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「発売直前!! SEGAカウントダウン体験会」3人のプロデューサー+ご意見番に聞いたセガ年末タイトル

変わっていく家庭用タイトル。サターン20周年記念ネタも!?

変わっていく家庭用タイトル。サターン20周年記念ネタも!?

――セガさんの年末商戦向けのタイトルは全部で7タイトルほどありますが、ご自身が担当されているタイトル以外で注目されているものはありますか?

野中氏: このメンバーだから言うわけではないですが、「PS NOVA」と「シャイニング・レゾナンス」には注目しています。「PS NOVA」は「ファンタシースター」シリーズということで、皆さんが抱いているイメージ……システムが面白くて、みんなで集って遊べるというイメージがあると思うんですが、今回、ストーリーがしっかりしていて、僕みたいな友達がいない人でも楽しめる(一同笑)という新しいトライアルをしていて、僕はすごく面白いと思っています。都築とは席が近くて、新しい映像がチラチラ見えていて、「これはすごいなー」と。ストーリーも楽しめるような「ファンタシースター」になっているんだなと注目しています。

 「シャイニング・レゾナンス」に関しては、僕は「戦場のヴァルキュリア」の時に2Dのキャラクターをどうやって3Dにするか、という際にいろいろやったんですが、澤田から「Tonyさんの絵を3Dにする」と聞いて「そんなのできるの?」と思っていたんですが、実際に上がってきた絵を見て、「これすげえ! すげえ再現度」って。最初はPCで動いているのを見て「ムービー(用モデル)でしょ?」と聞いたら「実機で動きますよ」って話を聞いて。

澤田氏: フライトユニットさんのモデルがよくできている。

野中氏: モデルがよくできていて、そのままゲームがどんどんできていったので、「すごいな」と。2Dのキャラクターの魅力を3Dにそのまま落とし込んだ、しかもストーリーもきちんと楽しめるRPGということで、興味が強くて、年末時間をとって買ってやろうかなと(一同笑)。そんなことを考えるぐらいこの2タイトルはよくできていて。身内びいきとかではなく、実際に注目しています。仕込みじゃないですよ(笑)。

都築氏: 他のタイトルというより、1番気になるのは「PSO2」の今後の展開というか(一同笑)。EP3をはじめどんどんバージョンアップしていくところが、我々にとっては気が気じゃないですね。我々も当初の完成形を目指して開発してきましたが、その間に「PSO2」のバージョンがどんどん上がって、我々の目指している完成形の先にどんどん行ってしまうんですね。ユーザーとしては、どうしても同じ「ファンタシースター」の世界観なので、比較されてしまう。バージョンアップされるたびに、「ネタかぶってるんだけど、大丈夫かな」とか、「移動速度が上がってるんだけど……すごい困るな」というような、すごいバージョンアップがあって、こちらの発売後のユーザーからの反応が怖くてしょうがないな、と。いいお手本がある、というのは心強い反面、どうしても比較されてしまいますが、我々の目指すところは別の「ファンタシースター」であることは間違いないですが、常に意識しながら、比較されるのは覚悟の上でがんばりたいな、と思っています。

酒井氏: やっぱり「PS NOVA」と「シャイニング・レゾナンス」ですね。「PS NOVA」は僕らの作ったものをベースにはしていますが、ほぼ作り直してるといっていい手間がかかっているんですよね。完全新作といっていいぐらい。「PSO2」もPS Vita版をずっとやってきていますが、それに対して「PS NOVA」も、「PSO2」は12人表示することを前提にやっているので、「PS NOVA」は4人ということで、それに対応することでグラフィックのクオリティがアップしているので、イベントシーン1つとっても、トライエースさんならではのものがあるので、多分「PSO2」の開発チームにとってもいい刺激になっているんじゃないかなと思いますね。同じ「ファンタシースター」でありながら、2つのタイトルが同時並行で立ち上がっていくと、「PS NOVA」もシリーズ化できるほど売れてくれれば、開発チームにもいい刺激になって、それぞれが盛り上がっていくといいなと。

 野中さんも言っていましたけれども、「シャイニング・レゾナンス」は年末のダークホースになるに違いないと僕は思っていて。PS3になったことでできることが増えて、しっかりと作りこまれているので、いろんな人に見ていただきたいなと思っています。この間の「シャイニング ファンフェスタ」に行かせて頂いたんですけれども、ファンの方も声優さんも「シャイニング愛」がすごいなと。こんなに愛されているんだな、というのがすごく印象的で。ぜひ、たくさんの人に遊んでいただいて、「シャイニング」というIPが広がっていければなと思います。「PSO」も大事なんですけれども(一同笑)。

澤田氏: 今年は「電撃FC」がすごいな、と思っていて。「シャイニング」シリーズでも「ブレードアークス フロム シャイニング」を11月に稼動させていただいているんですが、実は「『ALL.Net P-ras MULTI』で格闘ゲームをやっていいよ」という話を業務用チームからいただいたとき、格闘ゲームって今はちょっと落ち着いていると思うんですが、「ストII」世代ということもあって格闘ゲームもすごく好きだったしということで始めたんですが、「電撃FC」は私の斜め後ろの席で作っているので(笑)、いろいろ話を聞いたりして新鮮だったんですね。

 我々はこれまで家庭用のゲームを作っていたので、今回初めて業務用のゲームを作ったので、ロケテストのユーザーの反応など、新鮮なことが多かった年だなと。セガなので、業務用も盛り上がってくれるとうれしいなと。「電撃FC」は格闘ゲームとしてもヒットしているので、業務用と家庭用の連動で、家庭用発の業務用、みたいな形で、今後も盛り上がっていければ、「家庭用も業務用も盛り上がっているセガの強み」がどんどん出て行くとおもしろいなと。業務用もバージョンアップでキャラクターを追加したり、面白いことができると思うので、年末、もちろんお家でじっくり遊んでほしいなと思いますが、出先でゲームセンターでもプレイしてもらえればうれしいなと思いますね。

野中氏: 僕も「ブレードアークス」は稼動初日、夜遅くに行ってクリアしました(笑)。

澤田氏: この歳になって格闘ゲームを作るという新鮮な体験をしました。

野中氏: 「ブレードアークス」のデータに、何曜日何時にプレイした、というデータが記録されていて、次の対戦時に表示されるんですね。それってコンシューマーの考え方になくて、アーケードのカードによる連動の遊びは、「コンシューマーに持って行くとこんな遊びができるな」とか、プレーヤーの遊び方をゲームに反映していくみたいなところはなかなか面白いので、僕らも業務用で学んだところを家庭用に持っていくし、家庭用で考えたことをアーケードやネットワークゲームに持っていくとか、いろんな遊びを取り入れていければなと思いますね。澤田さんにはね、いろいろ言われたんですよ(笑)。

澤田氏: 「このキャラが入ってない!」とかね。

野中氏: ロケテストのときにもいろいろご指摘いただいて(笑)。

――「電撃FC」は家庭用で追加キャラクターがいますが、アーケード版へのフィードバックは?

野中氏: します。割と早いと思いますが、とはいえ今すぐというわけではありません。家庭用追加キャラクターを遊んだ後、「アーケードでもやってみたいな」というプレーヤーさんのために、追加する予定です。

――また全国大会があったりしますか?

野中氏: やりたいですねー! 8月の全国大会も盛り上がって、(残り)ドットからの逆転劇がありましたし、家庭用から入るお客さんもいらっしゃると思いますので、腕を磨いて頂いて、具体的には決まっていませんが、何かやれればいいなと思っています。

――「PS NOVA」の体験版で「マルチチャレンジ」はどれぐらい難しいんですか?

都築氏: TGSの2日目までは1組~2組いたかな、という感じでしたが、3日目からクリアする組が出てきて、4日目は「PSO2」の上位に来るようなプロアークスさんたちがこぞって来るようになったということで、かなりクリアされていたようです。それでも半分ぐらいですかね? 具体的な数字は言えないんですが。

「シャイニング・レゾナンス」体験版

――「シャイニング・レゾナンス」の体験版は、3つのミッションが選べますが、見所を教えてください。

澤田氏: 水樹奈々さんが演じられている「エクセラ」は「皇女の三本槍」と呼ばれるドラゴンを連れているんですが、「炎」の「トリシューラ」、「氷」の「ゲイボルグ」、「雷」の「グングニル」それぞれのドラゴンと戦えるようになっています。ゲーム本編とは構成を変えていますが、フィールドを2つ経過してボス戦に行くという構造になっています。フィールドもいろんなタイプがあるので、楽しんでもらえればと思っています。

 「トリシューラ」のフィールドはダンジョンになっていますし、「グングニル」のフィールドはわりとオープンフィールドに近いものになっていて、いろんな大きさのフィールドを楽しめるようになっています。3つ遊んでいただければ、「大体こんな感じのフィールドで遊んでボスと戦うんだな」、「イベントはこんな感じに進むんだな」ということが実感できると思います。最初は1プレイ15分ぐらいと1プレイに時間が結構かかると思いますが、時間があればぜひ3周していただきたいなと(笑)。

――今回の趣旨にはまったく関係ないんですが、11月22日にセガサターンが20周年を迎えますが……(一同笑)。

野中氏: そのころ、スーパー32Xを担当してました(一同笑)。サターンを横で見ながら、「すごいな」って思ってました。

都築氏: その頃、セガにいないですよ(笑)。個人的に「サクラ大戦」を遊んでました。

澤田氏: 20年前は、ハードのマーケティング戦略部署にいたので、サターンで思い出されるのはパッドかな。メガドライブの6ボタンパッドを出した後、サターンのパッドがあの形に落ち着くまでに調査したり、ユーザーにテストしてもらったり。左のボタンの高さとか、格闘ゲームのコマンドが入れやすいようにとか、シューティングゲームがプレイしやすいようにとか、めっちゃ調整した思い出がありますね。サターンパッドに文句つける担当だったんで(一同笑)。モックを改良したり、ボタンの配置を調整したり。

酒井氏: 自分は、サターンが出た年にセガに入社したんですよ。今年20周年ですね。デザイナーとして入って「ワールドアドバンスド大戦略」が担当で。日本軍の戦艦が大好きで、モデリングできるということで燃えて、ずーっとそれをやってました。

澤田氏: 酒井さんはプラモも好きだし、ミリタリーも好きだから。

酒井氏: 「真説・夢見館」とか「ワンチャイコネクション」のチェックもやってましたね。サターンは難しいハードでしたけれども、いろんなモチベーションを持って「どうしたらプレステに近づけるんだ」ってがんばって作ってましたね。「AZEL -パンツァードラグーンRPG-」の時のプレーヤーのドラゴンのモーフィングは僕が作ったんですけれども、そのモーフィングは「PSO」のキャラクタークリエイトにつながったので。サターンの制約の中でがんばった思い出があります。

澤田氏: 「パンツァードラグーン」は思い出深いね。「シャイニング・レゾナンス」のドラゴンは「パンツァードラグーン」のオマージュが入っていて、デザインが「パンツァードラグーン」っぽいんですよ。

酒井氏: そういえば、入った当時は「みんなゲーム好きなんだなー」って思い出があって。昼休みになると、みんな集まってNEO・GEOを遊んでるんですよ(一同笑)。みんな持ってるんですよ。3万円もするカートリッジを普通に持ってる。野中さんとか。

野中氏: 僕はコンプリーターなんで(一同笑)。家に120本以上ソフトがあります。

酒井氏: あとね、メガドライブの「幽遊白書」ね。ずーっとあればっかりやってた。

澤田氏: 仙水使いだったから嫌がられた(一同笑)。

酒井氏: 若い人が読んでも全然わからない(笑)。サターンとかメガドラトークさせるとずっと語りますよ。ドリキャスでもギリギリかな、というのに(一同笑)。

――では(笑)、最後に一言ずつもらえますか?

野中氏: 格闘ゲームをそんなに遊ばない方でも楽しめるように作ってありますので、ぜひ遊びこんでいただきたいなと。アーケードにも足を運んでいただければと思いますので、よろしくお願いします。

都築氏: 新しい「ファンタシースター」ということで、今までとは一風違うものを作らせていただきました。序盤体験版を機に、今までシリーズに触れてこなかった方にも、入口としてプレイしていただければなと。もちろん「PSO2」ユーザーの方々にも、「こんな『PSO2』の世界もあったんだ」と別の見方もできる、新鮮な気持ちでプレイしていただけるものになっていると思います。まずは序盤体験版、できれば製品の方も予約していただければなと思います。よろしくお願いします。

澤田氏: 今回世界観もシステムも一新していますので、今までのシリーズを触ったことのない方にも遊びやすくなっていると思いますので、ぜひ触っていただきたいですね。じっくり腰を落ち着けて遊べるファンタジーRPGが少なくなってきていると思いますので、その中でRPG好きの自分が遊びたいRPGを作ったので、ファンタジー好きのユーザーさんにぜひ手に取っていただきたいものに仕上げましたので、ぜひよろしくお願いいたします。
酒井氏: 年末に向けて、セガはそれぞれの楽しさのあるタイトルを出していきますし、オンラインの方もますます盛り上げることをやっていきます。ゲーム業界として年末をしっかり盛り上げるものを出していきますので、よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

(佐伯憲司)