カプコン、「イクシオン サーガ」第2次バトルαテストレポート
チームを勝利へ導く連携プレイが魅力のバトルを体験


11月25日~28日 第2次バトルαテスト実施


最大8対8の対戦が楽しめる。人数が増えれば混戦必至

 株式会社カプコンは、Windows用オンラインチーム対戦アクション「イクシオン サーガ」の「第2次バトルαテスト」を11月25日から28日まで行なった。

 「イクシオン サーガ」は、カプコンが新作として開発しているWindows用オンラインゲームで、最大8対8のチーム戦による16人同時対戦ができる3Dアクション。8月に行なわれた「第1次バトルαテスト」に続く2度目となる今回のテストでは、キャラクターのビジュアルやゲームシステムに至るまで全てが刷新され、全く別のゲームと呼んでいいほど大きく変化している。

 テスト内容は、今回もプレーヤー同士のバトルに重点を置いたもので、ルールも最大8対8のチームで戦うもののみというシンプルなレギュレーションになっていた。しかしプレイ感は前回から大きく変化し、仲間との連携が鍵になる、チームバトルの面白さを実感できるものになっていた。本稿ではその面白さの秘密を、プレイレポートの中から紹介していく。




■ チームへの関わり方が全く変わる3種のスタイル

 今回のテストでの最大の変化は、装備する武器で攻撃方法やスキルアクションが変わる3つのスタイルにある。選択するスタイルでバトルの立ち回り方が大きく変わるので、その3スタイルを個別に紹介しておきたい。

 ゲーム中のアクションには、基本攻撃2種とスキルアクション、ガードおよび回避、回復薬などアイテムの使用といったものがある。スキルアクションの使用には、体力ゲージとは別の「アルマポイント」を消費する。この攻撃やスキルアクションが、スタイルごとに大きく異なる。

 まずは前線で戦う近接攻撃タイプの「ストライカー」。こちらはとにかく前に出て相手と乱戦を繰り広げるタイプで、連続で出せる剣による基本攻撃や、スキルにも中距離に攻撃を飛ばす「真空刃」や、ガードを弾く「ガードブレイク」、相手を気絶させる「兜割」など、他のスタイルに比べて多くの攻撃手段が揃っているのが特徴。

 またガードにも優れており、盾を構えながらの移動や、ガード状態のまま相手に突進して吹き飛ばす「ガードダッシュ」といったスキルも持っている。近距離では大きな威力を発揮するが、前線に出る分だけ集中攻撃を受けやすい。攻撃だけでなくガードや回避など素早い動きも必要になるので、ただ突っ込むだけではない難しさのあるスタイルとなっている。


【スクリーンショット】
近距離専門の「ストライカー」は、基本攻撃(左)に加えてスキルにも攻撃的なものが揃っている。中央は相手を気絶させる「兜割」、右は自分の攻撃力を高める「ハードアタックスタンス」
真空波を敵に向かって飛ばす「真空刃」またガードにも優れ、盾を構えながら移動できたり、盾を持って突進して相手を吹き飛ばす「ガードダッシュ」(右)などもある


 「ブラスター」は、銃を撃って攻撃する遠距離攻撃タイプ。構えを切り替えると、照準が表示されるFPSやTPSのようなスタイルでのプレイが可能。移動しながら相手を狙えるようになるので、スナイパーのような役割も可能になっている。

 弾の種類も通常弾に加えて、相手を貫通する「貫通弾」や近距離の広範囲に弾が飛散する「散弾」などに切り替えられる。遠距離戦では圧倒的に有利で、前線で戦う「ストライカー」を援護するのに最適なスタイルとなっている。ただし、近距離への反撃手段が少ないため、敵に近づかれると不利に転じてしまう。

 攻撃手段はこのほかにも、敵プレーヤーが触れると爆発し、毒状態にしてしまう罠を地面に設置するスキル「トラップ」も持っている。罠の設置場所や戦場における自分の最適な位置を考えながら戦うような、策略的な戦術が必要になるスタイルだ。


【スクリーンショット】
遠距離の得意な「ブラスター」は、構えを切り替えてTPSやFPSのようなプレイが可能。移動しながら敵を狙える弾の種類も切り替え可能で、戦局に合わせて変えられる
スキルも数種類ある。こちらは強烈な1撃を直線的に放つ「オンリーユー」周囲に銃を乱射する「乱射」は、敵に囲まれた時や近距離にも有効また、罠を設置する「トラップ」というスキルもある。策略を考えながら戦局を優位に進めたい


 「キャスター」は、魔法能力を駆使してチームの後方支援をするタイプ。攻撃手段は遠距離に飛ぶ魔法攻撃だが、「ブラスター」の銃より弾速が遅く避けられやすい。その代わりに、近距離には自分の周囲の敵を凍りづけにする「ブリザードクエイク」を繰り出したり、自分の周囲の味方プレーヤーの攻撃力を一時的に上げたり、体力を回復させたりと、臨機応変に対応できるのが特徴だ。

 さらには触れた敵を吹き飛ばす障害物や、遠距離攻撃を防ぐバリアを設置するスキルも持っている。これらの障害物は攻撃をある程度受ければ破壊されてしまうが、設置すれば味方にとっての安全地帯を作れるので、これが拠点となって戦場で優位に立てる場合もあり、チームとしてのうまい活用が求められる。


【スクリーンショット】
支援スキルが豊富な「キャスター」は、周囲の味方の体力を回復させる「ヒールウインド」(左)などの支援に加えて、遠距離攻撃を防ぐ「ディスペルリング」(中央)や、敵を通さない壁を出現させる「ブロックウォール」(右)など物理的にも味方を援護できる
攻撃手段にも数種類あり、その場で臨機応変に対応できる。こちらは魔法を飛ばす基本攻撃(左)と周囲に有効な範囲攻撃(中央)周囲の敵を凍りつかせる「ブリザードクエイク」のようなスキルもある



■ スタイルごとの役割を果たしながら目指すチームの勝利

「ブラスター」なら崖の上から乱戦を援護する……といった戦略も地形によっては考えられる

 今回のテストでプレイできた対戦ルールは、基本的には相手チームのプレーヤーを多く倒すのが目的。各チームには共通のライフゲージのようなものが設定されており、プレーヤーが倒されるとそのチームのゲージが減少する。相手チームのゲージを先にゼロにするか、制限時間を迎えた時により多くのゲージを残していたチームが勝利となる。

 チームの勝利のためには、上記に記したそれぞれのスタイルの役割を果たしながら、仲間と連携することが重要になっている。「ストライカー」が前線で戦えば、それを「ブラスター」が後ろから援護射撃で支える。「キャスター」は前線で障害物やバリアを作り、後方では回復や攻撃力アップなどと戦場全体で活躍できる。対戦人数が増えて混戦になればなるほど、このようなチームのまとまりが必要不可欠になってくる。

 またフィールドにはマップごとの特徴があり、スタイルによっては役割がまた変わってくる場合がある。例えば、敵陣地への通路が1つしかない「シルバウス遺跡」のステージでは、正面からチームが衝突することになり、チーム全体の前線の位置を理解しながら戦闘する必要がある。その一方で、高低差が多くあり、見通しのいい場所もある「リデスペリオ洞窟」では、相手をわざと広場へ誘い込み、崖の上で待ち構えている「ブラスター」に一斉に射撃攻撃をさせるといったことも可能になってくる。

 実際に戦闘が繰り広げられるフィールドには、攻撃することで崩れ落ちる障害物や、「アルマポイント」を回復できる「アルマスポット」などが所々に用意されている。地形を利用して隠れながら相手の後ろに回りこんだり、特にスキルを多用する「キャスター」は「アルマスポット」上に障害物を召喚してそこを拠点としたりと、戦略的な地形な利用が考えられる。

 スタイルの役割を考えながら戦う以外にも、仲間との連携が大事になる要素として「ジン」の出現がある。「ジン」は、体力が尽きたプレーヤーの周囲に出現する光る球のようなもの。チームのゲージはプレーヤーが倒された時点で減るが、この「ジン」を敵チームに奪われれば、さらにゲージが減ってしまう。しかし、逆に味方がこの「ジン」を取れば、ゲージが減らないほか、倒されたプレーヤーはその場でゲームに完全復帰できる。味方同士が連携して「ジン」を確保すれば、たとえ誰かが倒されても戦局を不利にせず済む。よりチームの絆を強める仕組みだ。


【スクリーンショット】
「敵を倒せ!」というシンプルな目的ながら、参加するプレーヤーのスタイルは様々。連携を考え、自分のできることをきっちりこなすことが勝利へと繋がる選べるフィールドも特徴的で、それぞれの戦略が考えられる
フィールドには、ごちゃごちゃと障害物の多い遺跡や、比較的見渡しのいい砂漠など様々プレーヤーが倒れれば出現し、敵味方それぞれに獲得のメリットがある「ジン」



■ チャットをする暇もない戦場で高めあう絆が魅力

 今回のテストでは、「バトル部分に特に注目してほしい」という観点から、前回テストで登場した相手チームを全滅させて逆転を狙える「アルマ砲」などの要素は排除されていた。その分、バトルではスタイルやフィールドによって自分の役割を感じられ、バトルにおけるチーム連携が楽しめる内容となっていた。

 戦闘中はチャットをする暇もないほど激しくなるが、特定のスタイルに慣れ、自分の役割がわかってくるようになると、無言でも自然にチームと連携が取れる瞬間がある。例えば「ストライカー」で敵に突っ込んでいく瞬間に「ブラスター」が敵の頭を叩いてくれた時や、ピンチの時に「キャスター」が回復をしてくれた時などは、チームプレイを強く実感できる。自分のイメージしたことが仲間にも伝わり、次の瞬間にはそれが実際に達成されている。「イクシオン サーガ」の魅力は、ここにあると感じた。

 今回は「第2次バトルαテスト」として1つのルールでバトルだけをテストするものだったが、ゲームのアクション部分は満足のいくものだったので、今後は違うルールでのバトルの実装も期待したい。またスキルやマップが増えれば仲間との連携の幅も広がり、チームバトルがもっと面白くなりそうだ。2012年予定とされている正式サービスに向けて、さらなる内容の充実を期待したい。

 なおカプコンは12月9日、「第2次バトルαテスト」のレポートを公式サイトに掲載した。合わせて今後のスケジュールも発表され、2012年1月に「イクシオン サーガ開発隊」にて新規開発トピックを公開。その後2012年早春に次回テスト情報を公開し、2012年春に次回テストを行なうとしている。


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(2011年12月9日)

[Reported by 安田俊亮]