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「Newニンテンドー3DS」&「Newニンテンドー3DS LL」発売!

もはや焦点が合って当たり前? になっちゃう「3Dブレ防止機能」を調べてみる

もはや焦点が合って当たり前? になっちゃう「3Dブレ防止機能」を調べてみる

 本体設定の中では「3Dブレ防止機能」の設定項目が追加。ON/OFFの切り替えのほか、3Dブレ防止機能の補正項目もある。この項目は初回起動時にも設定できるが、New3DSの内側カメラで自分の目をどのように捉えているのかがわかる。

 9月3日のインプレッション記事で絶賛した「3Dブレ防止機能」は、New3DSの機能の中でも大きくアピールされており、こちらの目の位置に合わせて、立体視用の映像(右目用、左目用に分かれている)の焦点位置を変化させてくれる新しい機能だ。

 これまではアクションゲームなどで本体が微妙に揺れたり、立体視しやすいのは顔位置(焦点位置)が液晶画面のほぼ正面、画面から30~40cmほどあたりしかなく(スウィートスポットが狭い)、それを外れると像が2重に見えて見づらくなったりして、ちょっと神経を使うものだった。

 その焦点位置を、内側カメラの映像認識とジャイロ機能による補正で、こちらの目の位置付近に合わせてくれるため、多少本体が上下左右に動こうがしっかり焦点が合ってくれ、3D立体視できるチャンスが圧倒的に増えたと感じられた。こうして製品を手に入れ触っても同様に、「3D立体視でゲームをもっと遊んでみよう」という気にさせる親切な機能になっている。電車の中でシートに座った状態で立体視をONにしてプレイしてみたが、細かい振動などはものともせず、きちんと焦点が付いてくるため、非常に遊びやすかった。

 じっくり調べることができるようになったので、この機能についてもう少し掘り下げられないかと思い、いろいろ試してみた。

 まず、背景が暗すぎるところ、明るすぎるところなどはカメラがこちらの位置を見失ってしまうことが多かった。やはり画像認識のため、ある程度の明るさは必要のようだ。

 また、こちらの顔の動き、角度が重要。つまり、New3DSの本体を左右に平行移動させたり、ややひねるようにしても、内側カメラがこちらの目の位置を確認できることが多いが、上を向いたり下を向いたり、ぐるぐる顔を動かしてみると、ちらちらと顔を認識できていないときがあることがわかる。また、口を手で覆ったり、余所見をすると目の位置の認識が外れてしまう。以上のことから、人側が顔位置をコロコロ変えるのはやはり苦手のようだ。また、メガネをかけている人は、外出先などでメガネに光が反射してカメラの映像に入るような状況は、目の位置を見失ってしまいやすいようだ。

 「うまく機能しないときは……」という項目によれば、「画面は1人で見る」、「目や口をかくさない」、「内側カメラをキレイにする」ことがチェック項目として挙げられている。うまく焦点補正を使いこなすためにも、これらの原則は守ったほうがいいだろう。

 そして、その親切な焦点補正は、あまりにも普通に3D立体視を楽しませてくれるので、すぐに「あたりまえ」になってしまう。こうして実機を検証していても、数分でも触ってみると、もはやこれが当然のこととして受け入れている自分の意識に気づく。そこで旧3DS /3DS LLに戻ってみると、その補正の存在に改めて気づかされる。それぐらいこの「3Dブレ防止機能」は自然に3D立体視をサポートしてくれるわけだ。

「本体設定」の「3Dスクリーン確認」に、立体感の調整に加えて顔位置の確認ができるようになった
こちらの目の位置を認識している状態

「セガ 3D復刻プロジェクト」タイトルを遊び直してみる!

 3D立体視といえば、記者個人としてはやはり「セガ 3D復刻プロジェクト」タイトルのインタビューを担当していたこともあり、改めて遊びたくなってくる。そこで、いくつかのタイトルを遊び直してみた。

・「3D スーパーハングオン」
・「3D サンダーブレード」

片手で「スパハン」を3D立体視で遊べるようになった!

 ジャイロ操作が可能な2タイトルだが、これまでは3D立体視とジャイロ操作は相容れないものとして考えていた。実際にジャイロ操作で3D立体視をONにしてプレイすると、焦点が合わず映像は2重になってしまい、プレイするのは難しいという感想でしかなかったが、New3DSでプレイしてみるとこれがまあ、見事に両立できてしまった。

 「3D スーパーハングオン」はハンドル操作をジャイロで行なえるのだが、3D立体視とおおむね両立ができるようになった。切り返しが忙しくなるとさすがにブレたりすることもあるが、新鮮な感覚でプレイできた1作だ。

 「3D サンダーブレード」も同様に自機の左右移動をジャイロに振り分けることができる。こちらはスロットル操作と上下左右の移動で敵や敵弾をかわすので、そこまで忙しく操作しなくてもいい場面も多く、New3DSとのマッチングはかなりよかった。さらに、拡張スライドパッドにも対応しているので、New3DSでプレイすれば拡張スライドパッド操作にも対応でき、Cスティックを操縦桿、スライドパッドでスロットル操作形態も実現できる。

・「3D ギャラクシーフォース」
・「3D アフターバーナーII」
・「3D スペースハリアー」

 「3D ギャラクシーフォース」と「3D アフターバーナーII」は拡張スライドパッドに対応しているタイトル。New3DSなら標準で拡張スライドパッド用の操作に切り替えることができるので、スロットル操作が滑らかにできるようになり、やりやすくなった。

 1プレイ中ずっと3D立体視にしていても、ブレることは少なく、多重に重ねられたスプライトによる画面奥に広がる立体感を堪能できる。

 「3D スペースハリアー」は、「3D ギャラクシーフォース」と「3D アフターバーナーII」同様、奥行進行型のゲームなので、3D立体視で見れば、画面に広がる立体感による敵との位置関係がわかりやすくなるタイトルだ。

 さらに、3タイトルとも、円運動による敵や敵弾回避を行なうことが多いので、スライドパッドに力が入ると本体が動いてしまい、これまでは3D立体視を維持するのが難しかった方もいるだろう。New3DSなら3D立体視をたやすく維持してくれるようになったので、より遊びやすくなったと感じられる3作だ。

 ちなみに、体感筐体ゲームは、画面サイズをアーケード筐体再現サイズにすると、やはり文字が読みづらくなるので、この画面サイズをメインに遊ぶという方にはNew3DS LLがオススメだ。

CPUパワーアップのおかげ? 「大乱闘 スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS」

 「大乱闘 スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS」をNew3DSで遊んでみたところ、旧3DS LLでプレイしていたときと違いがあったので、ご報告しておこう。

 旧3DS LLで遊んでいたときは、特にゲームをHOMEボタンで中断して、「このソフトを終了しますか?」というダイヤログから「OK」を選択して終了処理が始まった後、「画面が表示されるまでしばらくお待ちください」というメッセージが表示され、画面が暗転してからしばらく経ってからHOME画面が表示されていた。他のタイトルにもこういった終了処理がされているものがあるのだが、気になるタイトルだったことは間違いない。

 そこで、CPUパワーが向上しているというNew3DSで動作に変化がないのか、気になったので調べてみた。そこでわかりやすい違いが出たのは、New3DSでプレイした場合、終了時に画面の暗転処理がほぼなく、すぐにHOMEメニューに戻れたこと。実験に使った3DS LLのSDメモリーカードはClass 10で、New3DSにもClass 10のmicroSDカードを使っているので、ほぼ同じ条件となる。ざっくりとだが、比較動画を作ってみた。音声は入れていないのでご注意いただきたい。

 また、「モンスターハンター4G」でも同様に、ゲーム終了→HOME画面までの表示までがスムーズになっていることが確認できた。

左が旧3DS LL、右がNew3DSのソフト終了時の様子

最後に

 New3DS / New3DS LLをいろいろ触ってみての感想だが、裸眼立体視を存分に楽しめる、ニンテンドー3DSの根本的な魅力を改めて味わえる新ハードウェアだということ。3D非対応というソフトもちらほらリリースされているが、裸眼立体視は装着の手間がなく、気軽に立体視映像を楽しめるといるメリットは大きく、この新ハードでその利点を再認識させられ、その自然さに「3DSの完成形」という評価があってもおかしくはない出来になっている。新たにこれから3DSシリーズを購入する、という方にはもちろん「New3DS / New3DS LLにすべき」と断言できる。

 では、「3DS / 3DS LLから乗り換えるべきか?」と問われた場合、「3D立体視、拡張スライドパッド機能に対してどれだけ魅力を感じてきたか?」という、これまでの3DSにおけるプレイ体験との比較、お財布と相談という答えになる。ただ、「1度こちらに乗り換えてしまうと、元には戻れないかも?」という魅力は持っている。

 拡張スライドパッド機能に関しては、持ちやすさや操作フィーリングを含めると完全に互換の体験ができるとはいえないので、「モンスターハンター4G」をはじめ、右のスライドパッドを活用したいタイトルをメインに遊ぶ、という方は旧機種+拡張スライドパッドのほうが遊びやすい、という方もいるだろう。CPUの高速化によるソフトの使い勝手の向上や、New3DSシリーズ専用タイトルもこれからどんなものが登場してくるのかも気になるところだ。

 また、「New3DS / New3DS LLどちらがいいか?」という点に関しては、手の大きさ、映像に求める価値観……迫力か緻密さか、そして持ち運ぶ機会が多いのか少ないのか、New3DSのきせかえ機能もカスタマイズしたいというニーズに応えるものになっているし……といった、自分の使用シーンや価値観と照らし合わせて選択してもらいたい。

 これから購入を検討される方は、店頭なり友人などに借りて、実際に触れてみてはいかがだろうか?

(佐伯憲司)