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「舞台ドリームクラブ」出演女優オーディションを開催
演出家の深寅氏「『ドリームクラブ』という場所を大切にしていきたい」
(2013/5/17 17:00)
ネリムは、ディースリー・パブリッシャーの恋愛シミュレーションシリーズ「ドリームクラブ」の舞台演劇「舞台ドリームクラブ」を、2013年8月にラゾーナ川崎プラザソルで開催する。今回は、5月11日に都内にて開催された「舞台ドリームクラブ」出演女優オーディションの模様をお届けする。
4月11日~5月6日にかけて公式サイトにて受付が行なわれた「舞台ドリームクラブ」出演女優の一般公募オーディション。10代から20代を中心に、関東のほか神戸、大阪、愛知から合計200名以上の応募があったといい「選考用の画像を高解像度で送って来た方が多いことも相まって、最終日にはサーバーがパンクしかけた(広報氏)」という盛況ぶり。その内訳も、舞台やテレビドラマなどで活躍する女優のほか、声優、グラビアタレント、雑誌モデル、コスプレイヤー、アイドルユニットに属するタレントなど幅広い。
今回のオーディションには書類審査を経た100名程度が呼ばれており、うち20人程度が採用される見込み。合格者にて「劇団ドリームクラブ」を結成し、8月の舞台を目指した稽古の中でそれぞれ配役を決定していくという。
なお、記事中のオーディション風景の撮影は、あくまで取材に協力いただいた参加者の協力により実現したものであり、実際の合否とは関係ないことをお断りしておく。
オーディションは5人1組で行なわれ、自己PR(2分以内)、歌唱審査、仮台本による即興演技、質疑応答という段取り。自己PRは、まさに「人それぞれ」といった印象。簡潔に自分の略歴だけを述べる人、自分で考えたという課題曲の振り付けやダンスを披露する人、洋式トイレのイラストを2秒で描いてみせる人など、実に個性的。
課題曲は「夢見るCagedBird」、「Glory days」、「時間(とき)のカケラ」のいずれか1曲を選択。今回取材した5人は、4人が「時間(とき)のカケラ」、1人が「Glory days」を歌っていた。
仮台本による即興演技では、いったん終了した後に役をシャッフルして再び審査が行なわれた。同じ台詞でも演者によって印象が変わるのは当然だが「この短時間で役をシャッフルして、どこまで個々の違いがわかるんだろうか?」と疑問に思ったのもつかの間。台本上では一字一句違わないはずの台詞が、天地ほども異なる響きをもって耳に飛び込んでくる。「劇団ドリームクラブ」を構成するであろう眩い個性の数々。後日の発表が本当に楽しみだ。
深寅芥氏、岡島信幸氏、ドリームエックスクリエイト代表・媒体合同インタビュー!
――なぜ「ドリームクラブ」を舞台化しようと思われたのでしょうか?
深寅氏:2000年代、私は女性だけの劇団「空間ゼリー」を10年ほどやっていました。その後、2007年から5年ほど、ハロープロジェクトのアイドルたちの演出、演技指導をやるようになりました。そこで私自身のキャリアを活かせる原作がないか探していたところ「ドリームクラブ」という素敵な作品に出会い、ディースリー・パブリッシャーさんに「ぜひ舞台化させていただけないか」とお願いした次第です。
――最初にお話があったとき、どのように思われましたか?
岡島氏:まさか「ドリームクラブ」に舞台化オファーがいただけるとは思ってもみなかったので、大変光栄なことだと思いました。それと同時に、「ドリームクラブ」自体“2.5次元”という表現手法を用いてきた作品ですので、今度はそれが本当の実写になっちゃうわけじゃないですか。そのとき、どういうふうにできあがるんだろう? 「ドリームクラブ」を支持してくださっているピュアな紳士の皆様がどう受け止めるのか、凄く興味が沸いてきましたね。代表、何かいうことはありますか?
代表:2Dだろうが、3Dだろうが、「ドリームクラブ」に抜けはないので万全だ。100パーセント感動作になるに違いない!(以降:代表に耳打ちされた岡島氏が代弁)。
――“感動作”とのことですが、現時点でどのようなストーリーになるのか、ある程度決まっているのでしょうか?
深寅氏:ストーリーは、さまざまな脚本家に依頼している最中です。そのなかから選りすぐったものを舞台化しようと思っています。
――ゲームでは自分の好きな子を指名できますが、舞台ではファンは客観視点で観る形になります。その点について代表はどのようなお考えをお持ちでしょうか?
代表:寝言は寝てからいいたまえ! 舞台なんだから、指名できわけないじゃないか! 今はまだ舞台に男の主人公がいるかどうかわからないし、女の子だけの世界を描くのかもわからない。しかし、そこに主人公がいるのであれば、それはピュア紳士たちの代表、代弁者であり、きっと感情移入できるはずだ!
――先ほど自身のキャリアを活かせる原作として「ドリームクラブ」を選ばれたとありましたが、「ドリームクラブ」にどのような感想を抱かれたのでしょうか?
深寅氏:プレイして感じたことは、ひとりひとりのキャラクター設定がしっかりしているということ。それがあり、なおかつ楽曲もキャラクターにあわせた素敵なものがひとりひとりに用意されている。1番感じたのは……たとえばなんですけど、店外に出てからの私服。「この子がこういう私服を着ていたらステキだな」というところを、凄く共感しまして。店内におけるコスチュームも魅力のひとつだと思いましたが、私服姿も細かい設定があり、そういうところも活かしていきたいなと思っています。
――ということは、舞台でコスチュームチェンジもあるのでしょうか?
深寅氏:もちろん、ゲームの要素に入っているようなものは、そういうところの設定を大切にしていきたいと思っています。
岡島氏:裸エプロンやテープも!?
深寅氏:温泉シーンとかも……?
岡島氏:出ちゃうんですかね? ……いや、どう考えても舞台に温泉シーンはないですよね(笑)。
深寅氏:そういうアイデアは……色々とあります(笑)。
代表:温泉と貝殻ビキニは入れろ!
岡島氏:いや、それだとストリップの舞台になってしまうので、この人のいうことはきかなくてもいいです(笑)。
――原作から出していきたいところはありますか?
深寅氏:キャラクターの設定をしっかり活かしていきたいと思っています。それと「ドリームクラブ」という場所も大切にしていきたい。
岡島氏:チケットも、ピュアな心を持っていないと買えないんですかね?
深寅氏:はい(一同笑)。
――ピュアって、そもそもなんなんでしょうか……。
岡島氏:この人(代表)に聞くのが1番いいですかね。
代表:頭の悪そうな君に簡単に解説すると、自分の想いに正直に生きることだ!
岡島氏:すいません、先ほどから失礼なことばかり……。
――オーディションの全体的な印象をうかがえますでしょうか?
岡島氏:僕はゲームプロデューサーなので、舞台オーディションは初体験なんですよね。キャスティングのオーディションはもちろん経験はありますけど、こういう舞台で演劇される方のオーディションは生まれて初めて。演技を勉強されている人たちなので、みなさんフリつきで歌ったりとか“生で伝えなきゃいけない”という感じの声の張り方、演技の仕方はこうなんだって感心しながら見ていました。「この子は、このホストガールにあいそうだな」とか、そういう目で見ていました。
――人数は決まっているのでしょうか?
深寅氏:確定要素としては、まだ決めていないです。
岡島氏:僕らは原作ゲームを作っていましたので、全部のキャラクターがフォローされればいいなとは思うんですけど、舞台は数を出せばいいというものではない。顔見世興行だけやればいいのではなく、お話として楽しいもの、訴えるものがあって、お客様に(満足して)お帰りいただかなければならない。舞台は舞台として成り立つように、うまくアレンジしていただければいいなと思っています。
深寅氏:先ほどの質問にもからむと思うんですけど、「ドリームクラブ」は、指名した子の友人と1度会わないとトゥルーエンディングに至らないという設定がありますよね。この子とこの子があっていないということが、ストーリーのなかで重要なキーポイントになったりするんですよ。そういうところも、非常に大切にしたい。人間関係……仲が悪いという設定はないですけど、この子とこの子は仲がいいから常に一緒にいたりとか。そういったところが、今回の舞台においてはとてもわかりやすく設定できるんじゃないかと思っています。
岡島氏:まだ、どんなジャンルの話になるか決まっていないわけですからね。「ドリームクラブ」を舞台にした殺人事件やミステリーになるかもしれない。「ドリームクラブ」の床工事をしていたら突然温泉が湧いて「どうしよう?」という話になるかもしれないわけで……あっ、温泉が出せますよ!(笑)。代表は何かありますか?
代表:初めてきいた話ばかりでビックリだ! それはともかく、オーディション自体、俺はピュアな目でしか見ていない(岡島氏補足:あの子はおっぱいが大きかったとか、あの子は肌つやがよかったとか、そういうことばかり言ってました)。
――オーディションを一般公募にした理由はなんでしょうか?
深寅氏:一般公募をお願いしたのは僕なんです。ゲームの要素から着想があったんですけど、登場するホストガールのほとんどは、プレーヤー(主人公)が“はじめて指名してくれたお客さん”ですよね。
岡島氏:古株をのぞけば、そういう人はいますね。
深寅氏:「私に初めてついてくれた人です」という風な。亜麻音さんとか、たどたどしいところから始まったりしますよね。で、親密になっていくとフレンドリーに話しかけられるようになったり。ゲームのなかで、親密になっていく“育てていく感覚”を非常に感じることができたんですね。「慣れていないので、色々教えてください」的なことをゲームのキャラクターからいわれる。ですから(舞台的にも)慣れている人を出してしまうと……なんていうんでしょう。たどたどしさにキュン! とするところとかって、あるわけじゃないですか。
岡島さんに「劇団を名乗らせてください」とお願いしたところがあるんです。それはなにかというと、チームプレイ。集団プレイの場所として、劇団というものがあると思っているんです。舞台化においてはチームプレイ、仲間意識みたいなものがどこかしらに出てきて、それが集団を育てていく、好きなキャラクターを育てることにお客さんとリンクできればいいなと思いながら、“金の卵にあえたらいいな”という願いから一般公募とさせていただきました。
――今回オーディションで使われたテスト脚本もチームプレイが強調されていたと思うのですが、そのあたりのコンセプトによるものなのでしょうか?
深寅氏:オーディション用の脚本は、私が書きました。
――これから選ばれるであろうキャストの方々が、ゲームの声優をやられたりとか。ゲームと舞台がリンクするような展開は考えておられますでしょうか?
岡島氏:これは代表(が答える事柄)かな?
代表:そんな重要なこと、ここであかせるわけがないじゃないか! もしあったとしても、隠しておくに決まっている。あるかもしれないし、ないかもしれないな!
――深寅さんがお気に入りのホストガールは誰でしょうか?
深寅氏:本当に悩むところが、スタイルを見るか、性格を見るかというところ(取材陣、おおいにうなづく)。プレイしつつ毎回「次、ここにいこう」というのが、この2択で結局は選んでいるようなところがあります。
岡島氏:じゃぁ、スタイルと性格でそれぞれ1番は誰だったんですか?
深寅氏:スタイルは……るい先生、ですよねぇ。ああいう凄いプロポーションの方は(現実に)お相手したことがないんですけど。性格では亜麻音さんですね。ピュアなお嬢様系が好きなので……。
――それでは最後に、舞台に期待している方々にメッセージをお願いします。
深寅氏:代表が2.5次元のゲームを目指した。その部分を僕自身がプレイして感じたから、今回舞台化したいと思いました。舞台の魅力は……誤解を招く表現かもしれませんが“コピーができないもの”だと思っています。本当に、アナログ中のアナログなんですね。音楽や映画は拡散、分散されるものですけど、舞台は劇場のなかでしか提供できない。たくさんの原作ファンやお芝居が好きな方に「同じ劇場という空間のなかにいる」「ドリームクラブのなかにいる」という“空気”を感じとっていただければいいなと思っています。
岡島氏:僕は……代表のいったことを実行するのが仕事なので、あとは深寅さんの演出家魂というか、それと代表の折り合いをつけられるよう上手くがんばりたいと思います。誠心誠意、調整します!
代表:最後のコメントをする前に一言……俺役のオーディションはしないのか?
深寅氏:オーディション自体、必要ないんじゃないですか? 僕は、オーディション用には書いてました。もう既に!
岡島氏:(本人が本人役で)出る!? 出ていいの!?(一同爆笑)。
代表:舞台にかける意気込みは、全部深寅君にいわれたので「Me too」だ。あと、ポロリもあるよ!
――えーと、代表の大切なところがポロリしないように気をつけてください。それでは、本日はお忙しいところをありがとうございました。続報も期待しております!
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