「真・三國無双 Online」初の拡張パック「神将乱舞」体験レポート
多数の新要素を含む過去最大のアップデート。同時24人の「乱戦」も実現


3月17日リリース予定



メインビジュアル

 コーエーが開発し、CJインターネットジャパンが運営を展開するMMOアクション「真・三國無双 Online」に、初の拡張パックとなる「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」が3月17日に導入される。これは、これまでの「Revolution 2」、「Revolution 3」と続いてきた大型アップデートを越える規模のゲーム拡張であり、12対12の多人数対戦「乱戦」を筆頭に、多数の新要素が一挙に導入されるものだ。

 その概要については、3月11日にコーエーが開催した「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」のお披露目会の記事でお伝えした通りだ。そしてその翌日、本作を運営するCJインターネットジャパンにて、最新のバージョンを実際に触れることができたので、そこで得られた「神将乱舞」の詳細な情報を改めてお伝えしたい。また、本作の開発を担当するコーエーの開発プロデューサーの藤重和博氏、および開発ディレクターの今村一太氏に対するインタビューの模様についてもお伝えする。

【「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」プロモーションムービー】


■ 多数の新要素を導入して生まれ変わる「真・三國無双 Online」

今回取材に協力いただいたCJインターネットジャパンで本作のプロダクトマネージャーを務める木部高広氏

 3月17日にスタートする「神将乱舞」は、通常の大型アップデートでは不可能な規模の追加要素を含む「拡張パック」だ。呼び名は「拡張パック」となっているが無料で公開されるので、ユーザーはそのまま「真・三國無双 Online」にログインすれば自動でアップデートが行なわれることになる。

 そこで追加される要素は、全く新しい多人数対戦のシステムである「乱戦」をはじめ、アイテムを制作できる「錬成」、その他多数あり、すぐには全容を把握することができないほどだ。拡張パックの導入と同時に新シナリオの「赤壁大戦」も開始される。ここではそれらの情報をまとめ、3月17日を機に「真・三國無双 Online」がどのように変化するのか、ご紹介していこう。


・ 24人のプレーヤーが戦場に乱舞し、腕と戦略を競う「乱戦」

総勢24人のプレーヤー武将が戦場に乱舞する新対戦システム「乱戦」。毎週末にイベント的な形で開催される

 まず最大の目玉となるのは、新しい対戦システムである「乱戦」だ。「乱戦」は、これまでの4対4で戦う「激突」の対戦形式とは別個に加えられた新要素で、ひとつの戦場に12対12、総勢24人のプレーヤーが集まって戦うものだ。また、「乱戦」はイベント的に開催される対戦形式であり、当面、参加するには週末の「乱戦」開催時間を待ち、参加予約をする必要がある。

 「乱戦」は多人数対戦ということで勝利条件も「激突」とは異なっており、「拠点」の占領や「敵兵の撃破数」がそのまま勝利条件になるのではなく、真の目標は敵の「兵糧」をゼロにするということだ。

 「兵糧」は、各陣営のライフバーのような形で画面上部に表示されており、ゲーム中はいつでも有利・不利を確認できる。そして、敵の「兵糧」を減らす方法は2種類。「拠点」を確保することでじわじわ減らす方法と、敵の「兵糧庫」を直撃して一気に減らす方法だ。

 「拠点」を確保する方法では、当然、勝利のためには敵方よりも多くの拠点を保持し続ける必要があって、勝利までに時間もかかる。一方、「兵糧庫」を攻めて、兵糧庫の四隅に設置してある「火薬箱」を破壊して「火計」を発動すれば大逆転も可能だが、「兵糧庫」を守るNPC武将や雑兵は一般のものより格段に堅く、ひとりではまるで歯が立たない。「火薬箱」もひとりやふたりでは、ダメージを与えているのがわからないほどの堅さなので、少なくとも4、5人以上のプレーヤーが一致団結して攻める必要があるのだ。

 そのため共に戦う12人のチームは、「拠点」の奪取や維持に人数をかけるか、それとも全力で「兵糧庫」を攻めるか、全体の作戦方針を明確にすることが大事だ。そこで、「乱戦」では各プレーヤーが自分の役割をより良く果たすための「方針」というシステムを実装している。これは、キャラクタ個人の特定の能力を大幅に強化する代わりに、他の能力を少し犠牲にするという仕組みだ。「攻撃」、「守備」、「破壊」、「移動」、「全体」の5種類があり、対戦開始時に設定できるほか、対戦中にも、マップ上に所々ある「石柱」を叩くことで変更が可能だ。

 「乱戦」に参加する各プレーヤーは、自分が果たしたい役割を元に、例えば「拠点」を守ることに集中するならば「防御」の方針に設定して、防御力を高め、「兵糧庫」を攻めるなら方針を「攻撃」か「破壊」に設定、敵の守りが手薄な拠点を探して素早く攻めるなら「移動」に設定、全体的にそつなくこなしたいなら「全体」に設定するという案配になる。いわば、チーム戦型FPSにおけるクラスシステムを、常時切り替え可能にしたようなものとなっている。

 チーム内のプレーヤーがどのような「方針」を選んでいるかは常時メイン画面上で判断できるようになっているので、それを参考に、自分の役割を決めていくこともできる。こういったシステムを含め、「乱戦」は従来の4対4の「激突」に比べてかなり戦略性が増している。プレイできるのは週末の「乱戦」開催時間帯に限られているが、これまでとは全く違ったプレイ感覚を得ることができるだろう。


「乱戦」に参加するためには、週末の開催時間帯に城門前のNPC「参軍」に話しかけ、参加予約をしよう。予約後は、戦いの開始時間になればプレーヤーが何をしていても自動的に参加となるため、それまで街で他のプレーヤーと作戦を語り合ってもよいし、未消化の「特務」などを進めていてもいい。「乱戦」の目標はあくまで敵の「兵糧」を減らすことなので、敵との直接対決にあまり自信がなくても、上手く立ち回れば勝利に貢献できる。戦況をよく見て戦おう


・ 新たな消費アイテムの合成や服飾のカスタマイズができる「錬成」

「染色」前
「染色」後

 今回のアップデートでついにアイテム制作の仕組みが導入された。本作では「錬成」と呼ばれるシステムで、戦場で使える消費アイテムを「合成」したり、既存の装備をカラーチェンジする「染色」や、既存の服飾を元に新たな服飾が作れる「仕立て」を行なえるというものだ。

 「錬成」を行なうためには、まず自分の屋敷に錬成用家具を設置する必要がある。家具は「合成」を行なうための「錬成鼎(レンセイテイ)」、「染色」と「仕立て」を行なうための「錬成機」がある。また、それぞれの高ランク版である「錬成鼎・改」、「錬成機・改」が無双コインアイテムとして用意されている。「錬成鼎・改」を使えばより高ランクのアイテムを作ることが可能になり、また、「錬成機・改」を使えば高ランクの「染色」と「仕立て」の成功確率が高くなる。

 まず「錬成鼎」を使って作れる消費アイテムは、「炎玉」、「氷玉」といった材料と、「処方」、燃料となる「錬丹(レンタン)」の3種が必要。いずれもドロップアイテムとして戦闘中などに獲得でき、材料そのものはアップデート前から入手が可能なので、大量に所有しているユーザーもいることだろう。合成に成功すると複合的な効果を持つなど強力な消費アイテムを獲得でき、戦闘で使うことが可能だ。

 この「合成」を成功させるためにはある程度の「錬成スキル」が必要となるが、これは「錬成」を繰り返すことによって向上していく。はじめは成功率50%程度だが、続けていくうちにだんだんと成功率は高まり、やがて高ランクのアイテムも作れるようになる。ただ、失敗すると材料を失ってしまうので、熟練の錬成者になるまでにはなかなか険しい道が待っていそうだ。

 「錬成機」で行なう「染色」のほうは、既存の服飾と特定の「染料」を組み合わせることで、装備の色を変えるというものだ。染色の結果決まる色は、「染料」によって決まっているため、好みの色に変えるためには対応する「染料」を入手する必要がある。

 また、ドロップアイテムとして入手できる珍しい布などがあれば、既存の装備を「仕立て」ることで新たな見た目にすることができる。こちらも「染色」と同じく装備の性能に変化があるわけではないものの、「錬成」全体の仕様として、時々想定外のアイテムに変化することがあるという。大失敗になるか、大成功になるかは運任せだが、これによってしか手に入らない珍しいアイテムもあるということなので、失敗をおそれず積極的にチャレンジしてみるのも一興だ。


「錬成」用の家具には、共同使用できるものもある。まずはこれでやりかたを覚えてみるといいだろう


・「無双盤」、副将システムの拡張など、様々な追加要素

無双盤。毎日指定された武将からスタンプを押してもらう
副将「狼」と共に戦場へ出る

 今回のアップデートでは他にも様々な追加要素が組み込まれている。そのうちのひとつ、「無双盤」は、毎日プレイするユーザーがご褒美をもらえるシステムだ。「無双盤」は一種のスタンプカードで、1日に1度、所属陣営内で指定された武将に会いに行くと、スタンプを押してもらえるというもの。「無双盤」には5×6の全30マスがあって、全部集めるには最短で1カ月ほどかかるが、スタンプを沢山あつめると珍しいアイテムや装備がもらえるので、毎日忘れずに武将に会いに行くようにしたい。

 副将のシステムにも変化がある。副将のレベルキャップが20から40に拡張されたほか、これまで1つだった戦闘スキルについて、レベルキャップ上昇にともなってさらに上位スキルを獲得できるようになり、強力なものになった。さらに副将に「意欲」というパラメータが追加され、これが高い状態で戦場に連れて行くと、戦闘終了時に「献上品」として副将から追加のアイテムを獲得できる。「意欲」を上げるためには新たな消費アイテムを「食事」コマンドで与えることが必要だ。

 また、副将として初の動物キャラクタとなる「狼」が追加されたことも見逃せない。獲得の条件は、期間限定の特別な「特務」となっている。扱い方そのものは、これまでの人間型副将と同等であるものの、孫権と虎の間に深い縁があったように、三国志の世界観にマッチした形で、プレーヤーの個性を演出できるというわけだ。さらに「親密度」の高い副将は「護衛官」として街に連れ出すこともできるため、ますます賑やかになりそうだ。

 ギルドシステムについては、ギルド部屋の拡張の最大ランクがさらに1段階拡張された。これによりギルドの所属人数が最大24人から48人まで拡張される。またこれにともなって、複数のギルドを「合流」させて、ひとつのギルドにする方法も用意される。少人数で伸び悩むギルドを運営しているなら、思い切って他のギルドと合体してしまうというのもひとつの手段になるわけだ。

 もちろん、拡張パックの導入と同時にスタートする新シナリオ「赤壁大戦」にともなう変化もある。今回のシナリオからはゲームの舞台が曹操・孫権・劉備の三国体制となり、これぞ三国志という時代に突入する。所属可能な陣営は3つのみとなり、さらに濃密な戦いが展開されることになるだろう。また、これに際して新武器や新服飾ももちろん導入される。武器は人気の武将使用のものがそろい踏み、服飾に関しては動物をイメージさせるユニークなものになっている。画像は下図を参照していただきたい。


新シナリオ「赤壁対戦」は、曹操・孫権・劉備が覇を競い合う、まさに三国志らしい時代が舞台となる

新戦場の「連峰」。狭い山道や吊り橋が連なり、プレーヤー同士の対決が激化しそうなマップ構成となる

曹操の「将剣(ショウケン)」祝融の「投狐刃(トウコジン)」関平の「斬馬刀(ザンバトウ)」

「童虎連牙袴(ドウコレンガコ)「大熊猫愛裘(ダイユウビョウアイキュウ)」


■ 開発プロデューサー・ディレクターインタビュー
 開発に1年以上をかけた大型拡張パック。そこに込められた魅力とは?

 「神将乱舞」で導入される新要素の紹介に引き続き、開発者インタビューをお伝えする。今回インタビューに応じてくれたのは、本作の開発を担当するコーエーの「真・三國無双 Online」開発プロデューサー藤重和博氏と、同開発ディレクターの今村一太氏。今回の拡張パック開発に際しては12対12の大規模対戦システムの導入など、大きな労力を投入したようだ。

 そういった努力を注いで作られた拡張パック「神将乱舞」がどのような楽しみをユーザーに届けることになるのか、開発側の中心に立つおふたりに語っていただいた。

今回のインタビューに応じたコーエーの本作開発プロデューサー 藤重和博氏(右)と、同開発ディレクターの今村一太氏(左)

──まずは「真・三國無双 Online」の現状からお伺いします。ユーザー数など、数字としてはどのようになっていますか?

藤重和博氏:具体的な数字はお話できないのですが、登録数は30万人を超えまして、同時接続数や1日のユニークユーザー数といった数字も、リニューアルする前(※編注:基本プレイ料金無料化以前を指す)と比べれば5倍以上になっています。サービスとしては順調に行っているところだと思っています。

──客単価についてはいかがですか?

藤重和博氏:具体的な金額ではお話できないのですが、同様のビジネスモデルで展開している他のオンラインゲームの一般的なレベルと同じくらいであると、ご想像いただければいいかなと思います。

──そういった中で今回、「拡張パック」をリリースされるわけですが、コーエーさんでは毎回、大きなアップデートにユニークなサブタイトルを付けていますよね。今回それは「神将乱舞」ということで、このタイトルに込められた意味はどのようなものなのでしょうか?

藤重和博氏:大きなコンテンツ拡張ということで、きちんとしたサブタイトルをつけてユーザーさんにお届けしようという考えが基本にありました。その中でのメインコンテンツとなるのが戦闘システムの大きな拡張、12対12で対戦できる「乱戦」となります。その12という数字には「十二神将」といった意味合いもあり、そこから「12人のすごい武将達が戦場で活躍する」というイメージを込めて「神将乱舞」という形にしました。

──「乱戦」は既存の対戦人数を大きく超える同時24人対戦ということで、実現のためには技術的にも難しい点があったのではないでしょうか?

今村一太氏:そうですね、そこは素直にもう大変でしたね(笑)。この規模の拡張をやるというのは、なかなか普段の「大型アップデート」の開発期間だとどうしようもないところがあります。最初の4対4の対戦システムを作る際にも、2年3年という期間をかけて作ってきた経緯があるなかで、やはり今回も1年以上をかけて、12対12の技術的な検証を行なったり、ゲーム仕様も調整して、面白さの検討もしながら作り上げてきました。

藤重和博氏:検証期間は相当長かったですよね。

今村一太氏:長かったですねえ(笑)。

──既存の4対4の対戦とは全く別のシステムで動いているということですか?

今村一太氏:そうですね、基本的にはまず人数が増えるだけでなく「遊び方」が変わらないと面白くありませんから、12人じゃないとできないことをやろうということで、システム的にも、実は見えないところでものすごい改良を施しています。

──なるほど。さらに「乱戦」には「参加予約」のシステムが入りましたね。これで「乱戦」は、ギルドでまとまってプレイする人だけでなく、個人でも参加しやすいものになっていると思いますが、そういった方達にどのような遊び方をして欲しいと考えていますか。

藤重和博氏:まずは、とにかく入ってみて楽しんでください、というのが率直なところですね。普段「激突」で楽しんでくださっているお客様が沢山いて、それだけでも嬉しい状況だと思っているんですけれども、今度は金土日といった週末に「乱戦」が開催されますので、それを通じてちょっと違った遊び方で楽しんでいただきたいなと思います。

──「乱戦」では武器の強化がひととおり終わった状態でゲームがスタートするなど、ある意味でライト向けとも取れる仕様が盛り込まれていますね。

藤重和博氏:そうですね、とにかく気軽に対戦のアクションを楽しんでいただけるという、そういうところがこの企画自体の根底にあります。「強化された状態で始まる」という実際の戦闘システムもそうですし、マッチングの部分でも、他のことをしながらでも開始を待っていられるところなど、色々な面で遊びやすさに配慮しようという姿勢で作ってきました。

今村一太氏:実際、ユーザーさんの声でも、見ず知らずのプレーヤーが集まっている対戦に入るのがなかなか難しいという部分もありましたので、今回は「予約」という形で入りやすくしました。また「激突」では戦いの結果、各参加者の活躍度がランク付けされますが、「乱戦」では行動の結果は出てもランク付けはされないというふうになっています。ですので、気軽に参加して、12人の仲間と戦って、その中からまた継続して仲良くなれることがあればいいな、という思いも込めています。

──なるほど。そういった拡張を施した「神将乱舞」ですが、これまでの拡張では「大型アップデート」という形を採っていたのに対して、今回「拡張パック」という扱いになったのはどうしてでしょうか?

藤重和博氏:いわゆる「大型アップデート」でご提供できる規模と、弊社でいう「拡張パック」でご提供できるコンテンツの規模にはどうしても違いがあるからです。やはり「拡張パック」という形でご提供させていただくものについては、しっかり開発期間をとって作ることができます。それだけ力を入れたものをユーザーの皆さんに楽しんでいただきたいというのが根底にありました。

──しかしながら、形態としては無料で利用できるものになりましたね。

藤重和博氏:はい、そこは大きな決断でした。有料にしようか、無料にしようか、どうしようという話もあったのですが、最終的には無料でいこうと。

──有料で提供したくなるほどの内容であると?

藤重和博氏:そうですね、本来は、弊社の他のオンラインゲームで有料でご提供している追加コンテンツに比べて、内容的に匹敵するものだと考えています。ですがせっかくの機会ですし、沢山のお客様に遊んでいただくためのビジネスモデルを進めていますので、それを金額で障壁を上げるのは避けました。コンテンツの規模感としてはこういうものを出しますけど、「皆さん無料で楽しんでください」とある種の大盤振る舞い的にいこうと(笑)。

今村一太氏:弊社のビジネスモデル的にもかなりチャレンジですよね(笑)。

藤重和博氏:これうまくいかないと次が大変ですから、うまくいかせたいですね(笑)。

──それだけ力を入れた拡張パックということですが、導入と同時に新シナリオ「赤壁大戦」も始まります。このシナリオにはどのような魅力があるのか教えてください。

今村一太氏:やはり、曹操、孫権、劉備という3人が覇を競い合う、まさに「三国志」!という華やかな時代背景そのものが魅力だと思います。またこれまでのシナリオは開始時に4勢力、5勢力といった設定になっていたのですが、今回初めて3勢力になります。3勢力になることで、より勢力への帰属感が強くなると思います。

 今までは、どうしても勢力の数が多いために、わりと他勢力に「転生」される方が多かったんですね。今回は個性ある3つの勢力となりますので、ひとつの勢力にずっと居付いて欲しいなと思っています。そこで今回、「転生」の方式を変えまして、一定期間以上ひとつの勢力でプレイしないと、他の勢力に「転生」できないというシステムを取ります。

藤重和博氏:拡張パックで導入される「無双盤」のご褒美として「転生」ができるという扱いですね。

──「無双盤」は1日1回、陣営内の武将からスタンプをもらって、やがてアイテムなどに交換してもらうというシステムですよね。「転生」ができるほど溜めるにはどれくらいの期間が必要になるのでしょうか。

今村一太氏:そうですね、まあ1カ月くらいという感じだと思います。ただ、まったくの初心者の方がとりあえず入ってみて、「違うな」と思ったときにはすぐ転生できるようになっています。「転生」の制限が掛かるのは一定の「義」を持つユーザーさんに対してとなっています。そうやって、ある程度レベルの高い人がひとつの陣営に居続けることで、その陣営に対する愛着をより持っていただいて、勢力の一致団結感、絆みたいなものがより深まればいいなと考えています。

──また今回、街でアイテムの生成ができる「錬成」というシステムが導入されました。これはどのような狙いがあるのでしょうか。

藤重和博氏:やはりお客様から「生産」にあたるシステムが欲しいという意見も頂いておりましたし、私達もそういったものを入れたいなと考えていましたので、そこは素直に楽しんでいただけるものを導入しました。いろんなアイテムや装備などを作れますので、ぜひ実際に戦闘で使って試していただいて、「これは使えるな」、「これは自分に合うぞ」とか、色々な研究をしていただけたら一番嬉しいですね。

──さらに今回、動物が副将になるというシステムもありますね。プレーヤーとはどのようにコミュニケーションするのでしょうか?

今村一太氏:音声としては、狼だと「ガウ、ガウ」という感じの鳴き声がするんですけれども、セリフのほうは「そういう感情でしゃべってるよ」というニュアンスで、人間の言葉が表示されます(笑)。動物を飼ってらっしゃる方だと、実際の動物の様子を見てなんとなく気持ちがわかることってありますよね。そういう感じで、メッセージとしてはわかりやすく伝わるようになっています。

──動物の副将は、主に「呉」のプレーヤーが喜ぶのではないかと思ったのですが、今後は、狼だけではなく、例えば虎とか、いろいろな動物が出てくると期待していいですか?

藤重和博氏:そうですね、そこはお客様のご想像を裏切らないような形で順次ご提供していくつもりです。

──他には、「激突」の新しい戦場として「連峰」という地形が導入されますが、これはどういったマップになっているのでしょうか?

今村一太氏:基本的には高い山脈をイメージしたマップで、その山脈を吊り橋など狭い足場で繋いでいるのが特徴です。全体的な移動も山道的な狭いところが多くなります。

──狭い道が多くなると、これまで以上にプレーヤー同士の直接対決が多くなりそうですね。

藤重和博氏:そうですね、そのあたりは新マップならではの違った遊び方ができる地形であると、お客様に捉えていただけるようなものをご提供したいと考えて制作しました。

──海外展開について、現状と今後の予定について教えてください。

藤重和博氏:海外は、今年1月に韓国でのサービスを始めさせていただきましたので、ひととおり中国、台湾、韓国といったアジアの主要地域でサービスを展開したことになります。これからはそこでもしっかりとコンテンツを提供して、市場を今まで以上に盛り上げていくというのが大事なことかなと思っています。ですので、それぞれの地域のパートナーさんと連携しながら、海外でもしっかりとアップデートを行なって、今回の拡張パックも展開していきたいと考えています。

──アジア主要地域でサービスが展開されているということで、今後、本作の世界大会のようなイベントも期待できますか?

藤重和博氏:そうですね、弊社としてもそういったものをやりたいと考えています。せっかく日本を含む4地域でサービスをしていますので、それぞれの地域の方がコンテンツを通じて触れ合う機会があれば面白いことですよね。そういう中で、世界大会のような形のイベントは、対戦コンテンツとして目指す形のひとつであると思っています。今後しかるべき時期を見極めて、それぞれの地域のパートナーさんとお話を進めていきたいと考えています。

──最後に、拡張パック「神将乱舞」を心待ちにしているユーザーの方、また、それを機に「真・三國無双 Online」をはじめるユーザーの方々に対してメッセージをお願いします。

今村一太氏:「神将乱舞」の開発がスタートしたのは1年以上前の話で、それからというもの紆余曲折あり、12対12の対戦が技術的に可能なのか?といった状況に陥ったことも1度ならずありました。そういったことを経て、この3月17日にいよいよユーザーの皆様に遊んでいただけるというのは本当に感無量です。

 そして今回、新シナリオの「赤壁大戦」を始めますので、これから初めて本作をプレイしていただくユーザーの方でも、充分に楽しんでいただけることと思います。また、これまでの取り組みで初心者でも遊びやすい仕様を組み込んで来ましたので、以前のバージョンで遊んでみて、ちょっと合わなかったというユーザーさんにも、これを機会にもういちどやっていただければ、必ずやご期待にそえられると思っています。ぜひ遊んでみてください。

藤重和博氏:「真・三國無双 Online」は、本当に長い間、沢山のユーザーの方々から支ええていただいて今があるというふうに思っています。やはりそのお客様を含めて、皆さんにとても楽しんでいただけるコンテンツが今回できましたので、是非、良い形でコンテンツに触れていただきたいと思います。正直、作るのは本当に大変だったので(笑)、是非楽しんで欲しいです。

──本日はありがとうございました。


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(2009年 3月 16日)

[Reported by 佐藤カフジ]