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「現状は1カ月程度の遅れ」。「FFXIV」、パッチ5.3の開発状況を吉田Pが解説

24人レイドをテレワーク環境下でテストする! 前代未聞のチャレンジに挑戦中

4月24日配信

 スクウェア・エニックスは、プレイステーション 4/Windows/Mac用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ(以下、FFXIV)」の最新情報を伝える「第58回FFXIVプロデューサーレターLIVE」を4月24日に放送した。配信の冒頭で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全スタッフがテレワークの状況下にある中、現在の開発状況を吉田氏が説明したのでまとめてお伝えしたい。なお、「パッチ5.3」の実装時期は明示されなかったものの、7月以降になる見込み。

 パッチ5.3は、もともとは予定通り6月中旬のリリース予定だった。開発の進行度自体は現時点で7割を超えており、いわゆるPDチェックという吉田氏による全コンテンツチェックと、難易度調整をしていくというタイミングで完全在宅勤務へと移行した。世界中でロックダウンがかかっているが、ドイツやイギリスの声優も自宅からの収録をを行ない、全言語のボイス収録はなんとか実装完了しているという。

 開発チームは個人で起動できるローカルサーバーを持っており、開発しているものはまずそのローカルサーバーで最低限のバグチェックをしてから、開発全体が使っているサーバーへ実装するという手順を踏んでいる。ただ、日本はこれまで仕事は職場でするものという社会通念があり、「FFXIV」でも外部からのアクセスをシャットダウンすることで開発のセキュリティを維持してきた。そのため、例えば吉田氏が自分のPCを家に持ち帰ってインターネット経由で会社のサーバーに繋ごうとしても繋ぐことができないという。

 開発に使っている各種ツールも、一度サーバーでの認証を経てから起動しているので、家からでは使うことができない。そのため初動では、自宅の個人環境では個人サーバーを起動することができなかった。そこから2週間が経ち、現在は家からでもサーバーに接続できる環境が整ってきており、現在会社のPCを持ち帰って自宅に開発環境を構築するという作業の終盤に差し掛かっているところだそうだ。

 だがまだ2つの大きなハードルがある。AKという全体で使う巨大サーバーに接続することに障害がある。特に社内の高速回線で行なっていた作業を、個人の自宅ネット環境で行なうことでかかる時間は想像想像が付かないという。現在は、更新回数を減らすなど、どうすれば外部環境から仕事ができるかをテストしている。

 2つめは、家に巨大な開発用のPCを置くスペースがあるのか、家の電圧は開発環境に耐えるのかなど、個人の環境に対する懸念だ。これについてはスタッフ個人と話あいながら、「一つずつ丁寧に解消していこうと思っている」と吉田氏。全体としてはかなり復旧が進んでいるが、まだすべてが解決できているわけではないという状況だ。

 環境の整備を考えると開発のスケジュールは「確実に1カ月延びてる」というのが吉田氏の現在の印象だ。ここからのワークフローも予測はできないが、1つずつ問題をつぶしていくしかないと語った。吉田氏が一例として挙げたのは、24人レイドのバランスチェック。これまで社内で実施してきたが、これをテレワークでやらなければならない。前代未聞の取り組みとなるが、「張り切っているスタッフもたくさんいるので、頑張ってリリースに向けて努力を続けます」と吉田氏。今後の進捗は、適宜ブログやテキストでお知らせしていくということだ。