ガンホー、「『ラグナロクオンライン』ファン感謝祭2009」を開催
RJC2009の覇者は、手数で勝利をもぎ取ったGreensleeves!

5月23日開催

会場:ディファ有明



 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は5月23日、東京ディファ有明でMMORPG「ラグナロクオンライン」のオフラインイベント「『ラグナロクオンライン』ファン感謝祭2009」を開催した。

 今回のイベントでは、日本一のギルドを決めるトーナメント大会「Ragnarok ONLINE Japan Championship(RJC)2009」決勝トーナメントをメインに、ユーザーが参加するコスプレイベントやクイズ大会など様々なイベントが開催された。また、メモリアルパッケージや福袋が発売され、これらのグッズ目当てに朝からたくさんのファンが列をなした。

 会場では更に「ラグナロクオンライン Mobile Story」の試遊や、その他モバイルコンテンツの情報も発表された。こちらに関しては別稿で紹介していきたい。今回のイベントは、日本一を決めるトーナメント大会に対する注目や、コスプレイベントへの熱意など、改めてファンの「ラグナロクオンライン」への強い想いを感じたイベントだった。本稿ではこのイベントの模様をお伝えしていきたい。



■ 継続することでファンの期待を受け止め盛り上がるイベント。倉庫拡張などの今後の要素も発表

ガンホーグループCEOであり、ガンホー代表取締役CEOの森下一喜氏。会場に向けてRWCへの意気込みも語った
「ラグナロクオンライン」開発本部長のHong sang kil氏。ファンへの感謝の言葉を語りかけた
細かく、派手に作り込まれている衣装をまとったコスプレーヤー達。衣装から作品への想いが感じられる

 「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2009」はガンホーが毎年ユーザーに向けて行なっているファンイベントである。会場であるディファ有明にはユーザーがたくさんの行列を作る風景も恒例のものとなっているが、彼らが並んでいるのはイベントのための会場入りではなく、限定グッズを購入するために並んでいるのだ。

 イベントを見るためのユーザーはスムースにはいることができるが、グッズ購入希望者は外で長い行列に並ばなくてはならない。ガンホーのオフラインイベントは限定グッズの販売会という側面も大きいところがある。グッズの購入を楽しみに並んでいる人も多いのは事実であるが、ユーザーのためにもやはり販売会とイベントはわけた方が、いいのではないだろうか。

 イベントはガンホーグループCEOであり、ガンホー代表取締役CEOの森下一喜氏の挨拶で始まった。森下氏は「今回は、RJC2009の決勝トーナメントが開催されます。この戦いは11月に開催されるRagnarok Online World Championship 2009(RWC2009)へと続くものであり、私達も応援していきたいと思っています。こうして『ラグナロクオンライン』に対して熱い想いを持ってくれている多くのユーザーさんが集まっていただけるのは、毎年感謝しているし、驚かされます。オンラインゲームの素晴らしさというものを皆さんが証明してくださっていると思います。これからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします」と語った。

 さらにガンホーグループとして、ガンホーワークス代表取締役社長の大場規勝氏、Gravity代表理事社長大野俊郎氏、Gravity代表理事Kang yoon seok氏が挨拶を行なった。次に登壇したのはGravity「ラグナロクオンライン」開発チームの8人のメンバー。代表として開発本部長のHong sang kil氏が「私達の作品に大きな愛を注いでくれる皆様に会えて本当にうれしいです。これからも作品が毎日成長していく姿をお見せするために努力していきたいと思っています。RWCでも優秀な結果を残してくれることを期待しています」と語った。

 その後ステージでは、RJC2009の決勝トーナメントのほかに、様々な催し物が開催された。アーティストの瀬名さんによるRJC2009のイメージソング「Never End Wonderland」の歌唱、コスプレステージ、モバイル関連の発表、難問に来場者が挑戦する「ラグナロクオンライン検定」、そして同作の今後の予定が発表された。この他ブースの外でも協賛社の出展や、イラストコンテストの投票、実装が期待される3次職の映像が公開された。特に3次職に関しては黒山の人だかりだった。

 RJC2009のトーナメントでは会場一杯に観戦者が集まり、出場選手に盛んに声援を送っていた。予選に出場していたギルドの人達も多いようで、特定のチームに力を入れた応援をしている人達も多かった。1つの試合が終わると、解説する人などを中心に議論が持ち上がり、大きく盛り上がった。試合が白熱すると会場の声も大きくなり、ユーザー達の熱意が強く伝わってきた。

 コスプレステージもとても盛り上がった。キャラクターだけでなく、モンスターもたくさんいて、大きな武器を持ったり、親子で衣装を作ってきたり、セクシーな衣装に身をまとったりと、どの衣装もアクセサリーや持ち物まで、非常に細かく作られており、会場から拍手を浴びていた。コスプレーヤー達の気合いと、「ラグナロクオンライン」への想いが伝わってきた。

 「ラグナロクオンライン」の今後のアップデート計画を説明したのは本作の制作担当であり、ゲームサービス部一課の野呂彰氏。最初に説明されたのがEpisode8.0「Another World【異世界】」(仮)。新しいフィールドで、魔王モロクを追ったプレーヤー達がたどり着く世界だ。ベースレベル70以上のクエストに挑戦したプレーヤーがたどり着けるようになる場所で、寒冷地と緑豊かな大地が相反するように存在する不思議な世界だという。

 上級者向けのフィールドであり、強力なモンスターが多数登場する。クエストではモロクに関係した過去のNPCが登場する予定で、異世界を舞台にストーリーが進行する。新フィールドに合わせ多数のアイテムも登場する。角の生えた獣の頭蓋骨のような頭装備など、キャラクターの外見が変わるアイテムも登場するようである。

 会場が大きく盛り上がったのが、「倉庫の拡張」と、スペシャルアイテムによる髪型変更と服を染色できるという要素だ。倉庫の拡張に関しては大きな歓声が上がり、服の色の変更に関しても特に女性プレーヤーの反応が大きかった。

 この他にも、アップデート計画としてテスト内容を先行して体験できるSakrayRサーバーを2009年の夏から秋にかけて実施すること、RJC2009記念ラグくじとBitCashのセット販売などが発表された。

 さらに、RWCが11月1日にパシフィコ横浜で開催されることや、RWCに向けて、RJC2009決勝トーナメント参加ギルドと、準優勝を含むギルド計10ギルドによるリーグ戦によって日本代表ギルドを選出することが発表された。こちらの練習体制や、細かい対戦方法などは今後発表される予定だという。

 今回、イベントに参加してみて、特にRJCへのプレーヤーの意気込み、コスプレステージの熱意に驚かされた。参加プレーヤーは若い人が多く、次々と新しいプレーヤーが入ってきてゲームを盛り上げていると感じさせられた。

 RJC、コスプレの盛り上がりは、ガンホーが「毎年開催」しているからこそ、プレーヤー達は次の大会、次のイベントを考えて準備しているのだと思う。昨年はRJCのオフラインイベントこそなかったものの、今回の盛り上がりは、「継続」しているからこそ生まれているのだと感じた。とはいえ、長時間外で並ぶことになった物販や、コンクリートの床に座っての試合やイベント観戦など、ユーザーをもてなすという意味ではまだ課題が多いのも事実である。継続しているからこそ生まれるユーザーの熱意に応え、より一層快適に楽しめるイベントを期待したい。


ガンホーグループとして登壇した右より、ガンホーワークス代表取締役社長の大場規勝氏、森下氏、Gravity代表理事社長大野俊郎氏、Gravity代表理事Kang yoon seok氏Gravity「ラグナロクオンライン」開発チーム。会場で質問を募るなど会場でファンとチームが直接話す機会がないのは残念だったRJC2009のイメージソング「Never End Wonderland」など3曲を歌った瀬名さん。体全体で歌うパワフルな歌声だ
細かく作り込みんだ衣装を、とても楽しそうに披露するコスプレーヤー達。衣装のパーツ1つ1つから「ラグナロクオンライン」への熱い想いが感じられる
左から、3次職の映像を流していたモニター、イラストコンテスト、「ラグナロク検定」

【今後の新要素】
新要素を発表する制作担当であり、ゲームサービス部一課の野呂彰氏。Episode8.0はストーリー要素の強い、上級者向けコンテンツだという
反応が大きかった倉庫拡張と、服の色替え。RWCは11月1日にパシフィコ横浜で開催されることが発表された


■ RJC2009優勝は“手数”をテーマに、決められた役割と作戦をきちんと果たしたGreensleeves

試合の実況と解説を行なった4人。左からオンライン事業部サービス運営本部ゲームサービス部一課の満田健太郎氏、第一マーケティング部第一企画課の中村聡伸氏、ラグナロ娘の乾曜子さん、七園未梨さん

 今回の最大の目玉はなんと言ってもRJC2009である。128のギルドが参加した予選トーナメントを勝ち残った8つのギルドが頂点を競う。優勝候補を破って進出したチーム、トーナメントの常連、いつも惜しいところまで進んでいながらも敗れていたようなチームなど、どのチームにもドラマがある。

 試合の解説は第一マーケティング部第一企画課の中村聡伸氏と、オンライン事業部サービス運営本部ゲームサービス部一課の満田健太郎氏が行なった。中村氏は活躍する職業やマップによる戦術、使用しているスキルなど「ラグナロクオンライン」ならではの戦いの特色を資料として用意し、試合のセッティング時間などで来場者に向かって紹介していた。よりわかりやすくしていきたい、という中村氏の“啓蒙活動”は評価したいところだ。

 試合に出場するのはA~Hブロックを勝ち抜いた8ギルドである。Patissier、Penrir、☆★☆STAR DUST☆★☆、the Scarlet Luna、Hermodr、Greensleeves、Forza Diabolica、Dark Horseが決勝トーナメントに臨んだ。

 試合は10分間のセッティングを行ない、10分間で対戦を行なう。出場選手は7名、10分間で決着がつかない場合には生き残った人数が多い方が勝者となる。使用マップは予選の時と同じ4つのマップが使用されるが、その順番は明らかにされていない。第1試合から、「Penrir対Hermodr」、第2試合から「☆★☆STAR DUST☆★☆対the Scarlet Luna」そして決勝戦の「Greensleeves対the Scarlet Luna」を紹介していきたい。


試合の待ち時間には中村氏によって、試合の基本的な知識が紹介された。本作の対戦は初心者にわかりにくい部分がある。その裾野を広げようという活動は評価したい


Penrir対Hermodr

 決勝トーナメント第1回戦4試合目には、過去にも何度も決勝トーナメントに出場経験を持つPenrirと、昨年のRJC2008で4位となったHermodrという、知名度の非常に高いギルド同士のぶつかり合いになった。対戦会場は中央のフィールドが大きく取られ障害物のないマップBである。  試合はHermodrのチャンピオンが素早く移動するスキル「残影」でいち早く画面中央に突っ込む、という形で幕を開けた。チャンピオンの機動力に会場は沸くが、結果としてそれが仇となり仲間から離れてしまい、Hermodrのチャンピオンは孤立してしまう。Penrirはその隙を逃さずチャンピオンを撃破する。

 そのままPenrirが押し続けHermodrは防戦一方となる。Hermodrはねばり強い戦い方にも定評があるギルドということで、引きながら戦い戦線の立て直しも計るも、Penrirの攻撃は強力だった。プロフェッサー、ハイウィザードと撃破され、Hermodrは敗北、Penrirの勝利となった。


【Penrir対Hermodr】
知名度、実力共に高いギルドの戦い。Hermodrのチャンピオンが少し前に出てしまった隙を、Penrirが見逃さなかった


☆★☆STAR DUST☆★☆対the Scarlet Luna

 第1戦でForza Diabolicaを破った☆★☆STAR DUST☆★、そしてPatissierを破ったthe Scarlet Lunaがぶつかった2回戦第1試合。Patissierはコック帽と首に巻くスカーフでその名の通りの“菓子職人”を演出するユニフォームを用意していた。彼らを倒したthe Scarlet Lunaはそのユニフォームを引き継ぎ、スカーフを巻いた姿で登場した。

 第2試合の会場は中央フィールドが壁に囲まれているマップCで行なわれた。遠距離攻撃の得意なスナイパーが活躍しにくいマップだ。回り込むか中央突破かではっきりルートが違ってくるマップでもある。the Scarlet Lunaはクリエーターを入れたパーティーで臨んだ。

 スタートと同時に両者が中央を目指し、先に中央にたどり着いたのは☆★☆STAR DUST☆★のパラディンだったが、the Scarlet Lunaは一丸となって中央に押していく。そのままthe Scarlet Lunaの勢いは止まらず☆★☆STAR DUST☆★をぐいぐい押していく展開に。the Scarlet Lunaのメンバーはハイプリーストをのぞく6人が固まって前に進んでいった。

 そのままthe Scarlet Lunaは前進し守りの要である☆★☆STAR DUST☆★のパラディンを撃破、続いてthe Scarlet Lunaのチャンピオンの阿修羅覇凰拳で☆★☆STAR DUST☆★のプロフェッサーが沈む。☆★☆STAR DUST☆★は後退するが逃げ切れずハイプリーストも倒され、他メンバーも追いつめられた形で敗れた。


【☆★☆STAR DUST☆★☆対the Scarlet Luna】
結束力と連携の密接さを見せつけたthe Scarlet Luna。クリエイターが酸を投げつけるアシッドデモンストレーションでパラディンを狙うという作戦が当たり、☆★☆STAR DUST☆★の守りの要をいち早く撃破した


Greensleeves対the Scarlet Luna

優勝を果たしたGreensleeves。ステージで優勝の思いをかみしめていた
惜しくも2位となったthe Scarlet Luna。首に巻いているスカーフはPatissierが託したものだ
見事トーナメントを勝ち進んだGreensleeves。実力伯仲の白熱した試合展開だった

 決勝戦に進出したのはPenrirを破ったGreensleevesとthe Scarlet Lunaだ。Greensleevesがトーナメント第1戦から見せたのは「手数の多さ」である。威力は強力だが準備やバックアップが必要となるチャンピオンの阿修羅覇凰拳を他チームとは明らかに異なるレベルで連射してくるのだ。その分威力は低くなっているが、そのスピードは驚異的だ。

 これまでの試合は1試合のみだったが、決勝戦は3本勝負で2勝した方が勝ちとなる。対戦マップは中央が盛り上がっているマップDである。両チームが生む緊張感は会場にも伝わっていて、これまでの試合に比べ最初の声援なども少なく試合開始を待ち望んでいた。両者とも7人目のメンバーにチェイサーを入れた構成だ。

 一気に会場中央に突っ込んできたのはGreensleeves。the Scarlet Lunaは柱を隔て、距離を取ったところで魔法を撃ち牽制する。Greensleevesはチェイサーとハイウィザードのストームガストを撃ちながら会場中央から画面右へ、さらにthe Scarlet Lunaに肉迫する。しかしチェイサーが凍結させられ、攻め込みきれない。the Scarlet Lunaは見事な連携を見せてきちんと固まったままじりじりと後退し、体制を整える。

 画面半周分後退するthe Scarlet LunaをGreensleevesは再び中央の高いところに上るルートから迫るGreensleeves。the Scarlet Lunaはスタート地点の通路近くまで引いて迎撃する。Greensleevesのチェイサーがパーティーから離れ画面下側からストームガストを撃った隙を逃さずthe Scarlet Lunaは攻撃を集中するが、実はそれはGreensleevesの作戦だった。意識がチェイサーに集中した瞬間他のメンバーが突っ込み、集中攻撃を浴びせた。

 集中攻撃の前にthe Scarlet Lunaのクラウンが倒れる。あわてて後退するthe Scarlet Lunaだが、Greensleevesの追撃は止まらず続いてハイウィザードも倒されてしまう。続いてチェイサー、チャンピオンが倒されGreensleevesが勝利を手にした。Greensleevesのチェイサーが孤立し、ピンチかと思われた瞬間の攻撃に会場は大きく盛り上がった。

 第2戦は両者とも一気に中央を目指すという激しいぶつかり合いになった。the Scarlet Lunaの方はランダムで様々な効果をもたらすパラディンの支援スキル「ゴスペル」で良い結果が出たら突っ込むと話し合っていたという。凍結に対しての抵抗属性が付与されたため、前に出る作戦に出た。

 しかし、それでもGreensleevesの方が早かった。パラディンを先頭に突っ込んでくるGreensleevesに対してthe Scarlet Lunaも恐れることなく前に進む。一時はGreensleevesが押され中央を奪われるという事態に。そのまま至近距離での攻防が続くが、一瞬の隙をついてGreensleevesのチャンピオンが阿修羅覇凰拳を速いペースで打ち、the Scarlet Lunaのプロフェッサーが倒す。

 それでもthe Scarlet Lunaは前に出て攻撃するが、チャンピオンを倒されメンバーが各個撃破されていく。2戦目は早いタイミングで勝負がつく展開になった。2戦を先取したGreensleevesが見事日本一の座に輝き、会場からは拍手と歓声が沸き上がった。

 試合後、両チームにインタビューすることができた。the Scarlet Lunaはメンバーに社会人も多く、練習するためにメンバー全員がそろうのが難しかったという。運という部分も感じることがあったが、マップDでの中央での戦いになれていなかったという面もあったとのことだ。

 RWCに向けては練習用のフィールドを自分たちが所属するサーバーにも作ってもらい、もっと練習ができる環境を作って欲しい。また、練習する際には「倉庫」を作ってもらいたいという。ほんの一寸セッティングを替えたい、違う方法を試したいと言うときに、装備などすべて作り直さなくてはいけないため、ただでさえ期間限定の短い時間でしか練習ができないのに、準備にも時間がかかってしまうため、是非対処して欲しいと言うことだ。

 Greensleevesは2カ月前から毎日3時間近く練習し、各メンバーがこの決勝戦に向けて集中していたので、RWCに出るかどうかはまだ考えていないそうだ。Greensleevesは何度もRJCに挑戦していただけにメンバー全体が優勝をつかんだ全員が達成感をかみしめているように見えた。

 1番苦しかった戦いは予選第1戦だという。相手の独特の戦いにペースを乱され焦ったときもあった。今回優勝できたのは、「自分たちの決めた基本をきっちり守ること」ができたからだという。チャンピオンの阿修羅覇凰拳を早く撃つために各メンバーの連携を考え、手数をテーマにチーム全体の戦い方を組み立てていった。特に手数に関しては、自信があった。決勝戦ではいつも通りの戦い方ができたのが勝因だという。

 RWCでは試合に使うPCをもっとカスタマイズできないか、という提案が出た。マウスのスピードが違うなどやりにくさを感じた。世界大会では自分用のキーボードを持ち込む選手などもいる。どう対応するか考えなければいけないだろう。「今はうれしいし、疲れているから考えられないけど、もう少しすれば世界大会に向けての意識もできてくると思う」とGreensleevesのメンバー達は語る。筆者を含めたメディアもどうしても“世界大会”があるための質問を多くしてしまったが、まずはGreensleevesが日本一になったことを祝したい。


【決勝戦第1戦】
ほとんどの試合が短い時間で決着がつく決勝トーナメントの中で、両者が激しく位置を変えた1戦となった。the Scarlet Lunaは相手の攻撃に対応する様な動き方で戦っていたが、孤立したGreensleevesのチェイサーに集中使用とする隙をつかれ攻め込まれ、メンバーを失った。果敢に攻めるGreensleevesの動きが印象的だった
【決勝戦第2戦】
ゴスペルによる支援効果で中央に進もうとするthe Scarlet Lunaだが、それ以上にGreensleevesの動きが速かった。それでも必死に押し返し攻め込むthe Scarlet Luna。しかしGreensleevesの手数を活かした攻撃の前に敗れた


■ 森下氏のRWCへの意気込み。14カ国の選手、そして来場者に“すごいな”と言ってもらえるイベントを

前回のRWCで各国から日本での開催を希望されたという森下氏。RWCの日本開催は以前から望んでいただけに、どのようなイベントになるかは注目したい
今年のRJCは立たなくては会場に入りきらないほどの観戦希望者が詰めかけた。RWCの会場であるパシフィコ横浜は広い会場だが、快適に応援できる環境を希望したい

 イベント中に森下氏に今回のイベントや、RWCへの意気込みについてのインタビューを行なった。最初に、「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2009」のテーマについて、森下氏は「やはり、RWCの前の前哨戦としてのRJCという意味が大きかったです。開催国ならではの盛り上がりを見せたかった。ゲームで対戦イベントがどこまで広がっていくか、それは僕たちのチャレンジでもあります。今年は例年以上の盛り上がりが感じられました。イベントの主役は決勝戦まで勝ち進んだ選手達であり、それを応援する皆さんです。熱戦を繰り広げ、観客の皆さんは声を出して応援する、そういう場所を提供したいと思っています」と語った。

 一方で、限定グッズ販売会という性格を持ってしまっているという部分では、森下氏は「グッズを買いに来るユーザーの皆さんの楽しみにしているということに関して、それに応えたいと思っています。ただやはり、あくまでも今回のイベントの大きな目的は『RWCに繋がるRJC』というところです。グッズを買いに来るユーザーの皆さんに対して、ギルド決勝戦の面白さを伝えていきたい。会場の熱気と盛り上がりをより広いユーザーに広げていきたいと思っています。会場に来られないユーザーさんに向けてのことも考えていきたい」。

 日本で初開催となるRWCに関して、「去年はフィリピンで開催されましたがその時に、Gravityがガンホーグループの一員であることもあり、他の国のパブリッシャーからも日本開催へ強く期待していることを伝えられました。やはりコンテンツだけでなくサービス、しっかりしたイベントを提供できる国というところでの期待が高いと感じました。今回は14カ国が参加する予定です。ステージイベントなど様々な企画を予定しており、各国の選手と見に来てくれるユーザーさん達にとっても“すごいな”と感じてもらえるイベントにしたいです」。

 「そのためにも日本のユーザーさんと共に盛り上がっていただきたいと思っています。RJCからRWCへの日本代表選出も運営スタッフが様々な企画をしています。RWCに向けて、リーグ戦形式での選出戦を企画しています。えこひいきになってしまうかもしれませんが、やはり日本チームに勝って欲しいという気持ちがあります。スポーツマンシップにのっとったフェアな環境で熱い戦いを繰り広げて欲しいと思います。レセプションパーティーなど選手達が交流できる機会も作りたいです。1つの“ゲーム”で世界中のプレーヤーが集まるというイベントはそれほど多くありません。言葉のコミュニケーションはなくても、競い合うと言っても、交流できる、ということは素晴らしいことだと思っています」と森下氏は語った。

 最後に森下氏はユーザーへのメッセージとして、「日本のユーザーにとって、世界各国の強豪達の熱戦を間近に見ることができる初めての機会になります。日本の『ラグナロクオンライン』は世界的に見ても多くのユーザーを獲得しています。世界中のユーザーを盛り上げていくためにも、日本のユーザーの皆さんの力が必要なんです。是非楽しみにして、会場を訪れてください」と語った。

 今回、RJCの決勝戦を観戦していて感じたのはプレーヤーの戦いに対する興味の高さである。“国を背負う”気合いを見せて戦う他の国のプレーヤーの戦い方を見ることができるのは、日本の「ラグナロクオンライン」ユーザーにとってとても貴重で魅力的な機会となる。ガンホーがどのようなイベントを開催するのか楽しみだ。


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(C)2009 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

(2009年 5月 25日)

[Reported by 勝田哲也]