カプコン、「バイオハザード6」の詳細を発表
「-バイオハザード生誕15周年記念-『バイオハザードプレミアムパーティ』」レポート
株式会社カプコンは、ニンテンドー3DS用サバイバルホラー「バイオハザード リベレーションズ」が1月26日に発売されるのに合わせて、都内でファンイベント「-バイオハザード生誕15周年記念-『バイオハザードプレミアムパーティ』」を1月20日に都内で開催した。
同イベントには、「バイオハザード」のオフィシャルファンクラブ「CLUB96」から申し込んだ人の中から抽選で選ばれた当選者が訪れた。さらに、USTREAMで配信しているweb生放送番組「ハギとこ!」で生放送が実施されるなど、注目を集めるイベントとなった。
イベントでは、20日に発表されたプレイステーション 3/Xbox 360/PC用サバイバルホラー「バイオハザード6」の詳細をシリーズ総合プロデューサーの小林裕幸氏、プロデューサーの平林良章氏、ディレクターの佐々木栄一郎氏によるプレゼンテーションで明らかにしたほか、3DS「バイオハザード リベレーションズ」の完成披露ステージ、タイアップ情報などが発表された。
冒頭、司会として登場したのは鈴木史朗氏と三条恵美さん。鈴木さんはゲーム好きとして知られているが、特に「バイオハザード」シリーズのファンとしてその名をとどろかせている。今回も開催当日が雨だったことを引き合いに出し「絶好のバイオ日和」と表現し会場から拍手喝采を浴びた。鈴木氏は初めて「バイオハザード」をプレイした時を振り返り「びっくりしました。ハリウッド映画の再来かと思った。そしたら本当に映画になった」と語った。
いまも「バイオハザード ザ・マーセナリーズ」をプレイし、20万点を達成することができず、「スランプなんですよねぇ」とコメント。来場者に「どうすれば達成できるか教えてもらえますか?」と問いかける一幕もあった。そして最後には「ハーバードの研究でゲームは悪くないという研究結果が出ている。皆さんゲームをプレイすると空間認知能力がアップするそうです。『バイオハザード』をプレイして人間力をアップさせましょう」と会場にアピールしていた。
一方会場では「バイオハザード」のシリーズに関するパッケージや特製のタイプライター、関連グッズなどが展示され、プレゼンテーション後には「バイオハザード」をイメージした特製メニューが振る舞われた。また別室では発売に先駆け「バイオハザード リベレーションズ」の体験プレイが可能で、来場者が列をなした。
■ 「バイオハザード6」
「バイオハザード6」のプレゼンテーションを行なった小林裕幸氏、平林良章氏、佐々木栄一郎氏によるフォトセッション |
プレゼンテーションの順番では後半だったが、やはり誰もが期待したのが全くの新作として発表会の早朝に電撃的に発表された「バイオハザード6」だろう。エグゼクティブプロデューサーの小林裕幸氏は「『バイオハザード』シリーズを手がけるのは4作目以来で久々のナンバリングタイトル。新しいチームで頑張っている。実は何年もやっていた。言いたかったが、今回解禁になって嬉しく思います」と切り出した。プレゼンテーションには、さらにプロデューサーの平林良章氏とディレクターの佐々木栄一郎氏が加わって進められた。
「バイオハザード6」のコンセプトは「その先にある“恐怖”」、そして「全てが“圧倒的”」という点にあるという。「その先にある“恐怖”」とは、ある意味原点回帰とも言えるもので、1作目などであった廊下の曲がり角を回ると敵がいるのでは無いかというドキドキ感、扉を開けるときの恐怖感などを大切にしていきたいのだという。さらにその上で小林氏は「詳しくは言えないが『想像の先の恐怖』を表現している」と語った。
また今回特徴的なことの1つとして「ゾンビの復活」が挙げられている。そこには「6」ならではの秘密があるとのことで、ストーリーなどと密接な関わり合いがありそうだ。また、敵としてはゾンビと肩を並べてショッキングでインパクトがあるという「ジュアヴォ(J'AVO)」と呼ばれる敵が登場する。詳しいことは明かされなかったが、かなりの難敵として今作の恐怖の象徴となりそうだ。
ストーリーはラクーンシティで起った事件の、10数年後の米国が舞台。バイオテロが多発する時代を危惧した米国大統領はラクーンシティでの事件を世間に公表しようとする。しかし公開の当日、その場でバイオテロが発生。会場にいたレオン・S・ケネディは、バイオテロの被害に遭い変わり果てた大統領と出会うところから物語はスタートする。その場にいた大統領を警護するヘレナ・ハーパーは「自分が事件を起こした」と衝撃の告白をする。バイオテロの疑いをかけられた2人は容疑を晴らすために行動を開始する。一方、クリス・レッドフィールドはバイオテロの発生した中国のある都市にいた……。物語の冒頭、米国と中国で物語は同時に進行。世界を舞台に物語は進展していくのだという。
今回力が込められていることの1つが人間ドラマだという。ストーリーも凝ったものに仕上がっており、開発陣は「ストーリーの続報に期待して欲しい」と口を揃えた。
また前述の通り、“ホラー”作品への原点回帰がテーマの1つに挙げられているが、ホラー表現はあくまでもゲームプレイの中で感じてもらえるよう仕掛けや演出が施されているという。そのために没入感や臨場感を大切にしているのだとか。
しかし操作感などは複雑化しないようシンプルなものを目指して作られており、「最近のトレンドを取り込みながら調整中」なのだという。の平林プロデューサーは「アクションの手触り勘はいい。行動を直感的に取れる操作体系」と表現している。
さらに平林氏は「『バイオ』らしさとは“ホラー”と言うことだが、『バイオ』ではこれとは別に毎回何か新しいことにチャレンジしてきた」と言い、「6」でも様々なことにチャレンジしていると続けた。その1つが、プレイアブルなところで様々なことを伝えると言うことだという。今回「1st Trailer」が公開されたが、ゲームのプレイシーンが実に60%から70%にも及ぶのだという。ドラマ性の高いシーンがプリレンダで描かれていると言うことだが、そのシーンもこれまでのシリーズ作品に比べてクオリティアップが図られているという。
社内スタッフだけで150人、社外も含めると実に国内外で600名以上が制作に参加。シリーズ過去最大のボリュームを実現するべく、開発体制も過去最大規模となったという。小林氏は「グローバルに、世界中の人に楽しんでもらえるよう過去最高の『バイオ』を作っている」とアピールし、プレゼンテーションを締めくくった。
【「バイオハザード6」 1st Trailer】 |
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「バイオハザード6」のキービジュアル。レオンとヘレナを中心に、手前にはゾンビの手らしきものが見える | 右がお馴染みレオン・S・ケネディ、そして彼女との出会いからストーリーがスタートするというヘレナ・ハーパー |
【スクリーンショット】 | ||
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生物兵器によるテロを告発しようとした大統領を狙ったと思われるバイオテロから物語はスタート。米国の事件と同時進行で語られる中国のある都市で巻き起こったバイオテロとは? |
■ 「バイオハザード リベレーションズ」
発売を1月26日に控え、まさに発売直前といったタイミングの「バイオハザード リベレーションズ」 |
プレゼンテーションは川田将央プロデューサーを中心に行なわれた。川田氏は「15周年にリリースできて良いタイミングだと思う」とコメントし、川田氏はプレゼンテーションの冒頭に5分強の最新映像「発売直前ムービー」を公開。この映像はゲーム画面をちりばめながらも、ストーリーに肉薄するドラマチックなシーンが多数含まれたドキドキする展開。
また、川田氏も「リベレーションズ」について「原点回帰」をテーマに挙げた。「『リベレーションズ』は3DSの裸眼立体視の威力が遺憾なく発揮された作品」とし、「あえて敵を倒さず生き残る、サバイバルホラー」とテーマを語った。さらにストーリー展開に力が入っている点についても触れ、「連続ドラマ形式になっていて、これまでの『バイオ』にはないストーリー」と強調した。
しかしストーリーばかりではない。きちんとアクション要素も強化されている。あくまでもストーリー本編ではホラーを楽しむよう徹底的にチューニングされているが、アクションは新設された「レイドモード」で徹底的に楽しめるのだという。簡単に言えば、たくさん現われる敵をどんどん倒し、設定されたゴールを目指すという展開で、発表会場で行なわれた実機ではかなり後半のステージを選んでプレイ。かなりの難易度だ。高難易度のステージであるだけではなく、もちろんキャラクターも育て上げられた強力なものが選ばれた。これは「歯ごたえのあるところを見せたかったため」と言うことだという。
実機デモを見ていると、確かにハンターがうじゃうじゃ登場する高難易度で、開発陣をもってしても簡単に進められるものではなかった。「リベレーションズ」のストーリーモードでは恐怖感を演出するため、プレーヤーに敵のHPなどを数値化したりバーなどで付帯情報を基本的には提示しない。しかし「レイドモード」では敵のHPがバーで表示さえていた。この点について川田氏は「レイドモードの楽しみの1つは、様々な武器を入手していくことが目的」だという。強力な武器を入手したら、その威力を確かめたいものだ。つまり、「レイドモード」では武器を見つけ、その効果を確かめるように敵にバーが設置されているのだという。スッキリとしたプレイ感が重要であるということから、ゲーム性に重きを置き「レイドモード」独自のUIを採用するなど、力を入れて開発されたことがうかがい知れるエピソードだ。ちなみにゲームの難易度はカジュアル、ノーマルが用意されているが、これらをクリアすると「ヘル」と呼ばれるレベルが登場するという。やりこみ要素の1つとして、腕に覚えのあるプレーヤーは頑張ってクリアしてみると良いだろう。
川田氏は最後に「社内でも評価が高いので期待して欲しい」とコメントしてプレゼンテーションを締めくくった。
【「バイオハザード リベレーションズ」 発売直前ムービー】 |
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ストーリーでは原点回帰とも言える恐怖が徹底的に描かれるが、「レイドモード」では徹底的にアクションが楽しめる。インターフェイスも「レイドモード」用に変更されており、爽快感を追求する作りとなっている |
今回発表された「レイドモード」における専用のレア武器の存在。スクリーンショットは4種類の伝説の武器のうちの1つ「DRAKE」。「レイドモード」では、より強力な武器を揃えていく楽しみがあるという |
【スクリーンショット】 | |
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通常のゲームモードにはこれまで通り敵にゲージなどはついておらず、どれくらいダメージを与えているかわからない。恐怖感を煽る演出が徹底的に配されている |
様々な謎を解きながら物語を進め、ストーリーを楽しんでいく |
【発表会の様子】 | |
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プロデューサーの川田将央氏。「バイオハザード リベレーションズ」のプレゼンテーションを進めていった | 実機プレイを行なった中西晃史ディレクターと竹中司アシスタント・プロデューサー |
原点回帰のサバイバルホラーと、アクションを徹底的に楽しめる「レイドモード」。この共存が「バイオハザード リベレーションズ」をより強力なタイトルに仕上げている | ||
製品に同梱される特典や関連商品なども発表されると共に、会場にも展示されていた |
■ 会場風景
イベント会場には、15周年記念イベントと言うことで数多くのパッケージやポスター、アイテムなどが展示されていた。また、「バイオハザード」関連タイトルは上記2タイトルだけでなく、さらに2タイトルの発売が控えている。
1つは、アンブレラとしてラクーンシティの制圧を行なう「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」。ゲームシステム的には本格的なシューターとなっており、レオンやクレアといったこれまでヒーローだったキャラクターが敵として登場する。発売日に関しては、公開されたPVでは「Early 2012」と書かれていたが、あくまでも「2012年予定」となっている。
2つめは、「バイオハザード」の年代記を体感することができるガンシューティング「バイオハザード クロニクルズ HDセレクション」。「アンブレラ・クロニクルズ」と「ダークサイド・クロニクルズ」の2作品が収録されている。こちらは「COMMING SOON」と書かれているが、発売日・価格共に未定。
懐かしいパッケージも置かれ、懐かしそうに眺める来場者の姿もあった |
ポスターや貴重なタイプライターも出展されていた | |
プレゼンテーション後に会場で振る舞われた特製のメニュー。おいしそうな匂いを振り蒔いていた |
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(2012年 1月 21日)