スクウェア・エニックス、「ファイナルファンタジー XIV」の最新情報を公開
世界観や都市の概要や、武器や道具で職能をチェンジする「アーマリーシステム」の詳細も

2010年サービス開始予定

価格未定



冒険の舞台となる雄大なエオルゼアのイメージイラスト

 株式会社スクウェア・エニックスは、2010年にプレイステーション 3およびWindows向けにサービス開始予定のMMORPG「ファイナルファンタジー XIV(以下、『FF XIV』)」の最新情報を公開した。

 今回公開されたのは、ゲームの舞台となる「エオルゼア」の3つの都市のイメージイラストを皮切りに、プレーヤーキャラクタとして選択できる5つの種族のプリレンダリング画像や、「FF XIV」で新たに導入される「アーマリーシステム」、「Guildleve(ギルドリーヴ)」といった新システムについても発表された。最新のスクリーンショットと合わせてご紹介していこう。



■ 多数の都市国家が覇権を争う冒険の地「エオルゼア」

 「FF XIV」の舞台となる「エオルゼア(Eorzea)」は、冒険者たちにとって冒険の最初の舞台となる場所だ。「ハイデリン」という世界にある小大陸「アルデナード」とその周辺の島々からなる地域の総称であり、そこに点在する都市国家が形成する文明圏の名前でもあるらしい。

 文明圏の中には、海の都「リムサ・ロミンサ」、砂の都「ウルダハ」、森の都「グリダニア」、山の都「イシュガルド」などの都市が含まれる。都市国家は建国神話など細部にわたって設定が作り込まれている。例えば、海の都「リムサ・ロミンサ」の設定は以下のようなものだ。

海の都「リムサ・ロミンサ」

大小の島が連なる美しい内海の都市国家「リムサ・ロミンサ」

 エオルゼアにある内海・ロターノ海に浮かぶ島にある、海洋都市国家。航海の神ルムレーンを守護神としている。湾内に点在する無数の小島や岩礁の上に渡された白い橋が作り出す気品のある町並みは、吟遊詩人から「ルムレーンのベール」と謳われる。建国神話では、母国の難を逃れた大船団がルムレーンに導かれて漂着したのが始まりとされる。そのため、いまでも領主に選出された者は「アドミラル(提督)」の名を冠する習わしがある。

 主な産業として漁業と造船業が挙げられるが、市民の過半数が従事しているのは海運業だ。そのため「バラク―ダ騎士団」と呼ばれる強力な海軍を有しており、現在では他国からも資金を募り、エオルゼア近海の海上治安を一手に引き受けている。しかし、ロータノ海にはいまだ海賊が跋扈しており、騎士団が意図的に見逃しているのではないかという疑惑が、他国との火種となりつつある。

 「エオルゼア」は南北で気候が激しく異なり、荒涼とした大地には巨大なモンスターがのし歩いている。決して人間に優しい土地ではない。都市国家同士が覇権を争い、蛮族や、未知の外敵が人間を脅かす。血塗られた歴史を持つ土地であるにもかかわらず、「エオルゼア」は“神々に愛されし地」と呼ばれて、多くの人々を引き寄せてきた。それは「エオルゼア」にある「クリスタル」がカギを握っているらしい。そんな「エオルゼア」を舞台にした「FF XIV」の時代背景は次のようなものだ。


    十二神の内の一柱を各々の守護神とする、エオルゼアの都市国家群。領地や権益、あるいは神々の解釈をめぐり、諸都市は合従連衡を繰り返しながら、長き戦乱の歴史を刻んできた。

    だが15年前、東の大国ガレマールによって6大都市一の強国アラミゴが陥されたことを機に、情勢は一変した。天空を航行する戦艦。連発銃で武装した兵士。共通の脅威をまのあたりにしたエオルゼア諸都市は、密かに軍事同盟を締結。「凪の時代」と呼ばれる、暫しの平和な時代を迎えたのだった。

    そして、現代。各国が正規軍の整備を進めたために不要となった傭兵や退役兵たちは職に溢れ、不穏分子と化していた。これを憂えた、さる傭兵隊長は有能な者を集めて互助組織を結成。様々なトラブルをよろず引き受けて解決する、新たな稼業を確立させるに到った。

    その名は「冒険者」。冒険の世紀の幕開けである。


砂の都「ウルダハ」のイメージイラスト
森の都「グリダニア」のイメージイラスト
各国家都市には、「エーテライト」と呼ばれる奇石がある。「監督官」に一定の対価を払うことで、別の場所にある「エーテライト」や、あらかじめ設定された「エーテリアルゲート」と呼ばれる場所まで瞬時に移動できる。ただし、再利用には時間をおく必要がある。


■ 「FF XI」の5種属とは似て非なる存在。「エオルゼア」に暮らす5種族を紹介

 すでに発表されたイラストやムービーにも登場していた、「エオルゼア」の住人たちについても設定資料が公開された。外見は「FF XI」の種族に似ているが、全く別の設定を持つ別の種族であることがわかる。発表された種族は「FF XI」と同じ5種族だが、種族はさらにいくつかの部族にわかれている。これがゲーム内でどのような意味を持つのかが気になる所だ。

「FF XI」のヒュームに似た種族ヒューラン(Hyuran)

―多様なる民―
ヒューラン(Hyuran)

 エオルゼアで最も人口が多く、過去3度にわたる大移動で近隣の大陸や島々から流入してきた民族。彼らが外の世界から持ち込んだ技や術、思想は、エオルゼア文明を飛躍的に高める原動力となった。出身地に起因する多種多様な言語・文化体系を強みとするが、そのぶん民族意識は低く、自由を是とする気風。低地に移住したミッドランダーと、高地に移住したハイランダーの2部族に大別される。


「FF XI」のミスラに似た種族ミコッテ(Miqo'te)

―孤高なる民―
ミコッテ(Miqo'te)

 大氷雪時代に獲物を追って氷結した海を渡ってきた狩猟民族の末裔。昼行性の部族サンシーカーと、夜行性の部族ムーンキーパーに大別されるが、いずれも鋭い嗅覚や恵まれた脚力など、ハンターとしての天賦の資質を備えている。エオルゼアではマイノリティであるうえ、同族間における縄張り意識が強いため、都市民でも単身で暮らしている者が多い。


「FF XI」のタルタルに似た種族ララフェル(Lalafell)

―機敏なる民―
ララフェル(Lalafell)

 元々は南洋の島々で暮らす農耕民族だったが、交易を通じてエオルゼアに進出。現在では定住し、主要構成民のひとつに数えられる(ただし、寒い地方は少なめ)。ずんぐりした小柄な身体からは想像しがたいが、健脚ですばしっこく、また機知に富んでいる者が多い。血族関係を大切にする傾向が強いが、決して排他的ではなく、どの民族ともそれなりに良好な関係を築いている。


「FF XI」のエルヴァーンに似た種族エレゼン(Elezen)

―崇高なる民―
エレゼン(Elezen)

 かつてエオルゼアで支配的地位を占めていた先住民で、神々に選ばれた民としての矜持を持つ遊牧民族。広大な原野に適応し、痩身長躯にして四肢長大。発達した耳は1リーグ先の野ネズミのくしゃみを聴き取れるほど。侵入者であるヒューランの民とは、死闘を繰り広げてきた過去を持つが、現在は辺境の民シェーダーなど一部の部族を除き、彼らと共存共栄の道を歩んでいる。


「FF XI」のガルカに似た種族ルガディン(Roegadyn)

―剛胆なる民―
ルガディン(Roegadyn)

 主に北洋を生活拠点としている海洋民族。大柄で筋骨たくましく、蛮勇を競い合う風習もあり、豪放磊落な者が多い。海の都リムサ・ロミンサで見かけるのは寄港中のゼーヴォルフ族の船乗りである場合がほとんどだが、中には傭兵や用心棒、あるいは海賊としてエオルゼアに定住している者たちもいるようだ。またウルダハでは、山岳部族ローエンガルデ族の姿も稀に見ることができる。


種族ごとの大きさの対比。これもまた「FF XI」とほぼ同じと考えて良さそうだ


■ 武器や防具を持ち変えることで職能を変える「アーマリーシステム」

 E3でのインタビューで「レベル制ではないが、ジョブチェンジシステムのコンセプトを引き継いだものになる」と発表されていたキャラクタ成長システムも、ようやくその一端が明らかになった。

 「FF XIV」の柱となる成長システムは「アーマリーシステム」と呼ばれ、武器や道具を持ち帰ることで手軽に職能を変えられるというものだ。プレーヤーキャラは「ファイター」、「ソーサラー」、「ギャザラー」、「クラフター」という4つの職能を持っている。この4つの職能は持っている武器や道具によって決まる。

 例えばソロの時には「ソード」を持って「剣術士」として戦闘しているが、パーティープレイの時には「スタッフ」に持ち変え「呪術士」にチェンジする。さらに「フィッシングロッド」に持ち変えて「漁師」に、「ハンマー」にすれば「鍛冶師」にという具合に、職能やルックス(防具)が変化する。職能は育てることで、職務「ジョブ」となる。1つの職能を集中して育てるか、様々な職能を持つゼネラリストを育てるかはプレーヤーの選択次第だ。

「ファイター」
武器を操る戦いの求道者
(剣術士、弓術士など)
「ソーサラー」
魔器を操る魔法の研究者
(呪術士、幻術士など)

「ギャザラー」
採集道具を操る自然の専門家
(園芸師、漁師など)
「クラフター」
生産道具を操る職人
(鍛冶師、調理師など)



■ 「ギルドリーヴ」を組み合わて、その日の都合に合わせたクエストを作る

金属のフレームに「守護天」と呼ばれる「エオルゼア」の聖人と、その徳行をモチーフにしたステンドグラスがはめ込まれている

 「ギルドリーヴ」は、冒険者ギルドが発行している仕事の委任パスの名前であり、これが「FF XIV」におけるクエストシステムとなるようだ。

 「ギルドリーヴ」は酒場の専用カウンターで見ることができ、ここにクエストの詳細や報酬などが書かれている。クエストはソロで受けてもいいし、パーティーで受ける事もできる。さらに異なる「ギルドリーヴ」を持ち寄ってクエストを共有することで、1つの大きなクエストにすることも可能だ。自由に組み合わせることで、毎日内容の違うクエストを作ることもできる。


【ギルドリーヴの一例】
聖ダナフェンの竜退治をモチーフにしたリーヴ。勇気を出して、人々を苦しめる恐るべき怪物を退治するのだ聖トトルのネズミ狩りをモチーフにしたリーヴ。たまには勤勉に害獣駆除に励み、人々から感謝されるのも悪くない斬れない剣を鍛え上げた聖ムールギンをモチーフにしたリーヴ。人々を助けるために、己の技を活かすのは今だ

【スクリーンショット】



(C)SQUARE ENIX Co.,LTD All Rights Reserved.

(2009年 8月 7日)

[Reported by 石井聡]