Xbox 360/WIN「MHF フォワード.2」アップデート直前インタビュー
新モンスター「ゴゴモア」などの情報を杉浦氏に聞く


9月28日 アップデート実施予定


 株式会社カプコンは、Xbox 360/Windows用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(MHF)の大型アップデート「フォワード.2 "跳影、熱帯の猛き眷族"」を9月28日に実施する。

 今回のアップデートでは、新たなモンスターや、水辺が印象的な新フィールドの追加、そして共に狩りをする新たな仲間の登場も発表されている。また8月にはWindows版のサービス開始から4周年を迎え、アニバーサリー記念のパッケージ発売や、記念イベントも多数開催している。これらについて、恒例の運営プロデューサー杉浦一徳氏へのインタビューをお届けする。




■ 「フォワード.1」はコンテンツ投入で反省点も。震災の影響は解消

運営プロデューサーの杉浦一徳氏

――まずは「フォワード.1」の反響はいかがでしょうか?

杉浦一徳氏: 「フォワード.1」は「ルコディオラ」を始めとしたコンテンツを分割して投入にしましたが、我々の予想以上にお客様のやり込みが早く、お客様から「退屈している」、「もっと早く」とお叱りを受けました。コンテンツ投入量やペースでご迷惑をおかけしたと総括しています。

――おっしゃるように、「フォワード.1」では震災の影響でコンテンツの分割投入がありました。この影響は「フォワード.2」にも残るのでしょうか?

杉浦氏: それは全く影響しません。今後計画停電など万が一のことがあればわかりませんが、あの当時の影響が今に影響するということはないです。1回のアップデートで全て入りますよ。

――イベントなどでのユーザーの反応はいかがでしたか?

杉浦氏: 「500クエストをかけめぐれ」、「真夏のHC武器大作戦」など、去年とは全く違うイベントを試みて、今現在も実施しています。ただ単に武器を作るのではなく、データベースと連動したクエストをやっていますが、お客様からは良し悪しさまざまな反響をいただいています。総合的には、イベント系は善戦していると思います。

 6月末には「大討伐クエスト」や「グーク」、7月末にはハードコア(HC)武器の能力の追加などが、今のイベントに繋がっています。おかげさまでアニバーサリーイベントに入ってからは数字が本当によくなって驚いています。全体的に見れば合格点と言えると思います。

 ご意見ご要望に対応するという点では、去年はかなりお答えできたかなと思っていましたが、今年はまた溜まっていると思います。油断しているとすぐに溜まってしまいますので、やれるものからすぐやりましょうと話し合っています。




■ 糸を出し、木々を動き回る新モンスター「ゴゴモア」

新モンスター「ゴゴモア」。糸を巧みに使う牙獣種

――「フォワード.2」に登場する新モンスター「ゴゴモア」についてお伺いします。糸を出したり、木の上を飛び回ったりする動きが印象的ですね。

杉浦氏: 「MHF」らしさを出すべく考えた親子の牙獣種です。見た目の雰囲気はナマケモノのようで、のっそりとしていそうですが、動きはかなりスピーディーなモンスターになっています。糸がビョーンと伸びて、地面ではなく空中をアグレッシブに駆け回るので、動きに癖があります。最初は動きを見切るのが大変だと思います。

――「ゴゴモア」が地面に張った糸を剣で切ると、「ゴゴモア」が後ろに吹き飛んでいくシーンもムービーでは見られました。

杉浦氏: そのような辺りも、色々と試してもらえると面白いと思います。新モンスターには1体1体に凝ったギミックを入れているので、期待していただきたいですね。

――背中の「ココモア」が気になるのですが、狩りに影響はありますか?

杉浦氏: まだ何とも言えませんが、あると言えばあります。ただ、あまり「ココモア」を意識した作りにはなっていません。

――「カム・オルガロン」、「ノノ・オルガロン」のように、2匹登場するイメージではないのですね?

杉浦氏: 「ココモア」が攻撃したり、親子の連携技を出すなどはありません。

――ハンターランク(HR)はいくつから遊べるのでしょうか?

杉浦氏: HRはなんと3からです。ゲームを始めたての人でも、早い段階から「ゴゴモア」と出会えます。あとは31と100(剛種)です。

――動きに癖があるということでしたが、HR3からでもちゃんと狩れるのでしょうか?

杉浦氏: 攻撃モーションなどでかなり差をつけているので、極端に難しくて狩れないということにはならないと思います。


【ゴゴモア狩猟ムービー】



■ 南国を意識した新フィールド「潮島」は4エリア構成

――「ゴゴモア」が暴れ回っていた新フィールドの「潮島」について教えてください。

杉浦氏: 「潮島」は、リゾート気分が味わえるような南国風の島です。新しいフィールドを実装する時、移動できるエリアが多いとモンスターが移動して困るとお叱りを受けるし、かと言って1エリアにすると「手抜きだ」とお叱りを受けてしまいます。そこで、今回は4エリアにしました。

――中間的な大きさですね。どのような特徴があるのでしょうか?

杉浦氏: これまで朝と夜とがあった時間帯に、昼を加えました。4つのエリアと3つの時間帯で、合計12のマップが楽しめることになります。「潮島」という名前だけあって、潮の満ち引きによって行ける場所や移動範囲がかなり変わります。「密林」にもあったようなイメージですね。

――夕焼けなど自然を意識したビジュアルが印象的ですね。

杉浦氏: 前回の「迎撃拠点」は要塞のような場所でしたが、それとはまた違った雰囲気になっています。ジャングル風でもあり、さらに時間帯も3つあってそれぞれ印象が変わるので、癒されたいと思えるような、自然の感じられるフィールドになっています。ぜひ行ってもらいたいですね。

――どこか実際に現地取材はしたのでしょうか?

杉浦氏: 残念ながらしていません。取材には行きたいと思うのですが……。今回のこの「潮島」は「パローネ=キャラバン」の人が見つけたという設定の無人島なので、本当にやろうとしたら気球で飛んで無人島に降りなくてはなりません。これには覚悟が要りますね(笑)。


【スクリーンショット】
4エリアという中型のフィールド「潮島」。時間帯による違いも注目点



■ ハンターと狩りに出られる「マイホルク」。属性や外見が変化する成長要素も

一緒に狩りに出られる「ホルク」

――新しい仲間、「ホルク」というのはどんな存在なのでしょうか?

杉浦氏: ハンターと一緒に狩りに出られる、鷹のような存在です。「マイハウス」や「マイガーデン」と同じところに「マイホルク」という選択肢が増えており、ここに「ホルク」のいるフィールドがあります。HRによる制限はなく、HR1からクエストに連れて行けるというのは、嬉しいポイントだと思います。

――「マイホルク」では何ができるのですか?

杉浦氏: 「ホルク」にエサをやれます。モンスターの素材がエサになるのですが、あげたエサによって龍属性や火属性といった属性が「ホルク」の攻撃に付きます。外見も凝っていて、属性に影響されたデザインに変化していきます。

――「学びの書」というものもあるようですが、これは何ですか?

杉浦氏: 「学びの書」というアイテムで、様々なスキルが取れます。これにはAI要素もあって、戦闘方法の性格などを与えることができるので、色々な成長をさせて差別化ができるはずです。成長要素は、ご自身で研究してみてください。「ホルク」については鷹匠のイメージもあるので、この実装は悪くないと思っています。

――マスコットキャラクターと言えば、前回は「グーク」の実装もありました。「グーク」との違いはどこにあるのでしょうか?

杉浦氏: 「グーク」は戦闘に参加しない、ただ愛でるだけの立場ですが、「ホルク」は狩りに連れていける仲間ということで、コンセプトを分けているつもりです。「グーク」が狩りに出てモンスターに襲い掛かるようになった日には、「ついにネタ切れか」と思ってくれて構いません(笑)。

――「グーク」にもリファインがあるようですね。

杉浦氏: 「グーク」の方は、2匹目が飼えます。色も茶色などが追加され、服も増えます。また、「グーク」の部屋のパーツ追加、レイアウト変更もあります。




■ 外見も大きく変わった「ドスファンゴ」ら5体の特異個体が登場

たてがみと牙が大きく変わった「ドスファンゴ」の特異個体

――今回追加される特異個体についてはいかがでしょうか?

杉浦氏: 面白いのは「ドスファンゴ」です。とても動きはアグレッシブですよ。牙もそうですが、たてがみも盛り上がっていて、悪そうな感じに仕上がりました。「グラビモス」は、口から吐くブレスが凶悪になっていて、見るだけでやる気を失くすのではと心配になるほどです。

 「イャンクック亜種」も特異個体になっています。弱いモンスターという印象があるので、工夫してモーションを入れました。フラフラっとしたと思ったら、ドンと攻撃してくる動きなどがそうです。HCなので手強く仕上がっているのではないかと思います。「ディアブロス亜種」は元々強いモンスターで、ハードルが高いかなと思います。他に、人気の高い「ドラギュロス」もいます。

――HC武器については、HCクエストに持っていくと会心率が上がったり、「真夏のHC武器大作戦」というイベントが開催されたりしました。ユーザーからの反響はいかがでしたでか?

杉浦氏: HC武器は、この上方修正の後から多く作っていただけるようになりました。イベントの方は、「HC武器は作るのが大変なのでは?」という食わず嫌いの人への対策として開催しました。反響も大きくて、一部のお客様から「HC武器のクエスト募集しか見なくなったからやめてほしい」とお叱りを受けるほどでした。みなさまがHC武器を作ってくれるようになって、ありがたいなと思っています。

――さらに、今回はHC素材の入手確率が上がるそうですね。

杉浦氏: はい。このアップデートでHC素材の入手確率が2倍に上がります。スキルランク(SR)のお客様が全体の4割になっているので、今後SRには力を入れていきたいと考えています。




■ イベント武器が剛種武器並に上方修正

防具「ゴゴシリーズ」。剣士・ガンナーともに回避性能が付いている

――新しい装備についてお伺いします。まず、今回の「ゴゴモア」の素材を使った装備について教えてください。

杉浦氏: 今回は牙獣種ということで、それを意識したデザインにしました。女性の防具はかわいらしさがありますが、男性の方は野生児風です。

――「モンスターハンター」らしいビジュアルになっていると思います。

杉浦氏: 毎回そうですが、モンスター防具についてはそこを守っているつもりです。基本的にはモンスターの特長を活かしたものを実装するようにしていますが、ワンパターンはよくないので、たまに尖ったものを入れます。「アクラ・ヴァシム」の時のような洗練されたデザインがそれですね。

――剛種防具についてはいかがでしょうか?

杉浦氏: これまでは「キリン」と「テオ・テスカトル」がありましたが、今回は「オオナズチ」が入ります。

――秘伝防具について、上方修正を検討中と伺ったのですが、いかがですか?

杉浦氏: 既存の秘伝防具の上方修正も要望をたくさんいただいていて、対応を検討していますが、「フォワード.2」には間に合いそうにありません。これは次回までの宿題にさせてください。

――これから新しく入る秘伝防具も性能は上がるということでしょうか?

杉浦氏: 新しいものについては、今はまだお話できる段階にはありません。ただ、「フォワード.3」、「フォワード.4」あたりでSRについてはシステムを完成させたいなと思っているので、それができたらとは思っています。

――イベント武器の性能は剛種武器並みに上方修正されるそうですね。

杉浦氏: これは前々からお約束していたもので、イベント武器が剛種武器に比べて弱く、コレクション要素にしかならなかったので、剛種武器並みに強くしましょうということです。性能だけではなく、「親方印」が付いたイベント武器は、抜刀・納刀が早くなります。これで、武器によっては相当魅力的になるはずです。「武器捌き」が自動で付いているイメージです。公式サイトに比較動画もあります。

――他に検討中のリファインなどはありますか?

杉浦氏: 具体的なご要望に、「防具に要らないスキルがあるから、代わりに新しいものを入れてほしい」という声があります。お気持ちはわかるのですが、既存の防具からスキルを取ってしまうと、そのスキルが気に入ってその防具を作ったお客様には叱られてしまいます。こういうリファインは、100人いたら100人とも同意していただけることが前提になっています。最初に要らないスキルを付けたのは我々なので、反省はしていますが、そういう方法とは違う形で対応を考えています。

 このことはネットカフェのイベントなどでもよく言われるのですが、このように直接お答えすると、みなさん納得してくれます。メールの文面などだと冷たく受け取られがちですが、それがオフラインイベントのいいところですね。

――オフラインイベントといえば、先日、肉質調整のテストをイベントとして開催されました。ユーザーの反応はいかがでしたか?

杉浦氏: おかげさまで本当に上手く行きました。「MHF」を相当やり込んだお客様を優先的にお招きして、肉質の差の意見交換をしました。手応えはとても感じましたし、なかなか楽しいイベントでした。今回は運営・企画のスタッフも相当駆り出しました。お客様とスタッフが意見交換したり、話し込んでいたりしていて、とてもいい雰囲気でした。こういうイベントは増やしていって、お客様とももっとお話しさせていただきたいと思います。




■ 新キーボード操作や「元気のみなもと」など初心者対策を追加

プレイの記録が実績として残る「ハンターキャリア」

――個人の実績の部分でもリファインがあるそうですね。

杉浦氏: 「ハンターキャリア」という、個人実績を見られるものを作りました。やりこみ要素としてポイントになるもので、今回は記録される要素が10個ほど入りますが、評判がよければ、要素をどんどん追加したいなと思います。

――具体的にはどのような要素が見られるのでしょうか?

杉浦氏: 各武器種で狩ったモンスターは何体か、などです。これらを自分で確認できるようになります。

――他のユーザーの情報は見られますか?

杉浦氏: サーバーへの負荷がネックなので、全部が見られるかどうかはわかりませんが、そうなるように取り組んでいるところです。

――初心者から中級者に向けたコンテンツも追加されるそうですね。

杉浦氏: まず、ゲームパッドがなくても、キーボードで気軽に触っていただけるようにしました。最初からゲームパッドが必要という部分が「MHF」を始められない原因にもなっていたので、それを改善するのが狙いです。ゲームパッドを持っていなくてキーボードで「MHF」を始めた場合、操作がわかりにくくて離脱される方が多かったと感じています。そこでキーボードとマウスでもシンプルに操作できる設定を導入し、まずは気楽にキーボードとマウスで十分遊んでいただけるようにしました。その後、キーボードでは辛いなと感じたらコントローラーを買っていただければいいし、そのまま続けていただいてもいいと思います。

 次に、「元気のみなもと」というアイテムが追加されます。これを使うと、クエスト中に受けるダメージ量が3分の1程度で済みます。アイテムの累積は可能ですが、1日1回、1つのクエスト限定での使用となっています。このアイテムは、1日1回「マイホルク」でもらえます。厳しいクエストに挑戦する時や、手強いモンスターの動きを勉強したい時に使っていただきたいですね。やられやすいと感じている初心者のサポートや、中級者が上級へ挑む際の緩和剤の役割をしてくれるはずです。

 また、新たに「シリーズクエスト」も入ります。これは、お題をもらいながらクエストを1つ1つクリアしていくものです。「どのクエストから始めればいいかわからない」という初心者の方のために、とりあえず「シリーズクエスト」をやれば、「MHF」のことが一通り覚えられるようにしました。クエスト中は、NPCから攻略法などのヒントをもらえたりもします。これも支援型のコンテンツですね。ちなみに初心者向けの「ビギナー」に加え、「ベテラン」というモードも用意しています。

 支援ということでは、「若個体」も実装されます。これは、通常のモンスターよりも攻撃モーションが少ないなど、弱めに設定されているモンスターのことです。「若個体」を狩っていただくことで、初めて出会うモンスターに挑戦する際の敷居を下げたいと考えています。ハードルが高いなと思ったら、「若個体」から挑戦していただくというイメージです。始めたての方や、HR30前後の方にオススメです。

――他にリファインされるものはありますか?

杉浦氏: ダッシュの時のスタミナ減少速度を半分にしました。これは以前から言われていて、お客様の意見が大きくなってきたので、対応することにしました。ただし半分になるのはダッシュだけで、鬼人化などのスタミナを消費する行動はこれまで通りの減少速度です。

 「狩人珠」については、劣化を廃止しました。その代わり、お手入れをしないとスキルが発動しません。長期不在の場合などに劣化してしまうという不可抗力の部分もありましたが、今回は必要なCPを払えば済むだけという簡単なものにしました。

 またモンスターの称号に「MHF」オリジナルのものが入っていなかったのですが、今回、これらが一気に入ります。「ヒプノック」からスタートして、中にはSR999で取れる称号もあります。

 コラボレーション企画では、グリコとのコラボ武器をやります。キャンペーン期間中に、キャンペーンマークの入ったグリコアイス「パピコ」または「ジャイアントコーン」を購入すると、オリジナル特典武器をもれなく入手できます。対象商品のアイスをモチーフとしたいろいろな武器が入手できるので、楽しめると思います。キャンペーン詳細および特典武器の入手手順については、キャンペーンサイトをご覧ください。


【スクリーンショット】
「パピコ」と「ジャイアントコーン」のコラボ企画。サービス開始当初には「アイスの実」と「スパークタイム」のコラボもあった



■ 「パッケージで手を抜くな!」サービスの質をパッケージでも示す

「MHF アニバーサリー2011 プレミアムパッケージ」について語る杉浦氏

――パッケージのお話しに移りたいと思います。先日「MHF アニバーサリー2011 プレミアムパッケージ」が発売されました。このインタビューが載るのは発売の後ですが、こぼれ話など聞かせていただけますか?

杉浦氏: 「アニバーサリー2011 プレミアムパッケージ」は本当に気合を入れて作りました。お腹の中にパッケージが入っている、というのは私の発想です。布もしっかりとしたぬいぐるみ、書き下ろした200ページのマンガ本、アイテムまで付けて、大出血サービスでした。会社から「原価率が高すぎる」と怒られたくらいですが、これはもうファンの皆様への還元ですね。

――この「プーギー」のぬいぐるみ、相当しっかりと作られていますよね。

杉浦氏: 「プーギー」のぬいぐるみは、パッケージを抜いたときにヘロヘロにならないように気を付けました。服の模様もプリントではなく、ちゃんと生地と生地を縫い合わせていますし、ボタンも本物です。最初の構想ではそのままティッシュペーパーケースとして使えるようにしたかったのですが、パッケージを中に入れる、パッケージを抜いた後もしっかり立たせる、ティッシュペーパーケースにするの3つは成り立たないので、何かはあきらめてくれと言われてしまいました。仕方ないので、泣く泣く、ティッシュペーパーケースを諦めました(笑)。

ガイド娘「アネット」のフィギュア
※ 実際の商品は台座の色が黒となります。
※ 画像はサンプルの為、実際の商品と一部異なる場合があります。
協力:ホビージャパン
撮影:井上写真スタジオ

――毎回、パッケージが豪華なのも「MHF」の特徴ですね。

杉浦氏: デジタルで収益を上げている分、こういったリアルの部分でお客様へ還元する点もポイントだと考えています。お金を払って手に入れるパッケージ文化が日本で残っていることは意味があると思っていて、この風土の中でどのようなパッケージを提供するかというのが、サービスの姿勢にも現われると思います。

 スタッフには普段から「こういったものに手を抜くな」という話をしています。それはサービスの手を抜くことを意味しているし、お客様に伝わってしまいます。ですから、採算はある程度度外視していいから、パッケージはクオリティを高く作ってくれと言っているのです。お客様にその姿勢が伝われば、日頃お支払いいただくお金に関しても、価値を感じていただけると思います。これまでのものも、その思いをスタッフが理解してくれて実現できたので、嬉しいですね。

――「フォワード.2」のパッケージはいかがでしょうか?

杉浦氏: FZ防具のおかげで絶賛受注中です。FZ防具は、F防具の上位防具です。今回は、「コレクターズエディション」の5つのパッケージの防具のみに実装されます。「コレクターズエディション」についても、頑張ってクオリティを高く作っています。アイテムも消耗品ではなく長く使ってもらえるものを入れたりしています。パッケージはとにかく価格に見合ったものを提供したいと思っています。




■ 全都道府県のネットカフェ踏破後は、大規模オフラインイベントも計画!

――「フォワード.2」以降の方針について教えてください。

杉浦氏: 4割以上のお客様がSRになりつつある現状では、SRをどう楽しんでいただくかが課題になると思います。SRの数字をひたすら上げていくだけの作業は辛いというご意見は当然だと思います。既存のコンテンツをSRで遊ぶとメリットが出るなど、何かしらの対応を検討しているところです。

 「フォワード.2」でも新しい試みやコンテンツの追加などで、なるべくお客様に同じものばかりで飽きられないようにと工夫していこうと思っています。去年は武器や防具がもらえるというイベントが多かったと思うのですが、今年はそれに留まらない、HR999限定クエストのようなものもやりました。これは名前がサイトに載るだけで、賞品はもらえないクエストでした。お客様からは苦情もいただきましたが、その割には相当な数のお客様がクリアしているので、なんだかんだで狩りを楽しみたい方はいらっしゃると実感しました。これはやってよかったと思っています。狩人祭も新しい仕込みをいろいろやっています。「フォワード.3」以降も新しいことに挑戦していきたいですね。

 また、期間限定クエストの見直しもします。SRによりメリットのあるクエストをアップデート初週から10本は入れたいと思っています。HRのお客様もクエストに行けるし、SRであればさらにメリットがある、ということですね。その分、配信枠に制限があるので、人気のないクエストや、いまいちだなというクエストはどんどん切って行こうと思います。そういう大幅な見直しもやっていこうと思っています。

「フォワード.3」で実装予定の新要素と思われるビジュアルが公開されている

――「フォワード.3」のスケジュールはどうなっていますか?

杉浦氏: 来年になると思いますが、来年は面白い年になると思います。お客様があっと驚くような発表をします。いい意味でたくさん裏切れるようなものを、小野(CS副統括兼東京制作部長の小野義徳氏)と悪巧みしています。

――Xbox 360版について、何か考えている施策はありますか?

杉浦氏: 体験版のご提供ですね。現在は「MHF ダウンロード用ご利用コード」を取得しないとダウンロードできないのですが、これを「Xbox LIVE」上で完結させたいのです。まだ確定していませんが、そのシステムを今年度内には完成させたいと思っています。他にも、マイクロソフトポイントの「MHF」オリジナルイラスト入りカードを企画しています。

――以前から話は上がっていますが、グラフィックスの向上に関して、現時点で何か発表できるものはありますか?

杉浦氏:当然検討しています。近くもなく、遠くもない段階で何か言えればいいなと思います。

――7月には、杉浦さんが運営プロデューサーを務める「イクシオン サーガ」が発表されました。今後「MHF」との関わり方は変わっていくのですか?

杉浦氏: 「MHF」の運営責任者として、監修は続けていきたいと思っています。重要なところは私が判断しつつ、後輩育成という意味合いを兼ねて、他のスタッフに任せる部分は任せたいと思っています。「MHF」は長くやってきて愛着もありますし、決してぞんざいには扱えないタイトルですからね。

――出張レポートやネットカフェイベントから杉浦さんがいなくなるという心配はしなくていいのですか?

杉浦氏: 今のところは考えていません。ネットカフェのイベントも来年ですべての都道府県を回り終えて、秋には数千人単位で大きなイベントをやろうとも考えているので、その仕切りは私がやっていこうと思っています。

――それでは最後に、ユーザーにメッセージをお願いします。

杉浦氏: 「フォワード.1」は私の見込みの甘さもあって、最初のアップデートではやることが少ないとお叱りを受けました。コンテンツ開放のタイミングの配慮にも問題があって、それは本当に深く反省しています。オンラインゲームである以上、段階的に開放しなければならないものもありますが、お客様のプレイに配慮した方法はあるはずなので、ここはチーム一丸となって改善したいと思っています。また最初にもお答えしましたが、震災の影響で遅れたものが、今後にも影響するのかという心配の声もあるとは思います。もうそういうことはありませんので、ご安心下さい。

 「フォワード.1」ではお客様をがっかりさせてしまった分、「フォワード.2」でそこをどのように挽回するか、スタッフも頑張っていますし、その頑張りに私も期待しています。お客様にもぜひ期待していただきたいと思います。この記事が載るころにはアニバーサリーのイベントなどは終わっているはずですが、去年よりも気合が入っていたと思います。イベントやサービスの充実は「フォワード.2」でも大事にしていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。

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(2011年9月22日)

[Reported by 安田俊亮]