オンラインアクションに特化したゲーミングマウス「Razer Naga Hex」試遊レポート

ヘックス型に配置されているメカニカルサイドボタンがポイント


4月27日発売開始

価格:7,980円



 MSY株式会社は、6つのメカニカルサイドボタンが特徴的なゲーミングマウス「Razer Naga Hex」を4月27日に発売する。本製品は2011年にリリースされたMMORPG向けのゲーミングマウス「Razer Naga Epic」に搭載されていた12個のサイドグリッドボタンの代わりに6個の大型メカニカルボタンを搭載した新モデルだ。今回は「Razer Naga Epic」の前のモデルとなる「Razer Naga」と比較しながらその使用感をレポートしていきたい。



■ 「Razer Naga Epic」の正統な兄弟機。基本的な性能を踏襲

 まずは「Razer Naga Hex」の基本スペックからおさらいしていこう。

 サイズは116×78×42mm(奥行き、幅、高さ)で、本体重量は約134g、人間工学に基づいた曲線デザインを採用しており、右手で操作することを前提としているモデルとなっている。

 センサーは「Razer Precision 3.5Gレーザーセンサー」を使用しており、分解能は5,600DPI、レポートレートは1,000Hzと「Razer Naga Epic」と同等の性能だ。

 ボタンは6個のサイドボタン、左右クリック、ホイールクリック、4、5ボタンをあわせて全11個で、「Razer Naga Epic」に比べるとサイドボタンの6個分少なくなっている。サイドボタンは個数だけでなく、サムグリッドボタンからメカニカル1スイッチに変更され、配置もほぼ隙間なく縦3×横4と12個のボタンがみっちりと配置されていた「Razer Naga Epic」とは異なり、ヘックス(六角形)の頂点上に1つずつボタンが配置されている。

 ヘックスの中心にはサイドボタンを使用しないときに親指を置いておくサムレストが配置されている。このサムレストは交換可能で、低中高と高さの違うものが3種類同梱されており、ユーザー側で自由にカスタマイズが可能になっている。

 そのほかには、「Razer Naga Hex」では、有線接続専用となり、サイドパネルの交換による「つまみ持ち」、「かぶせ持ち」の切り替えができなくなったことが「RazerNaga Epic」との違いだろうか。

「Razer Naga Hex」

基本的な形状も「Razer Naga Epic」を踏襲。大きな違いはサイドボタンとカラーリングだろう(写真は同型の「Razer Naga」)
実際にサムレストを交換してみた。交換には工具などは必要なく手で簡単に付け替えることができる




■ 少ない力でクリックできるメカニカルサイドボタン。オススメは「つまみ持ち」

 ここからは「Naga Epic」との大きな違い、サイドボタンについてレポートしていこう。

 まずはボタンの押し心地だが、「Naga Epic」に使われているサムグリッドボタンは“クニュ”といった感じで、「Naga Hex」に使われているメカニカルスイッチは左右クリックボタンと同じように“カチッ”っといった音がする。体感だが本機はかなり少ない力でクリックできる印象だ。これによって一足先に行動することができる。この差はコンマ数秒かもしれないが、シビアなアクションゲームなどでは非常に大きいだろう。また親指への負担が減らせるという利点もある。長時間のプレイが要求されるLANパーティーなどのイベントの際に役立ちそうだ。

 少ない力でクリックできるのは利点でもあるが欠点でもある。筆者はマウス全体を手の平で覆う「かぶせ持ち」派なのだが、この持ち方だと気が緩んだときに親指がサムレストからずれてサイドボタンに当たりやすく、誤クリックが何度か発生した。試しに「つまみ持ち」に変えてみたところ、親指は常にサムレストの位置にきて、誤クリックは起きなくなった。可能であればできるだけ「つまみ持ち」でプレイすることをお勧めしたい。

 次にボタンの配置についてだが、「Naga Epic」は12個のボタンが隙間なく並んでおり、慣れるまでは目的のボタンを探すのが難しかった。本機はボタンが6角形に配置されており、ひとつひとつのボタンも「Naga Epic」に比べると大きめになっているので、より直感的にクリックすることができた。この辺りは好みが分かれるところだが、個人的には12個あっても使い切れないので、6個に減らして使い勝手を向上したのは評価したい。

「かぶせ持ち」の様子。写真では親指がサムレストにかかっているが、安定感がなくサイドボタンに当たりそうだ
こちらは「つまみ持ち」の様子。マウスを支えるために自然とサムレストに親指を置く感じになる




■ 6個というボタンの数がちょうど良い。「Diablo III」にも相性ばっちり!

 製品のコンセプトとして「League of Legends」や「DOTA2」の様なMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)ゲームをターゲットとしているだけあり、実際にプレイしたところかなり相性が良く感じた。「League of Legends」や「DOTA2」ではアイテム欄のショートカットがちょうど6個あり、それぞれサイドボタンを1対1で紐づけることができ、直感的な操作が可能になる。またアイテムをマウスでコントロールすると、その分キーボードの手を動かす範囲を狭くでき、スムーズに操作ができた。

 また「Diablo」シリーズに代表されるハック&スラッシュタイトルとの相性も非常に良かった。ハック&スラッシュ系のタイトルは大部分の操作をマウスのみで行なうので、アイテムの使用や、よく使うスキルの切り替えをマウスのボタンに割り当てておけば、ほぼ全ての操作をマウスのみで行なえるようになる。

 筆者は「Diablo III」で、ポーションを使用するショートカットを全てサイドボタンに割り当ててプレイしたが、これだけでもかなり快適にプレイできるようになった。ポーションのショートカットは4つなので、他の2ボタンに別のボタンを割り当てることも可能だ。

 個人的にはFPSタイトルとも相性がいいと感じた。移動キーであるWASDキーから近い1、2、3キー位なら少し指を曲げれば届くが、5、6キーになると少し手の平を動かさないと届かない。本機はボタンがちょうど6まであったので、全て割当てることができ、快適にプレイできた。

 全体を通して触ってみた感触として、“アクションゲームに特化したゲーミングマウス”という触れ込みではあるが、実際にはサイドボタンの使い方次第でかなり幅広い用途にマッチすると感じた。とりわけアクションゲームやFPSをメインにプレイする筆者としては6ボタンになった「Naga Hex」はまさに求めていたゲーミングマウスだった。

 もちろん、あまりアクション性の高くないMMORPGでもキーの割り当てを工夫すれば十分使いこなせそうだ。多くのショートカットキーを使いたいユーザーは「Razer Naga Epic」を、それほど必要でないユーザーは「Razer Naga Hex」とプレイスタイルに合わせて選択すると良いだろう。

【Diablo III】
画面下部の1~4の番号が振ってあるところがスキルスロット。2つボタンが余るので余ったボタンにポーションを割り当ててプレイしていた

【League of Legends】
少し見づらいが左下にある縦2×横3のスロットがアイテムスロットで、左上から右下にかけて1~6のキーが割り当てられている

【DOTA2】
こちらは右下にある縦2×横3のスロットがアイテムスロット。こちらも「League of Legends」と同じく1~6のキーが割り当てられている

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(2012年 4月 27日)

[Reported by 八橋亜機]