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スクエニ、「第23回FFXIVプロデューサーレターLIVE」を開催
バヌバヌダンスやダルメルマウントなど、その場でアレコレ実装決定!
(2015/7/11 00:00)
スクウェア・エニックスは「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド(以下、FFXIV)」の最新情報を伝える「第23回FFXIVプロデューサーレターLIVE(PLL)」をスクウェア・エニックス本社から開催した。「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティチームの室内俊夫氏が、事前に寄せられた「パッチ3.0」に関する質問に答えたほか、この放送内で初めて「機工城アレキサンダー:零式」のアイテムロットルールが公開された。
「FFXIV」は6月23日に初の拡張パック「蒼天のイシュガルド」のサービスが開始された。Mac版に事前告知不足による返金騒動が発生するなど、一部にトラブルもあったものの、ゲーム内では大規模なサーバーダウンや深刻なトラブルなどはなく、おおむね順調な滑り出しといえる。レベルキャップが解放され、新たに追加されたメインストーリーも好評で、吉田氏によれば特にダウンロード版の売り上げが非常に好調に推移しているとのことだ。
予約特典のアーリーアクセスが開始された7月19日からようやく3週間弱が経過したところだが、そろそろメインクエストをクリアしてレベル60に到達した人も増えている。7月7日にはエンドコンテンツの第1弾「機工城アレキサンダー」が解放され、新技能の使い勝手やジョブバランスについての検証が、公式フォーラムや外部サイトをにぎわせている。今回は「3.0」が始まって最初のプロデューサーレターLIVEということで、プレーヤーから寄せられた質問に3時間にわたって徹底的に回答するという怒涛の内容となった。
「機工士アレキサンダー:零式」のアイテム取得は週1回。「大迷宮バハムート」と同じように宝箱からは、装備品が直接ドロップする。それに加えてパーティメンバー8人全員に、任意の装備品と交換できる交換用アイテムが1個入手できる。1度クリアした層に手伝いで入ることはできるが、攻略済みのプレーヤーが4人まではコンプリート後に出現する宝箱が1個に、5人以上からは出現しなくなる。
このレポートではプロデューサーレターLIVE内に寄せられた質問と吉田氏からの回答、その中で判明した情報などをまとめて紹介したい。
占星術師はカードを使う技能を中心に全般的な上方修正
まず、ジョブに関しては、7月7日のパッチ「3.01」で一足早く、吟遊詩人と機工士の技能に上方修正が入っている。また現状ではヒーラーとしてやや使いづらいといわれている占星術師については3.05を待たずに全般的な上方修正が入るほか、暗黒騎士の「リビングデッド」や吟遊詩人の「時神のピーアン」など個別の技能についても調整が検討されている。
既存ジョブの新技能については、エンドコンテンツである「機工城アレキサンダー:零式」が実装された後の様子を見て適宜調整が入っていく予定だ。技能が増えてゲームパッドではボタンの数が足りなくなりつつあるが、その対策として「ダブルクロスホットバー」という新仕様も考えられているそうだ。まだまだほとんどのプレーヤーがレベル60になったばかりで、ジョブ関連の質問では戦い方を問うものが多かった。ローテーションの研究はこれからが本番というところだ。
・ジョブ全般
――機工士以外の新ジョブも今後調整する予定はありますか?
吉田氏: 全ジョブにおいてすでに調整を検討しているものもあるし、調整の作業に入っているものもある。3.05に向かって調整を始めているものもあります。
――「3.0」のアクション調整に関してどんな意図があったのか教えてください。
吉田氏: 「3.0」が始まって法典装備が出て、今はさらにアレキの装備に変わっていこうとしています。今後アイテムレベルの伸びが激しくなっていくので、割合やマックス値に依存している技の中には、このままステータスが上がっていくとバランスブレイクになってしまいます。そのため、いずれは必ず調整せざるを得ないものに、今回まとめて調整を入れています。
もとの効果がこのままだとどのくらい大きな威力になるのかを計算してみてもらえればわかりますが、レベル60になる前にはどうしても数字の話ばかりになるので、事前に出さなかったという意図があります。ただ、それでも事前に出してもらったほうがいいというフィードバックが多いようであれば、今後は出すことも検討します。
――「3.0」ではアッパー調整だけではなく下方調整も多いように思われますがその意図を教えてください。
吉田氏: 各ロールの中で特定のジョブに関して調整をしなければならない時には、基本的には横並びになるようにアッパーの調整をかけます。僕らも自分が使っているジョブを調整されるのは痛いですから。しかし、特定のジョブの特定のアクションがあまりにも強すぎてコンテンツのバランスを崩してしまう場合には、そのアクションに対し横並びに調整することができません。「残影」と「ウォール」は物理攻撃に対して絶対無敵だったが正直強すぎたと思っています。そのために魔法攻撃を多用しなければならなくなったりしていたので、このタイミングで調整させてもらったほうが全体の面白さが増すと判断しました。
――「3.0」の中で新しいクラスやジョブを追加する予定はありますか?
吉田氏: 今は修正作業やバランス調整作業をやっているので、正直言うと誰も新ジョブのことを考えられません。おそらく次の新ジョブは「4.0」のタイミングになると思います。
――「3.0」で追加されたヒーラー装備には命中が付いていませんが、今後命中がついた装備がヒーラー向けに実装される予定はありますか?
吉田氏: 「3.0」では全ジョブの武器から命中をなくす方針で、今後も基本的には武器に命中はつきません。これまではせっかくILが高い武器を手に入れても命中がついていないせいで使えなかったりということがあったので、「3.0」ではモンスター側の必要命中を下げています。
防具については、実は「新生エオルゼア」のスタート時にはヒーラーの防具に命中はついていませんでした。ILが伸びていくにしたがって、モンスター側の必要命中をDPSに合わせて調整していった結果ヒーラーの命中が足りなくなってしまったので、パッチの途中から追加されました。ただ「3.0」の武器を持って、「2.X」までのコンテンツにいくと命中が足りないという事態が一部で発生しているので、それについては対応しようと思っています。
――吟遊詩人や機工士など仲間の支援に長けているジョブのためにバッファーなど新しいロールを作る予定はありますか?
吉田氏: 今のところはありません。ロールを増やすとそれだけ、コンテンツファインダーのマッチングが遅くなってしまうので。
――レベル上限が60になって最大MPが高くなりましたが、それ以上に消費MPが高くなっているように感じます。今後ILが上昇することで解決しますか?
吉田氏: そういうバランスで考えているので基本的には変わりません。ただ特定のジョブだけでレイドも含めてMPの枯渇が激しい場合に関しては調整させていただこうと思っています。
・戦士
――戦士の「ディフェンダー」のHP回復効果を、学者の「生命活性法」や白魔道士の「テトラグラマトン」にも適応できませんか?
吉田氏: この2つに対して効果がのらないのは、この2つが魔法ではなくアビリティだからです。適応して欲しいという声や、学者と戦士とのシナジーが弱くなったという声があるのも理解しています。しかしこれから「零式」が開く中で、タンク内バランスがどうなるかを見てからでないと調整ができないので、やるかやらないかは今後のフィードバックによります。
――戦士はかなりDPSをだせるようになりましたが、ナイトや暗黒騎士は戦士と同程度のダメージを出すことができますか?
吉田氏: 戦士のDPSが高いのは、戦士の特性だと考えてください。戦士は斬耐性を下げるデバフを持っているので、これをずっと使えるサブタンクの時には強いですが、メインタンクではずっと維持できないのでそこまでDPSは伸びません。暗黒騎士も誰かに斬耐性低下デバフを付けてもらった状態で殴ると、戦士に匹敵するダメージを出すことができます。瞬発力ではなく、何分間かのトータルでみれば強いです。ナイトに関しては防御に特化したジョブなので、防御力に優れるぶんほかのタンクよりもダメージは出しにくいという特性になっています。
・暗黒騎士
――暗黒騎士の「リビングデッド」は、ナイトの「インビンシブル」や戦士の「ホルムギャング」に比べて使用後のヒーラーへの負担が大きい気がしますが、効果を調整する予定はありますか?
吉田氏: 検討はしています。ただ「機工城アレキサンダー:零式」が始まるまでは極端な調整はしない予定です。どうしても「インビンシブル」や「ホルムギャング」と比べてしまうのはわかりますが、暗黒騎士というジョブ全体のバランスを見て調整しているので、本当に「リビングデッド」に調整が必要かどうかはレイドでどのくらい使えるかで考えていこうと思っています。
・ナイト
――「レイジ・オブ・ハルオーネ」コンボから「ゴアブレード」コンボを使用すると、「レイジ・オブ・ハルオーネ」で付くSTRデバフが維持できません。「ロイヤルアソリティ」の効果的な使い方を教えてください。
吉田氏: 全部のコンボを回そうとするとSTRデバフが切れてしまうということだと思います。局面に応じてコンボルートを切り替えてほしいという意図なので、STRデバフが有効な時には「レイジ・オブ・ハルオーネ」ルートを使えばいいし、そうでない時には別のルートを使うという形で使い分けてください。
・モンク
――「闘気」をダンジョンの移動中にマックスまでスタックさせるのが大変です。1発で満タンにできませんか?
吉田氏: 実は開発中にも非戦闘中なら一気に5スタックできてもいいのではないかという検討はしました。ただ今のダメージ値は戦闘時間のなかでやりくりするからこそあのダメージが出せるように調整してあって、個別に敵1グループずつにスタックさせるのではさすがに強すぎるだろうということで、今の仕様になっています。
・竜騎士
――コンボが増えて、かつ方向指定が加わったために操作が難しくなりました。方向指定を緩和する予定はありますか?
吉田氏: まだ始まったばかりなので、基本的には工夫の余地として残していきたいと思っています。ただモンスターが壁際にいたりと、コンテンツの性質上どうしても背面や側面が取れないために起こるダメージロスが結構大きいので、そこは3.05までに底上げをする予定です。方向指定は長い目で見てなじんでいただきたいので、なくすというよりはそこを工夫して伸ばしていただきたいです。
・忍者
――忍者に方向指定の条件が指定され、印も結ばなければならないので忙しいです。もう少し操作が楽になりませんか?
吉田氏: 竜騎士と同じですが、まだ開幕して3週間弱しか経っておらず今後レベル60キャップが続いていきます。「2.0」でレベル50になったばかりの頃はローテーションがぐちゃぐちゃだったと思うのです。「2.0」が長かったので、その時のノリで使いこなしたいという気持ちはわかるのですが、これからまた新しい楽しさだったり工夫があると思うので、今すぐ全部使いこなせなくてもいいと思うのです。研究も進むし、これから「零式」も開くのでそれを見てまたフィードバックをいただきたいと思います。
・吟遊詩人
――「3.0」以降吟遊詩人の戦い方が変わりました。今後の戦い方のイメージを教えてください。
吉田氏: 吟遊詩人はもともと移動中も攻撃できるというメリットがあります。例えばボスからの攻撃をよけながら攻撃したり、戦いながらギミック処理をしたりということで、仲間に対する支援効果もあります。ただ、これまでも常に走り回っていたわけではないはずで、そういう動く必要がない時間に「旅神のメヌエット」を使って固定砲台化することでさらにDPSを延ばす工夫ができるというのが、僕らが想定している吟遊詩人の姿です。
ただ「旅人のメヌエット」を覚えるレベル52の段階であまりにもダメージが下がってしまう状態だったのでそれには調整をいれました。それと切り替えが重たくて「クルセートスタンス」のようには使えなかったということがあったので、その切り替えやすさも今回調整させていただいています。今後いろいろなコンテンツに慣れていくことで、ここは切り替えたほうがいいという工夫の余地が生まれると思います。そのために入っているものだと思ってください。
――吟遊詩人の新技能「時神のピーアン」の使いどころがわかりません。使用場面を教えてください。
吉田氏: 基本的にエスナで回復できるものはすべて防ぐことができるので、常時使うというイメージではなく、これからレイドの研究も進んでいくと思いますが、ヒーラーのエスナを待たずに一歩前で弱体効果を防いであげることを前提に作っています。常に維持していくものではないですが、それにしても効果が短いというのであれば、また調整を考えようと思っています。わかってきてから工夫する余地として使うような技を想定しています。
・機工士
――機工士は安定した火力が出しにくく感じるのですが、どう戦うべきか、立ち回りのイメージを教えてください。
吉田氏: 基本は「レッドショット」と「ホットショット」をまず切らさないという前提で、proc(追加効果)はそれ待ちをして欲しいのではなく、procが発生した時には確実に使うという前提です。1番大きいのは「ワイルドファイア」です。バフをたくさん持っているので、それを全部のせて「ワールドファイア」でバーストさせるとすごいダメージが出るので基本はそれです。ただ、これからいろいろなコンテンツが出てきますが、必ずしもバフをスタックさせておくのがいいわけではないという局面も出てきますので、リキャストタイムごとに使うのがいいのか貯めて使うのがいいのかは、コンテンツの習熟が進むごとに細かく議論すると思います。まだインスタンスダンジョン中心なので感じにくいかもしれないですが、結構強いと思います。
・召喚士
――先日のPLLで言っていた、召喚士のエギの見た目を変えるシステムの進捗を教えてください。
吉田氏: まだ手が回っていません。1つずつアクションを作っていかなければならないので、まだ少し時間がかかります。できたものから1つずつ実装していくのか、まとめて実装するのかについてもこれからになります。
・黒魔道士
――「エノキアン」の維持が大変です。変更する予定はありますか?
吉田氏: 「エノキアン」を再使用した時に上書きではなく、継続になってしまって効果時間が短縮されるため維持が大変になっている部分は、皆さんからリクエストを多数いただいているので上書きに変えようと思っています。後は「エノキアン」中に「サンダー」が使っても使わなくてもいい状態になっているので、そこは調整したほうがいいかなという話をしています。
・占星術師
――占星術師について何か調整は行なわれますか?
吉田氏: 全般的に調整を入れようと思っています。ポイントはいくつかあって、カードの効果について、目に見える効果が感じにくい形になっているので、効果を感じやすくなるような調整が入ります。これはすでに3.05に向けて作業を進めています。後は「キープ」が非戦闘状態でも使えるようになったり、「シャッフル」のリキャストタイムを短くしたりします。カードを使うことがアイデンティティなのでそこを伸ばす調整をしたいです。
魔法の詠唱時間を短縮する「ライトスピード」は微妙といわれているので、明確な強さが感じられるように調整の予定です。あとは「運命の輪」や「星天対抗」については、暗黒騎士で説明したのと同じく、ヒーラー間の似たような技を見て調整するのではなくてカードを使ってスタンスを切り替えられるという占星術師のユーティリティの中で調整をします。面白さは出ていると思うのですが、ただ若干効果がわかりにくかったり、効きが弱く感じられたりしていると思っているので全体的に手を入れて底上げをさせていただこうと思っています。
・学者
――学者の「転化」について、フェアリーを帰還させてまで使うメリットがわかりません。使用場面を教えてほしいです。
吉田氏: 主目的はズバリエーテルフローの全回復です。それほど常時使うような想定はしていません。例えばレイド中にフェーズの切り替えで途切れる瞬間とか、とにかくヒールしなくちゃいけなくて鼓舞のためにエーテルフローを消費して切り抜けた直後のタイミングとか、いろいろ考えながら使っていただければと思います。
――レベル60になった時に、レベル50の時よりもフェアリーの回復量が低くなっているような気がしますが、ステータスなど何かの影響を受けているのでしょうか?
吉田氏: ペット全体に言えるのですが、これもレベル60で今後ILは上昇していく計算式に合わせて成長曲線が作られていますが、これがレベル1から50になる時よりも、50から60になるときの方が穏やかなのです。そのために回復量が伸びていないように感じられるのかもしれないです。
・白魔道士
――「プロテス」と「ストンスキン」に白魔道士だけのアドバンテージを追加してもらえませんか?
吉田氏: ヒーラーが3ジョブに増えることで、どうしてもジョブの横並びのためにアディショナルを横並びにせざるを得なかった。白魔道士の特性であるピュアヒール力については、その失った分も含めて新技を強力にしたつもりなので、それでご容赦いただけないでしょうか。ストンラスキンだけ18%という案もありますので、引き続きフォーラムでフィードバックをいただければと思います。