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NCSOFT、G-STARで「MXM」日韓台グローバルサービス構想を発表
正式サービスも同一サーバーの運営を宣言。その意図とは?
(2015/11/12 21:40)
NCSOFTは、G-STAR初日の11月12日、オンラインアクション「MASTER X MASTER(MXM)」に関する韓国メディア向けのプレスカンファレンスを開催し、「MXM」のサービススケジュールをはじめとした、様々な情報を発表した。
「MXM」は、第一報でもお伝えしたように、NCキャラクターが総登場するMOBA系のオンラインアクション。その概要については速報を参照頂くとして、本稿では、発表会で公開された内容を中心に紹介していきたい。
発表会では、「MXM」ディレクターのイ・ジホ氏、統括プロデューサーのキム・ジョンジン氏が登壇し、今回G-STARで初出展した「MXM」の基本コンセプトや、サービススケジュールについて発表が行なわれた。
基本コンセプトの説明を担当したイ・ジホ氏は、繰り返し「MXM」のキャラクター性を強調。NCブースは試遊台だけでなく、キャラクター商品や等身大フィギュアなどを出展している理由は、ライセンスビジネスに力を入れていくためで、NCの既存IPのキャラクターはすべて投入するという。
「ブレイドアンドソウル」や「AION」、「リネージュII」といった主力タイトルのキャラクターがゲームに登場することは第一報でもお伝えしたとおりだが、発表会では新たに、NCが保有するプロ野球チーム「NCダイノス」からも、選手をイメージしたバットで攻撃するキャラクターと、ボールを操る恐竜のマスコットキャラクターが公開。デモ映像も公開され、炎に包まれたバットをブンブン振り回して敵を撃退していた。
今回、始めて「MXM」の世界「MXM UNIVERSE」が公開されたが、様々な惑星が存在し、「MXM」オリジナルのキャラクターは異なる出身、人種として、それぞれ異なるストーリーを持っており、現在はキャラクターを増やす作業は一旦辞めて、シナリオやキャラクターのクオリティアップに時間をかけているという。
こうしたキャラクターたちは、1人で遊べるPvEコンテンツや、多人数で激突するPvPコンテンツで使えるだけでなく、「運動会」と呼ばれるミニゲーム集でも使うことができ、好きなキャラクターととことん向き合える仕様になっているようだ。
サービススケジュールの説明を担当したキム氏は、「MXM」は、正式サービス開始時期について改めて2016年夏と発表した。それに先立ち、2016年2月よりファイナルクローズドβテストを韓国内で実施し、2016年第一四半期よりグローバルテスト、2016年上半期よりオープンβテストという流れとなる。
注目されるのは突如発表されたグローバルテストだ。これは海外でβテストが始まるという意味ではなく、実際、中国ではTencentをパブリッシャーに、2015年5月にαテスト、まもなく第2次αテストを実施する計画であることが発表されたが、今回発表されたグローバルテストは、韓国、日本、台湾の3地域で同時に実施するクローズドβテストとなる。しかも同一サーバーで、マッチングも同じという点がポイントで、質疑応答でもこの点について韓国のメディアから質問が殺到。
多くの韓国メディアの反応は、「韓国ユーザーと、日本や台湾のユーザーは好みが異なるため、同一サーバーのテストは難しいのではないか」というニュアンスの質問が多かったが、キム氏とイ氏は、意に介さずといった雰囲気で、同じサーバーでプレイすると面白いと思うし、同一サーバーはテストだけでなく、正式サービスでも継続すると発言。グローバルで展開するMOBA系アクションとして、単一サーバーでの運営を宣言した。
NCの同一サーバーでの運営は、「Guild Wars」などで過去にも経験があり、希望的観測や反応を見るために試しに言ってみるという体ではなく、本当に実施しそうな印象を受けた。
「グローバルサービスなのに日韓台だけなのはどうしてか?」という鋭い質問に対しては、全支社の社内評価で日本と台湾の評価が高かったため、まずは韓国と日本、台湾でサービスを開始してから他の地域に広げていくという構想を披露。その際の主要なターゲットとなる欧米マーケットについては、中国と同様に現地パブリッシャーを立てる方針であるため、その点も含めて、まだ時間が掛かると判断したようだ。
日韓台だとおそらくサーバーは韓国になるはずだが、他の地域とのレーテンシーの問題については、サーバーにクラウド技術を取り入れ、レーテンシーの問題が発生しないようにすると説明。言語については自動翻訳機能などは導入せず、それぞれの地域の言語を使う形を想定しているようだ。
グローバルサービス構想の発表で、別の意味で盛り上がりを見せそうな「MXM」だが、多くのオンラインゲームがモバイルに移行するなか、PCを舞台に戦っていくにはこれぐらいの荒療治が必要だと判断したのかもしれない。「MXM」ディレクターのイ・ジホ氏に後日インタビューを予定しているので、そのあたりについて追加取材してみたい。