Gamania、メディア向け先行体験会「Core Blaze: The VIP Experience」をLAで開催

コントローラーで快適にプレイ、派手なアクションと、世界観も魅力


6月5日~7日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 台湾Gamania Digital Entertainmentは、6月7日(現地時間)、E3会場に近いロサンジェルスのイベントスペースloftSEVENにて、Windows用オンラインアクションゲーム「Core Blaze」のメディア向け先行体験会「Core Blaze: The VIP Experience」を開催した。

 「Core Blaze」はRedGate Gamesが開発しているオンラインアクションゲームで、プレーヤーは最大4人のパーティーを組み戦っていく。街を拠点に冒険フィールドに旅立つというMO的なゲーム設計だ。サービス開始時期やビジネスモデルは未定となっている。欧米市場を強く意識し、コンシューマのアクションゲームに劣らない操作性と、美麗なグラフィックスをセールスポイントとした意欲作だ。

 今回は、「Core Blaze」のお披露目も兼ねたパーティも開催された。本稿では、現在明らかになっている「Core Blaze」のゲーム要素と、現時点での感触をお伝えしたい。


イベントスペースでの体験会と、パーティ。コスプレをしたコンパニオンや、コンセプトアートの展示も



■ いくつものアプローチができるミッション、ミニゲームなど様々な要素を出展

巨大ボス「刀労鬼」。木の根を張り巡らせて攻撃してくる
マップ画面が水墨画風だったり、随所に東洋的意匠がある

 「Core Blaze」は「Unreal Engine 3.0」を採用しリアルなグラフィックスを実現している。本作に関して弊誌は「先行体験レポート」でもお伝えしているが、今回改めてゲームの基本要素も紹介していきたい。「Core Blaze」は武器によって大きく役割が異なる。武器は「剣盾」、「巨剣」、「双刀剣」、「ロングボウ」の4種類でそれぞれ役割が異なる。

 本作はスキルと、アイテムが多く用意されている。スキルは各職業の特色が良く出ており、見応えのある派手なものが多かった。剣盾は範囲内の防御力を増すスキルも持つ、パーティを支える職業で、巨剣は一撃が重く、双刀剣はスピードを活かした攻撃をする。弓は遠距離から攻撃を行なう。

 「Core Blaze」は“属性”の要素があり、ボスには特に属性攻撃が有効だ。弓スキルには炎の属性をつけたり、雷の属性を付与するものもある。他にも分身して攻撃をしたり、強力な光を放ったりと、見応えのあるスキルが多かった。

 アイテムも様々なものが用意されていた。油壺は使用することで地面に油を垂らし、移動することで線が引ける。これにたいまつで火をつけると油を引いた形で火をつけられる。この他にも設置型の地雷や、グレネード、属性の矢といったアイテムが確認できた。

 今回出展されたバージョンでは、これらをゲームパッドで快適に操作できた。今回使用したパッドはXbox 360のコントローラーに近い形のものだったが、右トリガーで回避、左トリガーで弓の場合は射撃モードに変更できた、Yボタン、Bボタンにあたるボタンで大攻撃と小攻撃ができ、Aボタンでジャンプができた。

 LBがスキル、RBがアイテムのメニューを呼び出せるようになっていた。慣れないとちょっと使い勝手が悪かったが、多彩なスキルやアイテムをパッドで使えるようにきちんと考えているのがわかった。左スティックでの移動、右スティックでの視点移動も快適で、コンシューマゲームを良く研究していると感心させられた。

 今回は4人パーティでボス戦を体験できた。ボスは「偽山神」、「刀労鬼」の2体で、突進してきたり、腕を振り回してきたり、周り中に根を張ったりと、それぞれ攻撃が凝っていて、見ていると楽しかった。ただ戦闘の駆け引きという点では、当たり判定や攻撃範囲が大味な上、こちらの攻撃のダメージも小さく、バランスとしてはMMORPG風で有り、結果として回復薬をがぶ飲みし、ひたすら攻撃をするという、単調なものになってしまっているのが気になった。

 アイテムと攻撃のバランス、という点では更なる練り込みと、はっきりしたコンセプトの提示が必要だと感じた。例えばスキルを使うにはMPが必要なのだが、MPの回復はポーションを使用するか敵を倒すしかない。ところが敵は雑魚ですらひたすら攻撃を加えなくては倒せないため、派手なスキルを使ってバンバン敵を倒すということもできず、結果としていつもMPは枯渇状態な上、せっかく出したスキルも威力はそれほど高くなく、「必殺技」としての爽快感にかける。

 見た目がコンシューマゲームに近いだけに、現時点ではどっちつかずの印象だ。MMORPG風にするならもっとスキルは使用頻度を上げるべきだし、アクションゲーム的にするなら必殺技としての爽快感と、敵の戦闘のバランスを考えていくべきだ。「Core Blaze」はまだまだ開発中のタイトルであり、こういったバランスはこれから、というところではあると思うが、本作のコンセプトはできるだけ早く明確にしておくべきだと感じた。根幹部分で、開発者の「迷い」を感じるのだ。あえてどちらかに舵取りをしなくては、ユーザー自身が本作にのめり込めないだろう。

 一方、世界観はとても魅力的に感じた。ファンタジー風の中に、東洋的、武侠的な味を隠し味に入れている。スキルのアクションに演舞風の演出が入っているし、キャラクターの装備も東洋的意匠が独特のアクセントとなっている。

 拠点となる「霊山村」は中世ファンタジー風を基調としながらも、子供がどこか中国の農村にいそうな感じだったり、どこかのどかな空気がある。昼夜で変わる風景、巨大なかがり火や、水の表現、霧の雰囲気など、「Unreal Engine 3.0」を活用している美しいグラフィックスはやはり大きな魅力だ。開発者のセンスも好感を持った。会場にはコンセプトアートが展示されており、スタッフがとても楽しそうに世界観を構築しているのが伝わってきた。

 今回の体験会では、「Core Blaze」を評価するのはまだこれからというところだ。とても快適にプレイでき、グラフィックスや世界の美しさに魅力を感じるが、根幹のゲーム性がまだかみ合っていない。“プレイフィール”がはっきりすることで、プレーヤーはゲームにのめり込める。アクション性の高いMORPGでは特にこのバランス調整に力を入れている。

 MMORPG的な戦略性の高さを追求するのか、アクションゲーム的なプレーヤーテクニックを必要とする緻密な駆け引きを求めていくのか、個人的にはよりアクション寄りの、技術的にハードルの高いチャレンジをして欲しいと思う。今後本作がどちらに向かうのか、それとも新しいゲーム性を提示してくれるのか、注目していきたい。

キャラクター選択画面と派手で多彩なスキル。右下は油を引いて炎をつけたところ
昼夜で表情を変える村。かわいらしい子供の姿も
強力なボスキャラクター。攻撃は多彩だ

こちらはスクリーンショット。細部まで細かく描き込まれている

【ボスキャラクター】

(C) 2012 Gamania Digital Entertainment Co., Ltd.

(2012年 6月 10日)

[Reported by 勝田哲也]