HUE、3Dコミュニティサービス「POKIPOKI」にミニゲームを追加
フィールドで遊べる新しいミニゲーム「合戦」と「豆の木」を本日実装

7月7日実装

会場:ハンビットユビキタスエンターテインメント本社



取材に応じていただいた「POKIPOKI」担当チームリーダーの菅野真大氏

 株式会社ハンビットユビキタスエンターテインメントは、本日7月7日、Windows用3Dコミュニティサービス「POKIPOKI」の大規模アップデートを行なった。アップデートでは「合戦」、「豆の木」という2つのミニゲームを追加したほか、“POKIPOKIファッション ジェンダーフリー宣言!”と称して、すべての衣装を男女共用で使えるような変更も行なわれた。

 「POKIPOKI」は「ポキ」というアバターを作ってポキタウンやフィールドで遊べるコミュニティーサービス。豊富な衣装で着せ替えを楽しみながら、ミニゲームやペットの世話も楽しめる。いままでのミニゲームはゲームセンターのインスタンス内で行なうものだったが、2つの新ミニゲームはフィールド上で楽しむことができるのが特徴だ。

 「POKIPOKI」はこれまでにも何度かアップデートを行なってきたが、新しいミニゲームを追加するのはこれが初めてのことだ。今回は、サーバーへの実装に先立ち、一足早く2つのミニゲームを体験することができた。また「POKIPOKI」担当チームリーダーの菅野真大氏から実装の意図や、今後の方向性なども聞くことができた。体験プレイと併せて紹介していきたい。



■ フィールドで遊べる2つのミニゲームでゲーム空間を活性化

「合戦」は遊んでいる間もフィールド上にアバターが残る
新しく追加されるフィールドにある「豆の木」
今までのミニゲームよりは深みのあるものを目指した、と語る菅野氏

 「POKIPOKI」は“ポキ”と呼ばれるアバターを作って、友達と「ポキとも」になったり、ポキタウンにあるゲームセンターでミニゲームを楽しんだりしてコミュニケーションを楽しむサービス。以前は招待制だったが、段階的な限定解放を経て、4月21日に完全解放され、誰でもいつでも登録ができるようになった。

 「最初のうちは招待制というのが逆に話題性に繋がっていて良かったのですが、ある程度ユーザーが増えて来て、中の人が入れ替わるようになってくると、今度は招待制が枷になってきたのです。それでどうすればいいのかを考えて、最初は限定解除という形で1カ月だけ解放するような事をしていたのですが、4月21日に完全解放になりました。解放したことで、ベースの人数は増えましたから、今度はがっつり遊べるようなコンテンツを入れてさらに盛り上げていこうと思っています」(菅野氏)

 そんな運営側の方針が、今回の新ゲーム実装にも繋がったようだ。そもそも「POKIPOKI」はミニゲームの豊富さが売りで、ポキタウンにあるゲームセンターでは「トイレダッシュ」など8つのミニゲームを楽しむ事ができる。しかし、これらのミニゲームは、プレイするためにはルームを作成してプライベートエリアに入る必要があり、ゲームをしている間はフィールド上から見えなくなってしまう。

 「せっかく着飾っていても一緒にゲームをしている人にしか見てもらえないとか、友達が見つけられないとか、そういう要望がありまして、ポキタウンやフィールド上でそのまま遊べるようなコンテンツを作れないかと考えていたのです。オンラインゲームってそこに人がいるという感覚がすごく重要じゃないですか。よくあるようなMMORPGだと、首都に行くとずらーっと人がいて。実は中身はいなくて不在放置かもしれませんが、それでも人がいる感の演出が重要なんですね。『POKIPOKI』はミニゲームは充実しているんですが、他の人が見えないという問題があった。だから今回の新ゲームは、アバターがそこにいて、誰にでも見えるという部分を重視しました」(菅野氏)



■ 純和風のトレーディングカード風ゲーム「合戦」

フィールド上のどこでも相手に対戦を申し込む事ができる
4つの兵科のうち3つの攻撃ユニットは、じゃんけんの3すくみのような関係

 「合戦」は、フィールド上のどこででも遊べる対戦ゲームだ。対戦人数は1対1から3対3まで自由に選べる。遊び方は対戦したい相手を右クリックして、対戦を申し込むだけときわめて簡単。申し込みの時に、賭け金をなしにするか、ゲーム内通貨を賭けるかを選ぶことができる。勝利すれば、参加者が賭けたお金を報酬として受け取ることができる。ゲームは、ボードを間に挟んで向き合った形で行なわれる。「合戦」という名前の通り、戦国時代の合戦を思わせる純和風な雰囲気のゲームだ。

 「最初に考えついたのはトレーディングカードゲーム(以下、TCG)でしたが、本格的なTCGにすると難し過ぎるということで、じゃんけんをベースにTCGの要素をいれた新感覚のゲームを作ろうと言う事になりました」(菅野氏)

 プレーヤーは4種類ある兵科から1つを選んで、使用する対象を選択し、さらにデッキから使用するカードを選んで同じように対象を選択する。兵科には「騎兵」、「弓兵」、「槍兵」の攻撃ユニットと、防御ユニットの「籠城兵」がある。それぞれの兵科には以下のような特徴がある。

「攻撃ユニット」

  • 騎兵:槍兵に強く、弓兵に弱い
  • 槍兵:弓兵に強く、騎兵に弱い
  • 弓兵:騎兵に強く、槍兵に弱い

    「防御ユニット」

  • 籠城兵:全兵科からの攻撃を最小限に防ぐ

     強い兵科は弱い兵科に200ダメージを与え、同じ兵科同士ならお互いに100ずつダメージを受ける。そうやってターンを重ねていき、先に相手の体力を0にすれば勝利となる。兵科と共に選ぶカードには、特定の兵科を攻撃したり、回復したり、全体に攻撃をしたりするような様々な効果がある。カードは1ターンに何枚でも使う事ができるが、1回のゲームで使える最大枚数は20枚で、使用するごとに気力を消費する。カードの★マークが気力消費の目安で、多いものほど消費が多くなる。

     カードは1ターン事に補充されるが、1度に6枚までしか表示できないので、前のターンにカードを使わずにいると、場が7枚以上になるとどれかを破棄しなくてはならなくなる。つまり、相手が次にどの兵科を出してくるかを読みながら、カードを有効利用しつつ戦略を練る必要があるわけだ。

     デッキに使うカードは、新規にキャラクターを作ると20枚が無料でもらえるほか、ショップで購入することもできる。ゲームをするために必要な基本のカードが入った「スターターパック」はゲーム内通貨での購入。レアカードなどより戦略性の高いカードの入った「ブースターパック」はアイテム課金での購入となる。

     「カードは順次追加していく予定です。アバターのおまけに付けたりするのも検討中です。例えば西洋風の騎士なんかも企画段階としてはあります」(菅野氏)

     アイテムを入れるバッグの中に「カード」という項目があるので、そこで購入したカードをデッキに組むことができる。デッキは3パターン作る事ができるので、ソロ戦やグループ戦など状況に応じたデッキを保存しておける。カードはもちろんトレードできるので、友達と交換しあったりと、コミュニケーションの道具としても使える。


    約20種類のカードからどれを選ぶかが重要

    2対2、3対3の対戦も可能。仲間と一緒に盛り上がれる

    「合戦」に使うカードはショップで購入することもできる
    4種類ある兵科ユニットの設定イラスト



    ■ 「豆の木」になぜ登るのか? そこに豆の木があるから

    豆の木の葉っぱやつたを足がかりにして登っていく
    落ちると、運良く足場に引っかからない限り真っ逆さまに地上まで落下する
    菅野氏にも挑戦してもらったが、なかなか上手く登れない

     もう1つのミニゲーム「豆の木」は、フィールド上に突然出現した新エリアだ。エリアの中には巨大な豆の木がドンと鎮座しており、キャラクターは自由に登ることができる。豆の木の横にはどれくらいまで登ったのかがわかるように、全体図の中に自分や友達の位置が表示される。

     「特にこれといったルールがあるわけではなく、ただ上を目指して上がっていってもらうというものです。現在は140メートルまで登ることができて、上がるほどに風景が変わっていきます。登るぞという挑戦心をあおるようなものにしたいと思いました。ファミコン時代の原点に戻ったような、上に登るだけだけどテクニックや洞察力が必要なコンテンツです」(菅野氏)。

     韓国ではすでに実装されていて、わずか20分で頂上に登ってしまった猛者もいたそうだ。筆者も試してみたが、足場が想像以上に滑りやすく、登っていくのはそれほど簡単ではない。

     「下の方は比較的優しい設定ですが、中段以降には2段ジャンプをしないと登れない所や、近道が隠れているパズル的な要素もあります。タイムアタックもできるので、皆さんで競争したり、自分のタイムを縮めたりといろいろな遊び方ができると思います」(菅野氏)

     豆の木の上部にいるNPCに話しかけると、そこでしか手に入らない記念品を受け取ることができる。NPCは複数おり、特定のNPCは、ワープ機能も備え、タウンから直接行き来することも可能なようだ。また、上にいるNPCがくれるアイテムを使うと、タウンにワープできるチケットももらえる。

    「報酬の中身は見てのお楽しみです。例えば宇宙にいく手前では、宇宙服とかそういうものを用意しています」(菅野氏)。


    上に上がるにつれて、風景がどんどん変化していく


    ■ ファッションの幅が一気に倍に。男女の衣装を共有化

    男の子アバターも、こんなに可愛くなれる!
    「ファッションに力を入れているゲームだから、自由度は高い方がいい」と菅野氏

     上記2つのミニゲームの他に、“ジェンダーフリー宣言”と称した仕様変更が行なわれる。これは今まで男女別に分かれていたファッションアイテムを、有料のプレミアムアイテムも含めてすべて男女どちらでも着られるようになるというもの。もちろん、男の子アバターにドレスやスカートを着せることもできる。

     「世界観がはっきりしているMMORPGだとこういうことはできないじゃないですか。『POKIPOKI』はファッション性を前面に出したサービスなので、こういうコーディネイトがあってもいいのではないかということで、今回の調整をしました。今後はすべての装備が男女共用になります」(菅野氏)。

     実は共用化を考えるきっかけになるアクシデントが過去にあったそうだ。

     「1度、不具合で女性用のファッションを男性も着られてしまうという事があったのです。それを修正した時に、どうして修正するんですがと、結構な数のユーザー様から苦情がきたんです。せっかくファッションに力を入れているサービスなのだから、自由に着られるコーディネイトの幅を広げて楽しんで頂くのは、新しいコミュニティーの場を作る事にもなると思うのです」(菅野氏)


    「合戦」に先行して追加された、真田幸村と直江兼継の鎧


    ■ 今以上に広い年代や性別の人が参加するコミュニティ作りを目指す

    菅野氏は「年代や性別に偏りのない広いコミュニティを目指したい」と今後の目標を語ってくれた

     細かいアップデートでは、4月21日に、セキュリティーソフトのnProtectが外され、他タイトルとの同時起動ができるようになった。例えば、同社の「グラナド・エスパダ」を起動しながら「POKIPOKI」でも遊ぶことができる。「POKIPOKI」のユーザー層は7割が10代の女性だが、これにより男性が圧倒的に多い、オンラインゲーム層の獲得も狙っていくようだ。

     「狩りの空き時間や、友達を待っている間などにがっつり遊んでもらえます。POKIPOKIはどちらかと言うとコミュニティに特化しているのでメインのゲームがある方が、合間に遊ぶのに適しているのではないかと。そういうコンセプトに添って、いまいる方にはファッションアイテムのボリュームアップをしていくことで楽しんで頂いて、さらに『合戦』や『豆の木』を通じて20代までユーザー層を広げて、活性化させていきたいという狙いがあります」(菅野氏)。

     ゲームの最中に遊ぶゲームとして、今後は同社の他のゲームとコラボレーションしていく事も考えたいと菅野氏は語る。ひょっとすると将来、「グラナド・エスパダ」の衣装が「POKIPOKI」に登場してくるかもしれない。

     「後はせっかくハンビットがやっているのだから、ハンビット色をもっと出してもいいのかなと思っています。いまは社内で検討中の段階なので、今後に期待して頂ければと思います。今回は今までとは全くコンセプトの違うゲームが入りました。合戦はじゃんけんをベースにしたどなたでも遊べるゲームです。ぜひとも遊んでいただきたいと思います。豆の木は自分との戦いという形で、どんどん遊び方が見つかるコンテンツになると思います。どちらも面白いと思いますので、ぜひ遊んでください」(菅野氏)。

     4月の完全解放を皮切りに、多世代のコミュニティスペースを目指して大きく舵を切った「POKIPOKI」。ゲームの合間に遊べるサブゲームとして、年代性別を問わない多くのユーザーを掴めるか夏以降の動きに注目したい。


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  • (2009年 7月 7日)

    [Reported by 石井聡]