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「Red Bull 5G」プロジェクトアドバイザー松井悠氏インタビュー
コミュニティの熱い思いがジャンル選択の参考材料に
(2013/12/7 00:00)
コミュニティの熱い思いがジャンル選択の参考材料に
――昨今のe-Sportsシーンだと「League of Legends」を日本でも盛り上げようという流れもありますが、「鉄拳」や「Halo」といったタイトルを持ってきているのが意外に感じていました。
松井氏:レッドブルは人気のあるものに乗るというのがあまり好きではないというカルチャーがあるそうです。例えば「スーパーストリートファイターIV」や「Alliance of ValiantArms(AVA)」などはもうシーンとしてもカルチャーとしても独立していて、もしこれらを採用すると「レッドブルがブームに乗っかってきた」というイメージが生まれてしまうというのが1つですね。
かといって選ばないのかというとそうでもないのですが、コミュニティの熱い思い、盛り上がりは常に意識しています。実際、僕も「AVA」の大会を運営させてもらったりもしているわけですし、そういう意味ではすごくフラットに「Red Bull 5G」はどうあるべきか、をベースに選考しています。
そういうのもあって、意図的にマイナージャンルを選んでいるわけではないです。当然検討材料の中には著名タイトルもありますし、RTSやMOBAと呼ばれるタイトルもウォッチしています。積極的に海外と外れようという意識はなくて、海外でのシーンももちろんチェックしています。
――「FPS」、「RACING」、「FIGHTING」、「SPORTS」、「FREE GENRE」と5ジャンルにわかれていますが、選び方みたいなものはあったのでしょうか。
松井氏:人気だからそれを拾ってきて5ジャンルを選ぼうと言うよりは、5ジャンルでやると決めた時に、レースは外せないでしょとか、ファイティングゲームは必ずあるでしょとか、スポーツは絶対あるし、FPSも必ずあります、と。
この4つはコアゲーマーが必ずいるところで、5ジャンル目にRTSとかを入れても良かったのですが、一捻り加えるのがレッドブル的なやり方なので(笑)。ですので、あえてフリージャンルにしてなんでも選べるという風にしました。
去年も最初の4ジャンルのタイトルはすんなり決まったんですよ。フリージャンルが1番悩みましたね。なんでもできるので「Dance Dance Revolution」でもいいですし、「太鼓の達人」でもいいわけです。最終的には「ぷよぷよ」に落ち着きましたが。
このラインナップは大きな流れで見ると間違ってはいないかなと思います。今後5ジャンルであり続けることは変わらないのですが、今後「Red Bull 5G」が発展していった時に、毎年同じ事やってもつまらないので、変化を加える意味でも固定はさせないまま続けていこうと思っています。
例えばフリージャンルの中にスマートフォンのゲームが入ってきても良いと思うんですよ。当然ですけどエントリーするためにはそのゲーム持ってないといけないですよね。でもFree to Playのタイトルだったら、知ったその場ですぐ始められる。そういうのがあっても面白いんじゃないかと思います。
――そこは今後も意見を聞きながら決めていくと?
松井氏:そうですね、SNSとかTwitterとかは常にウォッチしていて、「そういうタイトルもあるのか」と思う時もあります。僕も色んなゲームに触れてますし、ウォッチはしてますけど、全部を網羅することはできないので、年間通じてずっとアンテナを張り続けています。
実は世界にも目を向けていて……。レッドブルはグローバルブランドなので、「Red Bull 5G」に関することは世界中のレッドブルの担当にも知られています。規模的に「Red Bull 5G」くらいのことができる国はそうないとは言えど、日本として続けることによって、どこかのタイミングでどこかの国が拾ってくれて、国対国のイベントが起きたりとか……。
東西の日本対抗戦からオールジャパンになって世界と戦うとか、ワクワクしますよね。アメリカ代表チーム対ヨーロッパ代表とか。
結果として参加してくれたプレーヤー、カルチャー、シーンが混ざって、デジタルアスリートのように面白い形ができてくるのではないかなと。レッドブルがスポンサーになってプロゲーマーを探しているというわけではないのですが、「Red Bull 5G」という大きな仕組みが動いていく中で、結果としてそのような存在が生まれる可能性があるのかなと。デジタルアスリートというのが日本でも存在できるのかどうか、というのは常に考えてはいます。
Yusuke Kashiwazaki/(c)Red Bull Content Pool