターも追加され、より美しい戦いが繰り広げられる。Co-opの追加も嬉しい



■ PS3「QUANTUM」

「QUANTUM」プロデューサー江川弥寿生氏

 東京ゲームショウ2008で発表された、完全新作となるサードパーソンシューティング。会場ではデモムービーと実機デモを見ながら、プロデューサーの江川弥寿生氏から説明を聞けた。

 主人公は屈強な男性で、ゲームジャンルから見ても、かなり欧米向けに作られたタイトルだとわかる。もしかすると開発は欧米のデベロッパーなのかと思ったが、エンジンから全てテクモで制作した純日本製なのだという。江川氏は「『Gears of War』に似ているとよく言われるが」と自ら前置きした上で、「テクモが長年培ってきたアクションゲームのノウハウをつぎ込み、日本でも欧米のアクションシューティングを凌ぐタイトルを作れることを証明したい」と、真っ向から勝負する姿勢を示した。

 欧米タイトルを凌ぐための要素としては、まずフィールドの動きがある。これまでにもフィールドの一部がインタラクティブに動くものはあったが、本作はよりダイナミックに、地形そのものが変化するような要素を、大部分に導入しているという。足元が崩れ落ちていく中での戦闘など、刻一刻と状況が変化するような戦いが期待できそうだ。

 もう1つは、行動を共にする女性キャラクターの存在。通常はプレーヤーに付き従って、銃などでフォローする程度の存在だが、何とこの女性を放り投げられる。どうやら単なる女性ではないようで、敵に向かって投げつけると、敵に大ダメージを与えられるような効果があった。大量の敵の群れを突破して進路を作りたい時などに有効だという。

 この女性キャラクターがなぜ主人公と行動を共にするかは、ゲームを始めてもしばらくは謎のままだという。さらに、実は主人公も謎に包まれた存在となっている。ゲーム開始時には、ゲームの舞台となる塔を破壊するという目的だけが明かされており、自分が何者であるか、なぜ塔を破壊するのかという理由は一切わからない。ゲームを進めているうちに、その理由が徐々に明かされていくという。その辺りのストーリー展開も見所となるだろう。

 開発メンバーは「零 ~ZERO~」シリーズのチームが中心となっているが、PS3用「NINJA GAIDEN Σ」の開発メンバーの一部も参加したことで、PS3の開発ノウハウを素早く獲得したという。江川氏は「彼らが参加しなければ、これほど早くはできなかった。テクモの全てを結集したプロジェクト」と語っていた。メンバーは総勢で70~80名だそうで、開発期間から考えても、相当に力が入ったプロジェクトなのがわかる。

 日米ともに2010年発売予定で、江川氏は「2010年の早いうちに発売したい」と話していた。


【スクリーンショット】
スクリーンショットの中にも、崩れ落ちる足場での戦いが描かれている。こういった地形のダイナミックな変化が随所に盛り込まれているのが本作の特徴だという



■ PSP「UNDEAD KNIGHTS」

 こちらも東京ゲームショウ2008で発表された、新作アクションゲーム。実機によるデモが行なわれたのは今回のE3が初めてとなる。

 プレーヤーキャラクターの背後視点で進むアクションゲームで、多数の敵を蹴散らしていく。ぱっと見た雰囲気はコーエーの「無双」シリーズに似ているのだが、よく見るとちょっと違う。敵が中世ヨーロッパ風の人間の兵士で、プレーヤーに付き従うのが大量のゾンビなのである。

 本作のプレーヤーキャラクタは、戦士の大男と、細身の男性、少女にも見える女性の3人。いずれもアンチヒーローとして描かれており、倒した兵士をゾンビに変える能力を持っている。ゾンビは自らを守る部隊となり、味方だった兵士に襲い掛かっていく。

 ゾンビはただの兵士として存在するだけでなく、多数そろえると櫓を壊せるようになったり、自らの体を橋として堀を渡れるようにしてくれたりと、攻略に不可欠な存在になっている。さらに、ゾンビを掴み上げて自らの盾として敵の弓を防いだり、掴み上げたゾンビを地面に叩きつけて周囲の兵士を吹き飛ばす爆弾のように使ったりと、戦闘用の消費アイテムとしても機能する。

 さらには敵兵士のとどめをゾンビにさせると「Zombie Kill!」と表示されてボーナスがもらえたり、多数のゾンビが兵士を取り囲んで生きたまま食ったりと、演出的にもアクセントになっている。シリアスな内容ではあるが、「そこまでやるか」と思わず笑ってしまうような雰囲気もある。

 会場では見られなかったが、アドホックモードで最大4人での協力・対戦プレイも可能。どんな形で実現するかはわからないが、大量のゾンビを引き連れたアンチヒーローが協力・対戦するという絵は想像するだけでも面白い。

 開発はこちらも日本のテクモが担当しているが、米国法人と連絡を密に取り、欧米に合ったテイストに調整を続けているという。明確に欧米を狙った作品だが、日本でも発売される予定で、どう評価されるのかも気になるところだ。発売は日米ともに2009年秋の予定。


【スクリーンショット】
兵士を倒してゾンビに変え、操り、盾にし、投げて戦うアンチヒーロー達が主人公。ゾンビを使った攻略要素もあり、単なるアクションだけではない面白さも垣間見える



■ PS3/Xbox 360「WARRIORS: LEGENDS OF TROY」

バトルシーンのイメージビジュアル

 コーエーの新作は、PS3/Xbox 360用「WARRIORS: LEGENDS OF TROY」と、PS3用「TRINITY: Souls of Zill O'll」の2タイトル。いずれも映像のみの出展で、ブースには日本では発売済みのニンテンドーDS用「モンスターレーサー」とPSP用「無双OROCHI 魔王再臨」の2タイトルの試遊台が数台と、少々寂しい状態になっていた。

 「WARRIORS: LEGENDS OF TROY」は、コーエーカナダ制作のタクティカルアクションゲーム。「WARRIORS」シリーズは、欧米での「無双」シリーズの呼称。本作は「無双」シリーズでありながら、コーエーカナダで開発され、しかも日本での発売予定がないという、シリーズの中でも大きな転換点を迎えるタイトルである。

 ゲームの舞台となるのは、3,000年前のトロイとギリシャの戦い。叙事詩として描かれた世界をゲームで表現し、ストーリーに乗せて展開していくという。それと同時に「無双」シリーズの一騎当千の感覚は受け継ぐとしており、いかにも西洋風な「無双」シリーズができあがりそうだ。

 オンラインで最大4人のマルチプレイにも対応する。欧米で2010年春発売。


【キャラクターイラスト】
古代ヨーロッパ文明をストレートに描いたキャラクター達。これで「無双」シリーズというだけでも期待が膨らむ

【トレーラームービー】



■ PS3「TRINITY: Souls of Zill O'll」

 もう1本の「TRINITY: Souls of Zill O'll」は、ω-forceが開発するアクションRPG。日本では「TRINITY Zill O'll Zero」というタイトルで発表されている。

 「ジルオール」シリーズは日本でしか発売されておらず、欧米では実質的に新作タイトルとなる。そのことからベースとなる世界観はそのままに、RPGだった前作までの作品からアクションRPGへとジャンルを変え、欧米市場での展開を狙っている。もちろん日本でも、これまでとは違う感覚で遊べるゲームになることから、新たなファンを生み出すことが期待される。

 発売は、欧米では2010年の予定。日本では今冬発売予定となっている。


【スクリーンショット】
アクションRPGにジャンルを変えた「ジルオール」シリーズ最新作。ビジュアル表現も独特なものを採用している

【トレーラームービー】

(2009年 6月 7日)

[Reported by 石田賀津男]