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「幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~」当時の資料と共に「『幻想水滸伝』が生まれた瞬間」を振り返る【TGS2024】

【幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~】

2025年3月6日 発売予定

価格:5,500円(通常版)

 コナミデジタルエンタテインメントは9月28日、プレイステーション 5|4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC用RPG「幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~」のステージイベントを配信。開発者の面々が登壇し、当時の制作資料を交えて制作時のエピソードが語られた。

 「幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~」は1995年にプレイステーションにて発売された「幻想水滸伝」と「幻想水滸伝II」をHDリマスター化したもの。グラフィックやサウンドを原作を基にリマスタリングしたほか、「幻想水滸伝」から「幻想水滸伝II」へのセーブデータの引継ぎも実装。バトルの倍速機能やUIの刷新等で今の時代も遊びやすい作品を目指したとのことだ。

 ステージでは本作のプロデューサーである内藤塁氏、IP&ゲームディレクターの崎山高博氏、ディレクターの大串達也氏、「幻想水滸伝」でキャラクターデザインを務めた河野純子氏がそれぞれ登壇。制作資料を交えつつ、当時のエピソードを語った。

【『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』TGS2024ステージ】
左から本作のプロデューサーである内藤塁氏、IP&ゲームディレクターの崎山高博氏、「幻想水滸伝I」でキャラクターデザインを務めた河野純子氏、ディレクターの大串達也氏
タイトル選択画面には「幻想水滸伝」、「幻想水滸伝II」が並び、どちらからでも遊べるようになっている

 HDリマスターのオファーを河野氏にした際の状況について聞かれた崎山氏は「30年前に当時の制作者の方が作り上げた『幻想水滸伝』を、もう一度楽しみたいと期待してくださっている原作ファンの皆さまの思い出補正を上回ること、『幻想水滸伝』を知らないゲームファンに興味を持って頂くにはまず絵の力が必要だと思い、まず全ての背景をイラストで描き直しました。ただ、キャラクターをリマスターするには河野さんにお任せするしかないということで、オープニングに登場するキャラクターのイラストだけではなく、会話中に表示される130枚以上の顔グラフィックス等も全て書き下ろしていただきました」と話した。

 それに対し河野氏はオファーを受け「やっと書き直すチャンスをいただけたかもしれない」、「今回はタッチなどは基と近づけるようにしましたが、当時スケジュールの関係で直したい部分も多くなっていたので、これを機会に直せてよかったです」。HDリマスターの際に苦労したことについては、「当時のものを超えられるのかという葛藤がありました。『令和版』として前のものも愛しつつ、今回のものも愛していただけると嬉しいです」と語った。

オリジナル版とHDリマスター版のグラフィックス

 また、TGSにて「幻想水滸伝が生まれた瞬間」をテーマに展示されている当時の開発資料について、内藤氏は「リマスターにあたり、『幻想水滸伝』の基礎になる部分を作るうえでも再確認したい、それを世界中にいるファンに伝えていきたい、見せたいと思い今回この展示になった」とし、崎山氏は「当時の資料はデジタルなデータだけではなく、アナログの資料やイラストの原画といったものが段ボール何十箱と保管されています。今回展示するのはそのごく一部ですが、『幻想水滸伝』が生まれる瞬間を見ていただき、このタイトルが何故30年も皆さんの心を揺さぶり、語り継がれてきたのかということを感じていただきたいと思いました」と語った。

 当時の制作環境について聞かれた河野氏は「何を話しても今もコンプラ違反になるようなことが多いですが、同期が多かったので忌憚のない意見を投げ合う、喧嘩のような現場でした」。「ちょっとヘマすると『この役立たず!』と毎日言われるような現場でした(笑)」と当時を振り返った。

開発者のアイデアがびっしりと書かれた「始まり」の制作資料。こうした資料をスタッフで回し、アイデアを書き足しながら制作が進められたという

 HDリマスターをどんな人たちに遊んで欲しいか聞かれ河野氏は、「当時遊んでいただいた方はもちろん、30年経っているので、次の世代・次の次の世代にも遊んで欲しいです」と、崎山氏は「親子で楽しんでいただくとか、お子様に布教していただき、本作の世界を広げていく礎になればと思います」

 最後に大串氏が「大切な作品をリマスターとしてお届けするために、様々な検討を重ねて力を尽くしました」と、内藤氏が「HDリマスターを第一歩にしたい。できれば『次のステップ』を踏み出したいと思っているので、是非リマスターをよろしくお願いします」とステージを締めくくった。