【特別企画】

シリーズを網羅した名曲の数々を生演奏!「幻想水滸伝 30th Anniversary Orchestra Concert」レポート

「幻想水滸伝」の30周年を記念したオーケストラコンサートが開催

【幻想水滸伝 30th Anniversary Orchestra Concert】
12月16日 開催
会場:東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアル

 Metroberryは12月16日、東京都新宿区西新宿にある東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアルで、指揮者・松村秀明氏とグランドフィルハーモニック東京によるオーケストラコンサート「幻想水滸伝 30th Anniversary Orchestra Concert」を開催した。

 ちょうど今から30年前の1995年12月15日に、初代「幻想水滸伝」がプレイステーションで発売されている。タイトルにもあるように、今回のオーケストラコンサートはそちらを記念して行われたものだ。ちなみに、今年の5月にも、「幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争」で使われた楽曲をメインとしたコンサートが開催されていたが、今回は初期の作品を含むナンバリングタイトルを全網羅しているほか、最新作である「幻想水滸伝 STAR LEAP」の楽曲も演奏された。

入場開始直後の様子。女性客も目立っていたが、中には海外から訪れたファンの姿もちらほら見られた

 今回会場となった東京オペラシティ コンサートホールは、普段からオーケストラのコンサートが開催されているということもあり、どこか落ち着いた雰囲気の場所となっていた。開場は17時半からだったのだが、その30分程前に会場に着いたときには、すでに多くの人が入場を待ちながら列を作っていた。

 会場内のロビーに入ると、入り口付近にチラシが入れられたクリアファイルが配られていたほか、公演パンフレットやCDなどが購入できる物販コーナーも用意されていた。その合間に大きな花束が飾られており、こちらも訪れたファンの多くが写真を撮っている様子が見られた。

 本稿では、オーケストラコンサート「幻想水滸伝 30th Anniversary Orchestra Concert」の様子をお届けする。本コンサートはYouTubeでも配信されたので、もしご興味のある方はあわせてご覧いただきたい。

【幻想水滸伝Live 30th Anniversary 2025.12.16 | KONAMI】
入り口付近で配布されていたクリアファイル。中には舞台と展覧会のチラシがはさまれていた
こちらは物販コーナーだ。開場後は多くの人で賑わっていた
物販でも購入できるようになっていたが、SSS席の特典として公演パンフレットが手渡しされていた
パネルなどの展示物はほとんどなかったため、こちらがちょっとしたフォトスポットとなっていた

シリーズ作品を網羅したオーバーチュアーでコンサートは幕開け!

 5月に行われたオーケストラコンサートに引き続き、今回も演奏を披露したのは2018年に国内外で活躍するトップレベルの演奏家や新進気鋭の若手が集結して結成された楽団のグランドフィルハーモニック東京だ。指揮者も前回に引き続き、数々の楽団を指揮してきた松村秀明氏が担当している。

 コンサートのセットリストは全部で9曲だが、これは特定の曲をひたすら演奏していくというスタイルではなく、それぞれの作品やテーマに合わせて複数の楽曲を繋いだメドレー方式となっていた。そのオープニングに演奏されたのが、「Overture『幻想水滸伝 30th Anniversary』」である。

待ちに待ったコンサートがついに始まった

 ステージ上のライトが落とされた後、シリーズのファンにとって馴染みの深いメロディが流れ出す。この冒頭に演奏されたオーバーチュアーは、コンサートの幕開けにふさわしいナンバーであった。選ばれた楽曲も「幻想水滸伝」の「失われた日々」から始まり、「幻想水滸伝IV」の「シーサイド・スプリング」、「幻想水滸伝V」の「大河を駆ける」、「幻想水滸伝」の「美しき黄金の都」、「幻想水滸伝II」の「回想」、「幻想水滸伝III」の「丘から吹く風」、「幻想水滸伝」の「幻想の世界へ」といったナンバリングタイトルの楽曲のメドレーになっており、コンサート全体のいいところを集めたような構成になっていた。

演奏が始まった途端、それまでの日常から一気に「幻想水滸伝」の世界観へと引き込まれていった

 続いて演奏されたのは、「幻想水滸伝IV」をメインにした「『幻想水滸伝IV』ハイライト『罰の紋章』」だ。こちらは小気味いい弦楽器の音が鳴り響く中、作中と同じように、これから冒険に出かけていくような気分が味わえる楽曲が次々と披露されていく。

 メドレーもゲーム同様ドラマチックな楽曲順で構成されていたところも印象的だ。「出航」から始まり、「戦闘」、「丘をのぼって」、「輝ける海よ!空よ!」、「宿命の対決」、「罰の紋章」といった楽曲がシームレスに演奏されていくため、サウンドを聴いているだけでひと通り冒険を味わったかのような満足感が味わえた。

2曲目に演奏されたのは、「幻想水滸伝IV」をメインにしたメドレーだ

演奏に合わせてゲームの名シーンもステージ上に流される絶妙な演出

 単純にシリーズのナンバリングタイトルを順番に演奏していくというわけではなく、少しひねりを加えたプログラムになっていたのもユニークだ。だが、それよりも感心させられたのはオーケストラの楽団が演奏している上部に大きなスクリーンが設置されており、楽曲の演奏に合わせてそちらでゲーム中の場面も同時に流されていたことであった。

 とくにゲームを何度もプレイしてきたファンにとっては、楽曲と合わせてその場面も深く心に残っていることがあるが、まさにその感動が迫力のある生オーケストラの演奏と共に蘇るという仕掛けになっていたのである。

演奏に合わせてゲームシーンも同時にスクリーンで見られる演出になっていた

 続いて3曲目に演奏されたのは「幻想水滸伝V」のメドレー曲「『幻想水滸伝V』ハイライト『太陽の紋章』」だ。「幻想水滸伝」シリーズの曲はいずれもそうなのだが、すんなりと心に馴染むだけではなく、なぜか冒険心も合わせて盛り上げてくれるような曲が多い。

 また、時には難敵と対峙するような場面もあり、そうした場面にふさわしい楽曲も耳にすることができる。このメドレーでは、「ふたつの守護紋章」、「遥かなる旅路」、「強大な敵」、「絶望と希望」、「大河と太陽」、「闇に哭する光」、「108の星々がつむぐ物語の果てに」といった壮大なナンバーが次々と演奏されていった。

3曲目に披露されたのは「幻想水滸伝V」のメドレー曲だ

シリーズ最新作「幻想水滸伝 STAR LEAP」の楽曲も生演奏

 今回のオーケストラコンサートは前半と後半の2部構成で行われていたが、特に前半部分のハイライトともいえるのがシリーズ最新作であるAndroid/iOS/Steam用RPG「幻想水滸伝 STAR LEAP」からの楽曲が披露されたところだ。今回は、その中から、「芽吹きの広野」、「苦難を越えて」、「静寂の郷」、「栄えし大樹の郷」、「行軍、星のもとに」、「戦旗を掲げよ!」の6曲が演奏された。

 ゲーム自体はまだリリース前ではあるが、映像に合わせて楽曲が演奏されていくのを観ているだけで、すでにゲームを体験しているかのような気分が味わえた。何はともあれ、ゲームの雰囲気がひと足先にコンサートという形で体験できたのは嬉しいポイントである。

最新作「幻想水滸伝 STAR LEAP」が映像に合わせて演奏されていった

 コンサート前半の最後に演奏されたのは、「Rhapsody for Battle Remix Ver.2」と題された楽曲だ。こちらは「幻想水滸伝」シリーズのナンバリングタイトルの中から、主にバトルの場面で流れる楽曲に焦点を当てたメドレーである。これまではどちらかというとアコースティックを主体としたナンバーが多かったが、このバトル曲ではエレキギターの激しいサウンドを含む、ロックテイスト溢れる曲も多数含まれていた。

 こちらで取り上げられた楽曲は、「幻想水滸伝」の「魔物たちとの対決」から始まり、「幻想水滸伝III」の「煌めく刃」、「幻想水滸伝IV」の「華麗なる大剣使い」、「幻想水滸伝III」の「突然の戦い」、「幻想水滸伝V」の「舞踏狂詩曲」、「幻想水滸伝II」の「Mad Luca」、「幻想水滸伝II」の「Gothic Neclord」といった7つの曲で構成されていた。

バトル楽曲だけのメドレーというのもなかなか 聴きごたえがある

後半はシリーズの原点である「幻想水滸伝」の楽曲からスタート

 20分程度の休憩をはさんで後半のコンサートがスタート。後半はうって変わってシリーズ1作目の「幻想水滸伝」から「幻想水滸伝III」までの曲が順番に演奏されていくといったプログラムになっていた。この後半のオープニングで披露されたのが、「幻想水滸伝」の「『幻想水滸伝I』ハイライト『ソウルイーター』」だ。

休憩明けの後半はシリーズ1作目の楽曲からの演奏となった

 特にシリーズ1作目は思い入れが強いという人も多いだろうが、この中で演奏された楽曲も「失われた日々」から始まり、「Penpe」、「緊迫のテーマ~インパクト編」、「悲しみのテーマ~アンサンブル編」、「出陣のテーマ」、「感動のテーマ」、「幻想の世界へ」、「最強の敵」、「緊迫のテーマ~Tama-dator」、「Avertuneiro Antes Lance Mao~戦いは終わった~」といった名曲の数々であった。さらに、演奏の途中からスペシャルゲストの高橋由美子氏も加わり、力強い歌声を披露していた。

知ってる場面も多く、スクリーンの映像にもついつい見入ってしまう
スペシャルゲストの高橋由美子氏がボーカルで参加。第2幕1曲目「『幻想水滸伝I』ハイライト『ソウルイーター』」の最後に演奏された「Avertuneiro Antes Lance Mao〜戦いは終わった〜」と東野美紀(ピアノ)と一緒に演奏された第2幕2曲目「『幻想水滸伝II』より 『オープニングBGM』〜『回想』」の2曲を歌った

 後半の2曲目に演奏されたのは、「幻想水滸伝II」からピックアップされた楽曲の「『幻想水滸伝II』より 『オープニングBGM』~『回想』」だ。こちらの演奏では、先ほどの高橋氏に続き、2人目のスペシャルゲストとしてピアノで東野美紀氏が参加。東野氏といえば、「幻想水滸伝」や「幻想水滸伝II」のほか、「グラディウス」や「沙羅曼蛇」、「ときめきメモリアル」などKONAMIを代表するゲームの楽曲を手掛けてきた作曲家として有名だが、前回のコンサートに続き今回も自身の楽曲をピアノの演奏で披露していた。

ピアノ静かなメロディをフィーチャーした楽曲も含まれていた
楽曲演奏後、ステージ前方で挨拶するスペシャルゲストの高橋由美子氏(写真中央)と東野美紀氏(写真右)

 スペシャルゲスト陣がステージ前方で挨拶した後も、「幻想水滸伝II」の楽曲演奏が続く。こちらは「過ぎた日々」から始まり、「回想~ストリングスバージョン~」、「怒りの鉄拳」、「悲しみのレクイエム」、「迷宮~PENPE2」、「対決の時」、「銀狼」、「Chant~あなたと出会い生をうけ、あなたを失い死を知った~」、「彼方の星」、「エンディングマーチ~我らは常にいつならん(108人のその後)~Coda」、「勝利(スタッフロールBGM)」までの、なんと11曲もの楽曲をつないだ壮大なメドレーとなっていた。

11曲ものメドレーは圧巻だった

最後のプログラムは2楽章制で「幻想水滸伝III」の楽曲を披露

 今回のコンサートの最後のプログラムとして演奏されたのが、「幻想水滸伝III」からのメドレー曲「『幻想水滸伝III』ハイライト『真なる五行の紋章』」だ。こちらは、これまで演奏されてきた曲とは少し異なり、第一楽章と第二楽章にわけて演奏が行われた。

 メインともいえる第一楽章で演奏されたのは、「丘から吹く風」、「旅立ち」、「騎士の誇り」、「ビネ・デル・ゼクセ」、「大空洞」、「火花を散らして」、「明るい農村」、「かつての英雄を求めて」といった8曲から構成されたメドレーだ。

「幻想水滸伝III」の楽曲は演奏の内容も濃厚であった

 また、第二楽章では、「帚星の行方」から始まり「円の宮殿」、「交錯した思い」、「最後の勝負」、「おだやかな日々へ」といった5曲で構成されたメドレーが演奏され、ひとまず予定されていた全てのプログラムの演奏が終了となった。

第二楽章の演奏が終わり、予定されていたプログラムは終了となった

 当然のことながら、これだけでは終わらないのもコンサートの醍醐味のひとつである。観客席からの大きな拍手が鳴り止まない中、アンコールの演奏が行われる。こちらでは、先ほどとはうって変わって白い衣装に着替えた東野美紀氏が再びピアノで演奏に参加。「幻想水滸伝」の楽曲を短めにアレンジした演奏を披露していた。

白い衣装に着替えた東野美紀氏がアンコールで参加

 それに続き、東野氏のピアノで始まる「メインテーマ」のメロディが静かに流れ出す。そこに少しオーケストラが演奏に加わっていき、徐々に演奏のボルテージも上がっていった。そこからスクリーン上にエンドクレジットが流れ出し、オーケストラの演奏終了と共に全てのプログラムが無事終了となった。

エンドクレジットには演者たちの名前も表示されていた

 全体としては約2時間半ほどの演奏であったが、今回は取り上げられていたタイトルの数も多く、メドレーという形式ではあったもののかなりの数の楽曲が聴けた素晴らしいコンサートであった。なかなかオーケストラの演奏を生で聴く機会はないが、今回会場に行けなかった人も次回、機会があればぜひとも参加してほしいと思わせるものであったことは間違いない。

演奏終了後、編曲を担当した海沼みきな氏(写真左)、湖東ひとみ氏(左から2番目)、庄司燦氏(写真中央)も加わり、挨拶が行われた