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Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

「ファイナルファンタジー XIV」プロデューサー田中弘道氏インタビュー
“成長”をキーワードに、レベル制からの脱却を計った新世代のMMORPG

6月2〜4日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center


 「ファイナルファンタジー XIV」Q&Aセッションに続いては、6月3日の午後に行なわれたメディアインタビューの模様をお伝えしよう。インタビューに応じていただいたのは「ファイナルファンタジー XIV」プロデューサーの田中弘道と、同ディレクターの河本信昭氏のおふたり。

 今回のインタビューはE3の過密スケジュールの中急遽行なわれたため、他誌との合同で、時間は30分、まだ言えないことだらけといった具合で、内容的には隔靴掻痒の感をぬぐえないが、「FF XI」との関連性に関しては、綺麗に判明した。「FF XIV」は、「FF XI」と同時並行して開発/運営される、「FF XI」とはまた別の完全新規のMMORPGになる。キャラクタのコンバートやデータの引き継ぎは一切できない。開発側としてはできれば同時並行して両方遊んで欲しいという意志を持っており、「FF XIV」のスタートにより、「FF XI」の運営が止まるというような心配はしなくて良さそうだ。

 まずはこのインタビューを通じて、プロデューサーの田中弘道氏と、ディレクターの河本信昭氏の両氏が、「FF XI」の開発/運営経験を元に、まったく新たなMMORPGを作ろうとしていることと、その意気込みのほどを見てみて欲しい。なお、基本的な情報については、直前に行なわれたQ&Aセッションのほうで網羅されているので、併せてごらん頂きたい。




■ ナンバリングタイトルにした理由と、気になる世界観、ジョブ、種族について

インタビューに応じていただいたプロデューサーの田中弘道氏(左)と、ディレクターの河本信昭氏(右)。見ての通り、インタビューは終始和やかな雰囲気で行なわれた
ナンバリングになることは実は4年前から決まっていたという田中氏

――まず始めに、「次世代MMORPG」として発表され、それから「ラプチャー」というコードネームが付いたりなど、この数年間に様々な変遷がありましたが、最終的になぜ「ファイナルファンタジー」のナンバリングタイトルにしたのか。その辺りからお聞かせして頂けますか?

田中弘道氏: 4年くらい前から開発の企画構想自体はあったんですが、実はもうその段階で「ファイナルファンタジー XIV」として作ろうという話はしていたんです。

――4年前から「XIV」にすることが確定していたわけですか?

田中氏: その間にもしかして別の「XIV」が作られて、「XV」になるかも知れないとは思っていましたが(笑)。「XI」を作った時に、なぜ「XI」にしたかというと、「ファイナルファンタジー」シリーズでMMOを作るときに、サブタイトルで「FFワールド」とか「オンライン」とやるよりは、やはり正統タイトルとして、自信を持って世に送り出したいためナンバリングにするというのは、当時まだ坂口さんが会社にいたとき、「ファイナルファンタジー」シリーズとしてそういうルールに決まりました。

 その後坂口さんが辞めて、そのルール自体がうやむやにはなったんですけど(笑)、作る以上、俺たちの本気というのもあったので、ナンバーでやろうと。それが作っていく過程で、いわゆるナンバリングタイトルにふさわしくない出来になったら、潔くナンバーはあきらめるという話はしていたんです。まあそれなりに、頑張って作ったのでナンバーとして出すということになりました。

――今回はエオルゼアという新しい世界が舞台になっていますが、世界観はどういうものですか? ヴァナ・ディールに似通った設定なのでしょうか。ムービーでは小型の飛空船的なものが出てきて、ちょっと空中戦的なものがあったりとか、ヴァナ・ディールとはかなり世界観が変わるのかなと言う印象を受けました。

河本信昭氏: 説明しますと、ヴァナ・ディールというのは世界全体の名前でしたけど、エオルゼアというのは地方の名前です。地方の名前ではありますが、これをメインでやっていこうかと。世界全体としては「ハイデリン」という別の名前を用意しています。世界観としては「FF XI」とはまた別の世界観になると思います。非常に高いテクノロジーがあったりもしますけど、やはり「XIII」であるとか「X」であるとか、ほかのゲームが少しSFライクになっている中、我々としては王道のファンタジーを作ろうという所は変わっていません。ただ「XI」とは違ったファンタジーが提供できるんじゃないかと考えています。

――ユーザーさんが気になっているであろう、ジョブ、種族についてどうなっているのか教えてください。

田中氏: アバターを「XI」と同じにしたいというのは、最初のコンセプトとしてまず「XI」のコミュニティ自体を「XIV」でも取り込みたいと考えたことがあります。アバターはプレーヤーの分身だと思うので、種族的な共通点は残そうと。ただ、それが今度のエオルゼアという世界観の中では、例えばガルカではなく、新しい定義の中で見た目は一緒なんですが、全然違う種族名が用意されているということです。

――タルタルとかミスラとかに類するものも当然出てくるだろうと。

田中氏: はい。「XI」でいた種族に相当するものは「XIV」の中にもいますけど、「XI」のそれとはまた別のものとして登場します。

河本氏: 呼ばれ方が別になるということです。

――種族は全5種類ですか?

河本氏: それに関してはまだお話しできません(笑)。ジョブに関してなんですけれども、我々も「FF XI」がこれだけ長く続いた原因の1つはやっぱりジョブシステムにあると考えています。なのであのコンセプトは持ち続けて、かつ拡大したいと考えています。ただし、ジョブシステムは全く異なるシステムになると考えています。その1つのきっかけというか、1つのキーと考えているのが武器をメインに仕掛けていければなと考えています。武器をメインに成長の仕方であったり、武器をメインに戦いの仕方が変わるように。ただし、もっとジョブとは違った、そのコンセプトを拡大した方向でそれをやっていくシステムにしたいと考えています。

――戦士とかナイトとか、「FF」シリーズ伝統のジョブはなくなるんですか?

河本氏: 同じものにはならないと思ってください。

――となると、上級職があるとか、そういうレベルの話でもない?

河本氏: ないですね。

――じゃあキャラクターの個性という点では武器が大きなテーマになるんですか?

河本氏: そうですね。かなり大きなテーマになります。

田中氏: さっきのプレスセッションで答えは用意していたんですけど、どなたからも質問がなかったので言う機会がなかったんですけど、今回経験値レベル制ではないんです。なにかしら別のシステムであるということです。

――それではキャラクター成長システムはどういったものになるんでしょうか?

河本氏: レベル制ではないけれど、ジョブのコンセプトを引き継ぐという点では非常に似通った所もあると思うんです。なので、その日その日で切り替えて遊んでもらって、かつそれを成長させたら今度はこっちを育てるといいことがあるかもというふうになればいいかなと。非常に曖昧ないい方ですが。

――例えば「Ultima Online」ようなスキル制の成長システムをイメージして良いですか?

河本氏: 完全なスキル制の成長システムというよりは、全く新しいものだと思った方がいいと思います。下手にスキルであるとかジョブであるとか固定した見方になってしまうと、ちょっとイメージが変わって来ると思います。そこはぜひ1回見てもらってから判断してもらいたいと思います。

――ずばり「XIV」の1番の売りとなる要素はなんだとお考えですか?

河本氏: キーワードで「成長」ということを言っていますけど、その“成長させるための仕組み”だと考えています。成長するために、どうやって成長させるのか。どうしても昔の「XI」の最初の頃だと、プルしてきて倒して、プルしてきて倒してという感じでしたけど、やっぱり辛いですよね普通にやっていると(笑)。

 できるだけ自然に、普通のオンラインゲームをやっていなかったユーザーさんに対して、「これをやったらいかがですか?」とこちら側からどんどんいろんなクエストを提供していって、それをクリアして行くことで自然に成長していく。もちろんFFならではのカットシーンであるとか、そういうイベントストーリーもあるんですけど、それだけではなくて、いろんなバリエーションのクエストをこちら側が提供していって、それで自然に成長していってもらう。そうする事によってまた1つ盛り上がる。成長をみんなで楽しむようにしたい。

――キャンプだとか、そう言う概念ではなく、どちらかと言えば最近導入されたフィールド・オブ・ヴァラーとか、そんなふうなイメージに近いかも知れませんね。

河本氏: そう言うのをもっと広い範囲で、根幹をなすシステムとして入れていって、今日入った時にはこれができる、明日入った時にはこれができる。明日何しようと楽しめるようなシステムにできると思います。



■ バトルは1対多から多対多へ。パーティープレイ推奨のゲームデザインにも変化

トレードマークのアロハで、元気に取材に応じていただいたディレクターの河本氏。ネタはたっぷり仕込んでいるがまだ何も話せないという印象だった
河本氏によれば、「FF XIV」のゲームデザインは、タイトルロゴに重大なヒントが隠されているという。この林立した武器は何を意味するのだろうか

――アクション要素など、バトル部分に関してゲーム性の面での変更点は?

河本氏: 戦闘のシステム自体も「FF XI」とはかなり変わったものになるとは考えています。どちらかと言うと、最近の流れでリアルタイム性を重視されることにはなっていくと思うのですが、それをアクションと言ってしまうとまったく違うものになってしまう。アクションではないです。ただし、やっぱり長い間楽しんでもらうためには、戦闘中にもっと考えることが増えていくバトルにしないといけません。

 ただ初心者の方にはそれを意識しなくてもいけるように、だんだんもっと高度な戦いをしたい人には、そこでタイミングであったりとかいろいろと考えることが出てきて、「XI」であってもアクションではないですけれども、タイミングを考える事があったり、位置取りを考える事もあれば、いろいろとあったと思いますが、そういう方向性を難易度を上げないレベルで考えていければ。決してアクションではないです。

――先ほどのセッションではソロでも、多人数でもといった楽しみ方がいろいろ用意されているよというお話でしたけれども、やはり時代性として、ソロプレイは今回意識されているんでしょうか?

河本氏: ソロは意識しています。ただ、ソロができるように作ってしまえばいいかというと、そういうものでもないと思うので、1番は先ほど言った成長の中で何をクエストとして出していくか。自然に人と出会えるように、自然に人と組めるように、そのために出会えなかったらソロでいい、というところをどんどんユーザーに対していかがですか?というどちらかと言うとおもてなしの心ですね、そういうものをもっと提供していきたい。今日なにすればいいんだろうと思わなくていいように、それはできるだけしていきたい。

田中氏: あとはパーティープレイをしたときに、みんなが殴って、みんなが回復しちゃうって1番気持ち悪いスタイルだと思うので、やっぱり役割分担ができるようなスタイルにしたいですね。パーティープレイはMMOである以上、1番の醍醐味だと思いますので。

――戦闘についてお伺いします。今回は多対多の戦闘を意識されているということでしたが、「多」というのがどれくらいの規模になるのかというのを教えてください。

河本氏: もちろん大規模戦闘というのも考えてはいるんですけども、普段のバトルから敵1体をたこ殴りするのはもうそろそろいいだろうというのが我々としても大きいテーマとしてありまして、敵自体もパーティーを組んで、普段の戦闘から、普段のさっき言ったクエストからそういうところをどうやって考えていくかといったゲームにしたいと思っています。

――例えば、敵が連携をしてくるみたいなことも考えられているんですか?

河本氏: いまはまだご想像にお任せします。

――新しいバトルシステムについて何かヒントを

田中氏: ちゃんと言えるような準備を今していますので、中途半端に言ってしまうと実は変わりましたとなりかねない。

――じゃあまだ完璧に決まってはいない?

田中氏: そうですね。特にまだバランス調整をやってみて、これはダメだと没になるかもしれない要素はまだまだあります。

河本氏: もちろん動いてはいるんですが、βをやっても変わる事って今までも何度もあったことなので、おそらくそれすら見て変えていくというのは、我々もずっと「XI」でやってきて結局そうなんだよね、と。やっぱりユーザーさんと対話しながら作っていくのが、我々としても1番いい方法だというのが経験則としてあるので、そこは変わらないと思っています。

――協力という話がありましたが、PKなど、他のプレイヤー間の関係は?

河本氏: PKというよりPvPというものに関しても考えて行かなくてはいけないと思っています。協力という意味で言うと、パーティープレイだけが協力の形ではないと思っています。

田中氏: PKやKSに関しては、「XI」と同じスタンスで考えています。そこはいわゆる占有権を出せるような形で解決をしています。

――戦闘以外の生産などの要素については?

河本氏: いろいろ考えております

――時間の概念は? 季節などは?

河本氏: 時間の概念はあります。季節はこれからになってくると思います



■ グラフィックスの目標とPC版の内容について

「FF XIV」のグラフィックス。無数の敵、バリアらしき光の壁、猫耳としっぽのキャラクタと、「FF XI」の味わいを若干残しているところが良い
露骨にガルカっぽいキャラクタの戦闘シーン。敵モンスターの描き込みが非常に綺麗になっているのがよくわかる

――公開されたトレーラーには、機械的な飛行物体のようなものが確認できますが、SF要素みたいなものは入っているのでしょうか?

河本氏: その辺りの細かい設定に関しては、まだ言えない部分があります。是非トレーラーを見て頂いて、ああいった要素もありますよというのが、今の時点では言える事になると思います。

田中氏: デザイナーがアートワークの方向性で考えているのは、最初にそのハイファンタジーを目指そうというのは根底にあったんです。いわゆる中世ファンタジーではない、もう少しモダンな感じのものにはなると思います。

――最初に水棲生物みたいな巨大なヤツが出てきましたが、あれはリヴァイアサンですか?

河本氏: 重要な存在であることは確かなんですが、まだその辺りはお答えできません。すいません。

――あと魔道士たちがバリアを張るシーンがあったり、っていうのもこれまでにない新しいものですね

河本氏: カットシーンとしての演出も当然あるんですけど、そういったバトルの要素であったりとか、ある程度象徴的な形でカットシーンの中に取り込まれていたり、そう言った形の象徴となるトレーラーにはなったんじゃないかと思います。

――最後にはチョコボも出てきて、その辺りは「FF」の世界観を引き継いでいるのかなと感じました。

河本氏: SCEAさんの発表会の中でチョコボがでてきた瞬間、想像していた以上に会場が沸きましたね。やっぱりああ「FF」なんだ、本当にそうなんだという。それまでみんな「え? どういうこと」みたいな感じで見ていたので、チョコボが出てきたときに、「ああ本当にFFなんだな」と。逆にそういう存在だからこそ、我々としても「FF XI」と同じチョコボでは出せないなという思いがあって、どうやってやろうかというのは、今悩んで色々考えています。

――グラフィックスについては、どの辺りを狙っているのですか。例えば「FF XIII」と比べてどうなのか、それからエンジンは何を使っているのか、それからDirectXのナンバーはいくつになるのか、その辺りを教えて頂けますか?

田中氏: MMOなのでいわゆるパッケージである「XIII」と比べると、画面に出るキャラクターの表示数が全然違うと思うので、1体辺りのグラフックのスペックというか、モデルの緻密さではたぶん「XIII」の方が上回っている気がします。エンジンに関しては「Crystal Tools」を「XIII」と「XIV」で使用しています。開発基盤は共通なのですが、すでに現在それぞれが「XIII」用、「XIV」用にカスタマイズをかけている状態なので、独自のものになっていますね。

――それでは「XIV」のエンジンの特徴は何なんですか?

田中氏: 今は詳しく言えませんが、今までのゲームではあまり使われていない技術とか、「XIII」でもあまり使われていないようなものを「XIV」独自に入れていたりするので、それは今後いろいろな場所でお話しする事になるかと思います。あとDirectXのバージョンについてはさっきも言ったようにβの動向を見てということになります。

――PC版の要求スペックや対応OSはどのようになりますか?

田中氏: 色々試してはいるんですけども、βの段階でどういうOSが主流になっているかを含めて、ユーザーの動向を見極めたいところがあります。まだ現在ではオープンな状態です。

――要求スペックはどれぐらいになりますか?

田中氏: 今回ちょっとカッティングエッジ的な所もあるので、「XI」よりはかなりスペックが高めだと思います。「XI」を出すときにもMMOなので5年、あるいは5年以上要求に耐えられるMMOにしようと、5年後に標準となるようなスペックのものを当時作っていたので「XI」ってはじめの頃スペック高すぎで結構叩かれていたんですが、今では普通にノートPCでも動きますから。そんな感じに今回の「XIV」は5年後くらいに標準になるようなものを、1番高いレベルに設定しています。

 Windows版の場合スケーラブルでもう少し低いところも入れて行かなければいけないと思っています。PS3やXbox 360といったハイデフ機とほぼ同等のスペックのものを作らなくてはいけないので、それなりにPCスペックを要求するかもしれないです。

――PC向けにベンチマークプログラムをリリースする予定はありますか?

河本氏: 作りたいですね。まだそこまで手が回ってないところはありますが、是非出したいねみたいな話は、このプロジェクトを立ち上げた頃から話したりはしています。ちょっと何かができるだろうみたいな話はしていたりはします。ただまだちょっとわからないですが。

――「XI」のユーザーさんからの要望が多かった、マントですとか剣の鞘のグラフックスというのは、技術の発展であるんでしょうか?

河本氏: いまにらめっこしながら色々考えているところではあるんですが、現時点ではお答えできないです。



■ BGMは植松信夫氏が全曲担当! ビジネスモデルは月額を想定

――音楽についてですが、コンポーザーに植松さんが復帰された理由と、サラウンドサウンドへの対応はどうなりますか?

田中氏: もともと「ファイナルファンタジー」シリーズのサウンドは植松さんのものだと僕は思っているので、今回も最初に植松さんの所に話を持って行ったんですよ。最初は植松さんは忙しいので、全部はやってくれないだろうなと思ったので「どう?」と聞いたら、「たまには全部やりたい」と(笑)。

――ということは今回は全曲植松さんの曲ですか?

田中氏: 全曲やってもらっています。サラウンドに関しては、現在5.1chを基準にしていますけれど、オンラインの場合、サラウンドフォーマットはADPCMだと容量の問題で配信が結構きついんですね。今回も5.1chを実現するためにその代替になるもう少し軽量なものを模索、研究しています。

――サーバーのキャパシティについてはどれくらいを考えていますか?

田中氏: 基本設計は「XI」とほぼ同じなので、1ワールドでの目標同時接続は5,000〜6,000人というところで考えています。後はワールドサーバー数をユーザー数規模に併せて増やしていく計画です。

――ワールド数はいくつくらいから始める予定ですか?

田中氏: こればっかりはわからないですね。まあでも「XI」を超えたいというのはあるので、なんとかそれを目指して頑張ります。

――じゃあまずは30ワールドから?(笑)

田中氏: 「XI」は最初16ワールドくらいですから、いきなり30ということは無いと思いますが、でも「XI」の時は、日本のPS2版からスタートして徐々にWindows版、北米版、欧州版と増えて言って段階を踏んでいますけど、今回はそれを一気にスタート時でやろうとしているので、それなりにスタートダッシュで増える見込みはありますね。

――昨今はコンシューマ機もネットにつながって当然、ハードディスクがあって当然という事があって、最初はかなり爆発的に人がきそうな感はありますね。

田中氏: 「XI」の時とは、全然環境が違いますね。

――ビジネスモデルについてはどのように考えていますか?

田中氏: いま「XI」は月額課金にしているんですけど、今回プレイオンラインを使わないで、スクウェア・エニックスID、いまセキュリティートークンと言われてますが、あれでいろんな決済システムに対応しようとしています。そこでベースになるのは30日課金。いま北米でも月額課金というよりは30日単位のアニバーサリー課金が主流になっているので、そちらでやっていこうと思っています。

――他のオンラインゲームみたいに、アイテム課金的なものを入れていくということは?

田中氏: 当面僕たちはあまり考えてはいません。

河本氏: やはり基本は月額で、ユーザーさんに納得できるものができるんであればというレベルの話で、話はしていますが、基本的にはアニバーサリー課金で。

――Xbox 360版については話し合いを継続中ということでしたが。

田中氏: そもそもこのタイトルの初期映像を4年前のE3のMicrosoftのプレスカンファレンスで発表してから話は続けているんですけど、なかなかお互いの妥協点が難しいところがあって、まあこれからもずっと話し合いは続けていきます。

さまざまなイメージを想起させてくれる「ファイナルファンタジー XIV」のイメージイラスト



■ 「FF XI」ファンが気になる「FF XI」との関連性について

田中氏は、将来的、最終的には「FF XIV」に1本化せざるを得ないのではないかと予測する
この人物は「FF XI」のヒュームに準ずる種族だと思われるが、若干雰囲気が異なる

――今回の「XIV」の発表で、少なからず現在の「XI」のユーザーさんの意識に影響を与えそうですが、今後の運営方針についてはどのように考えていますか。

田中氏: 当然「XI」と「XIV」を両方やるというのは時間的に厳しくなっては来ると思うんですけど、さっきも言ったように「XIV」に関してはある程度時間的な制約がある中でもプレイできるようないろんなシステムが導入されていますので、「XI」から「XIV」へ変更すること自体はそんなには苦ではないかもしれないです。ただ、「FF XI」は運営開始からもう7年たってだいぶ技術的にも古いもので拡張性が難しくなって来ていますので、どこかで「XIV」の方に自然にスライドして行かざるを得ないという事にはなっていくと思います。

――開発を担当された立場からすると、乗り換えて欲しいという希望はあったりしますか? それとも「XI」にとどまって欲しい?

田中氏: それはユーザーさんの選択だと思いますので「XI」をずっと続けたいという方は「XI」をやって頂く、「XIV」に興味があるという方は、もちろん両方やって頂くのも僕らとしてはいいですけれど。

――必ずしも行なって欲しいというわけではない?

田中氏: むしろ逆に「XI」で乗り遅れて、どうだろうなと思っていた新しいお客さんたちが「XIV」でじゃあ今度はやってみようかなと思ってもらえるといいかな、というのはあります。

河本氏: やっぱり先ほどもあったようにPS2のハードディスクを通販で買わないといけなかった頃に、やりたくてもやれなかったという方には、ぜひ「FF XIV」をプレイしていただいて、オンラインってこんなに楽しいんだ。MMOってこんなに楽しんだという所をもう1度、特に「ファイナルファンタジー」が好きな人に届けたいという想いが目標としてあります。だから「FF XIV」はライトな人たちにもやってもらいたいと思っています。

――アバター以外に「XI」との関連性はないんですか?

田中氏: 基本的にはないと思って頂いていいです。もし今「XI」をプレイして頂いている方が将来「XIV」に来るときに、例えば友達とはぐれたくないとかがあると思うので、例えば名前を上手く引き継げるようにできないか検討していますけど。

河本氏: 我々としてもコミュニティを引き継ぐということを1番重視しています。コミュニティを分けるのではなくて同じところで楽しんで頂ければというのが大きな仕掛けになると思うので、成長したデータを引き継ぐというのは、一切まったく考えていないんですけども、できるだけ自然と2つの所に入っている。今日はこっちに行こうか、もしくは今日はこっちが終わったから、これをやろうか、というようなことができることも考えています。

田中氏: 理想は今「XI」で遊んでいる人が「XIV」で遊んでいる友達を呼んだりとか、逆もまたしかり。最初のコンセプト的にはモグハウスから別のドアにでたらエオルゼアの世界だったり、そう言う多次元的なものを考えていたんですけどなかなかハードルが高く、難しいかなと。

――じゃあ引き継ぎに関してはレベルなりというものはないけれども、リンクシェルやフレンドリストといった部分はある程度引き継げるだろうと?

河本氏: そうですね。できる限りのことをどうやってサポートしていこうかという事を考えている所です。

――「XI」については、先ほどは今後1年くらいはまだアップデートの予定はあると仰っていたんですが、それ以降、もしかしたら開発は止まることもあり得るのでしょうか?

田中氏: いやそれはないです。ユーザーさんがいる限りは続けていきたいと思っています。いま「XI」チームと「XIV」チームで開発チームを分けてもう数年経っていますけど、それぞれが独自に動いてますので、「XI」チームはまだまだやりたい事がたくさんあるようですし。

――では、まだまだ「XI」をプレイしている人は安心しても?

田中氏: バージョンアップがここまでは間に合うけど、残りは次に回さないと厳しいみたいなことは言っているので。やりたいことはいっぱいある。次のバージョンアップでは「戦慄!モグ祭りの夜」という拡張コンテンツも作っています。そちらも楽しみにしてください。

――「XI」とはアバターを引き継ぐということですが、実は他のナンバリングタイトルと世界観が近いとか「FF」シリーズとしての関連性は何かありますか?

河本氏: 「FF XI」でもあったように、そういう小ネタや、システムもそこから取ってきたとか多いんですね。「XI」でもジョブなど色々あったと思うんですが、実際に今もうすでに考えている事もありますし、それにバージョンアップであるとか、色々な場面でそれは考えていくことになると思います。それをたぶん、こうやるんですと言わないで、「ああこう来たか」と思わせるのがやっぱり「FF」の醍醐味だと思うので、そこは「おっ」って思わせることができたら1番いいなあと。

――公開されているタルタルとおぼしき人物は見た感じ等身が上がっているような気がするんですが、こちらは意図といいますか、なにかあったりするんですか?

河本氏: この世界にあった絵を追求していった結果かなと。僕らとしても色々見ながらこんな感じあんな感じと色々な議論が、かなりもちろんタルタルとおぼしきあのキャラに関してはありましたけど、この世界に立たせてみてどうなんだろうという点を重視しました。

――では今公開されているものがこの世界ではベストなのかなあと?

河本氏: だと思います。

――ガルカとおぼしきキャラも、しっぽがないですしね。

河本氏: あれもいろいろやっていて、この世界に1番あうのはあれかなと。

田中氏: だからかなり種族ごとにプロポーションはだいぶ変わっていると思います。

――今回もガルカ的な種族の肩の上に、タルタル的なものが乗るような事もあったりするんでしょうか?

河本氏: その辺りはおいおいやっていきますので。



■ ストーリー性は「むしろかなり強化する方向に進む」(河本氏)

1年以内に新たな冒険が始まることは間違いなさそうだ。今後の発表に引き続き期待していきたい

――ストーリーに関してはまだお話しできないと思うのですが、気になっているのはストーリーテリングの技法についてです。「XI」では、カットシーンを多用したスタンドアローン型のRPGのような物語の展開の仕方が独創的でしたよね。この点について、「XIV」ではどういった新しい取り組みがあるんでしょうか?

河本氏: そうですね、あのスタンドアローン型の見せ方は、やっぱりこのスクウェア・エニックスという会社がどうしても得意としてきた部分があって、そこに関してはむしろかなり強化する方向に進むと思います。「FF XI」では、かつ一本筋ではなく、このストーリー、このストーリー、このストーリーと、アーティファクトクエストみたいに、遊び手のジョブによって違うストーリーがまた別に提供されるという形になっていました。「FF XIV」では、そこに関してはちょっとおもしろい仕掛けができるんじゃないかなと今回思っています。

――今回もやはりカットシーンがあって?

河本氏: むしろ圧倒的に「FF XI」よりも、まあ見て頂いたようにああいうシーンが存分に出てくると思います。かなりリッチになっていると思います。

――ほうほう、たとえば、会話のシーンではNPCがフルボイスで喋ったりしますか?

河本氏: えーと、どう回答しましょう(笑)。

田中氏: とりあえずお楽しみに(笑)。

――ストーリーがらみだと今回トレーラーが「再び」とか「あなたの歴史と物語が紡がれてきた」という話なんですけど、それはこの「XIV」内でのお話ということでしょうか?

河本氏: そうです。

――そういうプロローグがあって、その後の物語という?

田中氏: またウチの岩尾(賢一氏、「FF XI」プランナー)がいろいろやっているみたいです。今回トレーラーの色々なメッセージを岩尾やシナリオの佐藤弥詠子たちが作っています。何かしら仕掛けがあると思います。

――クリスタルというのも共通テーマとしてありそうですよね

河本氏: そうですね。またもちろん当然「XI」とは違った形になってくるとは思うのですが、当然取り上げられて行くと思います。

――プロデューサー、ディレクターとしてそれぞれ今回の作品に対する意気込みを聞かせてもらえますか?

田中氏: 満を持してと言うか、構想だけは4、5年経ってようやくお披露目することができたのですが、まだまだ実際MMOってサービスインしたところがスタートだったりするので、またこの次の5年10年なりをユーザーさんと一緒に作っていければいいなと思っています。ぜひ楽しみにしておいてください。

河本氏: いろんなストーリーがあったり、色々なコンセプトはあるのですが、それ以上に大切なのはやっぱり場を作る事だと思っています。新しい場を作る事が「XI」でも相当大変だったように、今回もめちゃくちゃ大変で、すでに苦労している問題はありますが、それでもやっぱりさっき言った、5年10年続けていく場を作るということに関してまずはどうやったら場を作れるのかという部分に意気込みを感じています。

――2010年サービス開始という発表がありましたが、来年にはβも始まって、来年内に正式サービスインも始まるということですか?

田中氏: そうですね。今言っている2010年というのは正式サービスインのタイミングなので、それに先んじてどこかのタイミングでβがスタートするでしょうね。

――今年中にβテストが始まりそうな気がしないでもないですね。

田中氏: それはご想像にお任せします(笑)。

――自分の中で「FF」を作っていく上でのテーマのようなものがあれば教えてください。

田中氏: 「FF XI」を作るときには、当時「FF1」を作った時に容量の関係でできなかったこととか、あるいは当時技術的にできなかったことをもう1回再定義しようというコンセプトで「XI」を作っていたんですが、それをもう1度「XIV」でも同じような形で、いま新しいハード新しい技術のなかで「ファイナルファンタジー」を作るとどうなるんだろうという事は考えています。「ファイナルファンタジー」って1作ごとに色々なコンセプトで作られていると思うんですが、根底に流れているのはクリスタルとか、あるいは属性の定義というのは常に共通ワードとして流れています。ケアルはケアルであり続ける。そういう世界観にいろんなフィーチャーを持ってきてストーリーが変わってということで、でもやっぱり「FF」であるというのは守って行きたいと思っています。

――つまりずっと「FF1」を守っていきたいという気持ちがあるということですか?

田中氏: その延長線上にずっとあるということです。

河本氏: 僕にとっても、さっきいった再定義という言葉がまさにその通りで「成長」というキーワードを出しましたけど、それも「ファイナルファンタジー」としてなんだろうと考えた時に、僕なりの再定義をしたのが「成長」だと考えています。成長して新しい物語の扉を開いていくのが「ファイナルファンタジー」だと思っていて、かつその成長の仕方が毎回変わらなくちゃいけないというのが「ファイナルファンタジー」であると。なのでいろいろもにゃもにゃ話しているのはそういう風に思っているからです。

――最後に、特に今回「FF XI」ユーザーさんは期待半分、心配半分だと思います。ユーザーさんに対してメッセージをお願いします。

田中氏: 「XI」は「XI」でここまで7年間僕らも続けられるとは思っていなかったんですが、非常にいいゲームに育てて頂いたので、これからも続けていきたい。「XIV」は、「XI」とは違うコンセプトのベクトルで作られていますので、また新たな楽しみを提供できるんじゃないかなと思います。ぜひ楽しみにして下さい。

河本氏: 「FF XI」というタイトルは僕自身も当然関わっていたワケですが、「FF XIV」にとって最大の友達であって、最大のライバルだと思っているんですね。友達にするかライバルにするかは僕らが決められることではなくて、やっぱりユーザーさんに決めてもらうしかないです。両方見てもらったうえで、「一緒に友達としてやっていけますか」という問いに対して「僕らは友達になれると思っていますよ」と常に言い続けていきます。そこをどうやったら友達になれるのか、どうやったらさらに競争して伸びていけるのかそこを一緒に考えていって頂ければ。ユーザーの皆さんとも一緒に考えて行こうと思っています。

――ありがとうございました。


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(2009年 6月 5日)

[Reported by 中村聖司 ]



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