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ASUS、ノートPC2023春夏モデルは有機ELを本格投入!台湾で実機を触ってきた
厚さ10.9mm、重さ1kgの13.3型「Zenbook S 13 OLED」に注目
2023年4月24日 18:38
- 【ASUSノートPC 2023春夏モデル】
- 4月21日 発表
ASUS JAPANは、4月21日、2023春夏モデルノートPCを発表した。今回発表された製品は、全部で31製品74モデルにもなり、非常に充実したラインアップを誇る。発表に先駆け、ASUSの台湾本社で、記者向けの説明会やタッチ&トライが開催された。ゲーミングノートPCについてはすでに発表されているため、今回発表された31製品は、主にクリエイター向けや一般ユーザー向けとなるが、高性能GPUを搭載した製品や2.8K表示の13.3型OLED搭載で重さ1kgを実現した薄型軽量モバイルノートPCなど、魅力的な製品が多数発表された。まずは、新製品に関する情報をまとめて紹介する。
台湾本社での発表会にはASUS会長も登壇
台湾のASUS本社で開催された発表会では、最初にASUS創業メンバーの一人であり、現会長のジョニー・シー氏が登場し、「ASUSは、ユーザーに力を与える楽しいデジタル体験を創造するために、たゆまぬ努力を続けている。自分たちの技術がお客様やユーザーの力になるためにはどうすればいいのか、常に考えてきた。OLED(有機ELディスプレイ)は、その答えのひとつであり、テレワークでもプライベートでも、デスクトップの前で長時間過ごさなければいけないという現状に対応するためだ。私たちの使命は、超薄型で軽量なだけでなく、持続可能でパワフル、かつポータブルな機能を備えたデバイスをユーザーに提供することであり、その成果を見てほしい」と挨拶した。
厚さ10.9mm、重さ1kgを実現した13.3型OLED搭載モバイルノートPC「Zenbook S 13 OLED」
今回発表された31機種の中で、ASUSが最も時間を割いて紹介していたのが13.3型OLED搭載モバイルノートPC「Zenbook S 13 OLED」である。Zenbookは、ASUSのプレミアムノートブランドであり、これまでも薄く軽い高性能モバイルノートを投入してきたが、Zenbook S 13 OLEDはその集大成ともいえる製品だ。
Zenbook S 13 OLEDは、厚さ10.9mm(最薄部)、重さ1kgの薄型軽量モバイルノートPCであり、2,880×1,800ドット表示のOLEDを搭載していることが特長だ。第13世代Core i7またはCore i5と16GBメモリを搭載するなど基本性能も高い。また、薄くてもUSB Type-AやHDMI端子やThunderbolt 4対応のType-C端子を2つ備えるなど、インターフェースも豊富で、使い勝手も優れている。最長約14.1時間の連続駆動が可能で、価格は15万9,800円からとなる。
クリエイター向けのプレミアムノートPC「Zenbook Pro」も登場
クリエイター向けノートPCとして、NVIDIAのRTX 40シリーズGPUを搭載した「Zenbook Pro 14 OLED」と「Zenbook Pro 16X OLED」、「Zenbook Pro 14 Duo」が発表された。Zenbook Pro 14 OLEDは、14.5型OLED搭載のクリエイター向けノートPCであり、タッチパッドの左上に「ASUS DialPad」を搭載していることが特長だ。DialPadは指でなぞって回すような操作が可能で、Adobeのクリエイター向けソフトなどで利用できる。CPUは第13世代Core i9/i7で、GPUとしてGeForce RTX 4070 Laptop/4060 Laptopを搭載する。価格は24万9,800円からである。
Zenbook Pro 16X OLEDは、16型OLED搭載のクリエイター向けノートPCで、3,200×1,800ドットという高解像度OLEDを採用する。CPUは第13世代Core i9-13905Hで、GPUとしてGeForce RTX 4080 Laptopを搭載する。ASUSの製品で初めて、操作に反応を返す触覚タッチパッドを採用。キーボードはチルト式で、画面を開くと奥側がせり上がり、キーボード面が約7度手前に傾くため、長時間使っても疲れにくい。また、タッチパッドとは別にDialPadも備えている。価格は59万9,800円である。
Zenbook Pro 14 Duoは、2つのディスプレイを備えたユニークなノートPCで、CPUとしてCore i9-13900Hを、GPUとしてGeForce RTX 4060 LaptopまたはGeForce RTX 4050 Laptopを搭載する。メインディスプレイは14.5型OLEDで解像度は2,880×1,800ドット、セカンドディスプレイは12.7型TFT液晶で解像度は2,880×864ドットである。どちらもタッチパネルを搭載しており、さまざまな使い方が考えられる。価格は39万9,800円からである。
他にも魅力的な「Zenbook」シリーズの新製品が登場
その他にも「Zenbook」シリーズの新製品が多数発表された。
「Zenbook 15 OLED」は、15.6型薄型軽量ノートPCで、ボディカラーが2色用意されており、ポンダーブルーはOLED搭載、バサルトグレーは液晶搭載となる。CPUとしてRyzen 7 7735Uを搭載しており、価格は16万9,800円とコストパフォーマンスが高い。14.5型OLED搭載の薄型軽量ノートPC「Zenbook 14X OLED」は、Core i9-13900HまたはCore i5-13500Hを搭載したパワフルなマシンで、タッチパッドをテンキーとして利用可能なNumberPadを搭載する。価格は14万9,800円からで、こちらもリーズナブルな価格を実現している。
「Zenbook 14 Flip OLED」は、14型OLED搭載のコンバーチブルノートPCで、OLEDを360度回転させることが可能であり、ノートパソコンスタイル、テントスタイル、スタンドスタイル、タブレットスタイルの4種類のスタイルを使い分けることができる。インテルEvo準拠のCore i7-1360Pを搭載し、タッチスクリーン対応の2.8K表示OLEDを搭載。オプションのASUS Pen 2.0を利用することで、4,096段階の筆圧検知対応ペン入力も可能だ。価格は17万9,800円である。
なお、今回発表された新製品ではないが、折り曲げることができる17.3型タブレット型PC「Zenbook 17 Fold OLED」も展示されていた。
メインストリーム向けの「Vivobook」シリーズも多数登場
コストパフォーマンスや使い勝手を重視したメインストリーム向け製品が「Vivobook」シリーズである。今回の発表会でも「Vivobook」シリーズの製品が多数発表された。
まず、「Vivobook」シリーズの中でも、単体GPUを搭載しクリエイティブ作業やゲームにも向いたシリーズである「Vivobook Pro」シリーズとして、「Vivobook Pro 16X OLED」が登場。CPUとして、Core i9-13980HXまたはCore i7-13650HXを搭載し、GeForce RTX 4070 Laptopを搭載した高性能ノートPCである。3,200×2,000ドット表示対応の16型OLED(リフレッシュレート120Hz)または2,560×1,600ドット表示対応の16型TFT液晶を搭載。後者はゲーミングノートPCとしても十分なスペックである。価格はCore i7/TFT液晶モデルが24万5,999円、Core i9/OLEDモデルが32万9,800円である。「Vivobook Pro 16」は、16型TFT液晶搭載ノートPCで、CPUとしてCore i9-13900Hを、GPUとしてGeForce RTX 4060 Laptopを搭載する。液晶の解像度は2,560×1,600ドットで、リフレッシュレートは120Hzである。価格は21万9,800円で、スペックを考えるとコストパフォーマンスは高い。「Vivobook Pro 15 OLED」は、15.6型OLED搭載ノートPCで、CPUとしてCore i9-13900Hを、GPUとしてGeForce RTX 4060 Laptopを搭載する。OLEDの解像度は2,880×1,620ドットである。価格は21万9,800円で、こちらもコストパフォーマンスは優秀だ。
「Vivobook Pro」よりもカジュアルなユーザー向けの「Vivobook X」シリーズとして、14型TFT液晶搭載ノートPC「Vivobook 14X」が登場する。CPUとしてCore i9-13900HまたはCore i5-13500Hを搭載、GPUはGeForce RTX 3050 Laptopを搭載。重量は1.5kgと軽く、価格はCore i5モデルが17万9,800円、Core i9モデルが20万9,800円である。15.6型TFT液晶搭載ノートPC「Vivobook 15X」は、単体GPUは搭載しておらず、CPUはCore i3-1215UからCore i7-1360Pまでさまざまなモデルが用意されている。価格は9万9,800円からと手頃だ。16型TFT液晶搭載ノートPC「Vivobook 16X」も、CPUやGPUが異なるさまざまなモデルが用意されており、一番安いモデルは9万9,800円となる。
エントリーからミドルレンジまで幅広いユーザー向けの「Vivobook」シリーズとして、14型TFT液晶搭載ノートPC「Vivobook 14」が登場。CPUはCore i5-1335U/Core i7-1355U/Core i9-13900Hの3種類を搭載したモデルが用意されており、価格は10万9800円からとなる。また、15型OLED搭載ノートPC「Vivobook 15 OLED」は、CPUとしてCore i9-13900HまたはCore i7-1355Uを搭載し、価格は12万9,800円からとなる。16型TFT液晶搭載ノートPC「Vivobook 16」も、CPUとしてCore i9-13900HまたはCore i7-1355Uを搭載し、価格は10万9800円からとなる。さらに、17.3型という大型液晶を搭載したノートPC「Vivobook 17」も登場。CPUとしてCore i5-1335Uを搭載し、価格は12万9,800円からだ。
また、画面を360度回転させることが可能なコンバーチブル型2in1ノートPC「Vivobook S 14 Flip」も登場。タッチスクリーンを備えた14型TFT液晶を搭載しており、用途に応じてノートパソコンスタイル、スタンドスタイル、テントスタイル、タブレットスタイルの4種類のスタイルを使い分けることができる。また、オプションのASUS Pen 2.0を使うことで、4,096段階の筆圧検知対応ペン入力も利用できる。CPUはRyzen 7 7730Uで、価格は12万9,800円である。13.3型OLED搭載のスレート型2in1ノートPC「Vivobook 13 Slate OLED」は、取り外し可能なデタッチャブルキーボードが付属しており、ノートPCとしてもタブレットとしても利用できる。4,096段階の筆圧検知に対応したASUS Pen 2.0が付属しており、ペンでの入力が可能だ。CPUとしてCore i3-N300を搭載し、価格は11万9,800円からだ。
また、エントリー向けの「Vivobook Go」シリーズとしては、14型TFT液晶搭載ノートPC「Vivobook Go 14」が登場する。CPUとしてRyzen 5 7250Uを搭載し、7万4,800円からという魅力的な価格を実現。また、15.6型OLED搭載ノートPC「Vivobook Go 15 OLED」と15.6型TFT液晶搭載ノートPC「Vivobook Go 15」も登場する。CPUはともにRyzen 5 7520Uで、OLED搭載モデルの価格は8万9,800円、TFT液晶搭載モデルの価格は7万4,800円からとなる。
プロクリエイター向けの「ProArt Studiobook」シリーズも2機種登場
さらに、プロクリエイター向けノートPC「ProArt Studio」シリーズの製品も2製品登場した。16型OLED搭載の「ProArt Stduio Pro 16 OLED」と「ProArt Studiobook 16 OLED」の2モデルであり、共にCPUとしてCore i9-13980HXを搭載する。メモリは前者(Pro)が64GB、後者が32GBで、前者はGPUとしてCAD向けの認証済みドライバが利用できるRTX 3000 Ada Laptopを、後者はGeForce RTX 4070 Laptopを搭載する。OLEDの解像度は3,200×2,000ドットで、タッチパネルも搭載する。ASUS Dialと呼ばれるダイヤルスイッチを搭載しており、Adobe製ソフトなどで機能を回して選び、押し込んで決定することができる。価格は共に49万9,800円であり、前者は主に3D CAD用、後者は4K/8K動画の編集などに向いた製品である。
OLEDへのシフトがより鮮明に
今回発表された新製品は、実に31製品74モデルにもなるが、その約半数の製品がOLEDを搭載していることに注目したい。もともと、ASUSは他社に先駆けてOLEDをノートPCに採用してきた実績があるが、ここ数年、全体に占めるOLED搭載機の割合を着実に増やしており、OLEDへのシフトがより鮮明になっている。OLEDは多くの利点があり、同社の製品を選ぶ大きな理由ともなっている。今回、比較的低価格な製品にもOLED搭載機が増えたことは、OLED搭載ノートPCに興味を持っている人には朗報であろう。実際に店頭などでその表示品位の高さをチェックしてみることをおすすめする。
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